JPS62832Y2

JPS62832Y2 -

Info

Publication number: JPS62832Y2
Application number: JP12093882U
Authority: JP
Priority date: 1982-08-09
Filing date: 1982-08-09
Publication date: 1987-01-09
Also published as: JPS5924237U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は自動工作機械に設備される工具の取替
え装置に関する。

マシニングセンタなどを多数並設し、これら工
作機械をコンピユータにより総括制御する加工設
備（FMS）が最近数多くみられる。この設備で
使用される工具は、他の場合と同様に、寿命がき
たり、折損したり、或いは加工の対象が変つたよ
うな場合、これを取り替える必要がある。

従来から行われてきた工具の取替え方法として
は、 (a) 工作機械を停止させ、人手により工具マガジ
ンの工具を取替る。

(b) 工作機械の工具マガジンを交換式にしてマガ
ジンごと工具を取り替える。

(c) 工作機械の工具マガジンと別のサブマガジン
の間で工具を取り替える。

などが採用されているが、上記(a)の場合は、機
械を停止させて工具を取り替える必要があるため
稼動率が低くなり、また人手を要するため、無人
運転化することができない、という欠点がある。
また、(b)の場合は、一般の加工において工作物の
工程及び対象によつて共用工具と専用工具で対処
することになるが、これを一つの工具マガジンに
収納するとき、マガジンと交換する取替え方法で
は、共用工具を各マガジンごとにもつ必要があり
不経済である上、マガジンを搬送し、工作機械に
ローデイングする装置、さらには位置決め、クラ
ンプ装置など、通常の工具交換装置以外の装置が
必要で高価につき、しかも広いスペースを必要と
する。といつた欠点がある。さらにまた(c)の場合
は、サブマガジンの搬送割出し装置、工作機械の
工具マガジンへのローデイング装置などが必要
で、上記(b)の場合と同様に高価なものとなり、広
いスペースもとるといつた欠点がある。

また、上記以外に、工具パレツトに工具棚と工
具取替え装置（ロボツト）を設備し、工具棚にの
せられた工具をロボツトによつて取り替えるよう
にしたものも提案されているが（特開昭51−
70579号）、工具を取り替える際に他の工具が邪魔
になりやすく、工具の本数、存び工具の配置に大
きな制約が出るほか、ロボツトの設備に起因して
装置が高価になる欠点がある。

本考案は、工作機械の主軸に装着される回転軸
に、工作機械のストツパに係止せしめられて共回
りを阻止されるフレームを取り付け、更にこのフ
レームに上記回転軸の回転によつて回動せしめら
れて先端の工具保持機構を直交する二位置に転換
させる回動アームを取り付けることにより、上記
従来の欠点を解消したもので、構造が簡単である
上、既設の工作機械にも設備することができ、し
かも作動が確実で安価につく、工具の取替え装置
を提供することを目的とする。以下本考案を図面
を参照して説明する。

第１図は本考案の工具取替え装置Ａが使用され
る工作機械Ｂとこれの関連機器の関連構成を示す
もので、工作機械Ｂは専用工具マガジン１と工具
チエンジヤ２とを備え、工具チエンジヤ２によ
り、専用工具マガジン１から１個の工具３を取り
出してこれを主軸４に装着し、また主軸４から工
具３を取り外して専用工具マガジン１に戻すこと
ができるようになつている。上記工作機械Ｂのロ
ータリテーブルＣの前にオートパレツトチエンジ
ヤＤが配設されており、無人搬送車Ｅによつて運
ばれてきたワークパレツトＦまたは工具パレツト
Ｇを、オートパレツトチエンジヤＤを通じてロー
タリテーブルＣの上に送り込むことができるよう
になつている。なお、上記の工作機械Ｂやロータ
リテーブルＣ、或いはオートパレツトチエンジヤ
Ｄ等は周知のものであり、本考案の工具取替え装
置Ａは工具パレツトＧ、或いは工具パレツトＧに
積載される取替え工具マガジンＨに着脱自在に取
り付けられる。

第２図は本考案の一実施例を示すもので、図中
５はフレームである。このフレーム５には、回転
軸６と従動軸７が互の傘歯車８，９を相互に噛み
合わせ、かつ垂直な面内において45度の角度で共
に周方向に回転自在に枢着され、また工作機械Ｂ
（主軸ヘツド４ａ）に設けられたストツパ１０に
係止せしめられる係止ピン１１が設けられてい
る。この係止ピン１１はばね１１ａによりフレー
ム５より突出する方向に付勢され、常時は該係止
ピン１１に固着した突片１１ｂが前記回転軸６に
固定した係止輪６ａの係合溝６ｂに係合し、回転
軸６を所定回転位置に固定しておくようになつて
いる。上記回転軸６は、その外端部に上記主軸４
のテーパ穴に合致するテーパ軸部と、主軸のキー
に嵌合するキー溝を有するシヤンク軸１２を備
え、係止ピン１１をストツパ１０の孔に挿入して
フレーム５の共回りを阻止した状態で上記シヤン
ク軸１２が工作機械Ｂの主軸４にくわえられて水
平に支持され、主軸４と一緒に回転して従動軸７
を回転させるようになつている。一方、従動軸７
の外端部には、周知の工具ポツト或いはバネクラ
ンプなどの工具保持機構１３を先端に備えた回動
アーム１４が、水平面に対して45度傾斜した面内
で従動軸７を中心に回動自在に取り付けられてい
る。この回動アーム１４は、従動軸７により従動
軸７を中心に回動せしめられて、工具保持機構１
３に保持した工具３を、垂直状態から水平状態
に、また水平状態から垂直状態に転換させるもの
であり、フレーム５に設けられた停止具１５に触
れて、回転軸６と従動軸７の中心軸線を含む垂直
な面内の上下二位置で停止するようになつてい
る。

なお、前記取替え工具マガジンＨは、前記パレ
ツトＧ上に立設された主柱H₁と、この主柱H₁の
上端に水平状態に固定した円板状の支持板H₂
と、この支持板H₂の外周部に沿つて適宜間隔を
あけて設けた複数個の工具保持具１６とからなつ
ている。そして各保持具１６は、支持板H₂の外
周部に回動自在に支持した一対のグリツパをバネ
の弾力を介して、工具３のフランジ溝部３ａを把
持し、該工具３が前記支持板に垂直状になるよう
に構成したもので、一対のグリツパ間には、該グ
リツパに把持された工具の回り止めをすべく、工
具３のキー溝に嵌合するキーが設けられている。

次に本考案の工具取替え装置の作用を工具の運
出しから順を追つて説明する。

工具ステーシヨンで用意された工具３は、所定
の工具パレツトＧに載せられた、所定の取替え工
具マガジンＨの各工具保持具１６に保持される。
工作機械等を総括制御するコンピユータには、前
記工具パレツトNo.（取替え工具マガジンNo.）、取
替え工具マガジンＨ内の工具No.と工具コード（工
具は絶対コードが付与されている。）が記憶され
る。取替え工具マガジンＨがセツトされた工具パ
レツトＧは上記コンピユータからの取替え指令が
あるまでパレツト収納場所などで待機する。な
お、本考案の工具取替え装置Ａは上記の工具パレ
ツトＧ或いは取替え工具マガジンＨに着脱自在に
積まれている。

加工スケジユールに従つて取替え指令が出る
と、取替え工具マガジンＨをセツトした工具パレ
ツトＧは無人搬送車Ｅにのせられて工作機械Ｂの
オートパレツトチエンジヤＤの所まで運ばれ、取
替え工具マガジンＨとともにオートパレツトチエ
ンジヤＤに引き込まれる。工作機械Ｂが加工中で
ある時は、加工が終るまで工具パレツトＧはオー
トパレツトチエンジヤＤの上で待機する。

工作機械Ｂによる加工が終了すると、工具パレ
ツトＧは工作機械ＢのロータリテーブルＣに移さ
れる。なお、上記に並行して、主軸４にくわえら
れた工具３は工具チエンジヤ２の作用で専用工具
マガジン１に移される。そして工具３を取り外し
た主軸４は、シヤンク軸１２をつかんで本考案の
工具取替え装置Ａを、これが積まれた工具パレツ
トＧ或いは取替え工具マガジンＨから取り出す。
この時、フレーム５の係止ピン１１はストツパ１
０の孔に挿入され、フレーム５を工作機械Ｂに固
定する（第２図参照）。この際、係止ピン１１
は、前記孔の端面に当接してばね１１ａの弾力に
抗して第２図中右方に押圧移動され、突片１１ｂ
が係止輪６ａの係合溝６ｂから離脱するので、回
転軸６の回転は自由となる。

このようにして本考案の工具取替え装置Ａを支
持した主軸４（主軸ヘツド４ａ）は、第２図の状
態から右方に前進して、取替え工具マガジンＨの
工具保持具１６に垂直に保持された取替え工具３
の真下に工具保持機構１３を動かし、そのまま上
昇して工具保持機構１３に取替え工具３を保持し
た後、同図左方に後退して取替え工具３を工具保
持具１６から取り外し、主軸４を回転させて回転
軸６を回転させ、傘歯車８，９と従動軸７を介し
て回動アーム１４を180度回動させる。回動アー
ム１４の上記回動によつて、それまで工具保持機
構１３に垂直に保持されていた取替え工具３は第
２図２点鎖線のように水平になる。主軸４は取替
え工具３を水平にし終ると、直ちに上下・左右に
動いてその取替え工具３を工具交換位置につけ
る。この工具交換位置は、回動アーム１４で水平
に保持された取替え工具３の軸線が、専用工具マ
ガジン１と主軸４との間で工具交換を行う通常の
工具交換位置における主軸の軸線と一致する位置
である。工具チエンジヤ２は、主軸４が取替え工
具３を工具交換位置につけるまでの間に専用工具
マガジン１から被取替え工具を取り出して待機
し、回動アーム１４の工具保持機構１３に保持さ
れた取替え工具３が上記のように工具交換位置に
つくと、回動アーム１４の工具保持機構１３に保
持されていた取替え工具をつかんで該工具保持機
構１３から外すとともに、専用工具マガジン１か
ら取り出した工具を回動アーム１４の工具保持機
構１３に保持させた後、工具保持機構１３から取
り外した工具を専用工具マガジン１に装着する。

主軸４は、回動アーム１４の工具保持機構１３
に工具チエンジヤ２によつて被取替え工具が装着
されると、前とは逆の方向に回転して回動アーム
１４を第２図２点鎖線の状態から同図実線の状態
に回動させ被取替え工具３を垂直にした後、前記
工具交換位置より取替え工具マガジンＨ側に移動
し、さらに、被取替え工具３のフランジ溝３ａの
位置が取替え工具マガジンＨの工具保持具１６の
高さ位置に合致するように動いてから第２図で右
方に前進した後、下降して工具保持機構１３の被
取替え工具３を、先に取替え工具３を取出し、空
になつている取替え工具マガジンＨの工具保持具
１６に装着し後退する。

上記で１回の工具交換が終了するが、何本もの
工具を交換する場合は上記の作動が繰り返えされ
る。なお、この場合、ロータリテーブルＣが工具
パレツトＧをのせたまま回動して次の工具を割り
出す。

被取替え工具を取替え工具マガジン１の工具保
持具１６に装着させて後退した主軸４は、本考案
の工具取替え装置Ａを工具パレツトＧ或いは取替
え工具マガジンＨに戻し、次の指令を待つことに
なる。

第３図は本考案の別の実施例を示すもので、こ
の工具取替え装置は、ねじ軸に構成された回転軸
６に、回止めキー１７を有する可動ナツト１８
が、フレーム５に設けられた滑り溝１９に上記回
止めキー１７を嵌め入れて、回転軸６の軸方向に
移動自在に設けられ、また、工具保持機構１３を
備えた回動アーム１４は枢軸２０でフレーム５に
上下に回動自在に取り付けられるとともに、上記
可動ナツト１８と回動アーム１４の間に、リンク
２３が、その両端を可動ナツト１８と回動アーム
１４に連結軸２２，２４で連結して取り付けられ
ている。そしてこの工具取替え装置は、主軸４で
シヤンク軸１２をくわえて回転軸６を一方に回転
させると、可動ナツト１８が第３図で左方に移動
し、リンク２３で回動アーム１４を左斜上に押し
て枢軸２０を支点に同図２点鎖線のように垂直に
起立させ、また回転軸６を他方に回転させると、
可動ナツト１８が第３図で右方に移動して、垂直
に起立している回動アーム１４を実線で示すよう
に水平に倒すようになつている。なお、この実施
例の工具保持機構１３は回動アーム１４に直角に
取り付けられているため、回動アーム１４が水平
になる時垂直になり、回動アーム１４が垂直にな
る時水平になる。第３図の２５はフレーム５に取
り付けられた停止具、２６は係止ピン１１に取り
付けられた停止具であつて、前者の停止具２５は
回動アーム１４を水平に停止させて工具保持機構
１３を正しく垂直にし、また後者の停止具２６は
回動アーム１４を垂直に停止させて工具保持機構
１３を正しく水平にするようになつている。停止
具２５，２６には、通常、ボルトが使用され微調
節ができるように構成される。この例の工具取替
え装置は、主軸４によつて工具保持機構１３を上
から下に降下させて取替え工具マガジンＨの工具
保持具１６にテーパシヤンクが上向きになるよう
にして保持され取替え工具を工具保持機構１３に
保持し、また被取替え工具を取替え工具マガジン
Ｈの工具保持具１６にテーパシヤンクを上向きに
して保持させた後、上昇して工具保持機構１３か
ら被取替え工具を離脱させること以外は、第２図
のものと全く同様であるので、これの作用の説明
は省略する。

なお、この実施例の場合、工具保持機構１３は
保持した工具が自重で落下しないように適宜の係
止機構（図面しない）が内蔵されていることは勿
論である。

以上、工具チエンジ２を使用して専用工具マガ
ジン１と主軸４との間で通常の工具交換を行う方
式の自動工具交換装置付工作機械に、本考案を適
用した場合について説明したが、本考案はこれに
限らず、上記工具チエンジヤ２を使用せず、専用
工具マガジン１と主軸４との間で直接に、通常の
工具交換を行う方式の自動工具交換装置付工作機
械にも適用し得る。この場合、取替え工具と被取
替え工具との交換は、専用工具マガジンと回動ア
ーム１４の工具保持機構１３との間で直接行われ
る。

以上説明したように、本考案の工具取替え装置
は、多機能のロボツトを必要とせず、主軸から動
力を取り出して回動アームを回動させ、工具保持
機構に保持された工具の姿勢を水平から垂直に、
また垂直から水平に変え、ロータリテーブルが持
つ割出し機能と、主軸（主軸ヘツド）等の工作機
械制御軸の送り機構を有効に活用して工具の取替
えを行うものであるから、工具取替えにあたり新
たに動力源を設ける必要がなく、構造が簡単であ
る上、作動が確実で安価につき、しかも既設の工
作機械にも利用できる長所がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の工具取替え装置が使用される
工作機械及びこれの関連機器の平面略図、第２図
は本考案の工具取替え装置の一実施例を示す正面
図、第３図は同、他の実施例を示す正面図であ
る。Ｂ……工作機械、４……主軸、５……フレー
ム、６……回転軸、１０……ストツパ、１３……
工具保持機構、１４……回動アーム。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

工作機械の主軸に装着される回転軸と、この回
転軸を周方向に回転自在に支持し、かつ回転軸が
主軸に装着された状態において工作機械のストツ
パに係止せしめられて回転軸の回転時における共
回りを阻止されるフレームと、このフレームに回
動自在に取り付けられ上記回転軸の回転によつて
回動せしめられて先端に設けられた工具保持機構
を直交する二位置に転換させる回動アームとを具
備したことを特徴とする工具取替え装置。