JPS6315187B2 - - Google Patents

Description

明細書 本発明は、鎖の両端を結合する継手鎖素子を持
つ軌道鎖であつて、 ａ 互いに平行に配置された２つの鎖素子側壁が
設けられ、 ｂ 各鎖素子側壁が、互いに重なり合う２つの部
分から成り、これらの部分に継手ピンをはめる
ための穴がそれぞれ設けられ、 ｃ 鎖素子側壁部分の互いに対応する接触面が鎖
素子側壁部分の揺動面に対して平行に延びるよ
うに設けられ、 ｄ 鎖素子側壁部分の互いに対応する接触面に、
互いにかみ合う歯切部が設けられ、これらの歯
切部の歯と歯みぞとが、継手ピン軸線上に中心
を持つ同心円上に延び、 ｅ 両方の鎖素子側壁部分を連絡する底板が、底
板を貫通して鎖素子側壁の穴へはまる締付けボ
ルトによりこれらの鎖素子側壁に取外し可能に
締付け結合されているものに関する。

この種の結合継手鎖素子は米国特許第3659112
号明細書から公知である。

この明細書によれば歯切部は屋根状に形成され
ている。

さらに、継手ピンに対して平行に延びかつ互い
に対応する鎖素子側壁部分相互に押圧する締付け
ボルトが設けられており、これらの締付けボルト
により、互いに対応する鎖素子側壁部分が鎖の両
端の結合の際互いに正しい位置に配置され、運転
状態においても正しい位置に保持される。

さらに、底板締付けボルトをはめるための穴が
それぞれ互いに対応する鎖素子側壁部分の一方の
部分に設けられている。

しかしこの場合は、鎖素子側壁部分を貫通する
結合ボルトを少しゆるめただけでもう鎖素子側壁
部分相互の正しい位置の配置が失われてしまうと
いう欠点がある。

さらに、結合ボルトは大きい引張力を受ける。

さて、本発明の課題は、前述の種類の軌道鎖を
簡単化しかつ軌道鎖の動作確実性を高めることに
ある。

この課題を解決するため本発明によれば、歯切
部が、継手ピンの軸線を通る引張力の作用線に対
して鋭角をなす面に沿つてアンダカツトされ、底
板にある締付けボルト用貫通穴が、遊隙をおいて
この締付けボルトを包囲している。

これらの手段により、分割可能な継手鎖素子の
互いに重なり合う歯付き鎖素子側壁部分が鎖を閉
じる際自動的に互いに正しい位置に配置され、引
張力を受けながら常に互いにはまり合い結合さ
れ、その際鎖素子側壁部分を貫通する結合ボルト
などを必要としない。

したがつて結合ボルトは無くても済む。

この場合、底板は鎖素子側壁部分の不可避の調
整を損わないことが保証される。鎖素子側壁部分
はひとりでに中心が一致する。

この場合、前述した対象において、継手ピン軸
線に同心的に設けられた円の中心が隣の鎖素子あ
るいはこの鎖素子に続く鎖素子の継手ピン軸線上
にあり、歯および歯みぞがこれらの円に沿つて延
びるように設けられていれば有利である。

これによつて公知技術に比べて比較的ゆるやか
に湾曲された歯および歯みぞが得られ、これらの
歯および歯みぞは、比較的小さい鎖ピツチの場合
でも底板締付けボルトをはめるための穴を設ける
のに充分な場所を提供し、その際さらに鎖素子側
壁結合部を閉じまたは開く目的のために鎖素子側
壁部分を継手軸線の回りに揺動させることができ
る。

前述した対象の有利な別の構成は、両方の鎖素
子側壁の両方の鎖素子側壁部分にそれぞれ底板締
付けボルトをはめるための穴が少なくとも１つ設
けらていることを特徴としている。

これによつて、鎖の荷重が完全に除かれた際の
鎖素子側壁結合部の意に反した開放も防止され
る。

さらに、前述した対象の製造技術上有利な構成
は、歯および歯みぞが丸味をつけられた稜を持つ
ていることを特徴としている。

本発明の実施例を図面により以下に詳細に説明
する。

第１図は、分割可能な継手鎖素子を持つ無限軌
道車用軌道鎖の一部の部分的に切欠いた平面図、
第２図は、同様に部分的に切欠いた第１図に対応
する正面図である。

軌道鎖は、互いに関節結合された複数の鎖素子
を含んでおり、これらの鎖素子は、互いに平行に
延びる２つの鎖素子側壁１および２から成り、こ
れらの鎖素子側壁は端部に継手ピン３およびスリ
ーブ４をはめるための穴を持つている。

継手ピン３およびスリーブ４は公知のように圧
力ばめにより取付けられているので、これらの継
手ピンおよびスリーブは非常に大きい力を使用し
てはじめて取外すことができる。

さらに、鎖素子側壁１，２を連絡する底板５が
設けられており、この底板はボルト６により側壁
に取外し可能に取付けられている。このような鎖
の両端を楽に、すなわちプレス工具を用いずに簡
単な工具を用いて、互いに結合することができる
ようにするために、分割可能な継手鎖素子７が設
けられており、この継手鎖素子の鎖素子側壁１，
２はそれぞれ鍛造品あるいは鋳物として構成され
た２つの鎖素子側壁部分８および９から成り、こ
れらの鎖素子側壁部分は互いに重なり合つて設け
られている。

各鎖素子側壁部分に、圧力ばめにより取付けら
れたスリーブ４またはスリーブ４と継手ピン３と
をはめるための穴１０が設けられている。

鎖素子側壁部分８，９の揺動面内に延びかつ互
いに対応する接触面１１に、互いにかみ合う歯切
部が設けられており、これらの歯切り部の歯１２
および歯みぞ１３は、分割可能な継手鎖素子に隣
接した分割不可能な鎖素子の軸線上に中心が存在
する同心円に沿つて延びている。

鎖ピツチが小さい場合は、同心円の中心が分離
可能な鎖素子から除去できる継手ピンの中心軸線
上に存在するように歯切部を構成するのが有利で
ある。

さらに、引張力を受ける際互いに接触する歯１
２の歯元の面１４は、互いに対応する鎖素子側壁
部分８，９が引張力を受ける際互いに押圧される
ようにアンダカツトされて構成されている。

この場合、歯元の面１４は引張力の作用線１５
に対して鋭角をなして延びており、、この引張力
の作用線は穴１０の中心から中心へ延びている。
各鎖素子側壁部分８，９に、底板締付けボルト６
をはめるためのボルト穴１６がある。

底板５にあるボルト穴は直径がボルトよりかな
り大きいので、ボルト６は鎖素子側壁部分８，９
へ調整作用を及ぼさない。

歯切部の稜は丸味をつけられている。さらに、
歯切部の公差は小さいので、すべての歯１２は塑
性変形があつても耐えることができる。

明細書および（あるいは）図面に開示されたす
べての新しい個々の特徴および組合せの特徴は本
発明にとつて重要であると見なされる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鎖の両端を結合する継手鎖素子を持つ軌道鎖
   であつて、 ａ 互いに平行に配置された２つの鎖素子側壁が
   設けられ、 ｂ 各鎖素子側壁が、互いに重なり合う２つの部
   分から成り、これらの部分に継手ピンをはめる
   ための穴がそれぞれ設けられ、 ｃ 鎖素子側壁部分の互いに対応する接触面が鎖
   素子側壁部分の揺動面に対して平行に延びるよ
   うに設けられ、 ｄ 鎖素子側壁部分の互いに対応する接触面に、
   互いにかみ合う歯切部が設けられ、これらの歯
   切部の歯と歯みぞとが、継手ピン軸線上に中心
   を持つ同心円上に延び、 ｅ 両方の鎖素子側壁部分を連絡する底板が、底
   板を貫通して鎖素子側壁の穴へはまる締付けボ
   ルトによりこれらの鎖素子側壁に取外し可能に
   締付け結合されているものにおいて、 ｆ 歯切部１２，１３が、継手ピン３の軸線を通
   る引張力の作用線１５に対して鋭角をなす面１
   ４に沿つてアンダカツトされ、 ｇ 底板５にある締付けボルト６用貫通穴が、遊
   隙をおいてこの締付けボルト６を包囲している ことを特徴とする、無限軌道用軌道鎖。 ２ 継手ピン軸線に同心的に設けられた円の中心
   が、隣の鎖素子あるいはこの鎖素子に続く鎖素子
   の継手ピン軸線上にあり、歯１２および歯みぞ１
   ３がこれらの円に沿つて延びるように設けられて
   いることを特徴とする、特許請求の範囲第１項に
   記載の軌道鎖。 ３ 両方の鎖素子側壁１，２の両方の鎖素子側壁
   部分に、底板締付けボルトをはめるための穴１６
   がそれぞれ少なくとも１つ設けられていることを
   特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の軌道
   鎖。 ４ 歯１２および歯みぞ１３が丸味をつけられた
   稜を持つていることを特徴とする、特許請求の範
   囲第１項または第２項に記載の軌道鎖。