JPS63120155A - 繊維質シ−ト成形体及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は軽量で剛性を有し、賦形性、耐熱性、゛断熱性
、吸音性およびクッション性に優れ、かつ高温における
剛性および寸法安定性にも優れた、自動車の成形天井に
適した繊維質シート成形体及びその製造方法に関する。

（従来の技術） 自動車の内装材のひとつである成形天井にはダンボール
や各種樹脂発泡体などが使用されている。ダンボールは
軽量で安価ではあるが、成形手段が圧縮という操作のみ
であるため、賦形性が悪く微妙な形状を付与することが
できがい。

さらに、吸湿性を有するため形状維持性が悪いという欠
点がある。そのため、樹脂発泡体が広く利用されている
。例えば特開昭５８−７１１５４’ｊ）および特公昭５
８−２８１１号公報には、変性ポリスチレン発泡体を用
いた成形天井の開示がある。このような成形体は、樹脂
を発泡させて所望の形状に成形して得られるため賦形性
に優れ、得られる成形体は比較的強度が高く軽量であり
、断熱性、耐熱性、弾力性（クッション性）に優れる。

しかし、熱可塑性樹脂が用いられるため、高温での寸法
安定性および高温での剛性に劣る。さらに、断熱効果を
得るためシて独立気泡の発泡体を用いるため表面で音の
反射が起こり、充分な吸音効果が得られない。このよう
力成形天井の剛性を向上させるために補強材を積層した
り、吸音効果を得るために吸音材を積層もしくは基材に
貫通孔を設けることが行われている（特開昭５５−１１
９４７号、特開昭５３−１４０７４号および特公昭５７
−６０９４４号公報）が、製造工程が複雑になりコスト
高となる。

発明が解決しようとする問題点） 本発明は、上記従来の欠点を解消するものであり、その
目的とするところは、軽量で剛性を有し、賦形性、耐熱
性、断熱性、吸音性およびクッション性に優れ、かつ高
温における剛性および寸法安定性にも優れた、自動車の
成形天井に適した成形体を提供するととＫある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の繊維質シート成形体は、解繊されたガラス繊維
同士が熱可塑性繊維の加熱溶融物により接着された基材
シートの片面又は両面に分散積層されたガラス繊維集束
体が前記溶融物により一体に接着されたものであり、こ
れにより上記目的が達成される。

また、本発明の繊維質シート成形体の製造方法は、それ
ぞれ解繊されたガラス繊維と熱可塑性繊維からなる混綿
シートの片面又は両面に、ガラス線維集束体を分散積層
し、該積層体を前記熱可塑性繊維の融点以上の温度に加
熱・圧縮成形して、混綿シート中のガラス繊維同士を熱
可塑性繊維の溶融物により接着しτ基材シートとすると
ともに１該基材シートとその上に分散積層されたガラス
繊維集束体を前記溶融物により一体に接着するものであ
り、とれてより上記目的が達成される。

本発明の成形体及びその製造方法に用いられるガラスｆ
ｊｌ維集束体は、単位重量が４００〜４０００ＴＥＸ、
繊維長が３０〜２００ｆｌのもツカ好適に使用される。

単位重量、繊維長がａｔＳ記下眼下限値まわると、得ら
れる成形体は剛性の劣ったものになりやすく、又前記上
限値を上まわると、賦形性が落ち、自動車の成形天井の
＆妙な形状が付与しにくくなる。

本発明の成形体の製造方法に用いられるガラス繊維集束
体は、その表面に熱可塑性樹脂をコーティングしたもの
を用いれば、更に得られる成形体の強度が増加する。即
ち、成形の際、熱可塑性繊維の融点及び熱可塑性樹脂の
融点以上の温度以上に加熱することＫよって、基材シー
トと補強シートを強固に接着することができ、また余剰
の熱可塑性樹脂の溶融物が基材中に浸透することてよっ
て、基材自体がより強いものとなる。コーティングする
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリ
エチレン等のポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリ
アミド類、ポリスチレン等が挙げられる。

ガラス繊維集束体は、混綿シート中のガラス緻！＆シて
対して３０重量％以下、好ましくは１０〜３０重量％の
割合で用いられる。前記上限値を下オわると充分な補強
効果も望みＫくい。上限値を上まわると賦形性が損われ
やすい。

熱可塑性繊維としては、融点が７０〜２５０℃、好まし
くけ９０〜２５０℃の樹脂が用いられ、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエ
ステル類、ポリアミド類、ポリスチレン等が挙げられる
。これらの素材の２種以上から々る複合繊維、例えば、
相対的に高融点の樹脂を低融点の樹脂で被覆したものも
利用され得る。このような複合繊維としては、ポリプロ
ピレンをポリエチレンで被覆した繊維、高融点ポリエス
テルを低融点ポリエステルで被覆した繊維等が挙げられ
る。熱可塑性繊維の融点が７０℃を下まわると得られた
成形体が高温にさらされたとき軟化する結果、成形体の
寸法安定性に劣る。逆に融１点が２５０℃を上まわると
成形時如高温を必要とし、かつ成形時間も長く々るため
、コスト高となる。

熱可塑性１１２維の繊維径は３〜５０μｍ、　ＮＩ維総
長５〜２００Ｂである。熱可塑性繊維の繊維径や繊維長
が前記下限を下まわると、後述の加熱成形工程において
、溶融した滴状物が小さな単位となり、ガラスｆＩｉ維
を接着することが不充分となる。逆に前記上限を上まわ
ると、溶融した滴状物が大きな単位となり、接着点数が
少なくなり、十分４強点の成形体が得られない。

本発明の繊維質シート成形体の製造方法に用いられる混
綿シート＃ｉ懸回塑性繊維を５〜７５重量％の割合で含
有する。ガラス繊維の量が過剰であり、熱可塑性繊維が
過少であると混綿シート状に成形するのが困難であり、
かつ加熱加圧下で成形体を製造する際に、熱可塑性繊維
に由来する後述のバインダー効果が得られにくくなる。

逆圧熱可塑性繊維が過剰であると得られた成形体の強度
は向上するが、ガラス繊維が過少であるため成形体の空
隙率が低下する。このため、吸音率が低下する。

本発明の繊維質シート成形体の製造方法に使用される混
綿シートは、ガラス繊維と熱可塑性繊維とを用い、通常
の不織布の製造方法により製造される。例えば、まずヤ
ーンチョップ、ロービングチョップ等の形状で市販され
るガラス繊維を開繊する。熱可塑性繊維も同様に開繊し
てフィラメント状とし、これらガラス繊維と熱可塑性繊
維とをエアーでブレンドし繊維同士を充分に混合した後
、圧縮成形して混綿シートを得る。カードマシン等を用
いてもよい。

このような混綿シートの密度け０．Ｏ１〜α２である。

α０１を下まわると混綿シートとしての状を維持するの
が困難となり、得られる成形体の強度も低下する。Ｑ２
を上まわると得られる成形体全体の重量が大きくなるた
め、自前車用の成形天井としては不適当である。混綿シ
ートの厚みは目的とする成形体の最も厚い部分よりも厚
いことが必要であり、通常５〜１００鰭である。５ｆｆ
を下まわると成形天井全体としての強度が不充分であり
、１００酊を上まわると後述の加熱時に中心部まで熱が
伝わりＫ＜くなるため大熱量を必要とする。

このようにして得られた混綿シートの片面又は両面にガ
ラス繊維集束体を分散！Ｒ層させた後、これを基材とし
、この基材をその基材が含有する熱可塑性繊維の融点以
上の温度に加熱する。

加熱温度は含有される熱可塑性繊維の素材やガラス繊維
と熱可塑性繊維との配合割合、基材の厚み等により異な
るが、通常、熱可塑性繊維の融点よりも５〜１００℃高
い温度が採用される。

次にこの基材を所望の形状を有する金型を用いて加圧（
圧１ｉｉ）成形する。圧縮時間￥ｉ５〜２０分である。

このような製造方法で得られた繊維質シート成形体は、
解繊されたガラス繊維同士が熱可塑性の加熱溶融物によ
り接着されて基材シートとされ、該基材シートの片面又
は両面に分散積層されたガラス繊維集束体が前記溶融物
により一体に接着された構成となっている。

このガラス繊維質シート成形体を自ＢｌＪ車用天井材と
して使用する場合は、成形体の表面傾け、織布、不織布
、プラスチックシート等でなる内装用化粧材が接着され
る。成形品と内装用化粧材とを積層し、これを加熱し、
一体的に成形してもよい。

本発明の繊維質シート成形体は、「作用」の項で述べる
ように、空隙率が高く成形体中を気体が透過する場合も
ある。例えば、煙草の煙のように天井のよごれを防ぐた
めに、成形体表面に空気遮断用シートを貼ることも推奨
される。このような空気遮断用シー）Ｋは、例えば、プ
ラスチックシートや高密度不織布が用いられる。

この空気遮断用シートも化粧材と同様ＫＥ形体と一体成
形が可能である。成形体の片面にこの空気遮断用シート
を、他面に内装用化粧材を積層し、この積層体を加熱し
圧縮成形することにより、表面に空気遮断用シートと内
装用化粧材とを有する。繊維質シート成形体が得られる
。

（作用） 本発明の繊維質シート成形体は、前述の本発明の成形体
の製造方法の如く、ガラス繊維と熱可塑性繊維とでなる
比較的低密度の混綿シートの片面又は両面にガラス繊維
集束体を分散積層し、これを圧縮成形して得られる。こ
の成形品中の熱可塑性繊維は加熱工程でその大部分を溶
融し、水滴状となってガラス繊維に付着すると考えられ
る。金型による圧縮工程でガラス繊維が圧縮されると、
この水滴状の溶融樹脂もガラス繊維上を移動し繊維と繊
維との接触点Ｋｉする確率が高いと考えられる。温度が
降下すると熱可塑性繊維に由来する樹脂は硬化し、ガラ
ス繊維同士を強固に接着するパイングーの働きを示す。

このよう圧して得られる成形体はガラス繊維同士が樹脂
により固定された状！！ＩＫあるため、剛性及び形状維
持性に優れる。

ガラス繊維が使用されているため、その熱安定性は従来
の熱可塑性樹脂発泡体に比べてはるかに高い。

目的とする成形体の厚みよりも厚い基材を圧Ｊ！成形す
るため賦形性にも優れている。

成形体は比較的低密度の混綿シートから得られるため軽
量であり、成形体の空隙率は８０〜９９．５％と高い。

成形体の空隙率（密度）＃−ｔその部分により異なるが
、例えば、自動車天井の周辺部は充分に圧縮して成形し
て成形されているため高密度であり、中央部は圧縮して
成形されているため高密度であり、中央部は圧縮強度が
小さいため低密度である。高密度部分では特に剛性が高
く、低密度部分では弾力性を有し吸音効果が高い。

このように、本成形体は前記各種の優れた性質を有する
ため、従来必要とされた補強材、吸音材、クッション材
等が不要となる。そのため、自動車天井製造のための工
程が簡略化され、天井自体の重量も軽量化される。

（実施例） 以下に本発明を実施例てより説明する。

〈実施例１〉 （ん成形体の製造 ガラス繊維（フィラメント状）（直径１０μｍ１繊維長
５０〜１００朋）ガラス繊維集束体（単位重量２０００
７ＥＸ、繊維長５０〜１００ｆｌ） 熱可塑性繊維・・・ポリプロピレン繊維（直径１３μｍ
１繊維長５０〜１００ｔｕ、融 点１６０℃） 内装化粧材・・・ポリエステル製不織布（厚み１５ｍ） 上記ガラス繊維５０重量％、熱可塑性繊維５０重量％か
らなるものをカードマシンにかけて均一に混綿し、厚み
２０顛、密度０．０４の混綿シートを得た。この混綿シ
ートの両面にガラス繊維集束体を混綿シート中のガラス
繊維に対して各々１０重量％の割合で分散積層させ基材
を得た。この基材を幅１１５０ｕｒ長さ１４００ｆｌＫ
切断し、これに同サイズの上記内装化粧材を積層して、
全体を基体の厚みと同じ間隔をもたせた２板の金網の間
に挾んだ。この積層体を２００℃の熱風で３分間加熱し
た後、金網より取出して、速やかＫＩＮ度３０℃の金型
を用い圧縮力ＩＫｇ／ｃ＋ｄの力で１分間圧縮成形した
。

金型は、最小肉厚部が、３．ＯＭｊ１１最大肉厚部が８
．　Ｏｕ　Ｋ設計されており、得られた成形体はほぼこ
の金型の形状に対応していた。

この成形体は、解繊されたガラス繊維同士が熱可塑性繊
維の溶融物により接着されたシートの両面π分散積層さ
れたガラス繊維集束体が前記溶融物により一体に接着さ
れた構成となっていた。

（Ｂｌ成形体の性能評価 （Ａ）項で得られた成形体を９５℃の熱風オープン中で
２０時間保持した後、変位量（たれ）を測定した。別に
、（Ａｉ項で得られた成形体から厚さ６ｊＦｆｆ、幅５
０ｆｆ１ｉさｌ　５０ｊｅｌの試料片を切り取り、曲げ
強さの評価を行なった。

まず、上記試料片を１００１１１１の間隔をもって配設
された一対の支持体上に載置する。次いで、この試料片
中央部に５０ｆｆ／分のスピードで圧力を加えていく。

そして、試料片が屈曲するときの重量を測定した。さら
に、（５）項で得られた成形体から厚さ８ｊｆｆ、１ｌ
ｉ５００ｊｆｆ、長ざ５００ｆｌの試料片を切り取り、
残響室法により１０００Ｈｚにおける吸音率を測定した
。

それぞれの結果を第１７（Ｋ示す。第１９において成形
体の空隙率は、その厚森の平均を６闘として算出した。

成形体重量は化粧材重量を含まない。曲げ強さの項にお
いて、○印は１０Ｋｉ／ｃ！ｉ以上を、△印は９．９〜
６Ｋｐ／ｄを示す。実施例２〜４及び比較例の結果も併
せて第１表に示す。

く実施例２〉 混綿シートの熱可塑性繊維のしめる割合を２０重量％と
じ、厚さ６０ｆｌで密度が０．　Ｏ１５の混綿シートと
したこと以外は実施例１と同様である。

〈実施例３〉 混綿シートの熱可塑性繊維のしめる割合を７５重゛量％
とし、厚さ２０ｆｉで密度がα０４の混線シートを製造
したこと以外Ｆ′ｉｐ施例１と同様である。

〈＊施例４〉 混綿シートの熱可塑性繊維のしめる割合を２０重量％の
混綿シートとしたこと、及びとの混綿シートの両面に表
面にポリプロピレンをコーティングしたガラス繊維集束
体を混綿シート中のガラス繊維に対して各々１７重量％
の割合で分散積層したこと以外Ｆｉ夾実施１と同様であ
る。

く比較例〉 ガラス繊維集束体を積層したこと以外は実施例１と同様
である。

（発明の効果） 本発明の繊維質シート成形体は、軽量で剛性を有し、か
つ賦形性、耐熱性、断熱性、吸音性及びクッション性に
優れ、かつ高温における剛性及び寸法安定性に優れてい
る。このような成形体は、特に自動車天井材に用いると
、従来、自動車天井材に必鼎とされた補強材、クッショ
ン材、吸音材が不要となる。天井自体も軽量化されるた
め、燃費が低減する。又、この成形体は自動車天井に限
らず、家屋や船舶用の天井材あるいは断熱用建材等が多
くの分野に利用されうる。

本発明の繊維質シート成形体の製造方法は、上記の成形
体を簡単な工程で製造し、安価に供給することができる
。

特許出厘人 積水化学］ニジ′−株式会社 代表′仁、寿　口　　ご

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. １．　解繊されたガラス繊維同士が熱可塑性繊維の加熱
   溶融物により接着された基材シートの片面又は両面に分
   散積層されたガラス繊維集束体が前記溶融物により一体
   に接着されてなる繊維質シート成形体。
2. ２．　ガラス繊維集束体が、単位重量４００〜４０００
   ＴＥＸで繊維長が３０〜２００ｍｍのものである特許請
   求の範囲第１項記載の繊維シート成形体。
3. ３．　それぞれ解繊されたガラス繊維と熱可塑性繊維か
   らなる混綿シートの片面又は両面に、ガラス繊維集束体
   を分散積層し、該積層体を前記熱可塑性繊維の融点以上
   の温度に加熱・圧縮成形して、混綿シート中のガラス繊
   維同士を熱可塑性繊維の溶融物により接着して基材シー
   トとするとともに、該基材シートとその上に分散積層さ
   れたガラス繊維集束体を前記溶融物により一体に接着す
   ることを特徴とする繊維質シート成形体の製造方法。
4. ４．　ガラス繊維集束体が、単位重量４００〜４０００
   ＴＥＬで繊維長が３０〜２００ｍｍのものである特許請
   求の範囲第３項記載の繊維質シート成形体の製造方法。
5. ５．　ガラス繊維集束体が、その集束体表面にて熱可塑
   性樹脂をコーティングしたものであり、加熱温度が該熱
   可塑性樹脂の融点以上の温度である特許請求の範囲第３
   項記載の繊維質シート成形体の製造方法。
6. ６．　混綿シートが熱可塑性繊維を５〜７５重量％の割
   合で含有するものである特許請求の範囲第３項記載の繊
   維質シート成形体の製造方法。
7. ７．　ガラス繊維集束体が混綿シート中のガラス繊維の
   １０〜３０重量％用いるものである特許請求の範囲第３
   項記載の繊維質シート成形体の製造方法。