JPS6311516B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、アースオーガ掘削機におけるオー
ガスクリユーを着脱する際に使用されるオーガス
クリユー着脱作業用足場装置に関する。

近年、基礎杭、土止壁、遮水壁等を造成する工
法としては、低振動、低騒音などの利点を有する
アースオーガ掘削機を使用したPIP（Packed−in
−place）工法等が頻繁に用いられている。この
ような工法に使用されるアースオーガ掘削機は、
クローラクレーン等に搭載され、垂直に立設され
たマストにギアドモータを上下方向移動自在に支
持し、このギアドモータに中空部を有するオーガ
スクリユーを下方へ向けて突出するように連結し
た構造になつており、ギアドモータによりオーガ
スクリユーを回転させ孔を掘削する。このような
構成のアースオーガ掘削機は、PIP工法に使用さ
れる場合に、掘削された孔からオーガスクリユー
を引き上げる際オーガスクリユーの中空部を通し
て孔内にモルタルを注入することができる。ま
た、このオーガスクリユーは、継ぎ足すことがで
き、マストの高さ如何に拘わらず適宜深さまで孔
を掘削できる。このため、このアースオーガ掘削
機は、地上において高さに制限がある場所におい
ても十分施工することが可能である。

ところで、従来、上述したアースオーガ掘削機
におけるオーガスクリユーを継ぎ足す際のオーガ
スクリユー着脱作業は、作業者が１本の安全帯に
頼つてマストに設けられたタラツプとオーガスク
リユーに足を掛けて行われていた。このため、オ
ーガスクリユー着脱作業は、作業者にとつて危険
であり、しかも作業が能率的でないという欠点を
有していた。また、前記の欠点を除去した作業方
法としては、ギアドモータとオーガスクリユーの
連結部近傍に足場を設け、この足場上において作
業を行う方法も採られていた。しかしながら、こ
の作業方法に用いられる足場においては、掘削作
業中にギアドモータがマストの下端部近傍に降下
した際に前記足場が掘削されている孔近傍の地盤
に接触または近接するため、地上での排土作業に
困難を生ずるという欠点を有するものであつた。

この発明は、上記の事情に鑑みてなされたもの
であつて、アースオーガ掘削機におけるオーガス
クリユー着脱作業を安全に且つ能率よく行うこと
ができると共に、掘削作業中の地上における排土
作業の妨げにならないような足場装置を提供する
ものであり、その特徴とするところは、ギアドモ
ータの外周壁に足場装置本体の上端部を取付け、
前記足場装置本体をその上下方向中間部において
水平方向の軸線を中心に折曲自在に構成し、足場
装置本体の下端部とマストの上端部との間にワイ
ヤーロープを掛渡し、前記ギアドモータが降下し
た際前記ワイヤーロープの張力により前記足場装
置本体がその上下方向中間部から折り曲がるよう
にした点である。

以下、この発明の実施例を図面に参照して説明
する。

第１図および第２図は、この発明によるオーガ
スクリユー着脱作業用足場装置を備えたアースオ
ーガ掘削機の概略構成を示した図である。アース
オーガ掘削機Ａは、図示しないクローラクレーン
に搭載されている。符号１はマストであり、クロ
ーラクレーンにより垂直に立設されている。この
マスト１には、長手方向に沿つてリーダパイプ２
が取付けられており、このリーダパイプ２には、
ギアドモータ３が上下方向移動自在に取付けられ
ている。前記ギアドモータ３の上部には、ワイヤ
ーロープ４，４が連結され、このワイヤーロープ
４，４は、マスト１の上端部に回動自在に支持さ
れたシーブ５，５に係合し、クローラクレーンに
搭載された図示しないウインチに連結されてい
る。この構造によりギアドモータ３は、上下方向
の位置をウインチにより制御されるようになつて
いる。そして、ギアドモータ３の下部には、中空
管に螺旋状のウイングを設けたオーガスクリユー
６が下方向に向けて突出するように連結されてい
る。この機構のもとにオーガスクリユー６は、ギ
アドモータ３を駆動源として回転できるようにな
つている。

一方、上記ギアドモータ３の外側壁には、足場
装置本体７が取付けられている。この足場装置本
体７の側面図および正面図を第３図および第４図
に示す。足場装置本体７は、長方形の上部枠７ａ
の下端部に長方形の下部枠７ｂの上端部を蝶番
８，８を介して水平方向の軸線を中心に折曲でき
るように連結したものであり、下部枠７ｂの下端
部には、長方形の板状の床部７ｃが略Ｌ字状に固
着されている。なお、上記のような構成からなる
足場装置本体７は、通常の場合、上部枠７ａと下
部枠７ｂとが平板状になつているが、後述するワ
イヤーロープの張力が働くと上部枠７ａと下部枠
７ｂは蝶番８，８により折曲するようになつてい
る。更に、前記上部枠の上端部の両隅には突起部
９，９，…が固着され、前記ギアドモータ３の外
側壁に側方へ向けて突出するように設けられた足
場支持部材３ａに、ピン１０を介して水平方向の
軸線を中心に回動自在に枢着されている。この場
合、床部７ｃは、ギアドモータ３とオーガスクリ
ユー６の連結部より下方へ位置するようになつて
いる。一方、床部７ｃの先端部の両隅には、上方
に向けて突出するようにロープ取付け部１１，１
１が設けられている。そして、前記マスト１の上
端部側壁にはロープ支持部材１２が固着されてお
り、前記ロープ取付け部１１，１１との間にワイ
ヤーロープ（紐状体）１３が連結されている。こ
こで、ワイヤーロープ１３は、ギアドモータ３が
マスト１の下端部近傍に降下した際ワイヤーロー
プ１３の張力により足場装置本体７が蝶番８から
折曲し、床部７ｃおよび下部枠７ｂがギアドモー
タ３の側壁近傍に折り畳まれるように長さが設定
されている。

次に、上記の構成からなる装置の作用について
説明する。

アースオーガ掘削機Ａは、ギアドモータ３によ
りオーガスクリユー６を回転させ、ギアドモータ
３がリードパイプ２上を垂直に降下することによ
り掘削を行い、オーガスクリユーの周囲に設けら
れた螺旋状のウイングにより連続的に排土を行
う。ここで、オーガスクリユー６の継ぎ足し作業
を行うに際して、高所においてギアドモータ３と
オーガスクリユー６との着脱作業を行う場合、ギ
アドモータ３がマスト１の上部に位置しているた
め、ワイヤーロープ１３は弛みを生じ、このた
め、床部７ｃの先端部に設けられたロープ取付け
部１１には、張力が掛からない。このことから、
上部枠７ｂと下部枠とは平板状となり、足場装置
本体７は、作業者が床部７ｃ上で作業を行える状
態になる。このような状態において、作業者は床
部７ｃ上でオーガスクリユーの着脱作業を行うこ
とができる。次に、掘削作業を行う際、ギアドモ
ータ３がリーダパイプ２上を順次降下し、床部７
ｃの先端部に設けられたロープ取付け部１１とマ
スト１の上端部に設けられたロープ支持部材１２
との距離がワイヤーロープ１３の長さに達する
と、床部７ｃの先端部に設けられたロープ取付け
部１１には、ワイヤーロープ１３による張力が掛
かる。このため、ギアドモータ３が更に降下をし
てもロープ取付け部１１は上下方向に移動しない
ため、足場装置本体７は蝶番８により折曲する。
そして、ギアドモータ３がマスト１の下端部に達
した際、足場装置本体７は、ギアドモータ３の側
壁近傍に折り畳まれる。

このようにして、足場装置本体７は、ギアドモ
ータ３がマスト１の下端部に達した場合において
も、ワイヤーロープ１３の張力によりギアドモー
タ３の側壁近傍に折り畳まれるため、地上での排
土作業に支障をきたすことがない。

なお、上記の実施例においては、床部の先端部
に設けられたロープ取付け部とマストの上端部に
設けられたロープ支持部材との間をワイヤーロー
プにより連結したが、鎖でもよく、要は張力を有
する紐状のものであればよい。

以上詳細に説明したようにこの発明によれば、
アースオーガ掘削機のギアドモータの外周壁に足
場装置本体の上端部を取付け、前記足場装置本体
とその上下方向中間部において水平方向の軸線を
中心に折曲自在に構成し、足場装置本体の下端部
とアースオーガ掘削機の上端部との間に紐状体を
掛渡し、前記ギアドモータが降下した際前記紐状
体がその上下方向中間部から折り曲るようにした
ことから、高所におけるオーガスクリユー着脱作
業を行う際、作業者が安定した足場上で作業を行
うことができ、更にギアドモータがマスト下端部
近傍に降下した場合には、足場装置本体をギアド
モータの側壁近傍に折り畳むことができる。この
ことから、オーガスクリユーの着脱作業は作業者
が安全に且つ能率的に作業を行うことができ、更
に、掘削作業中の地上での排出作業に支障をきた
さない等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は、いずれもこの発明によるオ
ーガスクリユー着脱作業用足場装置を備えたアー
スオーガ掘削機の概略構成図、第３図は、オーガ
スクリユー着脱作業用足場装置の要部側面図、第
４図は同正面図である。 １……マスト、３……ギアドモータ、６……オ
ーガスクリユー、７……足場装置本体、１３……
ワイヤーロープ（紐状体）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 垂直に立設されたマストにギアドモータを上
   下方向に移動自在に支持し、前記ギアドモータに
   オーガスクリユーを下方に向けて突出するように
   連結し、このオーガスクリユーを前記ギアドモー
   タにより回転させるようにしたアースオーガ掘削
   機に取付けられるものであつて、ギアドモータの
   外周壁に足場装置本体の上端部を取付け、前記足
   場装置本体をその上下方向中間部において水平方
   向の軸線を中心に折曲自在に構成し、足場装置本
   体の下端部と前記マストの上端部との間に紐状体
   を掛渡し、前記ギアドモータが降下した際前記紐
   状体の張力により前記足場装置本体がその上下方
   向中間部から折り曲がるようにしてなることを特
   徴とするオーガスクリユー着脱作業用足場装置。