JPS6320383A - 抗酸化剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、食品、医薬品、化粧品、飼料等のうち油脂ま
たは油脂含有製品の品質保持のために使われる抗酸化剤
に関するものである。

従来の技術 空気中の酸素により酸化され易い油脂およびこれを含有
する種々の食品、化粧品、飼料等（以下、油脂製品とい
う）は、油脂の酸化防止のためのなんらかの対策を講じ
ておかないと、短期間で変色を起こしたり腐敗臭を生じ
たりする。このような油脂の酸化による変質を防止する
手段として現在もっとも普通に採用されているのは、抗
酸化剤の添加である。抗酸化剤としては、従来、ジブチ
ルヒドロキシトルエン（ＢＨＴ）、ブチルヒドロキシア
ニソール（ＢＨＡ）等の合成品、およびトコ７エａ−ル
、香辛料抽出物等の天然物系のものがよく使われている
が、合成品、なかでもＢＨＡは、その抗酸化力は強いも
のの安全性に疑問点があり、使用が制限されている。

また天然物系のものは、合成品に比べて安全性は高いと
されているが、トコフェロールは植物性油脂に添加した
ときの抗酸化力が弱く、香辛料抽出物は、抗酸化力はす
ぐれているものの、独特の香味を有するため、その香味
を有利に利用することができる食品以外には使用できな
い。

発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、上述のような従来の抗酸化剤にみられ
る欠点のない新規な抗酸化剤、すなわち天然物由来の物
質のみからなる安全性の高い、また使用対象に制限のな
い、しかも抗酸化力のすぐれた抗酸化剤を提供すること
にある。

問題点を解決するための手段 本発明が提供する抗酸化剤は、甘草または甘草からグリ
チルリチンを抽出した残渣を有機溶媒で抽出して得られ
た抗酸化性物質およびトコフェロール類よりなるもので
ある。

甘草抽出物が抗酸化性を示すことは公知であり（日本食
品工業学会誌：第２５巻、第２５号＊　１９７８年）、
またトコフェロール類の抗酸化能も上述のように公知の
ものである。しかしたがら、これらの２成分を配合した
ものは、各成分単独の特性からはとうてい予測すること
のできないほどすぐれた抗酸化力を示し、また使用し易
い点でもすぐれている。

本発明の抗酸化剤を構成する物質のうち、甘草系抗酸化
性物質は普通は市販されていないものなので、まずその
製法について説明する。

甘草またはそのグリチルリチン抽出残渣から抗酸化性物
質を抽出する溶媒として適当なものの例としては、メタ
ノール、工タ／−ル等の低級脂肪族アルコール：７セト
ン等の低級脂肪族ケトン：ジオキサン、エチルエーテル
等の低級脂肪族エーテル：石油エーテル、ｎ−ヘキサン
、シクロヘキサン、トルエン、ヘンゼン等の揮発性炭化
水素：塩化メチレン、クロロホルムなど炭素原子数が１
〜４のハロゲン化炭化水素：酢酸エチル、酢酸ｎ−プロ
ピル、酢酸ｎ−ブチル、酢酸イソブチルなど炭素原子数
３〜７のエステルなどがある。

上記溶媒を用いて得られた抽出液から溶媒を留去して得
られる抽出物は、特有の臭気を呈する茶褐色の固体であ
る。この抽出物は、多くの場合そのままで利用すること
ができるが、必要に応じて、その抗酸化能に影響のない
範囲で脱臭、脱色等の精製処理を施してから用いてもよ
い。

本発明の抗酸化剤のいま一つの構成成分であるトコフェ
ロール類としては、ｄ−α−トコフェロール、ｄ−β−
トフ７エロール、ｄ−γ−トフ７エロール、ｄ−δ−ト
フ７エロール、ｄｌ−α−トコフェロール、ｄ−α−ト
コフェロール酢酸エステル、ｄｌ−α−トコフェロール
酢酸エステル、ｄｌ−α−トフ７エロールフハク酸エス
テル等をいずれも用いることができ、これらのトコフェ
ロールの２種以上の混合物の形で市販されているものを
そのまま用いてもよい。

上述のような甘草系抗酸化性物質とトコフェロール類と
は油脂製品中に共存させるだけですぐれた抗酸化力を示
すから、本発明の抗酸化剤における同成分の存在状態お
上り剤形には全く制限がない、すなわち、同成分は適当
な溶剤（例えばエタノール、グリセリン脂肪酸エステル
、プロピレングリコール、パラフィン）に溶かした溶液
の形で使用に供するほか、同成分を混合せず別々に包装
しておき、使用者が同成分を混合しまたは混合せずに、
対策油脂製品に添加するようにしても差支えない。

本発明の抗酸化剤を構成する２成分の好ましい配合比は
、各成分の抗酸化力が調製条件等により異なるので一律
に示すことは困難であるが、後記実施例で用いた程度の
品質のものの場合で、甘草系抗酸化性物質１０重量部に
対しトコフェロール類約３〜１６０重量部とすれば、顕
著な相乗効果を示すものとなる。

本発明の抗酸化剤は、魚油、ラード、タロー、ヘッド、
チキンオイル、ヤシ油、パーム油、ホホバ油、オリーブ
油、ミツロウ、う／リン、パラフィン、スクワレン、ス
クヮラン、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
リノール酸、およびこれらを含有するバター、チーズ、
マーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシン
グ、ハム、ソーセージ、ポテトチップ、揚げせんべい、
掲げラーメン、カレールー、クリーム、乳液、整髪料等
、多くの油脂製品の酸化防止に使用することができる。

３１月 以下、実施例および試験例を示して本発明を説明する。

実施例 甘草様粉砕物ＩＫｇを５ｅのクロロホルムとともに２時
間、還流下に加熱してクロロホルム可溶成分を抽出した
。抽出液と分離した抽出残渣について同様の繰作をくり
返し、合計量３０ｅの抽出液を得た。この後、抽出液の
溶媒を留去し更に減圧乾燥して、抗酸化力を有する淡褐
色の抽出物３５ｇを得た。

次にこの抽出物ｃ以下、甘草抽出物ａという）を用い、
下記の処方で抗酸化剤Ａ−Ｃを製造した（数値は重量％
）。

ＢＣ 甘草抽出物ａ　　　　　　　　　　２０　　　２０　　
　３０天然トコフエロール　　　　　　１５　　　　　
　　１０ｄｌ−ａ−）コ７工ｏ　−ル’　　　　　　　
　　　Ｉ　Ｓグリセリン脂肪酸エステル　　３０　　　
３０　　　４０植物油　　　　　　　　　　　３５　　
　３５　　　２０事　酢酸エステル 試験例　１ オリーブ油に前記実施例で製造した抗酸化剤Ａ、同Ｂま
たはこれらの抗酸化剤の原料物質を添加したもの、およ
びなにも添加したいものについて、６０℃オーブンテス
トにより過酸化物価（ＰＯＶ）が５０になるまでの日数
Ｄｓｏを測定し、各抗酸化剤の性能を比較した。

その結果を表１に示す。

表１ 抗酸化剤　　　　　　添加率（ｐｐｍ）　　　Ｄｓ。（
日）抗酸化剤Ａ　　　　　　　　　２０００”＋　　　
　　３２抗酸化剤Ｂ　　　　　　　　　２０００運２　
　　３１甘草抽出物ａ　　　　　　　　４００　　　　
　２０天然ｔコ７エロール　　　　３００　　　　　２
３ｄ１−α−トコフェロール　　　３００　　　　　２
０無添加　　　　　　　　　　　　　　　　　　１６進
１　甘草抽出物ａとして４００ａｐ１１１、天然トコフ
ェロールとして３００ｐｐ糟 運２　甘草抽出物ａとして４００　ｐｐｍ、ｃｌｌ−α
−トコフェロール（酢酸エステル）として３００　ｐｐ
ｍ試験例　２ 精製ホホバ油に前記実施例で製造した抗酸化剤Ｃ１その
原料物質または合成抗酸化剤・ＢＨＴを添加したもの、
およびなにも添加したいものについて、Ａ　ＯＭ試験法
により１００時間試験を行い、試験後の過酸化物価（Ｐ
ＯＶ）を測定し、各抗酸化剤の性能を比較した。その結
果を表２に示す。

表２ 抗酸化剤　　　　　　添加＊（ｐｐｍ）　　　　Ｐ　Ｏ
Ｖ抗酸化剤Ｃ２０００達　　　　　２．５甘草抽出物ａ
　　　　　　　　６００　　　　　６．０天然トフ７エ
ロール　　　　２００　　　　１５．０ＢＨＴ　　　　
　　　　　　　　２００　　　　１５．５無添加　　　
　　　　　　　　　　　　　　５７．０運　甘草抽出物
ａとして６００　ｐｐ＋ｍ、天然トコフェロールとして
２０Ｏｐｐ論 発明の効果 本発明の抗酸化剤は、上述のように広い範囲の油脂製品
の酸化防止にすぐれた効果を示し、また使い易く、安全
性も高いものであるから、油脂製品の保存性向上にきわ
めて有用なものである。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）甘草または甘草からグリチルリチンを抽出した残
   渣を有機溶媒で抽出して得られた抗酸化性物質およびト
   コフェロール類よりなる抗酸化剤。
2. （２）抗酸化性物質１０重量部に対してトコフェロール
   類３〜１６０重量部を含有する特許請求の範囲第１項記
   載の抗酸化剤。
3. （３）トコフェロール類がｄ−α−トコフェロール、ｄ
   −β−トコフェロール、ｄ−γ−トコフェロール、ｄ−
   δ−トコフェロール、ｄｌ−α−トコフェロール、ｄ−
   α−トコフェロール酢酸エステル、ｄｌ−α−トコフェ
   ロール酢酸エステル、ｄｌ−α−トコフェロールコハク
   酸エステルまたはこれらのトコフェロールの２種以上の
   混合物である特許請求の範囲第１項記載の抗酸化剤。