JPS6246901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） この考案は、自動車のトルクロツドに使用され
るボールジヨイントの軸を構成するボールスタツ
ドに関する。

（背景技術） 第１図は従来のボールジヨイントの構造を例示
し、１はボールスタツドで、中央部を球形部１ａ
とし、両端を、丸棒の両側面に平行する平面部１
ｂを形成した取付部１ｃとし、平面部１ｂに直交
させて取付ボルトを挿通するボルト孔２を穿設し
ている。３は内筒、４は外筒であつて、球形部１
ａと内筒３との間にはメタルの軸受片５、含油綿
織物の軸受片６を介在させ、内筒３の内方に形成
したフランジ３ａと止めリング７とにより側方を
支持されている。止めリング７は内筒３の一部を
打起した突起により内筒から抜け出すのを抑えら
れている。８はグリース、９は周縁部を外筒４の
端部に形成した凹部に係合して外筒に取付けられ
る耐油ゴム等によるダストカバーである。内筒３
と外筒４とはゴム１０を焼付けて緩衝的に結合さ
れる。

以上のように構成される従来のボールジヨイン
トにおけるボールスタツドは、鍛造により充実体
として形成されたものであつたため、重量が大き
かつた。

本考案者は、重量軽減のためボールスタツドを
中空にすると共に、ボルト緊締時の取付部１ｃの
変形を防止するため、第２〜５図に示すような取
付部内面を四角形にしたボールジヨイントを考案
した。

この先考案のボールスタツドは、外形は従来の
ボールスタツドと同じであつて、中央部を球形部
１１ａとし、両端部に取付部１１ｃ、１１ｃを形
成し、取付部１１ｃの両側面に平行する平面部１
１ｂ，１１ｂを形成すると共に、ボールスタツド
内を取付部１１ｃの端部に開口する中空にしてい
る。平面部１１ｂ，１１ｂには、これに直交する
ボルト孔１２を穿設する。取付部１１ｃの基部の
内面は回転形として形成するが、ボルト孔１２の
付近の内面は、二つの実施例を示す第４〜５図の
ように取付部１１ｃの中心線およびボルト孔１２
の中心線に平行、即ち平面部１１ｂに直角な平面
の内壁１３としている。このように内壁１３を形
成することにより、ボルト孔１２に挿通したボル
ト（図示せず）にナツトを緊締したときの取付部
１１ｃの耐圧力を増加させるように考慮したもの
である。ところが、この先考案のボールスタツド
には次のような不工合な点があることが判つた。
即ち、このような中空ボールスタツドを造るに
は、鋳型に中子を排渡して鋳造した中空の素材の
外面を切削して仕上げるのであるが、鋳型に中子
を排渡す際に鋳型と中子との間に砂粒がはさまつ
たりして中子がその中心線の囲りに小回動した状
態になると、第６図に誇張して略示するように、
取付部１１ｃの内壁１３がボルト孔１２，１２の
中心線に平行にならなくなり、中空な取付部１１
ｃの肉厚が不同になつてしまう。この状態でボル
トを強く緊締すると取付部が変形し易い。このよ
うな取付部１１ｃの肉厚に不同を生じないために
は、鋳造時の中子の置き方を慎重、確実にしなけ
ればならないので面倒であり、製造能率を悪くす
る。

（本考案の目的） 本考案は、上記のような不都合をなくして中子
がその中心線の回りに回動しても取付部の肉厚が
不同にならないようにすると共に、併せて球形部
１１ａの強度を向上させたものである。

（本考案の構成） 本考案のボールスタツドは、中空な取付部１１
ｃの内面をこれと同軸の円筒面で形成すると共に
中空な球形部１１ａの肉厚を取付部１１ｃに近づ
く程大きくしたものである。

（本考案の実施例） 第７〜１０図は本考案の実施例を示し、第７図
は半部を切断した正面図、第８図は半部を切断し
た平面図、第９図は第７図のＢ−Ｂ断面図、第１
０図は第７図のＣ−Ｃ断面図である。

ボールスタツドの外形は従来のものと同様であ
つて、中央部を球形部１１ａ、両端部を平行する
平面部１１ｂ，１１ｂを持つ取付部１１ｃ，１１
ｃとし、平面部１１ｂに直交させてボルト孔１２
を穿設している。

取付部１１ｃの中空の内壁は、第９〜１０図に
見るように円筒壁１４になつている。

円筒壁１４は、厚さが同じならば先考案の平面
の内壁１３よりもボルト緊締時の耐圧力において
劣るけれども、本考案は、この点は肉厚を少し増
すことによつて補ない、素材鋳造時の中子の回動
変位による不都合を避けたものである。

球形部１１ａの肉厚は、第７〜８図のように取
付部１１ｃに近いａ部程取付部１１ｃから遠いｂ
部より厚くして、この部分に加わる曲げ力および
剪断力に対する強度を大きくした。

（本考案の効果） 上記のように構成する本考案のボールスタツド
は、次のような効果を有している。

(1) 取付部１１ｃの内面を円筒壁１４で形成する
から、素材鋳造時の中子の置き方により中心線
の回りに中子が回動変位しても取付部１１ｃの
肉厚が不同になつてしまうことがない。

(2) 従つて取付部の肉厚不同によるボルト緊締時
の強度低下を生じない。

(3) 球形部１１ａの肉厚を取付部１１ｃの側を厚
くしたため、ボールジヨイントに組立て使用す
るときに加わる曲げ力、剪断力に対する強度が
増す。

【図面の簡単な説明】

第１図はボールジヨイントの構造を例示する一
部切断側面図、第２〜５図は先考案のボールスタ
ツドを示し、第２図は半部切断正面図、第３図は
半部切断平面図、第４図は第１図のＡ−Ａ断面
図、第５図は別例を示す同様断面図、第６図は先
考案のボールスタツドに生じ易い取付部の肉厚不
同を略示する同様断面図、第７〜１０図は本考案
によるボールスタツドを示し、第７図は半部切断
正面図、第８図は半部切断平面図、第９図は第７
図のＢ−Ｂ断面図、第１０図は同じくＣ−Ｃ断面
図である。 １：充実体のボールスタツド、１ａ：球形部、
１ｂ：平面図、１ｃ：取付部、２：ボルト孔、
３：内筒、３ａ：フランジ、４：外筒、５，６：
軸受片、７：止めリング、８：グリース、９：ダ
ストカバー、１０：ゴム、１１：中空のボールス
タツド、１１ａ：球形部、１１ｂ：平面部、１１
ｃ：取付部、１２：ボルト孔、１３：平面の内
壁、１４：円筒壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央の球形部１１ａの両側方に棒状の取付部１
   １ｃを設け、取付部１１ｃの外側面に、平行する
   ２個の平面部１１ｂを形成し、この平面部にボル
   ト孔１２を穿設したボールスタツドにおいて、ボ
   ールスタツド内を両端の取付部１１ｃの端面にお
   いて開口する中空とすると共に、取付部１１ｃの
   内面を取付部１１ｃの中心線と同軸の円筒面１４
   で形成し、球形部１１ａの肉厚を取付部１１ｃに
   近づく程大きくしたことを特徴とするボールスタ
   ツド。