JPS6320085Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、各種電子機器の電子回路調整用とし
て使用される小型可変抵抗器に関するものであ
る。

従来例の構成とその問題点 まず従来の小型可変抵抗器について図面ととも
に説明する。

第１図に示すように、取付金具１には中央部に
円筒部１ａを有し、その円筒部１ａの先端には２
片の爪部１ｂが設けられている。円板状の中立端
子２には、取付金具１の円筒部１ａが挿入される
中央孔２ａと、下方に折れ曲つた引出し電極２ｂ
とが設けられている。そしてモールド抵抗体３
は、端部に外端子３ａを接続した抵抗体３ｂを、
樹脂３ｃでモールドしたものであり、中央には中
央孔３ｄが設けてある。モールド抵抗体３の中央
孔３ｄには、中端子２の中央孔２ａとともに、取
付金具１の突起部１ａが挿入される。モールド抵
抗体３の上には、円板状の摺動子４が配置され
る。摺動子４には中央に長方形の角孔４ａが設け
てあり、端部には弾性を有する接触部４ｂが設け
てある。角孔４ａには取付金具１の爪部１ｂが挿
入されて折り曲げられる。その結果、取付金具１
と中端子２と摺動子４とは、モールド抵抗体３に
取付けられ、摺動子４の接触部４ｂは抵抗体３ｂ
の表面に圧接する。またキヤツプ５は自動調整ま
たは防塵タイプの小型可変抵抗器の場合に摺動子
４に取付けられるもので、その上面にはねじ穴５
ａが形成されている。

しかし、以上のような構成では、部品点数が多
く組立工数が多いため、製品価格が高くなるとい
う問題があつた。

考案の目的 本考案は上記欠点に鑑み、部品点数の削減と組
立工数の削減が行える小型可変抵抗器を提供する
ものである。

考案の構成 上記目的を達成するために、本考案は樹脂によ
りモールドされた抵抗体の表面に一部が圧接し、
中央部分に、その間で十文字の溝を形成するごと
く配置した４片の突起部を有する摺動子と、その
突起部を回転可能な状態で保持する中央孔を有
し、摺動子を挾んで抵抗体をモールドする樹脂に
固定される中端子を設け、上記４片の突起部の先
端側は中端子の中央孔より外側に膨らせた構成で
ある。

突起部を中端子の中央孔にはめ込むことによ
り、摺動子は中端子に容易に取付けることがで
き、その中端子を樹脂でモールドされた抵抗体に
固定することにより組立てることができるので、
部品点数が少なく、組立工数も少なくすることが
できる。

実施例の説明 以下本考案の一実施例における小型可変抵抗器
について、図面とともに説明する。

第２図ａ，ｂに示すように、本考案の一実施例
における小型可変抵抗器に用いる抵抗体６は、馬
てい形をしており、両端には銀電極７ａ，７ｂが
形成されている。そしてその銀電極７ａ，７ｂに
は、外端子８ａ，８ｂがハトメめ等により取付
けられ、電気的導通が成されている。

そして、外端子８ａ，８ｂが取付けられた抵抗
体３は、樹脂９によつてモールドされ、モールド
抵抗体１０が構成される。

モールド抵抗体１０の中央には、中央孔１０ａ
が形成され、上面には固定突起１１ａ〜１１ｄが
形成されている。

第３図ａ，ｂに示すように、中端子１２の中央
には段差部１２ａが形成され、その中央には中央
孔１２ｂが形成されている。

また中端子１２の４隅には、固定孔１３ａ〜１
３ｄが形成されている。そして中端子１２の一端
には、引出し電極１２ｃが形成されている。

第４図ａ，ｂに示すように、摺動子１４には、
中央に十文字の溝を形成する４片の突起部１５ａ
〜１５ｄが形成されている。突起部１５ａ〜１５
ｄは、間に溝が設けてあることにより弾性を有す
る。また突起部１５ａ〜１５ｄの上部は、中端子
１２の中央孔１２ｂより外側にわずかに膨れてお
り、第５図に示すように、摺動子１４の突起部１
５ａ〜１５ｄを中端子１２の中央孔１２ｂに摺入
すると、摺動子１４は中端子１２に回動可能な状
態で保持される。そして摺動子１４の縁には弾性
を有する接触部１４ａが形成されている。

第６図に示すように、モールド抵抗体１０に、
摺動子１４を挾んで中端子１２が固定される。中
端子１２の固定孔１３ａ〜１３ｄには、モールド
抵抗体１０の固定突１１ａ〜１１ｄが挿入され熱
溶着、め等により、中端子１２とモールド抵抗
体１０とが固定される。

摺動子１４の接触部１４ａは抵抗体６の表面に
圧接される。また中端子１２の中央孔１２ｂから
突出している摺動子１４の突起部１５ａ〜１５ｄ
により、十文字の溝が形成されているため、ドラ
イバー等により摺動子１４は自由に回転させるこ
とができ、抵抗値を調整することができる。また
モールド抵抗体１０にも中央孔１０ａが形成され
ているので、モールド抵抗体１０の側からでもド
ライバー等が挿入でき、抵抗値を調整することが
できる。

なお摺動子１４には一文字溝が形成されるよう
に、２片の突起部を設けてもよいが、中端子１２
の中央孔１２ｂには本実施例の４片の突起部１５
ａ〜１５ｄの方が挿入しやすい。

考案の効果 以上のように本考案は、樹脂によつてモールド
された抵抗体の表面に一部が圧接し、中央部分に
十文字の溝を形成する４片の突起部を有する摺動
子と、その突起部を回転可能な状態で保持する中
央孔を有し、摺動子を挾んで抵抗体をモールドす
る樹脂に固定される中端子とを設けることによ
り、摺動子に形成された十文字の溝を利用してド
ライバー等により自由に回転させることができ、
また抵抗体側からもドライバー等で調整すること
ができる。また従来必要としていたキヤツプ、取
付金具が不要となり、さらに摺動子の突起部の上
部は中端子の中央孔より外側にわずかに膨れてい
るので、中央孔に簡単に挿入することができ、し
かも挿入後はスムーズなる回動も行われるものと
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の小型可変抵抗器の分解斜視図、
第２図ａは本考案の一実施例における小型可変抵
抗器を構成する抵抗体の斜視図、第２図ｂは同抵
抗器を構成する樹脂モールド抵抗体の斜視図、第
３図ａ，ｂは同抵抗器を構成する中端子の斜視図
とそのＸ−Ｘ断面図、第４図ａ，ｂは同抵抗器を
構成する摺動子の斜視図とそのＹ−Ｙ断面図、第
５図は同抵抗器を構成する中端子に摺動子を取付
けた場合の断面図、第６図は同抵抗器の分解斜視
図である。 ６……抵抗体、８ａ，８ｂ……外端子、９……
樹脂、１２……中端子、１２ｂ……中央孔、１４
……摺動子、１４ａ……接触部、１５ａ〜１５ｄ
……突起部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外端子を装置し樹脂によりモールドされた抵抗
   体と、その抵抗体の表面上に一部が圧接し、中央
   部分に、その間で十文字の溝を形成するごとく配
   置した４片の突起部を有する摺動子と、その摺動
   子の突起部を回転可能な状態で保持する中央孔を
   有し、上記摺動子を挾んで上記抵抗体のモールド
   樹脂に固定される中端子とを備え、上記４片の突
   起部の先端側は中端子の中央孔より外側に膨らせ
   た小型可変抵抗器。