JPS6322015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は自動組立機等における治具パレツト搬送
装置、即ちチエン、ベルト等の搬送手段にて該搬
送手段に取付けた治具パレツト上の組立物品を定
距離づつ搬送移動して所定位置に配した複数の作
業部で順次組立を行うようになした自動組立機若
しくは自動製造、加工機等において所定の作業部
への組立物品移動を正確に行い各作業部における
作業を予じめ設定された停止時間内に確実に終了
するようになした治具パレツト搬送装置を提供し
ようというものである。

この装置において物品を各作業部に移動せし
め、該各作業部において限時的に停止させて組立
等の作業を行なわせる為には、搬送手段を機械的
又は電気的な制御手段によつて所定の周期で一定
時間停止させるように制御することが従来から行
われているが、このような搬送手段において例え
ばチエーン、ベルト等の搬送手段は長期間の使用
によつて緩み、弛みを生ずることは避けられず、
したがつて搬送手段に緩みを生じたまゝでは制御
手段にて各作業部における停止位置及び停止時間
を正確に設定した場合でも実際上搬送手段の緩み
分だけ物品は各作業部からズレた位置で停止され
ることになり各作業部における所期の目的とする
組立等の作業を行なえないという欠点を生じ、特
に精密組立作業等においては致命的な欠陥となつ
ていた。

このような搬送手段の緩み防止の為にはテンシ
ヨンローラ、テンシヨンスプロケツト等を用いて
搬送手段を緊張させるようになすことは実施され
ているが、この場合には単に緩み止めという効果
があるだけで予じめ制御手段にて設定された移動
停止のタイミング及び停止位置等の再調整を行な
わなければならないという操作若しくは加工上の
重大な欠点を残していた。

本案はこのような現状に鑑みて考案したもので
その要旨とするところは上述のテンシヨンローラ
若しくはスプロケツト等によるチエーン、ベルト
等の搬送手段の緩みを緊張させる方向での解決で
はなく仮に搬送手段に緩み、弛みを生じた状態で
も搬送される物品を所定の作業位置に正確に停止
させ得るようになしたことにあり、その具体例と
しては水平横方向若しくは上下方向等に循環回動
可能となしたチエーン、ベルト等の搬送手段な一
次パレツトを固定連結し、当該一次パレツト上に
は、一部に搬送される物品の保持部を有する二次
パレツトを一次パレツトに対して搬送手段の搬送
方向にのみ摺動可能となして連係させるとともに
この一次パレツト及び二次パレツトを引張りバネ
にて弾力的に連結し、この二次パレツトに保持さ
れた物品を所定の作業部で停止させる場合には自
動組立機等の装置本体に設けた間欠的に出没する
ピンを二次パレツトにのみ係合可能となし、もつ
て搬送手段に緩みを生じた状態であつても制御手
段にて当該搬送手段が所定位置で停止されたとき
に、これと同時に前記ピンが二次パレツトにのみ
係合することによつて搬送手段が緩み分だけ制御
手段による停止位置から進行しても二次パレツト
はピンにて進行即ちズレを防止されていることに
なり、もつて当該二次パレツトに保持される搬送
物品は予じめ制御手段にて設定された位置で停止
し各作業部における所定の組立等の作業を正確に
行い得るようになしたものである。

以下添付図面にて更に詳しく説明すれば、第１
図の例はライターの自動組立機の例を示し、この
自動組立機の定位置で限時停止するようになした
搬送手段１としてはチエーンを用いており、当該
搬送手段１に第３，４図に示すような搬送方向に
おける幅方向の略中央に搬送方向にわたつて上下
貫通する２つの長孔３，３を少なくとも搬送方向
前方に位置する長孔３の前孔縁を端面に開口しな
いで直列に形成してなる板状の一次パレツト２を
溶着、ボルト締め等の適宜手段にて固定し、当該
一次パレツト２の上面側には同じく平板状の二次
パレツト４を重合載置している。この二次パレツ
ト４には、搬送される物品の保持部５を上面に有
し、下面搬送方向の略中央前方には前記一次パレ
ツト２の前方に位置する長孔３に挿通する軸部の
下端に該長孔３孔縁下面に係止する頭部を有し、
内部には少なくとも下方へ開口し所定の停止位置
において間欠的に上下へ出没する位置決めピンを
挿脱する位置決め孔６′を穿設したボス６を設け
るとともに、該前方のボス６の軸部が一次パレツ
ト２の前方の長孔３の前孔端３′に当接したとき
後方の長孔３の前孔端３′に当接する位置関係に
軸部を設け、該軸部の下端に後方の長孔３孔縁下
面に係止し、且つ前方向に所定の停止位置におい
て間欠的に上下へ出没する補助停止ピンに係止す
る前方に開口した切欠凹所７′を上下にわたつて
形成した頭部を有するボス７を設けている。この
ような二次パレツト４を一次パレツト２に対して
長孔３，３の長さ方向のみスライド可能にして搬
送方向前方へ向けて弾性附勢して載置している。
そして、一次パレツト２及び二次パレツト４を長
孔３，３の長さ方向即ち搬送手段の搬送方向にの
み摺動可能とすべく弾性附勢手段として引張りバ
ネ８にて両者を連結するものがあるが、この連結
は具体的には第３，４図に示すように二次パレツ
ト４の両ボス６，７のうち搬送方向後端のボス７
に突片９を設け、この突片９と一次パレツトの下
面の前方部に立設した突片１０とを引張りバネ８
にて連結し、この引張りバネの弾力にて両ボス
６，７を一次パレツトの長孔３，３の夫々の前孔
端３′に位置させるようになしている。又、前記
したように前方のボス６には下向開口の位置決め
孔６′を形成し、後部のボス７にはその前方向に
前方開口の切欠凹所７′を形成するものとし、こ
の位置決め孔６′及び凹所７′は装置本体の各作業
部に設けられた位置決めピン１１及び補助停止ピ
ン１２を嵌合若しくは係合可能となしたものであ
る。これらの位置決めピン１１及び補助ピン１２
の出没動作は搬送手段１を制御する制御手段と連
係され、チエーンの停止と同時に若しくはその直
後に作動して上記各ボスと係合するようになして
いる。

以上のような構成からなる本案の搬送装置の動
作を説明すれば、回動中の搬送手段１は組立物品
が所定の作業部に至れば電気的若しくは機械的な
制御手段にて搬送手段１の駆動が停止され、これ
と同時に前記した補助ピン１２が上昇突出して二
次パレツト４の後部に垂下して設けたボス７の凹
所７′に嵌合し、二次パレツト４の進行を阻止す
る。このとき当該搬送手段１に緩みを生じている
場合には当該搬送手段１と一次パレツト２は緩み
分だけ慣性によつて進行するが二次パレツト４に
設けた両ボス６，７は一次パレツト２の長孔３に
スライド可能に設けられていることから、当該一
次パレツト２が搬送手段１の緩み分だけ進行して
も両ボスが長孔内で移動するだけで、この一次パ
レツト２の移動によつて二次パレツト４までをも
ズレさせることとはならず二次パレツト４即ち二
次パレツト上の組立物品を所定の位置に保持し得
るのである。

又上述のように補助ピン１２による二次パレツ
ト４の停止と同時に位置決めピン１１が上昇突出
して前方のボス６に設けた位置決め孔６′に嵌合
することから二次パレツト４を前方は無論後方若
しくは横方向へのズレを生ずることなく予じめ設
定された停止位置に正確に停止保持させることが
できるのである。

このような停止状況下において、各作業部で
夫々の組立が行われ、当該作業終了後は補助ピン
１２及び位置決めピン１１は自動的に下降して両
ボス６，７との係合から脱し、これと同時に前記
制御手段の作動によつて搬送手段１は再び回動す
るとともに一次パレツト２及び二次パレツト４は
引張りバネにて連係されていることにより当該バ
ネ弾力によつて二次パレツト４を一次パレツト２
側に引寄せ、第３図に示すように現位置に復帰し
た状態で後続する次の作業部へ移送されるのであ
る。

以上のようになる本案の搬送装置によれば、チ
エーン、ベルト等の搬送手段に緩みを生じた状態
であつても、あえてこの緩みを緊張させる等の手
段をとるまでもなく搬送手段に一体に連結した一
次パレツト２と、当該一次パレツトに対して摺動
可能に即ち搬送手段の搬送方向にのみ摺動可能と
なした二次パレツト４を連係させて設け装置本体
の各作業部に近接して設けた位置決めピン１１及
び補助ピン１２を二次パレツト４にのみ係合可能
となすことによつて搬送手段１を所定の停止位置
で停止させたときに当該搬送手段がその緩み分だ
け停止位置より進行しても一次パレツト２と二次
パレツト４は固定状態で連結されていないことか
ら、搬送手段の緩み分だけの移動は一次パレツト
２にだけに伝達され、二次パレツト４はこれらの
緩みと関係なく正確な停止位置に停止させること
ができるのである。

従つて、当該二次パレツト上に設けた保持部５
の組立物品は各作業部において所期の組立作業を
正確に行うことができるのである。又このように
各停止位置において一次パレツト２と二次パレツ
ト４がズレた状態となつていても前記した位置決
めピン１１及び補助ピン１２を二次パレツト４と
の係合から開放することにより一次パレツト、二
次パレツト間に連係させた引張りバネ８の弾力に
より二次パレツト４は一次パレツト２側へ引戻さ
れ、よつて容易に現位置に復帰させることができ
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の実施例を示す自動組立機の一例
を示す簡略平面図、第２図は本案の要部を示す搬
送手段進行方向の後面図、第３図は第２図中のＸ
−Ｘ断面図、第４図は同じく本案要部を示す下面
斜視図である。 Ａ：自動組立機、１：搬送手段、２：一次パレ
ツト、３：長孔、４：二次パレツト、５：保持
部、６：ボス、７：ボス、８：引張りバネ、９：
突片、１０：突片、１１：位置決めピン、１２：
補助ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 定位置で限時停止するようになしたチエーン、
   ベルト等の搬送手段１に連結し、搬送方向におけ
   る幅方向の略中央に搬送方向にわたつて上下貫通
   する２つの長孔３，３を少なくとも搬送方向前方
   に位置する長孔３の前孔縁を端面に開口しないで
   直列に形成してなる板状の一次パレツト２と、 搬送される物品の保持部５を上面に有し、下面
   搬送方向の略中央前方には前記一次パレツト２の
   前方に位置する長孔３に挿通する軸部の下端に該
   長孔３孔縁下面に係止する頭部を有し、内部には
   少なくとも下方へ開口し所定の停止位置において
   間欠的に上下へ出没する位置決めピンを挿脱する
   位置決め孔６′を穿設したボス６を設けるととも
   に、該前方のボス６の軸部が一次パレツト２の前
   方の長孔３の前孔端３′に当接したとき後方の長
   孔３の前孔端３′に当接する位置関係に軸部を設
   け、該軸部の下端に後方の長孔３孔縁下面に係止
   し、且つ前方向に所定の停止位置において間欠的
   に上下へ出没する補助停止ピンに係止する前方に
   開口した切欠凹所７′を上下にわたつて形成した
   頭部を有するボス７を設けてなり、更には一次パ
   レツト２に対して搬送方向前方へ向けて弾性附勢
   して載置した２次パレツト４と、 よりなる自動組立機等における治具パレツト搬
   送装置。