JPS62501306A - 車両用衝撃吸収機構の加圧液流体用絞り弁装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 車両用衝撃吸収機構の加圧液流体用絞り弁装置（発明の背景） この発明は、車両用衝撃吸収機構の加圧液流体用絞り弁装置、特には、スプリン グ付勢の可動弁体によって閉止可能な、前記加圧流体の通過用の少なくとも−の 主孔と、閉止要素によって選択的に閉止可能な、前記加圧流体用の少なくとも− の補助孔とを有する弁座部材を備える絞り弁装置に関するものである。

この種の絞り弁装置は従来から知られている。車両用の衝撃吸収器（ショックア ブソーバ−）および同様のものに関するかぎりでは、得られる減衰作用が調節可 能で、それによってそのショックアブソーバ−を様々な要求条件に適応し得るこ とが望まれており、周知の如く、ショックアブソー、＜−の減衰作用は、絞り弁 装置により、可動ピストンもしくは同様のもののむ）ずれかの側における、いく つかの室の間での液体の流れを意図的に制限することによって得られる。かかる 絞り弁装置としては、−の流路もしくは周方向へ互いに離間された複数の孔を、 閉止位置へ向けてスプリング付勢された弁体によって閉止可能なら断面積の少な くとも一方を変化させることにより、所要の、定められた特性の流路抵抗、ひい ては減衰作用が得られる。

しかして、特に車両用ショックアブソーノく−に関しては、上述した減衰作用が 調整可能であることが望ましく、従来技術の装置にあっては、いくつかの例外を 除いて大部分が、液流体用の−もしくはそれ以上のさらなる流路が要求される時 に、さらなる弁体もしくは弁作動によりこれを開放することによって要求を達成 している。そして、これらの装置に共通して言えることは、極めて複雑でそれゆ え高価であり、また、作動速度が遅いということである。一方、車両用ショック アブソーバ−は、制限特性を極めて迅速に、すなわち５ｍｓ以内で変化させ得る べきであり、また、その構造は力を使い過ぎないものとすべきである。

従来の調節可能な絞り弁装置の一例としては、日本国特開昭５７−１７３６２９ 号公報にて開示されたものがある。この文献によれば、ソレノイド作動の弁手段 が、ピストンを貫通する複数の流体用流路の少なくとも一つの口に押し付けられ るように適応されており、これによって、通流範囲が減少され、制限作用、ひい ては減衰作用が増加する。

従来公知の調節可能な絞り弁装置の他の例としては、英国特許出願公開第２１１ ２１０４号がある。この絞り弁装置は、特性の調整を、流路が設けられた部材の 角度を調整して開口させる流路の数を多くもしくは少なくすることにて行う点を 除けば、基本的な作動は上述した日本の文献のものと概ね同一であり、この英国 文献の絞り弁装置もまた、実際のソレノイド機構に関連しているわけではないも のの、電磁的作動を利用している。

ショックアブソーバ−に関連するさらに他の調節可能な絞り弁装置の例としては ヨーロッパ特許出顎公開第０１２３３６５号がある。このヨーロッパの文献は、 コントロールボディが具えられた絞り弁装置を有する、二段階作動の液圧ショッ クアブソーバ−を開示しており、ここにおけるコントロールボディは、ソレノイ ドが設けられ、そのソレノイドの付勢により、閉止手段を軸線方向へ移動させて 少なくとも−のさらなる液流体用流路の開口をもたらす。これによってここでは 、絞り弁装置を通過する流量の割合がさらに大きなものとなり、ひいては、より 減少された、もしくは、より小さな減衰作用がもたらされる。

（発明の概要） この発明の主目的は、上述した種類の絞り弁装置であって、構造が極めて単純で 、そして安価で、しかも、従来技術の装置よりも迅速に作動する装置を提供する ことにあり、この発明の絞り弁装置は、従来技術で用いられた方法とは異なった 原理に基づいている。すなわら、この発明の構成にあっては、制限作用を減少さ せるために従来技術のように液体流量を増加させることはせず、代わりに、加圧 流体を専らその圧力によって作用させ、絞り弁装置の弁体上には何の流体も流さ ないことによって、制限作用の変化を操作する。− このためここでは、弁座部材と弁体との間に、それらによって限定される容量可 変の閉じた空間を設け、前記空間に補助孔を接続することにより、前記補助孔と 共働す閉止要素の開放時に、加圧液流体が前記補助孔および空間内にもたらされ て前記加圧液流体の圧力が前記弁体に作用するｑとを可能ならしめ、これによっ て、前記弁体に、絞り弁装置の機能的特性を変化させるための、付勢スプリング の力に対抗する増加された押圧力をもたらす。

（図面の簡単な説明） 以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。

第１図は、いわゆる二定タイプのショックアブソーバ−を示す縦断面図であり、 第２図は、第１図中鎖線にて示す部分の拡大詳細図である。

（実施例の説明） この発明の絞り弁装置は、多くの異なった関連分野に適用可能であるが、その利 益は、車両用ショックアブソーバ−に適用した場合に最も明白となる。かかるシ ョックアブソーバ−としては、主に二つのタイプ、すなわち、（ａ）いわゆるガ スダンパーと、（ｂ）いわゆる二定ダンパーとがあって、前者のタイプのショッ クアブソーバ−は、シリンダーと、ピストンロッドが付いたピストンと、１０バ ールおよび３０バールの間の圧力のガスが満たされた気密室とを具えてなり、こ こでは、ガス圧がダイヤフラムを介し加圧液体に作用して、ショックアブソーバ −の使用中の、上述した液体へのキャビテーションの発生を防止する。また、後 者のタイプのショックアブソーバ−は、いわゆる外部シリンダーおよび内部シリ ンダーの二本のシリンダーとピストンロッドが付いたピストンと、ショックアブ ソーバ−の底部に位置する弁とからなり、その外部シリンダーは、このダンパー の圧縮の際の液体の膨張に対応すべく設けられている。そして、外部シリンダー と、内部シリンダーとの間の空間は、（第１図に示すように）ピストンロッドが 下方に移動する際に内部シリンダー内で生ずる容積減少に対応するためにも存在 する必要がある。

この発明の絞り弁装置は、上述した２種類のショックアブソーバ−のいずれにも 適用可能であり、ガスダンパーに使用される場合にはピストンの両側に設けられ 、また、二定ダンパーに使用される場合には、一つが内部シリンダーの底部に設 けられるとともにもう一つがピストンに設けられる。以下の記述は、この発明を 上述した二定ダンパーに適用した場合について開示するものであるが、これが、 この発明に何の限定をも与えないことはもちろんである。

周知のように、第１図に示すタイプの、いわゆる二定ダンパーは、以下の如くに 作動する。ピストン２３が（第１図に示すように）ショックアブソーバ−を圧縮 すべく下方へ移動する場合ニハ、ダンパーの構造上、ショックアブソーバ−内の 液体は、そのキャビテーション発生の障害のゆえに大気圧以下の圧力にはさらさ れない。すなわち、キャビテーションが発生すると減衰力が激減するため、ピス トン２３には逆止弁が設けられており、これにより、ダンパーの圧縮時にはピス トンの両側間に圧力差は存在しない。そして、減衰力は、液体が内部シリンダー から外部シリンダーへ移動する際に、底部弁（第２図に示す拡大図を参照）を通 過する液流が制限されることによって発生し、このことは、ピストンロッドの側 に、大気圧以上の圧力を作用させる。

一方、かかる二定アブソーバ−が伸長する場合には、減衰力はピストンの両側間 の圧力差によって生ずる。ここでピストンには、第２図に示すものと同様の絞り 弁装置が設けられており、この装置が所要の減衰特性を与える。そして、ピスト ンロッドの（第１図に示すような）上方への移動によって生ずる容積増加は、液 体の、外部シリンダーから内部シリンダーへの逆止弁を通過する吸入をもたらす 。

図示のように、二定タイプのショックアブソーバ−は、外部シリンダ２２内にそ れと同心に配置された内部シリンダー２１を具えており、この内部シリンダー２ １内には、ピストン２３がそれと共働するピストンロッド２４とともに軸線方向 へ移動可能に設けられている。また内部シリンダー２１の底部には、弁座部材１ ０を具える二段階作動の弁機構があり、その弁座部材１０には、加圧流体の通過 用の、少なくとも一つの主孔４と少なくとも−の補助孔７とが設けられている。

ここで、主孔４の出口側は、公知の付勢スプリング６によって弁座部材１０へ向 けて付勢された可動弁体５により閉止することができる。そして、弁座部材１０ にはさらに、少なくとも−の戻り通路２５が設けられており、この戻り通路２５ は、弁座部材１０の、弁体５の反対側において、これも公知のスプリング付勢の 逆止弁３により閉止することができる。

この種の弁機構にあっては、ショックアブソーバ−の圧縮時、すなわちピストン ２３の弁機構へ向かっての移動時におけるそのショックアブソーバ−の減衰作用 は、孔４の出口部分での付勢スプリング６の力に対抗する圧力によって定まり、 この力の相互作用に変化を与えるため、この発明では、弁座部材１０を貫通する 補助孔７を設ける。ここで、前記補助孔７の出口側は、弁体５と弁座部材１０と の間にて限定される空間１１に連通している。

尚、図示例では、前記補助孔７は、弁座部材１０の中央部に位置して円筒状の凹 部１０ａの底部に開口しており、その凹部１０ａ内には、弁体５の、四部１０ａ に対応する円柱状の中央凸部５ａが、液密かつ摺動可能に延在している。この一 方、前記補助孔７の前記限定された空間１１から離間した端部は、閉止部材２に よって選択的に開閉可能であり、この閉止部材２が第２図に示す位置に位置する ときは、ショックアブソーバ−の圧縮時にシリンダー２１内で生ずる大気圧以上 の圧力カ楠ｎ助孔７および空間１０を通って弁体５に作用する。そしてこのこと は、弁体５に、付勢スプリング６の力に対抗する方向の付加的押圧力をもたらす 。

この結果、弁体５は弁手段１０の孔４からのさらなる離間を強いられるが、補助 孔７および空間１１を通って弁体５の凸部５ａを横断する加圧流体の流れは発生 しない。

上述した図示例にあっては、単一の補助孔７が用いられ、その補助孔は中心部に 位置していたが、これに関しては、当業者には明らかなように、同様の作用が得 られる多くの変形が可能であり、例えば、複数の補助孔７を、主孔４七同様、シ ョックアブソーバ−の軸線の周囲に周方向へ等間隔に配置しても良く、また、弁 体５の凸部５ａの如きピストンに代えて、弁座手段１０の凹部１０ａをダイヤフ ラムもしくはそれと同様のもの（図示せず）で覆って、弁体５を作動さるための 限定された空１７Ｊ’ｉｌｌを形成することもできる。

さらにこの発明では、補助孔７は可動閉止部材２によって閉止可能であるが、こ の可動閉止部材２は、それ自体は公知の適当な手段、例えば、ソレノイドエによ って、シラツクアブソーバ−の外部からの操作で移動させることができる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. １．スプリング付勢の稼働弁体によって閉止可能な、加圧液流体の通過用の少な くとも一の主孔と、閉止要素によって選択的に閉止可能な前記加圧液流体の通過 用の少なくとも一の補助孔とを有する弁座部材を具えてなる車両用衝撃吸収機構 の加圧液流体用絞り弁装置において、 前記弁座部材と前記弁体との間に、それらの弁座部材および弁体によって限定さ れる容量可変の閉じた空間を設け、前記空間に前記補助孔を接続することにより 、前記閉止要素の開放の際に前記加圧液流体がそれらの補助孔および空間内にも たらされてその加圧液流体の圧力が前記弁体に作用することを可能ならしめ、こ のことにより、前記弁体に、この絞り弁装置の機能的特性を変化させるための、 前記付勢スプリングの力に対抗する増加された押圧力をもたらすことを特徴とす る、車両用衝撃吸収機構の加圧液流体用絞り弁装置。
2. ２．対称軸線の周囲に互いに周方向へ離間する複数の前記主孔を有し、前記主孔 の出口側は、円盤状の前記弁体によって閉止可能であり、また、中央部に位置す る一の前記補助孔を有し、そして、前記弁座手段と前記弁体との間に前記閉じた 空間を形成するために、前記弁座手段の中央部に凹部を設けるとともに、前記弁 体に、前記凹部内に液密かつ摺動可能に挿入される凸部を設けることを特徴とす る請求の範囲第１項に記載の装置。