JPS6323283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案はストレツチ包装機に関する。より詳し
くは改良されたヒートシーラーを有する自動パレ
ツトストレツチ包装機に関する。

〔従来技術〕

パレツト上に積載した積荷の周囲にプラスチツ
クフイルムを張力をかけながら巻き付け、巻き付
けたフイルムの引張り弾性を利用して積荷を固定
し、荷くずれを防止する手法は、いわゆるパレツ
ト・ストレツチ包装として知られ、近年広く利用
されている。

パレツト・ストレツチ包装においては、積荷の
高さとほぼ同じ幅のフイルムを積荷の周囲に巻き
付けるいわゆる「フルウエツプ式」及び細幅のフ
イルムをスパイラル状に積荷の周囲に巻き付ける
「スパイラル式」が一般化されている。

更に、パレツト・ストレツチ包装に使用される
フイルムとしては、非粘着性のものと粘着性のも
のとがあり、前者を使用する場合には、積荷の周
囲にフイルムを巻き付けた後、フイルムを切断
し、その端部を既に積荷の周囲に巻き付けられた
フイルムの表面にヒートシールして固定するが、
後者の場合には、ヒートシールによらず、フイル
ム面同志を密着させ、フイルム自体がもつ粘着性
を利用して加熱せずに固定するのが普通である。

ところで、例えばパレツト上に裸のガラス瓶等
を中敷板紙等を介して、数段積上げ、これをスト
レツチ包装するような場合、粘着性フイルムを用
いると、フイルムがガラス瓶に軽く粘着して、到
着地で包装を解くため、フイルムを切断すると、
切断されたフイルムが急激に縮んで、これと軽く
粘着しているガラス瓶等の列がくづれ、瓶がパレ
ツトから落ちて破損するという事故がしばしば起
るので、このような用途には非粘着性フイルムが
好んで用いられている。

一方、自動パレツトストレツチ包装機（以下、
単にストレツチ包装機という）に関しては、これ
までに例えば 「設定された回数だけ回転した後に設定された
位置で自動的に停止する回転テーブル、ベースフ
レーム上に該回転テーブルと独立して設けた架柱
及び該架柱に沿つて設定されたストロークの範囲
で上昇した後に下降しかつ上昇と下降の速度を
別々に設定できるフイルム昇降フレームを備えた
ストレツチ包装装置において、該回転テーブルの
一側面に、該回転テーブルの停止時には該回転テ
ーブルの上面より突出するように閉じてフイルム
端部を挾持し、該回転テーブルの回転時には設定
されたタイミングで該回転テーブルの上面より突
出しないように開いてフイルム端部を開放するグ
リツパーを設け、かつベースフレーム上に該回転
テーブルと対向して設けられ、該回転テーブルの
停止直後に被包装物の側面に接触しうる揺動半径
で揺動してフイルムを被包装物に添わせると共に
該フイルムの一部を該グリツパーが挾持する位置
まで移動するフイルム押えローラー及び該フイル
ム押えローラーより遅れより小さい揺動半径で揺
動して該フイルム押えローラーとグリツパーとの
間で該グリツパーに挾持されたフイルムを切断す
るカツターを設けたスパイラル式パレツト・スト
レツチ包装装置。」 が提案されている（実開昭57−95302号公報参
照）。

又、同公報には、「非粘着性フイルムを使用す
る場合、フイルム押えローラーにヒートシーラー
を付随させ、自動的にフイルムの巻き端しをすで
に被包装物に巻きつけたフイルムの上に加熱圧着
させて、巻きつけたフイルムがほぐれないように
固定すること」も開示されている。

第１図は上記公報の第５図に示されているスト
レツチ包装機の斜視図、第２図は同公報の第６図
に示されている非粘着性フイルムを使用する場
合、フイルムの巻き端しをヒートシールして固定
できるよう、ヒートシーラーを組込んだフイルム
押えローラー部の斜視図であり、図中、１はベー
スフレーム、２は回転テーブル、３はフイルムロ
ール、３′はフイルム、４はフイルム昇降フレー
ム、５は架柱、７は被包装物、８はグリツパー、
９はフイルム押えローラー、１０はカツター、１
４はブレーキ装置、１５はブレーキローラー、１
６は電磁ブレーキ、１７はガイドローラ、１８は
押え装置、１９は押え板昇降用アーム、２０は巻
上げ装置、２１は押え板、２２はリミツトスイツ
チ、２３はローラーコンベアー、２４は搬入コン
ベアー、２４′はガイド、２５は搬出コンベアー、
２６はヒートシーラーを示す。

しかしながら、ストレツチ包装は前述のよう
に、フイルムの引張り弾性を利用して、積荷を固
定し、荷くずれを防止するものであり、従つて、
フイルム３′は張力をかけられた状態で被包装物
７の周囲に巻きつけられているため、これをヒー
トシールするとき、フイルム３′は張力をかけら
れた状態で軟化するので、よほど注意して、ヒー
トシーラーの温度、ヒートシーラーをフイルムに
当接する時間及び圧力を加減しないと、シール個
所でフイルムが破れてしまい、特に自動装置で行
う場合、該装置が適切なヒートシール温度、ヒー
トシール時間及び加圧に設定されていても、被包
装物の表面は決して平坦ではないから、どの個所
も適切な条件でヒートシールされるわけではな
く、例え、第２図の装置のようにヒートシールを
断続線状で行う場合であつても、フイルムの引張
り方向と直角の方向にシール線が延びていると、
シール線からのフイルムの破断がしばしば発生す
る。

〔考案の目的〕

本考案は上記した従来技術の欠点を除去するた
めになされたものであり、張力をかけられた状態
で、被包装物の側壁に巻きつけられた複数層のフ
イルム同志を、破断しないよう安全かつ確実にヒ
ートシールすることのできるストレツチ包装機を
提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

本考案を概説すれば、本考案はストレツチ包装
機に関するものであり、設定された回数だけ回転
した後に設定された位置で自動的に停止する回転
テーブルとベースフレーム上に該回転テーブルと
独立して設けたフイルム巻出し装置を備え、少な
くとも該回転テーブルに、該回転テーブルの停止
時には該回転テーブルの上面より突出するように
閉じてフイルム端部を挾持し、該回転テーブルの
回転時には設定されたタイミングで該回転テーブ
ルの上面より突出しないように開いてフイルム端
部を開放するグリツパーを設け、かつベースフレ
ーム上に該回転テーブルと対向して設けられ、該
回転テーブルの停止直後に被包装物の側面に接触
しうる揺動半径で揺動してフイルムを被包装物に
添わせると共に該フイルムの一部を該グリツパー
が挾持する位置まで移動するフイルム押えローラ
ーを有するフイルムガイドアーム及び前記フイル
ム押えローラーと前記グリツパーとの間で該グリ
ツパーに挾持されたフイルムを切断するカツター
を設けたストレツチ包装機において、前記フイル
ムガイドアーム上に、被包装物の側壁に巻きつけ
られている複数層のフイルム同志を、該フイルム
の引張り方向と平行乃至45゜の複数条にヒートシ
ールするヒートシーラーを設けたことを特徴とす
る。なお、上記「フイルム巻出し装置」は、スパ
イラル式ストレツチ包装機においては、（第１図
参照）フイルムに張力を付与する機構例えばブレ
ーキ装置１４を有するフイルム昇降フレーム４及
び架柱５を意味し、フルウエツプ式ストレツチ包
装機においては、（第７図参照）フイルムに張力
を付与する機構例えばブレーキ装置１４を有する
フイルム巻出し装置４′を意味する。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例につき図面を参照して
詳細に説明するが、本考案はこれに限定されるも
のではない。

前述のように、本考案のストレツチ包装機はフ
イルムガイドアーム上に、被包装物の側壁に巻き
つけられている複数層のフイルム同志を、該フイ
ルムの引張り方向と平行乃至45゜の複数条にヒー
トシールするヒートシーラーを設けたことを特徴
とするものである。そして、本実施例において、
前記フイルムガイドアーム以外の構成部分の構造
及び作動は第１図のストレツチ包装機と同様であ
るから、本実施例のストレツチ包装機の全体図及
び前記フイルムガイドアーム以外の構成部分の構
造ならびに作動についての詳細な説明を省略す
る。

第３図は本実施例のストレツチ包装機のインパ
ルスシーラーを併設したフイルムガイドアーム部
の斜視図、第４図はインパルスシーラーの内部構
造を示すため、その一部を切除した断面を示す。
図中、３０はベースフレーム、３１はフイルムガ
イドアーム、３２は軸、３３はフイルム押えロー
ラー、３４はインパルスシーラー、３５，３６は
押ばね、３７はエアーシリンダー、３８はポリ四
弗化エチレン製テープ、３９はベースブロツク、
４０は耐熱クツシヨン機、４１はニクロム線であ
る。

本実施例のストレツチ包装機において、フイル
ムガイドアーム３１は軸３２により、ベースフレ
ーム３０上に、揺動自在に取付けられていて、図
示されていないエアーシリンダーの作動により揺
動する。前記フイルムガイドアーム３１にはフイ
ルム押えローラー３３とインパルスシーラー３４
が取付けられているが、前記フイルム押えローラ
ー３３には、前記フイルムガイドアーム３１が揺
動したとき、該フイルム押えローラーが被包装物
の側面に軽い圧力でタツチするよう、押ばね３５
が組込まれている。又前記インパルスシーラー３
４はフイルムガイドフレーム３３上でエアシリン
ダー３７の作動により前後動する。該インパルス
シーラーが前進して、被包装物の側壁に巻きつけ
られている複数層のフイルムに均等に当接される
よう、該インパルスシーラーには押ばね３６が組
込まれている。前記インパルスシーラーにおい
て、ニクロム線４１は、被包装物の側壁に巻きつ
けられている複数層のフイルムをその引張り方向
と平行に複数条にヒートシールするため、ベース
ブロツク３９上に耐熱クツシヨン材４０を介し
て、水平方向に延びるよう取付けられており、そ
の端部は通電時の伸びが吸収されるよう、図示さ
れていない引きばねで引張られている。

本実施例のストレツチ包装機に用いるインパル
スシーラーは被包装物の側壁に巻きつけられてい
る複数層のフイルムをその引張り方向と平行に複
数条にヒートシールするよう、ニクロム線４１が
水平方向に延びるよう取つけられてさえいれば、
公知の他の構造のインパルスシーラーと同様、例
えば、ベースブロツク３９にニクロム線４１の巾
にほぼ相当する溝を設け、耐熱クツシヨン材４０
を省いた構造のものでよい。

本実施例のストレツチ包装機において、所定の
フイルム巻きつけ工程を終了し、回転テーブル
（第１図２）がその回転開始前の位置で自動的に
停止すると、ベースフレーム３０上に取付けられ
ているフイルムガイドアーム３１が図示されてい
ないエアーシリンダーにより軸３２を支点に揺動
する。その際、フイルム押えローラー３３はフイ
ルム（第１図３′）を被包装物（第１図７）の側
壁に添わせると共に、該フイルムの一部をグリツ
パー（第１図８）のほぼ上方まで移動させ、次い
でグリツパー８が閉じて、その上方にあるフイル
ムを挾持するが、これとほぼ同時にエアーシリン
ダー３７が作動して、インパルスシーラー３４を
前進させ、被包装物の側壁に巻かれている複数層
のフイルムに適当な圧力で当接させる。次にニク
ロム線４１にあらかじめ設定された時間、通電が
行なわれ、前記複数層のフイルムを圧着加熱し
て、該フイルムの引張り方向に、複数条にヒート
シールした後、前記インパルスシーラー３４はエ
アーシリンダー３７の作動で後退し、フイルムよ
り離れる。続いて、カツター（第１図１０）が揺
動して、グリツパー（第１図８）とフイルム押え
ローラー３３の間で、前記グリツパに挾持されて
いるフイルムを切断し、再び揺動して元の位置に
戻るが、この作動は第１図のストレツチ包装機と
同様である。

次いで、テーブルコンベアー（第１図２３）が
始動して、被包装物をそのまま搬出してもよい
が、又、その際、回転テーブル上に設けた適当な
位置検出装置によつて、ほぼ第３図に示すｌの距
離だけ、被包装物を移動させた後、再び停止さ
せ、次いで前述のようにエアシリンダー３７を作
動させて、再度ヒートシールを行うようにしても
よい。すなわち、第５図は被包装物の側面に巻き
付けられている複数層のフイルムを上記のように
２回ヒートシールした後、搬出コンベアー上に移
送した被包装物の側面図であり、図中、記号７は
被包装物、３′はフイルム、２５は搬出コンベア
ー、ａは最初のヒートシール個所、ｂは２回目の
ヒートシール個所を、又矢印は被包装物７の移動
方向を示す。このように、２回ヒートシールを行
うことにより、最初のヒートシール個所からフイ
ルム切断端部までのフイルムが下方に垂れ下らな
いよう、フイルム３′の切断端部近傍を被包装物
７の側壁に固定することができる。

次いで、フイルムガイドアーム３１が図示され
ていないエアーシリンダーの作動により揺動し
て、元の位置に戻るがこの作動は第１図のストレ
ツチ包装機の場合と同様である。

次に、本考案の第２の実施例を第６図を参照し
て説明する。第６図は本考案の第２の実施例にお
けるフイルムガイドアームの正面図で、図中の記
号は第３図におけると同じ意味を有する。なお、
第６図において、インパルスシーラー３４は、ニ
クロム線４１を示すため、第３図に示されている
ポリ四弗化エチレン製テープ３８を除去した状態
で図示されている。

本考案のストレツチ包装機においては、第６図
に示すようにインパルスシーラー３４上に、ニク
ロム線４１を45゜の方向に取付けることにより、
被包装物の側壁に巻きつけられている複数層のフ
イルム同志を該フイルムの引張り方向と45゜の方
向に複数条にヒートシールすることができる。こ
の場合、フイルムが溶着線の部分から破断するの
を防止するため、上下方向に隣接するインパルス
シーラー３４の間の間隔ｉ（すなわち、上方のイ
ンパルスシーラー上に取付けられているニクロム
線の下端と、その下方のインパルスシーラー上に
取付けられているニクロム線の上端との間の距
離）が、各インパルスシーラーの高さｈより大で
あることが望ましい。

本考案のストレツチ包装機は前述したスパイラ
ル式に限定されず、フルウエツブ式とすることも
できる。

第７図は本考案のフルウエツブ式ストレツチ包
装機の斜視図で、図中、記号１はベースフレー
ム、２は回転テーブル、３はフイルムロール、
３′はフイルム、４′はフイルム巻出し装置、８は
グリツパー、１０はカツター、１４はブレーキ装
置、３１はフイルムガイドアーム、３３はフイル
ム押えローラー、３４はインパルスシーラー、３
７はエアーシリンダーを示す。

このフルウエツブ式ストレツチ包装機はフイル
ム押えローラー３３及びインパルスシーラー３４
を有するフイルムガイドアーム３１を除き、公知
のフルウエツブ式ストレツチ包装機と同様であ
り、又、前記フイルム押えローラー３３及びイン
パルスシーラー３４を有するフイルムガイドアー
ム３１の構造及び作動は第３図に示すものと同様
であるから、構造及び作動についての詳細な説明
を省略する。

本考案において、フイルムの引張り方向と平行
乃至45゜の複数条にヒートシールするヒートシー
ラーを設ける旨限定したのは、45゜位までが、フ
イルムの切れない限界であるからである。

〔考案の効果〕

本考案のストレツチ包装機においては、被包装
物の側壁に巻付けられている複数層のフイルム同
志を、インパルスシーラーを用いて、該フイルム
の引張り方向と平行乃至45゜の複数条に、短時間
に適当な熱量を伝達してヒートシールするので、
該フイルムが張力をかけられた状態にあつても、
これが破断することはない。

以上詳述したように、本考案によれば、張力を
かけられた状態で被包装物の側壁に巻付けられた
複数層のフイルム同志を、破断することなく、安
全かつ確実にヒートシールすることのできる自動
パレツトストレツチ包装機を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のストレツチ包装機の斜視図を、
第２図は従来のヒートシーラーを組み込んだフイ
ルム押えローラーの斜視図を示し、第３図は本考
案の一実施例であるインパルスシーラーを組み込
んだフイルム押えローラの斜視図であつて、一番
上のヒートシーラーはその断面を示している。第
４図はヒートシーラー部分の断面拡大図を、第５
図は、第３図に示すヒートシーラーで２回ヒート
シールした場合の被包装物の側面図を、第６図は
本考案のヒートシーラーの他の実施例を、第７図
は本考案のヒートシーラーを設けたフルウエツブ
式ストレツチ包装機の斜視図を示す。 １……ベースフレーム、２……回転テーブル、
３……フイルムロール、３′……フイルム、４…
…フイルム昇降フレーム、７……被包装物、８…
…グリツパー、９，３３……フイルム押えローラ
ー、１０……カツター、２６，３４……ヒートシ
ーラー、３５，３６……押えバネ、３７……エア
ーシリンダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 設定された回数だけ回転した後に設定された位
   置で自動的に停止する回転テーブル、ベースフレ
   ーム上に該回転テーブルと独立して設けたフイル
   ム巻出し装置を備え、少なくとも該回転テーブル
   に、該回転テーブルの停止時には該回転テーブル
   の上面より突出するように閉じてフイルム端部を
   挾持し、該回転テーブルの回転時には設定された
   タイミングで該回転テーブルの上面より突出しな
   いように開いてフイルム端部を開放するグリツパ
   ーを設け、かつベースフレーム上に該回転テーブ
   ルと対向して設けられ、該回転テーブルの停止直
   後に被包装物の側面に接触しうる揺動半径で揺動
   してフイルムを被包装物に添わせると共に該フイ
   ルムの一部を該グリツパーが挾持する位置まで移
   動するフイルム押えローラーを有するフイルムガ
   イドアーム及び前記フイルム押えローラーと前記
   グリツパーとの間で該グリツパーに挾持されたフ
   イルムを切断するカツターを設けた自動パレツト
   ストレツチ包装機において、前記フイルムガイド
   アーム上に、被包装物の側壁に巻きつけられてい
   る複数層のフイルム同志を、該フイルムの引張り
   方向と平行乃至45゜の複数条にヒートシールする
   ヒート・シーラーを設けたことを特徴とする自動
   パレツトストレツチ包装機。