JPS63241351A - 超音波パルスの反射波処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は被測定物に超音波パルスを投射し、被測定物中
の境界面や被測定物中に含まれる異物や欠陥などから反
射される超音波反射波を処理する方法に関するものであ
る。

（従来の技術） 例えばタイヤ製造においては、スチールコードプライな
どのようなタイヤ構成部材の厚さや欠陥などを非破壊で
検査することがしばしば望まれる。

このような非破壊検査法の一つとして超音波を用いるも
のがある。例えばスチールコードをゴムシートに埋設し
たスチールコードプライにおいて一方の表面からスチー
ルコードまでのゴム層の厚さを測定する場合、スチール
コードプライの一方の表面から超音波パルスを投射し、
スチールコードで反射される超音波反射波を取出すこと
が行なわれている。しかし、超音波反射波には、被測定
面からの超音波反射波の他に、被測定物の表面からの反
射波や裏面からの反射波などの超音波反射波も含まれて
いるので被測定面からの反射波だけを正確に抽出するこ
とが非常に困難となる場合が多い。一般に超音波トラン
スジューサの受信波を増幅または増幅・検波し、この信
号を成るスレシュホールドレベルで２値化することによ
り被測定面からの超音波反射波を抽出している。ここで
超音波反射波を抽出するということは、超音波反射波の
受信時刻を特定するために必要であり、このように受信
時刻を求めることにより、被測定物体中の音速がわかっ
ているため、被測定物表面から被測定面までの距離（厚
さや深さ）を知ることができる。

例えば特開昭４９−６０５５６号公報には、所謂ＡＧＣ
（Ａｕｔｏｍａｔｉｃ　Ｇａ１ｎ　Ｃｏｎｔｒｏｌ）を
用いて反射波を表わす信号の振幅を一定にすることによ
り超音波反射波の抽出精度を上げる方法が開示されてい
る。また、特開昭４６−４５２５４号公報には、成る繰
り返し周期毎に受信波を重ね合わせることによりランダ
ムノイズ成分を相対的に減少させ、Ｓ／Ｎを上げる方法
が開示されている。

（発明が解決しようとする問題点） 上述した従来の超音波反射波処理方法においては、いず
れも最終的には信号のレベルのみに基いて所定の反射波
の抽出を行なっている。したがって抽出したい反射波の
レベルがノイズレベルよりも低い場合には抽出が不可能
となる。また、超音波反射波には上述したようにランダ
ムなノイズだけでなく、例えば被測定物の表面からの反
射波や被測定物中の被測定面以外からの反射波も含まれ
るので、抽出したい反射波のレベルが他の反射波のレベ
ルよりも低くなることは十分にあり得るため、一定レベ
ル以上の反射波を以って抽出すべき反射波とすることは
できない。

また、例えば被測定物の厚さが非常に薄い場合、被測定
物の表面と被測定面との距離が短くなり、被測定面から
の反射波が被測定物の表面からの反射波と重畳するよう
になり、従来の方法では被測定面からの反射波を抽出す
ることができない欠点があった。

本発明の目的は上述した従来の欠点を除去し、被測定面
からの反射波のレベルがノイズや他の不所望な反射波の
レベルよりも低い場合や被測定面からの反射波が他の部
分からの反射波と重畳するような場合でも、被測定面か
らの反射波を正確に抽出することができる方法を提供し
ようとするものである。

（問題点を解決するための手段および作用）本発明によ
る超音波パルスの反射波処理方法の基本的概念を第１図
に示す。被測定物１は第１の部材ＩＡと、これとは音響
インピーダンスの異なる第２の部材ＩＢとの複合構造を
有するものとし、第１および第２の部材ｌＡおよびＩＢ
の境界面ｌＣを被測定面とし、これからの反射波を抽出
して第１部材１人の厚さを測定する場合を例にとって説
明する。

先ず、材質が被測定物の第１部材６Ａと同じ材質より成
り、厚みが十分に厚く、したがって有意な被測定面を持
たない擬似試料２を製作し、その表面２Ａから超音波ト
ランスジューサ３によって超音波パルスを入射させ、そ
の反射波を信号処理回路４で処理して１尋られる第１の
信号を記憶回路５に記憶する。この第１の信号は擬似試
料２の表面からの反射波と、擬似試料内部からの反射波
を含むものとなる。

次に、被測定物１と同一の材質、形状および構造を有す
る標準試料６を用意し、その第１部材６Ａの表面から超
音波パルスを入射させ、その反射波を信号処理回路４に
通した後、第２記憶回路７に記憶する。この第２信号の
反射波は、標準試料６の表面６Ｄからの反射波と、第１
部材６への内部からの反射波と、第１部材６八と第２部
材６Ｂとの境界面６Ｃ（被測定面に相当する）からの反
射波と、第２部材６Ｂの内部からの反射波と、第２部材
の裏面６Ｂからの反射波とを含んでいる。これらの反射
波の内、被測定面に対応する第１部材６Ａと第２部材６
Ｂとの境界面６Ｃからの反射波形のみを抽出し、これを
第２記憶回路７に記憶する。

次に被測定物１に超音波トランスジューサ３から超音波
パルスを入射させ、その反射波を信号処理回路４を経て
第３の記憶回路８に供給して記憶する。この第３記憶回
路８に記憶される第３の信号によって表わされる超音波
反射波は、被測定物１の表面ＩＯからの反射波と、第１
部材ＩＡの内部からの反射波と、第１部材と第２部材Ｉ
Ｂとの境界面である被測定面ＩＣからの反射波と、第２
部材ＩＢの内部からの反射波と、第２部材の裏面ＩＥか
らの反射波とを含むものである。

次に、減算回路９において、第３記憶回路８に記憶して
いる被測定物１からの反射波を表わす第３の信号と、第
１記憶回路５に記憶している擬似試料２からの反射波を
表わす第１の信号との差を表わす第４の信号を作り、こ
れを第４の記憶回路１０に記憶する。勿論、このような
差分を求める際には両信号の時間軸を合わせて減算を行
なう。したがって信号処理回路４においては超音波トラ
ンスジューサ３からの信号を増幅し、一定の周期でサン
プリングしてデジタル信号に変換するような処理を行な
う。

次に、第４の記憶回路１０に記憶した第４の信号と、第
２記憶回路７に記憶した、標準試料６の、被測定面に相
当する境界面６Ｃからの反射波を表わす第２の信号とを
相関回路１１に供給して両信号の相互相関度を表わす相
関関数を求める。この相関関数は、被測定物１の被測定
面ＩＣからの反射波においてピーク値を取るので、この
相関関数のピーク位置を検出することにより、被測定面
ＩＣの位置を知ることができる。したがって、この相関
回路１１から出力される相関関数を表わす第５の信号を
信号処理回路１２に供給し、ここで第５信号のピーク位
置を検出することにより被測定面ＩＣの位置に関する情
報を得るこ°とができる。

本発明においては、被測定物Ｉからの反射波を表わす第
３信号から、擬似試料２からの反射波を表わす第１信号
を減することにより第１部材１人の表面１０、第２部材
ＩＢの裏面ＩＥおよび第１部材の内部からの反射波を相
殺除去することができるとともにこの減算の結果中ずる
スパイク性のノイズや他のノイズは相関回路１１におい
て、減算の結果として得られる第４信号と、標準試料６
の境界面６Ｃからの反射波の波形を表わす第２信号との
相関をとることにより除去することができ、したがって
被測定物１の被測定面ＩＣの位置、すなわち第１部材Ｉ
Ａの厚さをノイズその地被測定面以外より発生する反射
波に妨害されることなく正確に求めることができる。

（実施例） 第２図は本発明による超音波パルスの反射波処理方法を
実施する装置の一例を示す回路図である。

高周波パルスを発生する発信部２１からの高周波パルス
をサーキュレータ２２を介してトランスジューサ２３に
供給し、超音波パルスに変換する。トランスジューサ２
３から発生される超音波パルスは超音波伝播媒質２４を
経て被検物体２５に入射させる。

本例では被検物体２５は２層のゴムシート２５Ａ、　２
５Ｂより成る複合体であり、これらゴムシートの音響イ
ンピーダンスは相違しているものである。被測定物２５
０表面２５０や２層のゴムシートの境界面２５Ｃや、ゴ
ムシートの内部で反射される超音波反射波をトランスジ
ューサ２３で受信し、再び電気信号に変換し、サーキュ
レータ２２を経て受信部２６に供給する。受信部２６で
は増幅または増幅・検波を行なう。この信号をさらにＡ
／Ｄ変換器２７に供給してデジタル信号に変換し、これ
を演算処理部２８に供給する。この演算処理部２８は第
１図に示した第１〜第４の記憶回路５．７．８および１
０．減算回路９゜相関回路１１および信号処理回路１２
の機能を果すものであり、主としてメモリとコンピユー
タで構成されている。

先ず、第３図Ａに示すように材質はゴムシート２５への
材質と同じで、厚さが十分に厚く、したがって裏面から
の反射を殆んど無視することができる擬似試料２９を造
りこの擬似試料に超音波パルスを入射させ、その反射波
を表わす第１電気信号を演算処理部２８に記憶する。こ
の第１電気信号は、例えば第４図Ａに示すように送信部
２１から直接伝送されて来る送信パルス部Ｔ、と、擬似
試料２９の表面２９Ａからの反射波Ｓ６　と、擬似試料
の内部からの反射波Ｎ６　とを含んでいる。

次に、第３図已に示すように、被測定物２５と同一の材
質、形状、構造を有する標準試料３０に超音波パルスを
入射させる。この標準試料３０は、被測定物２５を構成
する第１および第２のゴムシート２５Ａおよび２５Ｂと
同一の材質より成り、かつ内部に欠陥がなく、しかも標
準の厚さを有する第１および第２のゴムシート３０Ａお
よび３０Ｂより構成する。

したがって、このような標準試料３０からの反射波の内
、被測定物２５の測定面２５Ｃに対応する第１および第
２のゴムシート３０Ａおよび３０Ｂの境界面３０Ｃがら
の反射波のみを抽出することができ、これを演算処理部
２８に記憶する。第４図Ｂは、このような標準試料３０
の境界面３０Ｃからの反射波を表わす第２の信号を示す
ものである。

次に、被測定物２５に超音波パルスを入射させ、その反
射波を記憶する。第４図Ｃは、被測定物からの反射波を
表わす第３の電気信号を示すものであり、この反射波は
送信部２１から直接供給される送信パルス部Ｔｂ＋　　
被測定物２５の表面２５Ｄからの反射波Ｓｂ　、第１ゴ
ムシート２５への内部からの反射波Ｎｂ　、被測定面２
５Ｃからの反射波Ｍおよび被測定物の裏面２５１Ｅから
の反射波Ｂ、を含むものである。このような被測定物２
５からの反射波を表わす第３の信号も演算処理部２８に
記憶する。

次に、演算処理部２８において、被測定物２５からの反
射波を表わす第３の信号から、擬似試料２９からの反射
波を表わす第１の信号を、時間軸を合わせて減算を行な
い、第４図りに示すような減算結果を表わす第４の信号
を作り、これを記憶する。

この第４の信号においては、送信部２１から直接伝送さ
れて来る送信パルス部Ｔｃ（”’ｒｂ−’ｒａ）　、被
測定物２５の表面２５０からの反射波５ｃ（＝Ｓｂ−ｓ
、）　、第１ゴムシー）、２５Ａの内部からの反射波Ｎ
。（＝Ｎｂ−Ｎ、）は大部分相殺除去され、スパイク状
のノイズと、被測定面２５Ｃからの反射波Ｍと、被測定
物の裏面２５Ｂからの反射波ｅｃ（＝ａｂ）が残ること
になる。

次に、上述したようにして得られた第４の信号と、予じ
め記憶しである第２の信号（第４図Ｂ）との相互相関を
求めると、第４図Ｅに示すように被測定面２５Ｃにおい
てピーク値を示す第５の信号が得られる。したがって、
この第５の信号のピーク位置を求めることにより、被測
定面２５［の位置、したがって第１ゴムシート２５Ａの
厚さを知ることができる。

本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、幾
多の変更や変形を加えることができる。

例えば上述した実施例では被測定物として音響インピー
ダンスが異なる第１および第２のゴムシートの複合体と
し、第１ゴムシートの厚さを求めるものとしたが、被測
定物中に存在する可能性のある欠陥や異物の検出やこれ
ら欠陥や異物の位置などを求めることができる。例えば
ゴムシート中に混入される気泡や、異種ゴムまたは他の
物質などの異物を検出することもできる。このような場
合には、検出すべき気泡や異物からの反射波の波形を特
徴的に表わす波形を有する第２信号を予じめ抽出若しく
は作成して記憶しておき、これらの第２信号と第４信号
との相関を逐次求めることにより気泡や異物の有無の検
出およびその位置の特定を行なうことができる。

また、上述した実施例では送信部から直接伝送される送
信パルスおよび被測定物の表面からの反射波をも相殺除
去するようにしたが、これらのパルスおよび反射波は、
送信開始時からの時間ゲートをかけることによって除去
することも可能である。その場合には、第１信号は擬似
試料の内部からの反射波を表わすものでよい。

（発明の効果） 上述した本発明によれば、被測定物と同一材質であるが
被測定面を持たない擬似試料からの反射波を表わす第１
の信号を、被測定物からの反射波を表わす第３の信号か
ら減算することにより、被測定物中の、被測定面よりト
ランスジューサ側で反射される反射波の影響を消去する
ことができ、またこの減算により生ずるスパイク性のノ
イズは、標準試料の被測定面に対応する面からの反射波
を表わす第２の信号と、上述した減算の結果得られる第
４の信号との相互相関をとることにより除去することが
できる。したがって種々のノイズおよび不所望な反射波
に影響されることなく、目的とする被測定面からの反射
波を正確に抽出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による超音波パルスの反射波処理方法の
基本的構成を示す概念図、 第２図は本発明による反射波処理方法を実施する装置の
構成を示すブロック図、 第３図ＡおよびＢは擬似試料および標準試料の構成を示
す図、 第４図Ａ−Ｄは抽出動作を示す信号波形図である。 １・・・被測定物　　　　　ＩＣ・・・被測定面２・・
・擬似試料　　　　　３・・・トランスジューサ４・・
・信号処理回路　　　５・・・第１記憶回路６・・・標
準試料　　　　　７・・・第２記憶回路８・・・第３記
憶回路　　　９・・・減算回路１０・・・第４記憶回路
　　　１１・・・相関回路１２・・・信号処理回路　　
　２１・・・送信部２２・・・サーキュレータ　　２３
・・・トランスジューサ２４・・・超音波伝播媒質　　
２５・・・被測定物２５Ｃ・・・被測定面　　　　２６
・・・受信部２７・・・Ｄ／Ａ変換器　　　　２８・・
・演算処理部２９・・・擬似試料　　　　　３０・・・
標準試料特許出願人　株式会社　ブリヂストン 第２図 第３図 Ａ　　　　　　　　７３ 第４図 ＡＪＸ 手　　続　　補　　正　　書（方式） ％式％ １、事件の表示 昭和６１年特許願第２６６６５３号 ２、発明の名称 超音波パルスの反射波処理方法 ３、補正をする者 事件との関係　　特許出願人 （５２７）　　株式会社ブリデス　トン４、代理人 １、明細書第１５頁第１０〜１１行を次の通りに訂正す
る。 「　第４図Ａ−Ｅ図は抽出動作を示す信号波形図である
。」

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、被測定物に超音波パルスを入射させ、被測定物の内
   部境界面、被測定物中に含まれる異物や欠陥などの被測
   定面から反射される特定の超音波反射波を処理するに当
   たり、 被測定物と同一材質であるが被測定面を持 たない擬似試料からの反射波を表わす第１の信号を記憶
   し、 被測定対象とする内部境界面や、物体中に 含まれる異物や欠陥などの境界面より反射される反射波
   形を表わす第２の信号を記憶し、被測定物からの反射波
   を表わす第３の信号 を記憶し、 前記第１の信号と第３の信号との差を表わ す第４の信号を求め、 この第４の信号と前記第２の信号との相関 関数を表わす第５の信号を求め、 この相関関数を表わす第５の信号から被測 定物の被測定面からの反射波に関する情報を抽出するこ
   とを特徴とする超音波パルスの反射波処理方法。