JPS631681B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は車輌用灯具に関し、特に光源からの光
を前方に出射させる反射面を備えたハウジング
と、その前面に配設されたレンズとにより構成さ
れた車輌用灯具に関する。

この種の車輌用灯具は、例えば自動車用後部信
号灯として用いられている。しかし、反射面を備
えた灯具にあつては、昼間時に太陽光がレンズを
通して灯室内に入射すると反射面で反射され、再
び灯室外に出射するという現象が生ずる。また、
夜間には街灯等の外部光が入射して同様の現象が
発生する。このため、灯具が消灯の場合でもあた
かも点灯しているかのように見える状態になつて
しまい、灯具の消灯時と点灯時との区別がしにく
いという問題がある。例えば、第１図に示すのは
従来構造の一例であるが、昼間時においては実線
にて示す太陽光がレンズａを透過して灯室ｂ内に
入射し、ハウジングｃに具備された反射面ｄによ
つて反射され、破線で示す反射光となる。この反
射光には正反射成分と乱反射成分とがあるが、い
ずれにしても前方に反射された光はレンズａを再
び透過して外部に出射される。この出射光によつ
て消灯時においてもあたかも光源ｅが点灯したか
の如く見えてしまう。このように点灯時、消灯時
の区別がしにくいということは、点灯により情報
を与える信号灯にとつては極めて問題であるばか
りでなく、一般の車輌用灯具でも視認性が悪くな
るという問題がある。よつて信号灯としての機能
の達成上まことに問題であることは勿論、他の表
示灯等の灯具としても望ましくない。

本発明は、前記の如き従来技術の問題点を改善
し、消灯時と点灯時とのランプ輝度の比率を大き
くして両者の差を顕著ならしめ、もつて視認性の
向上を図ることができる車輌用灯具を提供するこ
とを目的とする。

以下、添付図面を参照して本発明の車輌用灯具
の実施例を説明する。

第２図ないし第５図は本発明を自動車用後部信
号灯に適用した一実施例を示すものである。

本発明に係る車輌用灯具は、図示の如く、ハウ
ジング１と、その前面に配設されるレンズ２とに
より画成された灯室４内に光源３を配置してなる
ものである。しかして、この実施例における前記
レンズ２は、太陽光等の外部光を吸収し、光源３
からの内部光を必要な光線透過率を有する如くカ
ーボンブラツク等のスモーク材を配合したアクリ
ル樹脂，ポリカーボネート樹脂等の着色（レツト
或はアンバー等の）された透光性樹脂で成形した
スモークレンズであつて、そのレンズ２の内面に
は、外部入射光線を再帰反射させる直角三角錐体
よりなる再帰反射素子（以下再帰反射素子と略称
する）２１と、灯具としての配光を満足させるた
めの魚眼レンズ素子２２とが規則的に帯状をなす
ように複数組配列形成されている。そして、前記
の魚眼レンズ素子２２は、第４図に示すように、
各帯状毎に２２ａないし２２ｅの如く複数に区画
され、その各区画に対応して、ハウジング１の内
面に光源３から出射された光を魚眼レンズ素子の
各区画２２ａないし２２ｅに入射せしめるための
複数の区域反射面１１ａないし１１ｅよりなる多
区域反射面１１が形成されている。

前記魚眼レンズ素子２２は、その各区画２２ａ
ないし２２ｅごとに、前記複数の区域反射面１１
ａないし１１ｅからの光を必要な配光とするため
にその球面の曲率および縦横のピツチが設定され
ている。

前記多区域反射面１１の複数の区域反射面１１
ａないし１１ｅは、光源３からの出射光を帯状方
面では放物線状として均一に光軸と略々平行光線
として出射し、かつ魚眼レンズ素子の各区画２２
ａないし２２ｅの各区画にのみ集光せしめて入射
するように形成されている。従つて、再帰反射素
子２１の部分には光の入射はないが、その分は魚
眼レンズ素子２２の各区画２２ａないし２２ｅに
集光して入射するので、損失光が生ずることはな
い。

本発明の車輌用灯具の光作用を第６図を用いて
説明すると、光源３の消灯時にあつては、太陽光
等の外部光Ｓはレンズ２に入射し、その一部は再
帰反射素子２１でレンズ前方に再帰反射されて灯
室内に入射することはない。そして他の外部光は
魚眼レンズ素子２２に向うが、スモークレンズに
より入射光は減衰され、その減光された光が灯室
４内に入つて多区域反射部１１で反射され、その
極く一部はレンズ２を通つて外部に出射される
が、大半は再度再帰反射素子２１により遮断さ
れ、あるいはレンズ２のスモークで吸収あるいは
減光される。

このように、本発明においては、外部光Ｓの一
部を再帰反射素子２１によりカツトするととも
に、レンズ２のスモークにより灯室４中に入射す
る外部光Ｓを吸収あるいは減光し、さらに再帰反
射素子２１により反射されて再び外部へ出射しよ
うとする光の一部をカツトすると共に、その残部
の光をスモークレンズで吸収あるいは減光するの
で、外部光Ｓが反射されて外部に出射する光量を
顕著に減少させることができる。

一方、光源３の点灯時にあつては、光源３から
の出射光は多区域反射面１１により反射され、こ
の反射光Ｌのすべてが魚眼レンズ素子２２に入射
され、レンズ肉厚を透過してスモークレンズ前方
に必要な配光をもつて出射される。この時、スモ
ークレンズ２の肉厚内を透過する分だけ出射光は
わずかだけ減衰されるが、スモークレンズの光線
透過率を適宜に設定することにより、必要とする
輝度を保持させることができる。

なお、前記の実施例においては、再帰反射素子
２１と魚眼レンズ素子２２とを帯状に配列した例
を示したが、格子状に配列しても良い。

上記の実施例は、レンズを１枚のスモークレン
ズで構成した例を示したが、レンズをインナーレ
ンズとアウターレンズとの２枚のレンズ構成と
し、そのアウターレンズをスモークレンズにする
と共に、インナーレンズに再帰反射素子２１と魚
眼レンズ素子２２を形成してもよい。第７図およ
び第８図は前記２枚のレンズ構成とした例を示し
ている。すなわち、第７図および第８図におい
て、２ａはスモーク材を配合したアウターレン
ズ、２ｂは着色透明樹脂よりなるインナーレンズ
で、第７図はそのインナーレンズ２ｂの内面にの
み再帰反射素子２１と魚眼レンズ素子２２ａ〜２
２ｅとを形成したもの、第８図はインナーレンズ
２ｂの内面に再帰反射素子２１を形成すると共
に、外面に魚眼レンズ素子２２ａ〜２２ｅを形成
したものである。これらの実施例においても、第
３図ないし第５図に示す実施例と同様の作用効果
を奏し得ることは明らかである。

以上述べたように、本発明の車輌用灯具は、光
源からの光を前方へ出射させる反射面を備えたハ
ウジングと、その前面に配設されたレンズとによ
り構成された車輌用灯具において、前記レンズと
してスモーク材を配合したスモークレンズを使用
すると共に、レンズに再帰反射素子と魚眼レンズ
素子とを帯状ないし格子状をなすように規則的に
複数区画形成し、かつ、その各区画魚眼レンズ素
子に対応して、ハウジングの内面に光源からの光
を前記各区画魚眼レンズ素子に入射せしめるため
の複数の区画反射面よりなる多区域反射面を形成
し、かつ、該多区域反射面から反射される光は前
記再帰反射素子に入射することなくそのすべてを
前記魚眼レンズ素子に入射せしめるように構成し
たので、消灯時には外部光を再帰反射素子により
反射せしめると共にスモークレンズの特性により
吸収あるいは減光して外部光がレンズ面から再出
射することを効果的に阻止し、かつ、光源の点灯
時には、光源から出射されて多区域反射面で反射
された光をすべて有効光束として利用して輝度の
高い配光を得ることができ、もつて消灯時と点灯
時とのランプ輝度の差を大ならしめて消灯時に点
灯しているかの如く見えることをなくし、良好な
視認性を確保することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図である。第２図乃
至第６図は本発明の車輌用灯具を示し、第２図は
正面図、第３図は第２図におけるＡ―Ａ線断面
図、第４図は第２図におけるＢ―Ｂ線断面図、第
５図イはレンズの裏面図、同図ロはイにおけるＣ
―Ｃ線断面図、同図ハはイにおけるＤ―Ｄ線断面
図、第６図は光作用を示す説明図である。第７図
および第８図は本発明の他の実施例を示す第４図
と同様の断面図である。 １…ハウジング、１１ａ〜１１ｅ…区画反射
面、２，２ａ，２ｂ…レンズ、２１…再帰反射素
子、２２ａ〜２２ｅ…区画魚眼レンズ素子、３…
光源。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 光源からの光を前方へ出射させる反射面を備
   えたハウジングと、その前面に配設されたレンズ
   とにより構成された車輌用灯具において、前記レ
   ンズとしてスモーク材を配合したスモークレンズ
   を使用すると共に、レンズに再帰反射素子と魚眼
   レンズ素子とを帯状ないし格子状をなすように規
   則的に複数区画形成し、かつ、その各区画魚眼レ
   ンズ素子に対応して、ハウジングの内面に光源か
   らの光を前記各区画魚眼レンズ素子に入射せしめ
   るための複数の区画反射面よりなる多区域反射面
   を形成し、かつ、該多区域反射面から反射される
   光は前記再帰反射素子に入射することなくそのす
   べてを前記魚眼レンズ素子に入射せしめるように
   構成したことを特徴とする車輌用灯具。