JPS6261125B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電極基板に新規性がある液晶表示パ
ネルに関する。

液晶表示パネルは、一対の電極基板間隙に液晶
材を充填した構造をしているが、電極基板間隙
は、一定の間隙で平行に保つ事が望ましい。従来
の液晶表示パネルの模式断面図を第１図に示す。
図に示す様にガラス基板１ａ，１ｂ上に、透明電
極２ａ，２ｂ及び配向膜３ａ，３ｂが被膜されて
おり、これら一対のガラス基板は、スペーサ４
ａ，４ｂによつて、一定の間隔に保たれ、シール
材５ａ，５ｂによつて固定されている。注入口６
から一対の電極基板間隙に液晶材８が充填されて
おり注入口は、液晶材充填後封止材７によつて封
止されている。電極基板間隙の平行性は、用いる
ガラス基板の平面性に大きく依存する。比較的平
面性のよいフロートガラス基板においても、±0.5
μｍ／cmのうねりがあり、従つて大型液晶表示パ
ネルあるいは、コレステリツク―ネマチツク相転
移型の電気光学効果を用いた液晶表示パネルある
いは時分割駆動する液晶表示パネルの様に要求さ
れるガラス基板の平面性が厳しい場合は、ガラス
基板を研磨して所望の平面性を得なければならな
い。ガラス基板を研磨することは、液晶表示パネ
ルを高価にし、又、ガラス基板厚も厚くなる。

本発明の目的は、一対の電極基板間隙の平行性
のよい安価な液晶表示パネルを提供することにあ
る。

本発明の液晶表示パネルは一対の電極基板と、
前記、一対の電極基板間に充填された液晶材と、
該液晶材が接する前記、一対の電極基板上に被膜
された配向膜とから構成されており、特に前記、
一対の電極基板の一方の電極基板は透明電極が被
膜されたガラス基板であり、他方の電極基板は、
外力により変形し、物理的あるいは化学的処理に
より固化する材料または接着剤を、基板と導電性
フイルムではさみ込み、前記ガラス基板と加圧密
着させる事により、前記ガラス基板のうねりに合
わせて形成されている点に特徴がある。

以下本発明について透過型液晶パネルの場合の
一実施例について図を用い詳説する。

第２図は、ガラス基板１２と透明導電性フイル
ム１０（テイジン製TM4S100）を光透過性樹脂
接着剤１１（例えばセメダインCS−2340−５）
を用いて接着硬化させ、電極基板の平行性を矯正
する様子を模式的に示したものである。図に示す
様に透明電極が被膜されたガラス基板９をフイル
ム１０が接着されたガラス基板１２に密着させて
接着剤１１を硬化させることによりガラス基板９
の密着面の形状に合わせて、フイルム１０を、ガ
ラス基板１２に接着することができ電極基板の平
行性が矯正される。実際には、ガラス基板９及び
フイルム１０には、透明電極が500Å程度の厚さ
で所定のパターン状に被膜されているが、ガラス
基板９及びフイルム１０上での透明電極の有無に
よる凹凸の影響は無視できる。第２図では、電極
パターンが省略されているが、実際に液晶表示パ
ネルを組立てる場合の電極パターン位置合せと同
じ位置合せで、ガラス基板９とフイルム１０を密
着させる。

第２図を用いて説明した一対の電極基板を用
い、本発明の一実施例としてコレステリツク−ネ
マチツク相転移型液晶表示パネルの構造について
第３図の模式断面図を用い説明する。ガラス基板
９上には、透明電極１３ａが被膜されており、そ
の上に垂直配向膜としてFS150（大日本インキ株
製）薄膜が被膜されている。又ガラス基板１２に
は、第２図で述べた製法で透明電極１４ｂが被膜
されたフイルムが接着されており、その上に垂直
配向膜としてFS150（大日本インキ社製）薄膜が
被膜されている。FS150薄膜は、FS150の0.03重
量パーセントの水溶液に第２図に示した方法で作
られた一対の透明電極基板を侵した後120℃１時
間焼成して形成される。次にパネル組立に入る
が、一対の透明電極基板をマイラースペーサ（〜
10μｍ厚）１６ａ，１６ｂにより約10μｍの間隙
をもうけて周囲をシール材（トールシール．バリ
アン社製）によりシールする。注入口１７より、
メトキシベンジリデンブチルアニリン、ブトキシ
ベンジリデンシアノアニリン、コレステリールク
ロライドを各々68，20，12重量パーセント混合し
た液晶材１９を真空中で注入した後、注入口を封
止材１８（例えばアロン・アルフア、東亜合成化
学製）により封止する。

以上述べたコレステリツク・ネマチツク相転移
型液晶表示パネルの液晶分子は電圧、無印加時で
うづ状ドメイン配向（コレステリツク相）をして
いるが閾値電圧以上の電圧を印加すると、コレス
テリツク液晶のら旋構造が解消され垂直配向（電
界によりネマチツク相に転移）する。閾値電圧以
下の低い電圧では、フオーカルコニツク配向（コ
レステリツク相）と呼ばれる光散乱状態を呈す
る。これら垂直配向及びフオーカルコニツク配向
をつくる電圧は、液晶層厚に比例するので、一対
の透明電極基板間隔は、実施例の液晶材では±
1.5μｍの平行性が要求される。第３図から明ら
かな様に、ガラス基板１２のうねりは、フイルム
１０及び接着剤１１によりガラス基板９のうねり
に対応する様に矯正されているので、一対の透明
電極基板間隔は、平行性のよいものが得られる。

以上述べてきた事から明らかな様に本発明によ
れば、一対の透明電極間隔の平行性を非常に容易
な方法で実現することができ、価格的にも、非常
に安価でできる利点があり、又本発明によれば、
ガラス基板のうねりがあつても、容易に矯正でき
るので、ガラス基板厚の薄いものを用いる事がで
き、軽量な液晶表示パネルを提供できる利点を有
する。

以上本発明について述べてきたが、実施例で
は、透過型コレステリツク−ネマチツク相転移型
液晶表示パネルを用いたが、他の電気光学効果を
用いた液晶表示パネル、例えば動的散乱型、電界
−ねじれネマチツク型、ゲストーホスト型にも、
本発明による電極基板を用いることにより一対の
電極基板間隔の平行性のよい液晶表示パネルが得
られる。又、本発明では、透明電極が被膜された
フイルムを用いたが、反射型液晶表示パネルの場
合には、反射金属電極が被膜されたフイルムを用
いてもよい。又、反射型液晶表示パネルの場合、
フイルムをはり合せる基板は、ガラス基板を用い
なくても、金属板あるいは、樹脂板等板状のもの
を用いてもかまわない。又、反射型液晶表示パネ
ルの場合、接着剤は光透過性のもの以外のものを
用いても本発明の効果は損なわれない。上記実施
例では接着剤で導電性フイルムをガラス基板に貼
り合せた構造の電極基板を用いた液晶表示パネル
について説明したが接着剤の替りに他の材料、例
えばプラスチツク等のものでもよい。すなわちこ
の場合にはプラスチツク等を第２図に示す方法で
成形した後、ガラス基板に接着し、この成形プラ
スチツク上に前記の導電性フイルムを固着する構
造、または導電性フイルムの替りに金属電極を蒸
着等の方法で前記成形プラスチツク上に直接形成
した構造の電極基板となる。また上記成形プラス
チツクをガラス基板に接着することなく、成形プ
ラスチツクそのものを基板として用い、この上に
金属電極あるいは導電性フイルムを形成した電極
基板としても実施例と同様の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の液晶表示パネルの構造を示す
為の模式断面図、第２図は、本発明を説明するた
めの一実施例の液晶表示パネルに用いる電極基板
の作成方法を説明する為の模式図、第３図は一実
施例の透過型液晶表示パネルの構造の模式断面図
を示す。図において、１ａ，１ｂ，９，１２はガ
ラス基板、２ａ，２ｂ，１３ａ，１３ｂは透明電
極、３ａ，３ｂ，１４ａ，１４ｂは配向膜、４
ａ，４ｂ，１６ａ，１６ｂはスペーサ、５ａ，５
ｂ，１５ａ，１５ｂはシール材、６，１７は注入
口、７，１８は封止材、８，１９は液晶材、１０
はフイルム、１１は接着剤。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一対の電極基板と、前記一対の電極基板間に
   充填された液晶材と、該液晶材が接する前記一対
   の電極基板上に被膜された配向膜とから構成され
   ている液晶表示パネルにおいて、前記一対の電極
   基板のうち一方の電極基板は、透明電極が被膜さ
   れたガラス基板であり、他方の電極基板は、外力
   により変形し、物理的あるいは化学的処理により
   固化する材料または接着剤を、基板と導電性フイ
   ルムではさみ込み、前記ガラス基板と加圧密着さ
   せる事により、前記ガラス基板のうねりに合わせ
   て形成された電極基板であることを特徴とする液
   晶表示パネル。