JPS628173B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は胃、腸などに挿入して深部内臓を診
断するための内視鏡の改良に関する。

近時、超音波を医学領域に応用し、体腔内の診
断をする超音波診断装置が普及されつつある。こ
の超音波診断装置は超音波を発受信する超音波振
動子からなる超音波発受信装置から構成されてお
り、その超音波発受信装置は可撓筒管の先端構成
部分に装着されている。そして、診断する場合に
はこの超音波発受信装置を胃、腸などの診断対象
臓器に挿入し、超音波振動子から超音波パルスを
ごく短時間だけ断続的に体腔内に放射させる。す
ると超音波が人体組織の中に伝搬する途中で、組
織や臓器は種類によつて音響的性質が多少異なつ
ているので異なつた組織の境界から一部分が反射
して返つてくる。

この超音波パルスが伝搬する途中で次々に発生
する反射エコーを超音波振動子に検出され、これ
をブラウン管などで表示し、体内組織の音響的性
質の分布をみると、健全な組織と腫瘍組織などと
の音響的性質が異なり、ブラウン管上に表示され
たパターンから組織内に存在する異常の有無およ
び、その位置を知ることができるようになつてい
る。しかしながら超音波発受信器を体腔内に挿入
して、操作する際において、臓器内は真暗である
とともに、外部からその超音波発受信装置を目視
することができないため、その操作が盲目的にな
り体腔内の診断対象部分への誘導が極めて困難で
ある。そのため、正確な診断情報が得られないと
いう不具合が生じる。

そこで、内視鏡本体に超音波発受信装置を組み
込んだものが開発されている。第１図に示すもの
はその一例であり、その構成について説明する。
図中ａは可撓筒管であり、その先端構成部分には
超音波発受信装置ｂを構成する超音波振動子ｃが
装着されているとともに、その超音波振動子ｃの
隣側に光学フアイバｄからなる照明用光学系ｅが
設けられている。さらにその照明用光学系ｅの隣
側に光学フアイバｆ、対物レンズｇ、プリズム
ｈ、観察窓ｉからなる観察用光学系ｊが設けられ
ている。そして、この先端構成部分を胃、腸など
の診断対象臓器内に挿入し、照明用光学系ｅによ
つて照光された体腔内を観察光学系ｊによつて観
察しながら、超音波振動子ｃを誘導するようにな
つている。しかしながら、内視鏡本体に超音波発
受信装置ｂを組み込む構造のものは、先端構成部
分の超音波発受信装置ｂが組み込まれているた
め、その先端部は大きくなり、一般に超音波診断
の不要な内視鏡検査として使用する場合、患者に
無用の苦痛を与えるという不具合を生じる。

この発明は上記事情にもとずきなされたもので
その目的とするところは、内視鏡本体と超音波発
受信装置とを着脱自在に装着できる構造にし、超
音波診断を行うときには、超音波発受信装置を取
り付け、内視鏡検査を行うときには、超音波発受
信装置を取り外し、内視鏡検査における内視鏡本
体の先端構成部分の大きさを小さくして患者に無
用な苦痛を与えないようにした内視鏡を提供しよ
うとするものである。

以下、この発明の一実施例を第２図ないし第７
図を参照して説明する。第２図中１は内視鏡の操
作部で、この操作部１には接眼部２が設けられて
いる。また、操作部１には、ユニバーサルコード
３および可撓筒管４が接続されている。これら操
作部１、接眼部２、ユニバーサルコード３、可撓
筒管４により内視鏡の本体５が形成されている。
そして、その可撓筒管４の先端構成部分４ａに
は、先端外周面を螺刻して形成された接続部６が
設けられている。そして、この接続部６に後述す
る超音波発受信装置７あるいは先端キヤツプ２８
が選択的に取り付けられる。さらに先端構成部分
４ａには、その接続部６に隣接して照明用光学系
９が、さらにこの照明用光学系９の隣側に観察用
光学系１０が内装されている。この照明用光学系
９は、可撓筒管４を挿通する光学フアイバ１１か
ら形成され、また観察用光学系１０は可撓筒管４
を挿通する光学フアイバ１２およびこの光学フア
イバ１２の端面と対向する対物レンズ１３、プリ
ズム１４、観察窓１５から形成され側視野型の内
視鏡を構成している。またさらに可撓筒管４に
は、その内部に２本の接続線１６，１６が挿通し
ていて、それら接続線１６，１６の一端は、上記
接続部６の端面に装着された電気的結合用の接続
ソケツト１７，１７に接続されている。また、そ
れら接続線１６，１６の他端は、ユニバーサルコ
ード３を挿通して図示しないパルス発生回路、増
幅検波回路に接続され、さらにこの増幅検波回路
は図示しないブラウン管などの表示装置に接続さ
れている。つぎに超音波発受信装置７について説
明すれば、１８は連結リング、１９はカバーであ
る。そして、連結リング１８とカバー１９とが回
転自在に連結され、外観を構成している。このカ
バー１９内に超音波を発受信する超音波振動子２
０が内装されている。そして、この超音波振動子
２０に接続された接続コード２１，２１がカバー
１９の側部端壁面１９ａに装着された接続ピン２
２，２２に接続される他、連結リング１８の内周
面に上記接続部６のねじ部と螺合自在なねじ２３
が螺刻され、超音波発受信装置７を先の可撓筒管
４に着脱自在に装着できるようにしている。すな
わち、接続ピン２２，２２は上記ソケツト１７，
１７の位置に対応して配置されている。そしてさ
らにピン高さは、連結リング１８のねじ２３と接
続部６のねじ部とが対面したとき、ピン先端とソ
ケツト１７，１７の先端とが触れる関係となる寸
法に設定されていて、連結リング１８を接続部６
の先端面に合せた後、カバー９を連結リング１を
ガイドに回動して、接続ピン２２，２２の先端を
ソケツト１７，１７の位置に合せる。そして、こ
の位置で接続ピン２２，２２の先端をソケツト１
７，１７に挿入させた後、連結リング１８を回動
してねじ込んでいくことにより、接続ピン２２，
２２をソケツト１７，１７の奥まで嵌挿する構造
としている。しかるに、接続ピン２２，２２とソ
ケツト１７，１７との嵌挿で電気的接続がなさ
れ、接続部６と連結リング１８との螺合で機械的
に接続がなされる。この装着の際、超音波振動子
２０は上記観察用光学系１０および照明用光学系
９と同一方向に指向するよう、その位置があらか
じめ定められていて、超音波を観察光学系１０の
視野方向と同一の横方向へ発振させて診断するこ
とができるようにしている。また、観察用光学系
１０の視野方向に対して、斜め前方方向に超音波
を発振して診断する際には、第５図に示すように
超音波振動子２４の指向方向を斜め前方に向けて
位置した超音波発受信装置２５を上記超音波発受
信装置７と同様に可撓筒管４の接続部６に螺挿す
ることにより着脱自在に装着され、超音波は、斜
め前方方向に指向される。また、観察用光学系１
０の視野方向に対して、前方に超音波を発振して
診断する際には、第６図に示すように超音波振動
子２６の指向方向を前方に向けて位置した超音波
発受信装置２７を上記超音波発受信装置１５と同
様に可撓筒管４の接続部６に螺挿することにより
着脱自在に装着され、超音波は前方方向に指向さ
れる。また、第７図に示す２８は、内周面にねじ
２９が螺刻された先端キヤツプで、これは内視鏡
検査する際に用いられ、可撓筒管４の接続部６に
着脱自在に螺挿し、接続部６を形成するねじの鋭
利部分による体腔内の臓器の損傷を防止するもの
である。

しかして、このように構成された内視鏡を用い
て、胃、腸などを超音波診断を行なう場合には、
その診断対象部分に適合した、超音波発受信装置
７，２５，２７を選択して、先端構成部分４ａの
接続部６に螺挿して取り付ける。具体的には、連
結リング１８を接続部６の端面に合せ、しかる
後、カバー１９を回動させて接続ピン２２，２２
をソケツト１７，１７の位置に合致させて先端を
嵌める。そして、その後、連結リング１８を回動
操作でねじ込んで、接続ピン２２，２２をソケツ
ト１７，１７に嵌挿していくことにより接続が行
なわれ、この作業で接続ピン２２，２２とソケツ
ト１７，１７とが電気的に接続されていく。そし
て、この超音波発受信装置７を胃内に挿入し、接
眼部２から観察用光学系１０を介して、照明用光
学系９によつて照光される胃壁面を観察しながら
診断対象部位へ超音波発受信装置７を誘導する。
こののち、パルス発生回路によつて超音波振動子
２０から超音波パルスを発振させ、組織の境界、
組織の異常部分から反射する反射エコーを超音波
振動子２０および増幅検波回路を介して表示装置
に断層像として表示される。そして、この表示さ
れた断層像によつて異常の有、無が診断される。

また、内視鏡検査として内視鏡を用いる場合に
は、接続部６から上記超音波発受信装置７を取り
外し、その接続部６に先端キヤツプ２８を螺挿し
て取り付ける。こののち上記超音波診断のときと
同様に胃などの診断対象部分に先端構成部分４ａ
を挿入して、接眼部２から観察用光学系１０を介
して、照明用光学系９によつて照光される胃壁面
を観察して検査する。

このように可撓筒管４の先端構成部分４ａに接
続部６を、超音波発受信装置７にねじ２３を設け
て、それら先端構成部分４ａ、超音波発受信装置
７を機械的に着脱自在にするとともに、さらに上
記接続部６に接続ソケツト１７，１７を、超音波
発受信装置７に超音波振動子２０の接続ピン２
２，２２を設けて、それら接続ソケツト１７，１
７、接続ピン２２，２２より先端構成部分４ａ、
超音波発受信装置７を電気的に着脱自在に接続す
るようにしたから、超音波診断を行う場合には、
その超音波発受信装置７を先端構成部分４ａに装
着でき、また、超音波診断を必要としない内視鏡
検査を行う場合にはその超音波発受信装置７を容
易に取り外すことができる。すなわち、超音波診
断では、観察用光学系１０によつて観察しながら
診断対象部位へ容易に超音波発受信装置７を誘導
することができるため、正確かつ迅速に超音波発
受信装置７をその診断対象部位に位置させること
ができ、正確な診断情報を得ることができる。ま
た、内視鏡検査では超音波発受信装置７を取り外
して、先端構成部分４ａの先端部の大きさを小さ
くして検査を行なえるため、患者に対し検査によ
る無用な苦痛を生じさせない。

さらに、診断の必要性に応じて、先端構成部分
４ａに各種の超音波発受信装置７，２５，２７を
装着することができるため、多種多目的の超音波
診断を行うことができる。

なお、この発明は上記実施例に限定されるもの
ではない。たとえば上記実施例では、内視鏡本体
の先端構成部分と超音波発受信装置との接続をね
じの螺合により機械的に着脱自在にしたが、他の
異なる手段により先端構成部分と超音波発受信装
置とを着脱自在にしてもよくまた、先端構成部分
と超音波発受信装置との電気的接続についても、
上記実施例では、接続ソケツトと接続ピンとの嵌
挿により着脱自在としたが、他の異なる手段によ
つて着脱自在にしてもよい。

また、上記実施例では、側視野型の内視鏡本体
について、その本体の先端構成部分に超音波発受
信装置を着脱自在に取り付けるようにしたが、直
視野型の内視鏡本体の先端構成部分に超音波発受
信装置を着脱自在に取り付けるようにしてもよ
く、その一例を示すものが第８図ないし第１１図
である。すなわち、図中３１は可撓筒管３２の先
端構成部分で、この内部には、光学フアイバ３３
から形成される照明用光学系３４および光学フア
イバ３５とこの光学フアイバ３５の端面と対向す
る対物レンズ３６，３６、観察窓３７から形成さ
れる観察用光学系３８が内装されており、これら
照明用光学系３４、観察用光学系３８により、先
端構成部分３１の前方を観察する直視野型内視鏡
本体３９が構成されている。そして、内視鏡検査
を行う場合には、先端キヤツプ３９を先端構成部
分３１の先端外周に設けたねじ４０に着脱に螺挿
して用い、また、超音波診断を行う場合には、そ
の先端キヤツプ３９を取り外し、第１０図に示す
ような超音波発受信装置４１、すなわちカバー４
２内に上記観察用光学系３８の視野方向に対して
斜め45度に傾斜して配設された光学的反射鏡４２
と、その反射鏡４２による視野方向と同一方向に
指向して配設された超音波振動子４３とから形成
される側視野型の超音波発受信装置４１の連結リ
ング４４を着脱自在に螺挿したり、あるいは第１
１図に示すように観察用光学系３８の視野方向と
同一方向に指向して配設された超音波振動子４５
を内装した直視野型の超音波発受信装置４６を着
脱自在に螺挿して診断するようにしても上記実施
例と同様の効果を得ることができる。この場合も
上記実施例と同様に超音波発受信装置４１，４６
の装着により、電気的な接続は接続ソケツト４
７，４７と接続ピン４９，４９，５０，５０とに
より行なわれる。

また、さらに上記直視野型の内視鏡本体の先端
構成部分３１に第１２図に示すような超音波発受
信装置４９、すなわち接続ピン５０，５０を有し
た固定部５１の一側に連結リング５２を設けると
ともに、他側に超音波振動子５３を内装した扉体
５４を回動自在に枢支して形成された超音波発受
信装置４９を着脱自在に螺挿し、この超音波発受
信装置４９を体腔内の診断対象部位へ挿入すると
きには第１３図に示すように扉体５４を閉じた状
態にして挿入し、診断対象部位の近辺で扉体５４
を体外部の操作により180度回動して開き、超音
波振動子５３の指向方向を観察用光学系３８の視
野方向と同一方向にして体腔内を診断するように
すると、構造上固定部５１の厚みを薄くすること
ができるとともに、観察用光学系３８の前方視野
範囲を拡大することができるため、上記第１１図
に示すような超音波発受信装置４６による視野の
防げをなくすことができる。

以上説明したようにこの発明によれば、先端構
成部分および超音波発受信装置のうちのすくなく
とも一方にそれら両者を機械的に接続する機械的
接続手段と電気的に接続する電気的接続手段とを
設け超音波発受信装置を着脱自在にしたから、超
音波診断を行うときには超音波発受信装置を取り
付け、内視鏡検査を行うときにはその超音波発受
信装置を取り外すことができる。よつて、内視鏡
検査における先端構成部分の大きさを小さくする
ことができ患者に対して、無用な苦痛を与えない
という効果を奏する。

さらに、診断の必要性に応じて先端構成部分に
各種の超音波発受信装置を取り付けることができ
るため、多種多目的の超音波診断を行うことがで
きるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の内視鏡を示す縦断側面図、第２
図はこの発明の一実施例を示す側面図、第３図は
同じくその先端構成部分を示す縦断側面図、第４
図および第５図、第６図は同じくその先端構成部
分に着脱自在に取り付けられる異なる超音波発受
信装置を示す縦断側面図、第７図は先端キヤツプ
を示す側断面図、第８図はこの発明の他の実施例
の先端構成部分を示す縦断側面図、第９図は同じ
く先端キヤツプを示す側断面図、第１０図および
第１１図は同じく先端構成部分に着脱自在に取り
付けられる異なる超音波発受信装置を示す縦断側
面図、第１２図は異なる超音波発受信装置を示す
縦断側面図、第１３図はその超音波発受信装置の
閉じた状態を示す縦断側面図、第１４図は同じく
その超音波発受信装置の開いた状態を示す縦断側
面図である。 ４ａ…先端構成部分、７…超音波発受信装置、
１０…観察用光学系。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 少なくとも観察用光学系を有する先端構成部
   分と超音波発受信装置とを設け、これら先端構成
   部分および超音発受信装置のうちのすくなくとも
   一方にそれら両者を機械的に接続する機械的接続
   手段を設けるとともに電気的に接続する電気的接
   続手段を設け、上記超音波発受信装置を着脱自在
   にしたことを特徴とする内視鏡。