JPS628305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スライドドアを全開にした時に、該
ドアを動かないように係合しておくスライドドア
ロツク装置のドアハンドル構造に関するものであ
る。

従来、車体のドア開口部に車体前後方向へ開閉
自在に装着された自動車用スライドドアにおいて
は、該スライドドアの全開時のロツク装置として
第１図に示すように、ガイドレール１の後端に形
成した切欠部４から、ガイドレール１の側面に一
端をリベツト５により固定した板バネ２をガイド
レール１内に突入させ、このガイドレール１内に
突入させた板バネ２によりローラ３を掛止してス
ライドドアの全開時のロツク装置としていたが、
板バネ２によるロツク装置では、バネ力を強くす
ると掛止力は大きくなるがスライドドアを閉める
時の操作力が大きくなり、バネ力を弱くするとス
ライドドアの操作力は小さくなるが掛止力が小さ
くなるために、板路では、スライドドアの自重に
よりロツクがきかなくなるので、バネ力をあまり
弱くすることができない。このためにスライドド
アを閉める時の操作力が大きくなつていた。又、
車体のドア開口部後縁にストライカを設け、該ス
トライカに係合するロツクレバーをスライドドア
の前部内板に回動自在に軸支し、該ロツクレバー
を係合・非係合状態に位置させる操作レバーを、
閉扉時のドアロツク装置の解除及びドアを開閉用
取手を兼ねたハンドルとは別にスライドドアの前
端に設けて、スライドドアの全開時には、ハンド
ルを押しながら手で操作レバーを操作することに
より非係合状態の位置にあるロツクレバーをスト
ライカに係合させて、スライドドアの全開時のロ
ツク装置としたものが提案されているが、ドアを
閉める時には、手で操作レバーを操作してロツク
レバーを係合状態の位置から非係合状態の位置に
した後、ハンドルを閉方向に押して閉めるので、
二操作となり操作性が悪いという問題がある。

本考案は、上記問題点を解消するためになされ
たものであつて、スライドドアの全開時における
スライドドアロツク装置の係脱を容易にするドア
ハンドルを提供するものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

ａは車体Ａのドア開口部１１に車体前後方向へ
開閉自在に装着されたスライドドアであつて、該
スライドドアａのインナパネル１２の前部１２ｂ
にはスライドドアａの全開時のストツパー用バン
パラバー１４を固着したブラケツト１４ａの先端
が固定され、該バンパラバー１４の後端１４ｂと
インナパネル１２との間には、後方が開口する空
洞部１３が形成されている。

１６はスライドドアａの全開時のスライドドア
ロツク装置となる略「形のラツチであつて、ラツ
チ１６は、前記車体Ａのドア開口部１１の後縁３
０に設けられた係合部を形成する係止孔１５に係
脱するように先端にロツク爪１６ａが形成され、
ピン１７により空洞部１３内の前記バンパラバー
１４のブラケツト１４ａに回動自在に軸支されて
いる。ラツチ１６はピン１７に介装されたラツチ
スプリング１８によりロツク爪１６ａが係止孔１
５と係合する方向に付勢されている。ブラケツト
１４ａに設けられたストツパピン１９はラツチ１
６の基端１６ｂに当接してラツチ１６を位置決め
している。尚、図示ではラツチ１６をバンパラバ
ー１４のブラケツト１４ａに取付けたが、前記空
洞部１３内であれば、スライドドアａのインナパ
ネル１２に取付けても良い。又、係止孔１５にか
えて、ドア開口部１１の後縁３０の鉤状のストラ
イカを固定して係合部としても良い。

２０は前記バンパラバー１４と同位置になるス
ライドドアａのアウタパネル２１の凹部２１ａに
設けられた断面コ字状のドアハンドルであつて、
アウタパネル２１の凹部２１ａに取付けられた取
付ベース２５の側面２５ｃ，２５ｄとドアハンド
ル２０の内壁２０ｂ，２０ｃとが車体前後方向に
対向して適宜隙を設けて、取付ベース２５にハン
ドルピン２４により軸支されている。ドアハンド
ル２０の下端にはラツチレバー２２が設けられ車
体の内側方向に向つて延びアウタパネル２１の貫
通孔２１ｂとインナパネル１２の貫通孔１２ａと
を貫通し、ラツチレバー２２の先端２２ａが前記
ラツチ１６の基端１６ｂに当接可能に形成されて
いる。又、アウタパネル２１とインナパネル１２
との間に形成されたドア内２３のラツチレバー２
２の円弧状の長孔２２ｂが穿設され、該長孔２２
ｂに閉扉時のドアロツク装置（図示せず）に連結
され該ドアロツク装置を解除するロツド２８が接
続されている。このようにして前記ロツドに全開
時のスライドドアロツク装置の解除方向への動き
を伝えないように該動きを許容する遊びを設けて
いる。２６はハンドルピン２４に介装されたハン
ドルスプリングであつて、その両端はドアハンド
ル２０の内壁２０ｂ，２０ｃに当接して取付ベー
ス２５のピン２５ａ，２５ｂによりスプリング２
６の先端が広がらないように位置決めされてい
る。

上記構成により、第３図に示す閉扉状態からス
ライドドアａを開ける時には、ドアハンドル２０
を矢印Ｘ方向（開放方向）に操作すると、該ドア
ハンドル２０はハンドルスプリング２６の付勢力
に抗してハンドルピン２４を中心にして開方向に
回動すると共に、該ドアハンドル２０のラツチレ
バー２２も同調して回動し、該ラツチレバー２２
の長孔２２ｂに接続したロツド２８を作動させて
閉扉時のドアロツク装置（図示せず）を解除させ
ると同時に、該ドアハンドル２０の前側内壁２０
ｂが取付ベース２５の側面２５ｃに当接して開扉
操作ハンドルとなり該スライドドアａを開けるこ
とができる。そして該スライドドアａが全開に近
ずくとラツチ１６のロツク爪１６ａはラツチスプ
リング１８の付勢力に抗して車体Ａの係止孔１５
端をのりこえて弾発的に該係止孔１５に係合さ
れ、全開時におけるスライドドアａをロツクす
る。同時にバンパラバー１４の後端１４ｂが車体
Ａのドア開口部１１の後縁３０に当接する。

又、スライドドアａを閉める時には第４図に示
す開扉状態からドアハンドル２０を矢印Ｙ方向
（閉扉方向）に操作すると、該ドアハンドル２０
はハンドルスプリング２６の付勢力に抗してハン
ドルピン２４を中心にして閉方向に回動すると共
に、該ドアハンドル２０のラツチレバー２２も同
調して回動するがこの時閉扉時のドアロツク装置
に連結されたロツド２８は長孔２２ｂ内の遊びに
より作動されない。ラツチレバー２２の回動に伴
い該ラツチレバー２０の先端２２ａがラツチスリ
ング１８の付勢力に抗してラツチ１６の基端１６
ｂを押してラツチ１６を回動させ、ロツク爪１６
ａを係止孔１５から外して全開時のロツク装置を
解除させると同時に、ドアハンドル２０の後側内
壁２０ｃが取付ベース２５の側面２５ｄに当接し
て閉扉操作ハンドルとなり該スライドドアａを閉
めることができる。

尚、上記実施例では、ドアを開ける時にはドア
ハンドル２０の前側内壁２０ｂと取付ベース２５
の側面２５ｃとが当接し、ドアを閉める時にはド
アハンドル２０の後側内壁２０ｃと取付ベース２
５の側面２５ｄとが当接して、各々開・閉操作ハ
ンドルとなるようにしたが、ドアを開ける時には
ドアハンドル２０の前側内壁２０ｂと取付ベース
２５の側面２５ｃとを当接させ、更に、それと対
角線上のドアハンドル２０の後側内壁２０ｃと取
付ベース２５の側面２５ｄとを当接させ、ドアを
閉める時にはドアハンドル２０の後側内壁２０ｃ
と取付ベース２５の側面２５ｄとを当接させ、更
に、それと対角線上のドアハンドル２０の前側内
壁２０ｂと取付ベース２５の側面２５ｃとを当接
させても良い。

本考案は以上述べたように、車体に設けた係合
部に係合する全開時のスライドドアロツク装置を
スライドドアに設け、該ロツク装置を解除するド
アハンドルに閉扉時のドアロツク装置を解除する
ロツドを、全開時のスライドドアロツク装置の解
除方向への動きを許容する長孔等の遊びを設けて
連結して、全開時のロツク装置を解除するハンド
ルと閉扉時のドアロツク装置を解除するハンドル
とを兼用にし、かつ、スライドドアの全開時のロ
ツク装置を解除する操作方向とスライドドアの閉
扉方向、又、スライドドアの閉扉時のドアロツク
装置を解除する操作方向とスライドドアの開放方
向とを同一にし、更に、スライドドアを全開にす
ることにより全開時のロツク装置が自動的に車体
の係合部に係合するので、スライドドアの開・閉
のそれぞれの操作が一操作ででき、しかも、構造
も簡単であるところから安価に提供することがで
きる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の全開時におけるスライドドアの
ロツク装置を示すガイドレールの部分平面図、第
２図は本考案による全開時におけるスライドドア
のロツク装置を装着したスライドドアを有する自
動車の側面図、第３図は第２図の−線拡大断
面図、第４図はスライドドア全開時の状態を示す
第２図の−線に相当する拡大断面図、第５図
は同上の要部拡大断面図、第６図はラツチとハン
ドルの関係を示す分解斜視図である。 ａはスライドドア、１１はドア開口部、１５は
係止孔、１６はラツチ、２０はドアハンドル、２
１はアウタパネル、２２はラツチレバー、２５は
取付ベース、２８はロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に係合部が設けられ、該係合部に係合する
   全開時のスライドドアロツク装置がスライドドア
   に設けられ、かつ、車体のドア開口部にドア開扉
   時用係合部が設けられ、該係合部に係合する閉扉
   時のドアロツク装置が前記スライドドアに設けら
   れた自動車用スライドドアのドアハンドル装置に
   おいて、前記スライドドアのアウタパネルに取付
   ベースが取付けられ、該取付ベースにドアハンド
   ルが開方向及び閉方向へ回動自在に軸支され、該
   ドアハンドルには、内壁とラツチレバーとが形成
   され、該内壁は回動して取付ベースに当接可能に
   形成され、該ラツチレバーが全開時のスライドド
   アロツク装置に連動され、かつ、ラツチレバーと
   閉扉時のドアロツク装置との間は、全開時のスラ
   イドドアロツク装置の解除方向への動きを許容す
   る遊びを設けて連結されていることを特徴とする
   自動車用スライドドアのドアハンドル装置。