JPS632395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自転車用変速操作装置、詳しくは、自
転車のフレームに固定する固定部材から突出する
レバー軸に操作レバーを回転自由に支持し、該レ
バーの回転による動きを変速機に伝達して所定の
変速段位に切換えるごとくした変速操作装置に関
する。

従来、此種変速操作装置として、操作レバーと
該レバーを支持する固定部材との一方に複数個の
係合部を設け、他方に、該係合部の一つに係合す
るボールなどの係止体を支持して、該係止体をば
ねにより前記係合部側に付勢し、この係止体の前
記係合部への係合により変速段位を決定すると同
時に、その変速段位に相当する位置に前記レバー
を停止させるようにしたものが知られている。

所が、以上の如く構成した従来の変速操作装置
は、操作レバーのボス部側方に、前記係止体と係
合部とから成る係合機構を設けていたから、この
係合機構の一部、特に前記係止体を付勢するばね
の保持ケースが外部に大きく突出し、全体が大型
化するばかりか、前記係止体の保持構造が複雑
で、組立性が悪く、コスト高となる問題があつた
し、又、前記位置決め機構の前記突出部に運転者
の手足などが接触して負傷したり或いは衣服が引
掛かつて破けたりする危険性が高かつたのであ
る。

本考案は以上の点に鑑み考案したもので、目的
は、操作レバーを支持する固定部材を利用し、こ
の固定部材にばね孔を設けて、前記係合機構の外
部への突出をなくすると共に、前記係合機構の係
止体と係合部とのうち、弾性的に保持する方の保
持構造を簡素化できるようにする点にある。

しかして本考案の構成は、自転車におけるフレ
ームの上下方向の面に固定する台座と、この台座
に固定する固定部材と、この固定部材に、該固定
部材から横方向に突出するレバー軸を介して回転
自由に支持する操作レバーとを備え、前記固定部
材に、上下方向に延びる頭付固定ボルトの保持孔
と前記台座を受入れる空洞とを設けて、該保持孔
に挿嵌する前記ボルトにより固定部材を前記空洞
に受入れる前記台座に固定する如く成す一方、前
記固定部材に前記レバー軸と同方向に延び、前記
レバーのボス部に対向する側面で開放するばね孔
を、前記保持孔の回避位置に設けて、該ばね孔に
ばねを内蔵し、係止体と係合部とから成る係合機
構の一方を前記ばねを介して前記ばね孔に弾性的
に保持し、前記レバーのボス部に、前記係合機構
の他方を設けたことにより、係合機構の外部への
突出をなくし、係止体と係合部とのうち、弾性的
に保持する方の保持構造を簡素化できるようにし
たのである。

以下本考案装置の一実施例を図面に基づいて説
明する。

図示した変速操作装置は、自転車におけるフレ
ームの上下方向の面に固定する台座を受入れる空
洞を設けるべく、内部を中空とし、底面を開放し
た箱状固定部材１の一側にレバー軸２を突設し
て、該レバー軸２に、一端にボス部３ａをもち、
他端に操作部３ｂをもつ操作レバー３の前記ボス
部３ａを回転自由に支持すると共に、前記固定部
材１の上壁に、前記レバー軸２と直交する方向に
延びる頭付固定ボルト４の保持孔１１を設けて、
前記固定部材１を、前記台座を空洞部に受入れな
がら自転車フレームに載置し、前記保持孔１１に
挿嵌する前記ボルト４を、自転車のフレームに直
付けする前記台座を構成するねじ筒１０に螺合す
ることにより、前記固定部材１を前記フレームに
固定するごとくしたものである。尚、前記操作レ
バー３は、そのボス部３ａ中心に設ける軸孔３１
部分をフランジ付スリーブ５を介して前記レバー
軸２に回転自由に嵌合するのであつて、前記スリ
ーブ５の外側端面に座金を介して貫通孔をもつ円
板状の上蓋６を配置し、該上蓋６を前記レバー軸
２に回転不能に支持して、前記上蓋６に挿嵌する
締付ねじ７を前記レバー軸２の中心に設けるねじ
孔２１に螺合することにより、前記レバー３に所
定の回転抵抗を付与するのである。

しかして前記固定部材１に、前記レバー軸２と
同方向に延び、前記レバー３のボス部３ａに対向
する側面で開放するばね孔１２を、前記保持孔１
１の回避位置に設けて、該ばね孔１２に、係止体
８１と複数の係合部８２とから成る係合機構の前
記係止体８１を、ばね８３とホルダー８４とを介
して弾性的に保持すると共に、前記レバー３のボ
ス部３ａ内側端面に環状凹入部３２を設けて、前
記係合部８２をもつた係合板８０を設け、前記係
止体８１の係合部８２への係合により変速段位を
決定すると同時に、その変速段位に相当する位置
に前記レバー３を停止させるように構成したもの
である。

前記ばね孔１２は、固定部材１のデツド部分に
設けるのであつて、例えば第３図に示す如く固定
部材１の中空内部を一部分だけ肉盛して、該肉盛
部分に形成するのである。

又、前記係合機構の係止体８１は、ロール、ボ
ールなどの転動体を用いるのであるが、転動体以
外の形状に形成してもよい。又、この係止体８１
を弾性的に保持するばね８３は、主としてコイル
スプリングを用いるのである。

又、前記係合部８２は、前記係合板８０に設け
る貫通孔により形成するのであるが、その他凹状
に形成してもよい。又、この係合部８２は、前記
ボス部３ａに直接設けてもよいが、図示した如く
前記ボス部３ａに保持する係合板８０に設けるの
が好ましい。図示した係合板８０は、リング状に
形成して、前記係合部８２を周方向に列設してい
る。又、前記係合板８０と前記ボス部３ａとの一
方にはストツパー８５を、他方には該ストツパー
８５と係合する当り面（図示せず）を設けて、前
記係合板８０の前記ボス部３ａに対する回転を阻
止している。

尚、前記係合機構は１組設けるのであるが、２
組設けてもよい。

又、前記操作レバー３のボス部３ａには、操作
ワイヤを巻取る巻取溝３３と、前記ワイヤの一端
に固定される掛止体を受入れて掛止する係止孔３
４とを設けている。

本考案は以上の如く構成するもので、既知の通
り操作レバー３と変速機（図示せず）の可動部材
とを操作ワイヤにより連結して、前記レバー３の
回転操作により前記可動部材を移動させて所定の
変速段位に変速するのである。

しかして前記レバー３の回転により、今まで一
つの係合部８２に係合していた係止体８１が、ば
ね８３の力に抗して前記係合部８２から退出移動
し、そしてこの係止体８１が、前記係合部８２と
該係合部に隣接する次位の係合部との間の山部を
乗り越えると同時に、ばね８３の力により次位の
係合部に係合し、この係合により、前記操作レバ
ー３の操作位置は維持される。

尚、以上説明した実施例では、固定部材１に設
けるばね孔１２に、係合機構の係止体８１を弾性
的に保持し、操作レバー３のボス部３ａに係合機
構の係合部８２を設けたが、その反対であつても
よい。

この場合、例えば第５，６図に示す如く固定部
材１に設けるばね孔１２を、前記保持孔１１に対
し振分けて２つ設けて、これらばね孔１２，１２
の開放口を円弧状凹入部で連通すると共に、前記
係合部８２をもつた係合板８０を第７図の如く略
Ｃ字状に形成して、前記凹入部に配置し、２つの
ばね８３，８３を介して前記ばね孔１２，１２の
開放口に弾性的に保持する一方、前記ボス部３ａ
に凹状保持部３５を設けて、前記係止体８１を保
持するのである。尚、この係止体８１は前記ボス
部３ａと一体に形成してもよい。

又、前記係合機構として、一つの係止体８１と
複数の係合部８２とをもつた機構を用いたが、そ
の他複数の係止体と一つの係合部をもつた機構を
用いてもよい。

以上の如く本考案は、固定部材に空洞部を設け
て、自転車におけるフレームの上下方向の面に固
定する台座を受入れ、しかも前記固定部材から横
方向に突出するレバー軸に操作レバーを回転自由
に支持し、しかも、前記固定部材に前記レバー軸
と同方向に延びるばね孔を設けて、該ばね孔にば
ねを内蔵して、係合機構の外部への突出をなくし
たのであるから、固定部材からフレームの横方向
への突出長さを少なくすることができ、しかも固
定部材にばね孔を設けるのであるから、ばね孔を
長くすることができて、品質的にバラつきの少な
い長いばねを使用でき、しかも、ばねの組付けを
容易に行なうことができるのである。

更に前記係合機構の係止体と係合部のうち弾性
的に保持する方を、前記ばねを介して前記ばね孔
に保持するのであるから、前記ばねの組付けの容
易さと相俟つて、変速操作装置の組立性を向上で
き、コストダウンを行なうことができるのであ
る。従つて、位置決めできる割にコンパクトにな
つて、運転者の手足又は衣服の変速操作装置との
干渉を少なくして、手足の負傷及び衣服の破れを
完全になくすることができながら、コストダウン
を可能にするのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例を示す一部切欠
正面図、第２図は第１図−線断面図、第３図
は第２図−線断面図、第４図は係合機構の係
合部を設けた係合板の正面図、第５図乃至第７図
は別の実施例を示すもので、第５図は一部を省略
した切欠正面図、第６図は第５図−線断面
図、第７図は係合板のみの正面図である。 １……固定部材、１１……保持孔、１２……ば
ね孔、２……レバー軸、３……操作レバー、３ａ
……ボス部、４……固定ボルト、８１……係止
体、８２……係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自転車におけるフレームの上下方向の面に固定
   する台座と、この台座に固定する固定部材と、こ
   の固定部材に、該固定部材から横方向に突出する
   レバー軸を介して回転自由に支持する操作レバー
   とを備え、前記固定部材に、上下方向に延びる頭
   付固定ボルトの保持孔と前記台座を受入れる空洞
   とを設けて、該保持孔に挿嵌する前記ボルトによ
   り固定部材を前記空洞に受入れる前記台座に固定
   するごとく成す一方、前記固定部材に前記レバー
   軸と同方向に延び、前記レバーのボス部に対向す
   る側面で開放するばね孔を、前記保持孔の回避位
   置に設けて、該ばね孔にばねを内蔵し、係止体と
   係合部とから成る係合機構の一方を前記ばねを介
   して前記ばね孔に弾性的に保持し、前記レバーの
   ボス部に、前記係合機構の他方を設けたことを特
   徴とする自転車用変速操作装置。