JPS627857B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は手術用メスの改良に係るものであつ
て、従来品に比べて着脱が容易な替刃式メスを提
供することを目的とする。従来の替刃式メスは図
面の第１図に示すように、刃体１は比較的幅の広
い長孔部２と比較的幅の狭い長孔部３とを有して
おり、これら二個の長孔部２，３は長さ方向に連
続して設けられ、幅狭長孔部３は幅広長孔部２の
前に位置している。他方、柄４の頭部に設けられ
た刃体取付部５は角柱状に形成されており、該刃
体取付部５の縦幅は前記刃体１の幅広長孔部２の
縦幅よりもやや短い。また刃体取付部５の基部１
１付近には前記刃体１の幅広長孔部２の後端部１
２と係合するための段部６が設けられており、柄
４の先端から段部６までの長さは前記刃体１の幅
狭長孔部３の先端から幅広長孔部２の後端部１２
までの長さよりもやや短い。さらに刃体取付部５
の上部と下部には前記刃体１の幅狭長孔部３の上
下に存在する上縁部７と下縁部８とが通るための
溝９がそれぞれ形成されており、該溝９の幅は刃
体１の幅とほぼ同じであり、かつその長さは幅狭
長孔部３の長さよりもやや長い。刃体取付部５の
上部のうち溝９によつて仕切られた第１図中奥側
の部分１０の横幅は刃体取付部５の基部１１の横
幅よりもやや短い。刃体１を柄４の刃体取付部５
に取付けるには第１図で示す位置から刃体１を横
方向に移動させ、刃体１の幅広長孔部２の後端部
１２が刃体取付部５の側面に当接させさらに刃体
１の幅狭長孔部３が刃体取付部５の溝９の前に位
置するまで刃体１を移動させる。この位置におい
て刃体１の後半部１３は湾曲させられている。こ
の位置から刃体１の幅狭長孔部３の上縁部７と下
縁部８が上下の溝９を通るように刃体１を刃体取
付部５の基部１１に向けて押し最終的に刃体１の
幅広長孔部２の後端部１２が刃体取付部５に設け
られた段部６を越えることによつて刃体１は柄４
の刃体取付部５に取付けられる。この状態におい
ても前述したように刃体取付部５の基部１１の横
幅は刃体取付部５の上部のうち溝９によつて仕切
られた残りの部分１０の横幅よりもやや広くかつ
溝９の幅は刃体１の幅とほぼ同じなので刃体１の
後半部１３はやや湾曲している（第３図の刃体１
と同じ状態）。湾曲した刃体１の弾性によつて刃
体１は刃体取付部５にしつかりと取付けられしか
も刃体１の幅広長孔部２の後端部１２が刃体取付
部５の段部６と係合しているので刃体１を柄４の
前方に引つ張つても刃体１ははずれない。刃体１
をはずすには刃体１の後半部１３を大きく湾曲さ
せ幅広長孔部２の後端部１２が段部６を乗りこえ
てから刃体１を前方に引つ張らなければならな
い。

さて、上述した従来の替刃式メスは刃体１を着
脱するときに大きな力を必要とするという欠点を
持つている。なぜならば、刃体１の幅狭長孔部３
の上縁部７と下縁部８を刃体取付部５の上下の溝
９に挿入するときに刃体１の後端部１３は大きく
湾曲しているので、刃体取付部５の外面と刃体１
の幅広長孔部２の後端部１２との摩擦はかなり大
きく、刃体１を強く押さないと取付けることがで
きないからである。また逆に刃体１を取りはずす
ときにも同様の理由により大きな力を必要とす
る。そこでこの発明は従来品よりも刃体１の着脱
が容易なメスを提供することを目的とする。

次にこの発明の構成を図面に示す実施例にした
がつて説明する。図面中第２図は特許請求の範囲
記載の発明の実施例である。第１図に示す従来例
の刃体取付部５の後半部を斜めに削り取つた点に
おいて異なる。

メスは柄４と、柄４の刃体取付部５に着脱自在
に取付けうる刃体１とから成る。刃体１は比較的
幅の広い長孔部２と比較的幅の狭い長孔部３とを
有しており、これら二個の長孔部２，３は長さ方
向に連続して設けられ、幅狭長孔部３は幅広長孔
部２の前に位置している。他方柄４の刃体取付部
５の側面には前記刃体１の幅広長孔部２に入る大
きさの突部１４が設けられている。該突部１４の
上部と下部には前記幅狭長孔部３の上下に存在す
る上縁部７と下縁部８とが通過する溝９がそれぞ
れ形成されている。この溝９の幅は刃体１の幅と
ほぼ同じである。刃体取付部５のうち突部１４か
ら後方にかけて徐々に***するように斜面１５が
形成されている。該斜面１５と刃体取付部５の基
部１１との間には落ち込み段部６が設けられてい
る。刃体取付部５の基部１１の厚みＢは刃体取付
部５の前部の厚みＡよりもやや厚い。また刃体１
の幅は溝９の幅とほとんど同じなので刃体１を刃
体取付部５に取付けたときに刃体１の後半部は湾
曲する。さらに刃体１の幅広長孔部２の後端部１
２が段部６と係合する。したがつて刃体１は上
下、左右、前後のいずれも微動だにしないように
かたく取付けられる。

従来品では刃体１を取付けるときに刃体１の幅
広長孔部２の後端部１２と刃体取付部５の側面と
の摩擦が大きく刃体１を押し込みにくかつた。と
ころがこの発明では刃体１の幅広長孔部２に刃体
取付部５の突部１４が入るように合わせて、それ
から幅狭長孔部３の上縁部７と下縁部８が溝９を
通るように刃体１を押し込み、幅広長孔部２の後
端部１２が段部６を乗りこえることによつて刃体
１は刃体取付部５に取付けられる。この際に、幅
広長孔部２に突部１４を合わせたときに、刃体１
の後半部１３は斜面１５の低い位置と接している
から刃体１の後半部１３はほとんど湾曲しておら
ず、また刃体１を押し込むときも、幅広長孔部２
の後端部１２が斜面１５を登るにつれて刃体１の
後半部１３は徐々に湾曲するので従来品に比べて
摩擦は小さく刃体１の着脱が容易であるという効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面中第１図は従来の替刃式メスの斜視図、第
２図はこの発明の第１の実施例のメスの斜視図、
第３図は一部平面図である。 １……刃体、２……幅広長孔部、３……幅狭長
孔部、４……柄、５……刃体取付部、６……段
部、９……溝、１４……突部、１５……斜面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 柄と、柄の刃体取付部に着脱自在に取付けう
   る刃体とから成るメスにおいて、刃体には比較的
   幅の広い長孔部と比較的幅の狭い長孔部とが長さ
   方向に連続して設けられており、幅狭長孔部は幅
   広長孔部の前に位置しており、他方柄の刃体取付
   部側面には前記刃体の幅広長孔部に入る大きさの
   突部が設けられ、該突部の上部と下部には前記幅
   狭長孔部の上下に存在する上縁部と下縁部とが通
   過する溝が形成されており、かつ該溝から連続す
   る刃体取付部の突部がわ側面が後方に行くにした
   がつて徐々に***するように斜面が形成され、該
   斜面と刃体取付部の基部との間に落ち込み段部が
   設けられていることを特徴とするメス。