JPS6320927Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は熱交換器を備え、吸気流と排気流との
間で熱交換を行なう空調換気扇の改良した構造に
関するものである。

従来から第１図に示す構造の空調換気扇が提案
されている。この構造を簡単に説明すると、１は
外枠であり、この外枠１は回転蓄熱ロータ２を納
めるための前面ケース１ａと、フアンを納めるた
めの本体ケース１ｂにより構成される。本体ケー
ス１ｂには次のものが納められる。すなわち、３
は、本体ケース１ｂの中央を上下に仕切るモータ
取付枠であり中央部にフアン駆動用のモータ４を
取り付けている。５，６は両軸構造にしたモータ
４の回転軸に取り付けたフアン、７，８はそれぞ
れのフアン５，６を覆うスパイラルケース、９，
１０は室外側の吸気口と排気口である。また、前
面ケース１ａには次のようなものが納められる。
１１は前面ケース１ａの前面に設けた室内側の吸
排気口、１２は吸排気口１１の内側に取り付けた
フイルター、１３は前面ケース１ａ内に配置した
回転蓄熱ロータ２を納めるためのロータケースで
ある。このロータケース１３は、回転蓄熱ロータ
２を納めるため中央に円柱状の空間を持つもので
ある。

このように構成し、モータ４の運転を始める
と、外気は矢印Ｘで示すように吸気口９よりスパ
イラルケース７に吸い込まれた後、回転蓄熱ロー
タ２を通して吸排気口１１より室内側に吐き出さ
れる。また、同時に吸排気口１１より回転蓄熱ロ
ータ２を通してスパイラルケース８に吸い込まれ
た矢印Ｙで示す室内側の空気は、吐出口１０より
室外に吐き出される。このようにして、回転蓄熱
ロータ２を例えばＺ方向にゆるやかに回転する
と、回転蓄熱ロータ２を介して吸気流Ｘと排気流
Ｙとの間で熱交換が行なわれる。

さて、このような空調換気扇において、通常ロ
ータケース１３は板金加工によるしぼり出し、あ
るいは合成樹脂の成形品により作成している。し
かし、これらの方法は非常に精度の良い金型が必
要になり、設備費が嵩んでしまう。また、材料費
を節減するために、ロータケース１３はなるべく
薄く仕上げることが必要となるが、これを薄くす
るとロータケース１３の強度が保てなくなるばか
りでなく、モータあるいはフアンの振動を伝え易
く、また、空気流によりロータケース自身も共振
してしまう。したがつて、これらを防ぐには、各
種の防振材あるいは補強材を組み込んだ上に、前
面ケース内に吸音材をはり付ける必要がある。

そこで本考案は、安価であり、しかも十分な強
度を保て、防音効果も得られる、改良した構造の
空調換気扇を提案するものである。

すなわち本考案では、回転蓄熱ロータを納める
ロータケースを発泡性合成樹脂材により作成する
と共に、このロータケースの外周面を前面ケース
に内接するよう構成し、前面ケース内にロータケ
ースを押し込んで配置するようにしたものであ
る。

以下、第２図，第３図に示す実施例を詳しく説
明する。第２図は前面ケース１ａ部分の構成を本
体ケース１ｂ側より示す分解組立図、第３図は前
面ケース１ａ部分を示す断面図である。すなわ
ち、１２は背面を開放し前面に室内側の吸排気口
１１を設けた箱型の前面ケース１ａの吸排気口１
１の内側に配置した四角形状のフイルター、１４
は外形を四角柱状（箱型）としたロータケースで
あり中央に回転蓄熱ロータ２を配置するため円筒
状の空間１５を備えている。１６，１７は円筒状
の空間１５を２つの気流Ｘ，Ｙを通すため上下に
仕切るシール部材であり、このシール部材は基部
をロータケース１４の円筒状の空間１５の筒面に
固定すると共に、シール片の先を円筒状空間１５
に配置する回転蓄熱ロータ２に向けて伸ばすもの
である。このとき、ロータケース１４は発泡性合
成樹脂材により構成する。また、ロータケース１
４の外形寸法はこれの各外面１４ａ，１４ｂ，１
４ｃ，１４ｄが前面ケース１ａのそれぞれ対応す
る各内面に密着するよう選ぶものである。このよ
うに、ロータケース１４の外周面が前面ケース１
ａの各内面に密着するように構成すると、ロータ
ケース１４が一種の補強材として働き前面ケース
１ａの剛性を高めてゆくことができる。また、発
泡性合成樹脂材は軽量で、しかも、適当な弾性を
持つため、フアンあるいはモータの振動を伝え難
く、これによれば特に吸音材あるいは防振材を用
いなくとも、低い騒音の空調換気扇を得られるも
のである。

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば発泡性合成樹脂により、回転蓄熱ロータのロー
タケースを構成し、このロータケースの外周面が
空調換気扇の前面ケースの内面と密着するように
構成したものである。したがつて、本考案によれ
ば、極めて簡単な構成により回転蓄熱ロータのロ
ータケースを構成してゆくことができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空調換気扇の構造を説明するた
めの一部断面図、第２図は本考案の一つの実施例
を説明する前面ケース部分の分解組立図、第３図
は本考案の一つの実施例の前面ケース部分の断面
図である。 １ａ……前面ケース、１ｂ……本体ケース、２
……回転蓄熱ロータ、５，６……フアン、１１…
…吸排気口、１２……フイルター、１４……ロー
タケース、１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４ｄ……
ロータケースの外面、１５……円柱状の空間、１
６，１７……シール部材、Ｘ，Ｙ……第１および
第２の気流。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に室内側の吸排気口を設け背面を開放した
   箱型の前面ケースと、この前面ケースの吸排気口
   の内側に配置した四角形状のフイルターと、前記
   前面ケースの各内面に各外面を密着するよう前記
   前面ケース内に配置し中央に円柱状の空間を持つ
   箱型の発泡性合成樹脂材により構成したロータケ
   ースと、このロータケースの円柱状の空間内に回
   転自在に配置した回転蓄熱ロータと、前記ロータ
   ケースの円柱状の空間の筒面に取り付け該円柱状
   の空間を仕切るシール部材と、前記前面ケースの
   背面側に連結した本体ケースと、この本体ケース
   の中に納め前記回転蓄熱ロータを通して第１の気
   流と第２の気流を送風するためのフアンとを備え
   たことを特徴とする空調換気扇。