JPS629257Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、本実張りすべく二側端面に雄実部
が、他の二側端面に雌実部が形成された建築用板
状体の堆積体である被梱包物を段ボールとシユリ
ンクフイルムとで梱包してなる梱包体に関するも
のである。

（従来の技術） 一般に、建築用板状体においては、その二側端
面に雄実部を、他の二側端面に雌実部を形成し
て、板状体同志を本実張り接合することが、接合
の際に釘頭が露出しないことから好ましいので広
く採用されているが、この各実部は、雄実部と雌
実部とが互いに嵌合可能なように薄く形成されて
いるために損傷を受けやすく、損傷を受けると嵌
合困難となり商品価値がなくなつてしまうことに
なる。

そのため、従来、建築用板状体の複数枚を堆積
し、必要によりシユリンクフイルムで包装したの
ち、段ボール箱に収容して梱包体に形成せしめて
出荷することが行われていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかるに、このような梱包体は、所定の展開形
状の段ボールを組立ててなる段ボール箱に被梱包
物を収容しているので、段ボール箱が一体であ
り、被梱包物の保護性や梱包外観に優れている反
面、段ボールが複雑な展開形状を有し高価である
ため、梱包費用が高くつくという欠点を有してい
た。さらに、被梱包物の使用に際しては、段ボー
ル箱を開梱したのちシユリンクフイルムを除去す
る二段階の操作が必要であり、また、段ボール箱
から被梱包物を取出す際、各実部が段ボール箱に
触れて破損する危険があつた。

本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもの
で、建築用板状体の側端面に設けられた雄実部及
び雌実部の損傷を防止することを基本とし、その
包装を単純な形状で安価な複数の段ボールを用い
て、一体性が良く、被梱包物（特に板状体の各実
部）の保護性および梱包解体性に優れ、しかも低
廉な梱包費で済むようにすることを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本考案の解決手段
は、二側端面に雄実部が、他の二側端面に雌実部
が形成された建築用板状体を複数枚堆積してなる
被梱包物を梱包してなる梱包体であつて、上記被
梱包物の下面には、被梱包物の下面とほぼ同じ大
きさの地面保護部と、該地面保護部の相対する一
対の側端から直立する一対の木口面保護部とを有
する地面保護用段ボールが、その地面保護部で被
梱包物の下面を被覆するように配設され、上記被
梱包物の四側端面外周には、被梱包物の各側面と
ほぼ同じ大きさの一対の側面保護部と、被梱包物
の木口面とほぼ同じ大きさの一対の木口面保護部
とを有する四角枠状に組立てられた側周面保護用
段ボールが、その下端を上記地面保護用段ボール
の地面保護部上に載置せしめた状態で被梱包物の
四側端面を被覆するように配設され、該側周面保
護用段ボールの上端開放面には被梱包物の上面と
ほぼ同じ大きさの天面保護用段ボールが被梱包物
の上面を被覆するように配設されていて、これら
各段ボールで上記被梱包物が囲繞されており、該
各段ボールはその外周をシユリンク包装するシユ
リンクフイルムで一体に緊結されている構成とし
たものである。

（作用） 上記の構成により、本考案の梱包体において
は、被梱包物を囲繞する天面保護用、地面保護用
および側周面保護用の各段ボールが帯板状の単純
な展開形状であるため、安価な梱包費で形成で
き、しかもシユリンクフイルムで包装することに
より、各段ボールを一体性のある囲繞体に形成で
きる。

しかも、被梱包物の使用に際しては、シユリン
クフイルムを除去し、側周面保護用段ボールを取
去ると、建築用板状体をその側端面の雄実部及び
雌実部が他の物に触れることなく取出すことがで
き、各実部の損傷が防止される。また、シユリン
クフイルムを除去すると、梱包体が解体されて被
梱包物を容易に取出すことができ、解体性が良好
となる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図ないし第３図は本考案に係る梱包体Ａを
示し、第１図〜第３図において、Ｂは二側端面に
雄実部が、他の二側端面に雌実部が形成された建
築用化粧板等の建築用板状体ｂ，ｂ…を複数枚堆
積してなる直方体形状の被梱包物である。１は被
梱包物Ｂの天面（上面）を被覆保護するよう該天
面と略同じ大きさの天面保護用段ボールであり、
２は、被梱包物Ｂの地面（下面）を被覆保護する
よう該地面と略同じ大きさの地面保護部２ａと、
該地面保護部２ａの相対する一対の側端から直立
し被梱包物Ｂの木口面を被覆保護するよう該木口
面と略同じ大きさの一対の木口面保護部２ｂ，２
ｂとを有するコ字状に折曲げ成形された地面保護
用段ボールである。３は、被梱包物Ｂの各側面を
被覆保護するよう該側面と略同じ大きさの一対の
側面保護部３ａ，３ａと被梱包物Ｂの木口面を被
覆保護するよう該木口面と略同じ大きさの一対の
木口面保護部３ｂ，３ｂとを有するように四角状
に折曲げ成形され、かつ両端を接着剤、ステープ
ル等で固定して四角枠状に組立てられる側周面保
護用段ボールである。該側周面保護用段ボール３
は他の段ボール１，２の２倍の厚さの複両面段ボ
ールによつて形成されている。さらに、上記地面
保護用段ボール２の地面保護部２ａにおける木口
面保護部２ｂ，２ｂ側とは反対側の相対する１対
の側端には、第４図にも示すように、上記側周面
保護用段ボール３の厚さと略同一寸法延出する延
出部２ｃ，２ｃが一体に設けられている。

そして、上記被梱包物Ｂに上記各段ボール１〜
３が被梱包物Ｂを囲繞するように配設され、その
外周を筒状のシユリンクフイルム４でシユリンク
包装することにより、各段ボール１〜３が一体に
緊結されて本考案の梱包体Ａが構成されている。
すなわち、被梱包物Ｂを地面保護用段ボール２の
地面保護部２ａ上に置き、該地面保護用段ボール
２の木口面保護部２ｂ，２ｂの外周囲に側周面保
護用段ボール３を、両木口面保護部２ｂ，３ｂを
合致せしめて被梱包物Ｂの四側端面を覆うよう
に、かつ上記地面保護部２ａの延出部２ｃ，２ｃ
上に側周面保護用段ボール３の側面保護部３ａ，
３ａ下端を載置せしめた状態で配置し、さらに該
側周面保護用段ボール３の上端開放面に天面保護
用段ボール１を、被梱包物Ｂの天面を覆うように
載置することにより、被梱包物Ｂを囲繞し、この
被梱包物Ｂの段ボール囲繞体の外周をシユリンク
フイルム４でシユリンク包装し、木口面中央部に
おいてシユリンクフイルム４の開口部４ａ，４ａ
を形成するように被覆してなるものである。

したがつて、上記梱包体Ａは、被梱包物Ｂを囲
繞する天面保護用、地面保護用および側周面保護
用の各段ボール１〜３が帯板状の単純な展開形状
であるため、安価な梱包費で形成でき、しかもシ
ユリンクフイルムで包装することにより、各段ボ
ール１〜３を一体性のある囲繞体に形成できるも
のである。特に本実施例では、地面保護用段ボー
ル２の地面保護部２ａの相対する１対の側端に設
けた延出部２ｃ，２ｃ上に側周面保護用段ボール
３の側面保護部３ａ，３ａ下端が載置された状態
でシユリンク包装されてなるため、天面保護用段
ボール１と側周面保護用段ボール３との一体性は
勿論のこと、地面保護用段ボール２と側周面保護
用段ボール３との一体性が向上し、外力に対して
ズレや変形が生じにくいので、被梱包物Ｂの保護
性および梱包外観を向上させることができる。ま
た、このような梱包体Ａを多数個積み重ねた際、
上記の如く地面保護用段ボール２の延出部２ｃ，
２ｃ上に側周面保護用段ボール３の側面保護部３
ａ，３ａ下端を載置したことにより、該側周面保
護用段ボール３がズレてその下端が下方の梱包体
Ａ天面に喰い込んで梱包外観を低下させるような
ことがなく、良好な梱包外観を維持することがで
きる。

また、上記地面保護用段ボール２における地面
保護部２ａの相対する他の１対の側端に、該地面
保護部２ａに対して直立する木口面保護部２ｂ，
２ｂを設けたことにより、地面保護用段ボール２
と側周面保護用段ボール３との一体性をより一層
向上させることができるとともに、被梱包物Ｂの
木口面の保護を一層図ることができる。

さらに、梱包体Ａを解体して被梱包物Ｂを使用
する際には、シユリンクフイルム４を除去すると
いう一段階の操作で解体されるので、解体操作が
容易である。しかも、シユリンクフイルム４を除
去し側周面保護用段ボール３を取去ると、建築用
板状体ｂをその雄実部及び雌実部が他の物と触れ
ることなく容易に取出すことができるので、建築
用板状体ｂの各実部を損傷させることなく使用に
供することができ、梱包を実効あるものとするこ
とができる。

尚、上記実施例では、側周面保護用段ボール３
に複両面段ボールを用いたが、その他の段ボール
を用いることのできるのは勿論である。このよう
な複両面段ボールは、特に被梱包物Ｂすなわち建
築用板状体ｂ，ｂ…の側端面に施された雄実部お
よび雌実部の保護性を向上させるので好ましい。

又、上記実施例では、上記梱包体Ａの木口面に
シユリンクフイルム４の開口部４ａ，４ａを設け
たが、この場合には開口部４ａ，４ａを運搬時の
手掛り部として利用することができ、取扱いの容
易化を図ることができる。このような開口部４
ａ，４ａを手掛り部に利用する場合、シユリンク
フイルムは40μ以上の厚さのものを用いるのが好
ましい。

第５図および第６図は上記実施例の変形例を示
し、第５図では、上記実施例の天面保護用段ボー
ル１と地面保護用段ボール２とを該地面保護用段
ボール２の一方の木口面保護部２ｂを介して一体
形成した天地面保護用段ボール５を示し、該天地
面保護用段ボール５と側周面保護用段ボール３と
で被梱包物Ｂを囲繞するものである。また、第６
図では、天面保護用段ボール１′の相対する１対
の側端に被梱包物Ｂ木口面の略半分の高さを有す
る木口面保護部１′ａ，１′ａを設ける一方、地面
保護用段ボール２′の相対する１対の側端に、同
様に、被梱包物Ｂ木口面の略半分の高さを有する
木口面保護部２′ｂ，２′ｂを設けたものであり、
その他の構成は上記実施例と同じであり、同様の
作用効果を奏することができるものである。

尚、上記実施例では、地面保護用段ボール２
（又は天地面保護用段ボール５）の木口面保護部
２ｂ，２ｂの外周囲に側周面保護用段ボール３を
配したが、該木口面保護部２ｂ，２ｂの内周囲に
側周面保護用段ボール３を配するようにしてもよ
い。

（考案の効果） 以上の如く、本考案によれば、一体性がよく、
被梱包物である建築用板状体（特にその雄実部及
び雌実部）の保護性および梱包の解体性に優れ、
しかも梱包費の低廉な梱包体を提供することがで
きる。特に、使用の際、シユリンク包装を除去す
れば、建築用板状体をその各実部が損傷すること
なく容易に取出すことができるので、建築用板状
体の梱包として実効あるものとなり好適なもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を例示し、第１図は分解
斜視図、第２図は上方から見た斜視図、第３図は
下方から見た斜視図、第４図は地面保護用段ボー
ルの展開図、第５図および第６図はそれぞれ変形
例を示す斜視図である。 Ａ……梱包体、１，１′……天面保護用段ボー
ル、１′ａ……木口面保護部、２，２′……地面保
護用段ボール、２ａ，２′ａ……地面保護部、２
ｂ，２′ｂ……木口面保護部、２ｃ，２′ｃ……延
出部、３……側周面保護用段ボール、３ａ……側
面保護部、３ｂ……木口面保護部、４……シユリ
ンクフイルム、４ａ……開口部、５……天地面保
護用段ボール、Ｂ……被梱包物、ｂ……建築用板
状体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 二側端面に雄実部が、他の二側端面に雌実部
   が形成された建築用板状体を複数枚堆積してな
   る被梱包物を梱包してなる梱包体であつて、上
   記被梱包物の下面には、被梱包物の下面とほぼ
   同じ大きさの地面保護部と、該地面保護部の相
   対する一対の側端から直立する一対の木口面保
   護部とを有する地面保護用段ボールが、その地
   面保護部で被梱包物の下面を被覆するように配
   設され、上記被梱包物の四側端面外周には、被
   梱包物の各側面とほぼ同じ大きさの一対の側面
   保護部と、被梱包物の各木口面とほぼ同じ大き
   さの一対の木口面保護部とを有する四角枠状に
   組立てられた側周面保護用段ボールが、その下
   端を上記地面保護用段ボールの地面保護部上に
   載置せしめた状態で被梱包物の四側端面を被覆
   するように配設され、該側周面保護用段ボール
   の上端開放面には被梱包物の上面とほぼ同じ大
   きさの天面保護用段ボールが被梱包物の上面を
   被覆するように配設されていて、これら各段ボ
   ールで上記被梱包物が囲繞されており、上記各
   段ボールはその外周をシユリンク包装するシユ
   リンクフイルムで一体に緊結されていることを
   特徴とする梱包体。 (2) 地面保護用段ボールの一方の木口面保護部は
   被梱包物の木口面とほぼ同じ大きさに形成され
   ていて、該木口面保護部を介して地面保護用段
   ボールと天面保護用段ボールとが一体に形成さ
   れていることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第(1)項記載の梱包体。 (3) 地面保護用段ボールは、その地面保護部の相
   対する他の一対の側端に、側周面保護用段ボー
   ルの厚さと略同一寸法延出する延出部を有する
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)
   項記載の梱包体。