JPS6320946B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は特に乾燥機において衣料、タオル等の
繊維製品に対し、すぐれた柔軟性と帯電防止効果
とを付与できる繊維製品処理用物品に関するもの
である。 従来衣料に柔軟性を付与する方法としては、洗
濯のすすぎ工程において液状の柔軟剤を添加する
ことが一般的に行われてきた。しかし衣料用乾燥
機の普及とともに、洗濯操作の簡易化、柔軟化剤
の有効利用などの観点から、洗濯後の湿つた衣料
を乾燥機に入れて乾燥する際に柔軟性、帯電防止
性を付与するための柔軟剤として、吸収性基層に
柔軟化成分を含浸させた種々のものが提案されて
いる。たとえば、特定の吸収容量を有する吸収性
基層に100〓〜170〓の融点を有する織物ソフナー
を含浸させたもの（特公昭47−19594）、不織布な
どの基質をワツクス状基質で被覆し、外側に織物
ソフナーを被覆させたもの（特公昭47−40120）、
さらに主な織物ソフナーの一つであるジ長鎖アル
キルジ短鎖アルキル第４級アンモニウム塩の融点
を低下させ使用性の向上を図るために、脂肪系多
価アルコールエステル（特開昭52−118089）、ラ
ノリンアルコールまたはその脂肪族カルボン酸エ
ステル（特開昭52−124998）などの融点降下剤を
併用する等の改良組成である。これらはいずれも
乾燥機中で用いた場合衣料に柔軟性は付与される
ものの帯電防止性付与効果は十分でない。特に乾
燥機においては、衣料と衣料が摩擦をくり返すた
め合成繊維でできた衣料の帯電が著しく、静電気
による不快感を使用者に与えることが多い。 また、これらの柔軟剤は水中で柔軟剤が微粒子
に分散された形で衣料等に均一に付着するすすぎ
時使用の液状の柔軟剤と異なり、乾燥機中で柔軟
剤を含浸した吸収性基層と衣料とが接触し、直接
柔軟剤が衣料に付着するので不均一になりやすい
欠点がある。特に衣料を乾燥機で処理した後、長
期間保管される場合には不均一に付着した柔軟剤
の部分が変色し、黄色等のシミになつて現われる
という欠点が生じる。この点についても従来のも
のは十分とはいえなかつた。 従つて、本発明の目的は特に乾燥機において用
いた場合に、衣料にすぐれた柔軟性と帯電防止性
とを付与し得るととに柔軟剤を均一に付着させる
ことができる繊維製品処理用物品を提供するもの
である。かかる本発明の目的は、カチオン性繊維
柔軟化剤と特定の脂肪酸アミドとを特定の割合で
配合し、これを吸収性材料に含浸させることによ
り達成されることを見出した。 すなわち、本発明は、(A)カチオン性繊維柔軟化
剤及び(B)一般式（） R₁CONH₂ ……（） （式中、R₁は炭素数７〜23のアルキル基又はア
ルケニル基を示す。） で表わされる脂肪酸アミドとを、成分(A)と成分(B)
との含有比(A)／(B)が95／５〜40／60（重量比）の
範囲となるように吸収性材料に含浸させてなるこ
とを特徴とする繊維製品処理用物品である。 本発明における成分(A)は、カチオン性繊維柔軟
化剤であり、各種アミン塩、第４級アンモニウム
塩等繊維に柔軟性を付与できるものはすべて使用
可能である。これらのうち炭素数10〜24のアルキ
ル基またはアルケニル基を分子内に２個有する第
４級アンモニウム塩が好ましく、例えば次の一般
式（）、（）で表わされるアンモニウム塩、ア
ミドアンモニウム塩、イミダゾリニウム塩があげ
られる。 （式、中、R₂、R₃はそれぞれ炭素数10〜24
のアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアル
ケニル基、R₄、R₅はそれぞれ炭素数１〜３のア
ルキル基、ヒドロキシアルキル基またはベンジル
基、−（C₂H₄O）l₃（l₃＝１〜５）で示される基、
Y₁、Y₂はそれぞれエチレン基またはプロピレン
基、l₁、l₂は０または１の数、Ｘはハロゲンまた
は炭素数１〜３のモノアルキル硫酸基を示す。） 具体的には、ジラウリルジメチルアンモニウム
クロライド、ジパルミチルメチルヒドロキシエチ
ルアンモニウムメチルサルフエート、ジ水素添加
牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド、
ジステアリルメチルポリオキシエチレン（平均重
合度５モル）アンモニウムクロライド、ジ水素添
加牛脂アルキルエチルベンジルアンモニウムクロ
ライド、ジテトラコシルジメチルアンモニウムク
ロライド、ジ〔（２−ドデカノイルアミノ）エチ
ル〕ジメチルアンモニウムクロライド、ジ〔（２
−オクタデカノイルアミノ）プロピル〕ジメチル
アンモニウムメチルサルフエート、２−ヘプタデ
シル−１−エチル−１−〔（２−オクタデカノイル
アミノ）エチル〕イミダゾリニウムエチルサルフ
エート、２−ペンタデシル−１−メチル−１−
〔（２−ヘキサデカノイルアミノ）エチル〕イミダ
ゾリニウムメチルサルフエートなどの１種または
２種以上の混合物である。 本発明における成分(B)は、前記一般式（）で
表わされる脂肪酸アミドである、具体的には、ラ
ウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、ステアリ
ン酸アミド、牛脂脂肪酸アミド、水添牛脂脂肪酸
アミド、オレイン酸アミド、ヤシ脂肪酸アミドな
どの１種又は２種以上の混合物である。このうち
帯電防止性の点から炭素数が10〜20の脂肪酸アミ
ドが好ましい。 本発明における吸収性材料とは、材料自身の内
に成分(A)(B)を保持しうる空間を有するものであれ
ばよい。例えば、紙、織物、不織布、スポンジな
どである。このうち使用性から不織布、スポンジ
などが好ましい。不織布としては、セルロース、
レーヨン、ポリエステル繊維などをバインダーで
処理したものや、これらにポリオレフイン繊維を
混入させバインダーを用いないもの、スパンボン
ド布などが使用可能である。スポンジとしては、
連続気泡を有するポリウレタンホーム、ポリエス
テルホームなどのプラスチツクホームが好まし
い。 また製造上及び使用上から可撓性シート状物が
好ましく、特に見掛け比重0.01〜0.03、空隙率95
〜99％、厚さ１〜５mmの範囲内にあるシート状ポ
リウレタンホームなどのプラスチツクホームや米
坪10〜50ｇ／m²、空隙率70〜90％の不織布などが
望ましい。 本発明は成分(A)(B)を吸収性材料に含浸させてな
る繊維製品処理用物品であつて、成分(A)(B)の相乗
効果によりすぐれた柔軟性と帯電防止効果とを衣
料等に付与できるとともに、これらの成分が衣料
にむらなく付着されるものである。本発明では、
成分(A)と成分(B)との含有比(A)／(B)を95／５〜40／
60（重量比）とすることが必要であり、特に90／
10〜50／50の範囲内とするのが好ましい。 さらに処理される衣料に対して、本発明品の有
効成分をむらなく付着させるために融点が40〜90
℃好ましくは45〜70℃の炭化水素系ワツクスを成
分(A)に対して、(A)／ワツクスが95／５〜40／60
（重量比）、好ましくは90／10〜50／50の割合とな
るように添加するのがよい。このようなワツクス
は炭素数20〜35を主成分とするパラフインワツク
スやマイクロクリスタリンワツクス等である。 本発明の繊維製品処理用物品は特に衣料用乾燥
機において用いられ効果を発揮するものである
が、衣料等の洗濯工程におけるすすぎ工程におい
ても用いることができる。この場合の柔軟性や帯
電防止効果を向上させるために、脂肪酸アルカノ
ールアミド類及び脂肪酸エステル、高級アルコー
ルのエチレンオキシド付加物、アルキルフエノー
ルのエチレンオキシド付加物、油脂のエチレンオ
キシド付加物の群から選ばれる１種又は２種以上
を添加するのが望ましい。これらの添加量は柔軟
化剤の40重量％以下が適当である。脂肪酸アルカ
ノールアミド類としては構成脂肪酸の炭素数が８
〜24、エチレンオキシド付加モル数が１〜40のも
のが用いられる。又、脂肪酸エステルとしては、
炭素数８〜20の脂肪酸と、(i)炭素数１〜４の１価
アルコールとのエステル化物、(ii)炭素数１〜６の
多価アルコールとのモノまたはポリエステル化
物、(iii)炭素数１〜６の多価アルコールのエチレン
オキシド付加物（＝１〜60）とのモノまたはポ
リエステル化物などが好ましく使用される。また
高級アルコールのエチレンオキシド付加物等にお
ける高級アルコールとしては、炭素数８〜22の１
級または２級アルコール、アルキルフエノールと
しては炭素数８〜20のアルキル基を有するフエノ
ール、油脂としては、ヒマシ油、硬化ヒマシ油な
どである。また、さらに少量の螢光増白剤、染
料、顔料、香料などを添加することができる。 尚、成分(A)(B)の吸収性材料への含浸量は任意に
選ぶことができるが、すすぎ工程での使用性から
他の成分も含め吸収性材料の空隙占有率が１〜50
容量％となるようにするのが望ましい。 本発明品は衣料用乾燥機中で用いた場合、特に
効果を発揮するものであり、柔軟化成分が衣料に
均一に付与されすぐれた柔軟性と帯電防止性が発
揮されるので、アクリル繊維やナイロン等の合成
繊維でできた衣料についても使用者に静電気によ
る不快感を与えなくてすむ利点がある。 次に本発明を実施例により詳述する。尚、繊維
製品処理用物品の製造法、繊維製品の処理方法、
性能評価は次の方法により行なつた。 ●繊維製品処理用物品の製造法 配合成分を加熱溶融混合し、この溶液にシート
状の吸収性材料を浸漬した後、絞りローラを用い
含浸量を調整した。次に室温に冷却した後、所定
の寸法に切断した。 ●繊維製品の処理方法 繊維製品として、綿タオル及びアクリル布（ア
クリルジヤージ）を用い、これらの市販洗剤で洗
浄後十分すすぎ脱水率140％に絞つたものを、乾
燥重量が１／１（綿タオル対アクリル布）の割で
合計１Kgとなるように縦型回転式の家庭用乾燥機
に入れた。繊維製品処理用物品を１枚（不織布の
場合は23×28cm、プラスチツクホームの場合は７
×20cm）を加え約50〜70℃で45分間乾燥処理し
た。 ●性能評価 (イ) 柔軟性：処理前と処理後の試験布（綿タオ
ル）の手触りを比較して次の基準で評価した。 〇……柔かい △……やや剛い ×……処理前と変らない (ロ) 帯電防止性：スタチツクオネストメーターに
より、布に印加電圧7KV、ターゲツト距離20
mmで帯電させ、電圧除去後の帯電圧の半減期
（秒）を測定した。試験布としてアクリル布を
用いた。 (ハ) 付着の均一性：処理後のアクリル布をブロム
フエノールブルー0.04％水溶液に約30秒間浸漬
した後純水で十分すすぎ、風乾後青色に染着し
た状態を下記の基準により評価した。 ５：染着むらが認められない。 ４：極くわずか染着むらが認められる。 ３：やや染着むらが認められる。 ２：かなり染着むらが認められる。 １：染着むらが非常に多い。 実施例 １ 吸収性材料として厚さ２mm、みかけ比重0.014
の連続気泡を有するシート状ポリウレタンホーム
を用い、ジ水素添加牛脂アルキルジメチルアンモ
ニウムメチルサルフエート（Ａ成分）、ステアリ
ン酸アミド（Ｂ成分）及びソルビタンモノステア
レートからなる組成を成分(A)(B)の配合割合をかえ
て含浸させた。含浸量は７×20cmのシートあたり
２ｇである。尚、成分(A)とソルビタンモノステア
レートとの配合比は７／３（重量比）である。表
−１に成分(A)と(B)の配合割合（重量比）及び性能
を示す。

【表】 (注) ＊ 成分(A)が含有されていないので評価せ
ず
表１より、本発明品（No.２〜６）である成分
(A)／(B)の含有比が95／５〜40／60のものを用いる
と、すぐれた柔軟性と帯電防止性とを衣料に付与
でき、かつ柔軟化剤が均一に付着することがわか
る。これに対して、比較例（No.１、７、８）で
は、柔軟化剤が均一に付着せず、かつ帯電防止性
や柔軟性も十分ではないことがわかる。 実施例 ２ 吸収性材料として、ポリプロピレン及びポリエ
ステル繊維からなる坪量25ｇ／m²の不織布を用
い、下記の組成（No.１〜No.５）を含浸させて性能
を評価した。含浸量は不織布23×28cm当り２ｇで
ある。結果を表−２に示す。 組成物No.１ ジパルミチルジメチルアンモニウムクロライド
55重量部 パルミチン酸アミド 20〃 POE^*1（＝２）ノニルフエニルエーテル 25〃 ＊１POEはポリオキシエチレンを意味し、は
エチレンオキシドの平均重合度を意味する（以
下、同じ） 組成物No.２ ジステアリルジメチルアンモニウムメチルサルフ
エート 60重量部 オレイン酸アミド 20〃 POE（＝２）ノニルフエニルエーテル 20〃 組成物No.３ ２−ヘプタデシル−１−エチル−１−〔（２−オク
タデカノイルアミノ）エチル〕イミダゾリニウム
エチルサルフエート 56重量部 ラウリン酸アミド 20〃 ポリエチレングリコール（平均分子量200）モノ
ステアレート 24〃 組成物No.４ 組成物No.３を90重量部に融点66℃のパラフイン
ワツクスを10重量添加したもの。 組成物No.５ 組成物No.３を80重量部に融点53℃のパラフイン
ワツクスを20重量部添加したもの。

【表】 表−２よりパラフインワツクスを添加すると衣
料への付着がより均一になされることがわかる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ (A) カチオン性繊維柔軟化剤及び (B) 一般式（） R₁CONH₂ ……（） （式中、R₁は炭素数７〜23のアルキル基又はア
   ルケニル基を示す。） で表わされる脂肪酸アミドとを、成分(A)と成分(B)
   との含有比(A)／(B)が95／５〜40／60（重量比）の
   範囲となるように吸収性材料に含浸させてなるこ
   とを特徴とする、繊維製品の洗濯工程におけるす
   すぎ時又は乾燥時に使用される繊維製品処理用物
   品。