JPS6319023Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案はヘアーカツター刃に関するものであ
る。

〔背景技術〕

従来例と第１図ないし第５図に示している。す
なわち、１はくし状固定刃、２は固定刃１に一体
となつた固定板、３はすき刈兼用くし状可動刃、
４はその可動刃３に一体になつた案内板、５は固
定板２に設けたピン６に支持された押上ばねであ
り、案内板４の駆動杆７が往復駆動されることに
より可動刃３が固定刃１上を往復して毛髪のカツ
トが行われ、また前後に進退することによりすき
刈およびカツトが切換えられる。この場合、押上
ばね５の先端８はＬ字形に内向きに折曲され、そ
の下面が案内板４の支持溝９内にスライド自在に
押接されるとともに支持溝９内の中央部に曲面突
起１０を有して可動刃３の前進および後退時の位
置決めをなしている。

ところが、このヘアーカツター刃は、可動刃３
の往復動作時に第３図の矢印のように押上ばね５
が回動するため、押上ばね５の先端８が支持溝９
の内側面および突起１０の側面に当り１１，１２
を生じ、これらの当り１１，１２の部分が摺動に
より摩耗して往復動作のがたつきを生じ、その結
果、可動刃３の振幅がばらついて切れ味を悪くす
るという欠点があつた。また、往復動作中にすき
刈りとカツトの切換えのため可動刃３を前後方向
に移動する場合、押上ばね５の先端が突起１０を
乗り越える際に押上ばね５が案内板４から外れる
という欠点があつた。また従来、押上ばねの先端
部が可動刃の刃先方向に延び、押上ばねの先端部
を係合溝に支持させたもの（たとえば特開昭54−
54757号）があつたが、可動刃の往復動作に伴い
係合溝の側面が摩耗するため前記従来と同様であ
る。

〔考案の目的〕

したがつて、この考案の目的は、押上ばねの先
端部の接触部分の摩耗を低減することができるヘ
アーカツター刃を提供することである。

〔考案の開示〕 この考案は、くし状固定刃部と、このくし状固
定刃部に重ね合わされて上面で前記くし状固定刃
部の刃先方向にみてＶ字状となる一対の係合溝を
凹設したくし状可動刃部と、前記くし状固定刃部
の後端部に基端部が支持されて前記くし状可動刃
部の往復方向と同方向に折曲された先端部を有し
かつ前記先端部に前記係合溝に係合する突起をＶ
字状に折曲した線状押上ばねとを備えたものであ
る。

この考案の構成によれば、くし状可動刃部に刃
先方向にみてＶ字状をなす係合溝を形成し、押上
ばねの往復方向と同方向に折曲された先端部に前
記係合溝に係合するＶ字状の突起を形成したた
め、くし状可動刃部が往復動作しても突起は係合
溝に摺動することなく線状押上ばねのばね力によ
り係合しているので、係合溝の摩耗を低減でき、
安定した切れ味を確保することができる。

この考案の第１の実施例を適用したヘアーカツ
ターを第６図ないし第１３図に示す。すなわち、
１３はヘアーカツター刃、１４はスイツチ、Ａは
モータ，往復変換部等を内蔵したハウジングであ
る。ヘアーカツター刃１３において、線状押上ば
ね１５の基端部は第１図ないし第３図と同様に固
定板２４に設けたピン６に支持され、先端部は往
復方向と同方向の内向きにＬ字形に折曲するとと
もに、その折曲片を縦にＶ字形に折曲して突起１
６を形成している。またくし状可動刃部１７の案
内板１８の上面の押上ばね対応位置にくし状可動
刃部１７の刃先方向にみてＶ字状となる係合溝１
９を凹設している。またこのくし状可動刃部１７
の可動刃２０はすき刈り兼用となつており、係合
溝１９は可動刃２０の前後に一対形成し、係合溝
１９ａ，１９ｂの間にガイド溝２１を形成してい
る。２２は固定刃２３と固定板２４からなるくし
状固定刃部であり、その他の構成は第１図および
第２図と同様である。

このヘアーカツター刃１３の可動刃２０は、線
状押上ばね１５のＶ字状の突起１６がＶ字状の係
合溝１９に係合し点接触押圧することによつて固
定刃２３に押圧され、往復時にはその係合位置で
摺動が起ることなく線状押上ばね１５の線状部１
５ａが回動することによつて吸収する。したがつ
て、従来のような摩耗が低減される。一方、可動
刃２０のすき刈，カツトの切換時には突起１６が
ガイド溝２１を通つて係合溝１９ａ，１９ｂ間を
移動する。

この考案の第２の実施例を第１４図および第１
５図に示す。これは、第１の実施例において係合
溝１９ａ，１９ｂ間に凹溝２５を形成した点に特
徴を有し、可動刃２０をすき刈りとカツトとに切
換えるとき線状押上ばね１５の突起１６が一旦凹
溝２５に落込み、凹溝２５がクツシヨンの役目を
するため、可動刃２０の往復動作中に切換えても
線状押上ばね１５が案内板１８から外れることが
ない。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のヘアーカツター刃に
よれば、くし状可動刃部に刃先方向にみてＶ字状
をなす係合溝を形成し、押上ばねの往復方向と同
方向に折曲された先端部に前記係合溝に係合する
Ｖ字状の突起を形成したため、くし状可動刃部が
往復動作しても突起は係合溝に摺動することなく
線状押上ばねのばね力により係合しているので、
係合溝の摩耗を低減でき、安定した切れ味を確保
することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の平面図、第２図はその断面
図、第３図は押上ばね部の平面図、第４図はその
部分断面図、第５図はすき刈，カツトの切換のた
め可動刃を前進した状態の部分断面図、第６図は
この考案の第１の実施例を適用したヘアーカツタ
ーの斜視図、第７図はそのヘアーカツター刃の平
面図、第８図は断面図、第９図はその正面図、第
１０図はその押上ばねの平面図、第１１図はその
側面図、第１２図は案内板の平面図、第１３図は
その断面図、第１４図は第２の実施例の平面図、
第１５図はその断面図である。 １５……線状押上ばね、１６……突起、１７…
…くし状可動刃部、１９……係合溝、２２……く
し状固定刃部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) くし状固定刃部と、このくし状固定刃部に重
   ね合わされて上面で前記くし状固定刃部の刃先
   方向にみてＶ字状となる一対の係合溝を凹設し
   たくし状可動刃部と、前記くし状固定刃部の後
   端部に基端部が支持されて前記くし状可動刃部
   の往復方向と同方向に折曲された先端部を有し
   かつ前記先端部に前記係合溝に係合する突起を
   Ｖ字状に折曲した線状押上ばねとを備えたヘア
   ーカツター刃。 (2) 前記くし状可動刃部は前記くし状固定刃部の
   刃先方向に進退するすき刈り兼用刃であり、前
   記係合溝はそれぞれ前後に複数形成されるとと
   もにその係合溝間に凹溝を有する実用新案登録
   請求の範囲第(1)項記載のヘアーカツター刃。