JPS6243526Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は観察窓に向けて設けたノズルに対して
洗浄水および気体を選択的に供給する内視鏡の送
気送水切換え弁の改良に関する。

一般に、内視鏡で体腔内を観察する場合、その
体腔をある程度ふくらませるため、挿入部の先端
に設けたノズルを通じて気体を送り込むようにし
ている。また、内視鏡の観察窓は体腔内の粘液や
汚物などによつて汚れやすいので、観察窓に向け
て設けた上記ノズルを通じて観察窓に洗浄水およ
び気体を順次吹き付けて洗浄できるようになつて
いる。ところで、従来、たとえば実公昭48−
34638号公報において知られるように操作部に設
けた送気送水切換え弁から１本のチユーブを通じ
てノズルに対し送気送水を行なう方式と、第１図
で示すように２本のチユーブ１，２を用いて送気
送水を個別的に行なう方式とがある。しかし、１
本のチユーブを送気送水に兼用する方式では送水
後、送気してもその長いチユーブ内の水が放出さ
れるまでは送気状態に切り換わらない。つまり送
気操作後送気状態になるまでに相当に長い時間差
（タイムラグ）があり、術者の検査の調子がくず
れて操作しずらいとともに検査がしばしば中断さ
れてその間被検者に無用の苦痛を与える欠点があ
る。これに対し第１図に示す方式のものは送気送
水を別々のチユーブ１，２で行なうから上述した
不具合はない。

しかしながら、上記送気送水切換え弁はいずれ
もリーク孔を有したピストンをシリンダに嵌挿し
てなる構成であるため、１本のチユーブを使用す
る方式に比べて２本のチユーブ１，２を使用する
方式ではＯリングなどのパツキング３，４，５を
１つ余計に必要とする。したがつて、それだけ摺
動抵抗が増大し操作力を必要とする。ちなみに実
公昭48−34638号公報の方式ではパツキングが２
個なので、ピストンの押込み力量はパツキング２
個分の摺動抵抗とピストン復帰用ばねの抗力α、
つまり、パツキング４個分に相当するものでよか
つたが、第１図に示す方式ではパツキングが３個
であるので、ピストンの押込み力量はパツキング
３個分の摺動抵抗とピストン復帰用ばねの抗力
α′、つまり、パツキング６個分に相当するもの
が必要とする。このようにパツキングが１個増し
ただけでも操作力量が著しく増大し、術者の疲労
が大きいとともに、円滑な操作ができないという
不具合が生じる。

本考案は上記事情に着目してなされたもの、そ
の目的とするところは操作力量が少なくてすみ、
送気送水の切換え操作性の良い内視鏡の送気送水
切換え弁を提供することにある。

以下、本考案の一実施例を第２図にもとづいて
説明する。

第２図中１１は内視鏡であり、この内視鏡１１
は操作部１２と挿入部１３から構成されている。
挿入部１３の先端面１３ａは観察窓１４が設けら
れており、この観察窓１４の内側には対物レンズ
１５を介してイメージガイド１６の先端が対向し
て設置されている。イメージガイド１６は挿入部
１３および操作部１２内を通じて操作部１２にお
ける接限部１７に導びかれている。挿入部１３の
先端面１３ａには送水用ノズル１８と送気用ノズ
ル１９が独立して設けられ、各ノズル１８，１９
はともに観察窓１４に向けて設けられている。さ
らに、内視鏡１１内には送水チユーブ２０と送気
チユーブ２１が挿入配置されていて、送水チユー
ブ２０は送水用ノズル１８に接続され、送気チユ
ーブ２１は送気用ノズル１９に接続されている。
一方、操作部１２には送水チユーブ２０と送気チ
ユーブ２１の途中に介挿する送気送水切換え弁２
２が設けられている。

すなわち、この送気送水切換え弁２２は操作部
１２に設けられたシリンダ２３とこのシリンダ２
３に嵌挿されるピストン２４を有してなり、上記
ピストン２４の外端側はシリンダ２３の外部に突
出するとともに、その外端には操作外端部２５が
形成されている。また、ピストン２４の摺動部周
面には環状の溝からなる連通路２６が形成されて
いる。この連通路２５の両端に位置する摺動部周
面にはＯリングからなる一対のパツキング２７，
２８が嵌め込まれており、このパツキング２７，
２８はシリンダ２３の内面に対して摺接して連通
路２６を気密的に隔離するようになつている。さ
らに、ピストン２４の外端部２９は他の部分より
小径に形成され、これにはコイルスプリングから
なる付勢部材３０が巻装されている。この付勢部
材３０はシリンダ２３の外方開口端に形成した係
止縁３１と上記操作外端部２５との間に介在しそ
のピストン２４を外方に向けて付勢するようにな
ついる。したがつて、ピストン２４は通常第２図
で示すようにその操作外端部２５を外方に突出さ
せた状態に待機させている。なお、ピストン２４
はシリンダ２３の係止縁３１に当つて位置決めさ
れている。

また、ピストン２４の外端部２９とシリンダ２
３の間にはその隙間からなる通気路３２が形成さ
れている。この通気路３２には送気チユーブ２１
の流入側先端が接続されている。上記操作外端部
２５の内端面には環状のパツキングからなる弁体
３３が設けられていて、これはシリンダ２３の外
端面からなる弁座３４に対向している。そして、
ピストン２４を押し込んだとき弁体３３が弁座３
４に当接して上記通気路３２を閉塞するようにな
つている。一方、送気チユーブ２１の流出側基端
は第２図で示すように弁体３３と弁座３４の外側
に位置してシリンダ２３の外端面に開口して接続
されている。したがつて、ピストン２４を押し込
むことにより弁体３３が弁座３４に当接すると、
これにより送気チユーブ２１の流入側と流出側を
遮断することができる。なお、シリンダ２３の外
端面およびピストン２４の外端付近は薄膜３５に
よつて覆われている。この薄膜３５はピストン２
４の操作外端部２５に対し接着等により気密的に
取り付けられ、また、シリンダ２３の外端周壁に
シールリング３６を介して気密的に取り付けられ
ている。

さらに、ピストン２４の操作外端部２５には指
で閉塞可能なリーク孔３７が設けられている。こ
のリーク孔３７は常に通気路３２を介して送気チ
ユーブ２１の流入側に連通されている。

一方送水チユーブ２０の流入側はシリンダ２３
の底部に接続され、また、送水チユーブ２０の流
出側は待機状態のピストン２４の摺動部周面に対
向してシリンダ２３の側壁に接続されている。そ
して、ピストン２４を押し込んだときその連通路
２６が送水チユーブ２０の流入側と流出側との間
に位置して互いに連通させるようになつている。
また、ピストン２４が待機状態にあるときは送水
チユーブ２０の流入側と流出側はパツキング２７
によつて遮断される。

なお、上記送水チユーブ２０の基端側は送水タ
ンク３８に接続され、送気チユーブ２１の基端側
は送気ポンプ３９に接続されている。また、送水
タンク３８は上記送気ポンプ３９に接続され、そ
の吐出圧を受けて洗浄水を加圧し送気チユーブ２
１に送り出すようになつている。

次に、上記実施例の作用を説明する。まず第２
図に示す待機状態では送気送水は行なわれない。
送気ポンプ３９側からの送気は送気チユーブ２１
の流入側を通じて行なわれるが、通気路３２およ
びリーク孔３７を通じて外部に放出されるため、
これより流路抵抗の高い流出側には流れない。送
水チユーブ２０はピストン２４によつて遮断され
ているため、送水も行なわれない。

そこで、送気を行なうときにはピストン２４の
操作外端部２５に指を当てリーク孔３７を閉塞す
る。これにより外部に放出できなくなるので送気
チユーブ２１の流出側に流れ、送気用ノズル１９
に達し体腔内に噴出する。

また、送水を行なうときにはピストン２４の操
作外端部２５に指を当てリーク孔３７を閉塞した
ままそのピストン２４を押し込むことにより行な
う。しかして、弁体３３が降下し弁座３４に押し
当つて通気路３２を閉塞する。これによつて送気
チユーブ２１の流入側と流出側とを遮断するとと
もに、連通路２６を通じて送水チユーブ２０を開
通する。したがつて、送気ポンプ３９の吐出圧に
よつて加圧された送水タンク３８内の洗浄水がそ
の送水チユーブ２０を通じて送水用ノズル１８に
供給することができる。なお、ピストン２４に対
する押圧を解除すれば付勢部材３０の付勢力によ
つてピストン２４は自動的に元の待機位置に戻
る。このようにして送気送水を選択的に行なうこ
とができる。したがつて、通常の送気および観察
窓１４を洗浄するための送水送気を任意に選択し
て行なうことができる。

第３図は本考案の他の実施例としての送気送水
切換え弁４０を示すものである。この実施例の送
気送水切換え弁４０はピストン４１自体を弾性材
料によつて形成するとともに、弁体４２および付
勢部材４３までも一体に形成したものである。す
なわち、ピストン４１の摺動部周面にはパツキン
グ部４４，４５を一体に形成し、この一対のパツ
キング部４４，４５間に連通路４６を形成したも
のである。さらに、ピストン４１の外端部側には
テーパ状の周面からなる弁体４２を形成し、これ
に対応してシリンダ４７にはテーパ状の弁座４８
を形成し、この弁座４８の内端に送気チユーブ２
１の流入端を接続し、弁座４８の外端に送気チユ
ーブ２１の流出側を接続する。さらに、ピストン
４１の外端には筒状に付勢部材４３が形成されて
いて、これによりピストン４１を外方に向けて付
勢するようになつている。付勢部部材４３の外端
はシリンダ４７側の嵌込み用リング４９に気密的
に嵌め込んで装着されている。しかして、この実
施例においても上記実施例と同様にして切換え操
作を行うことができる。なお、この実施例は必要
な部分をピストンと一体に形成するため安価に製
作できるとともにその洗浄作業が容易で衛生的で
ある。

上記各実施例においては送気チユーブと送水チ
ユーブを完全に独立させる構成としたが、本考案
はこれに限らず先端のノズル近傍において合流さ
せる構成としてもよい。

以上説明したように本考案は送気チユーブ側の
弁体をシリンダに摺動させないようにして送気送
水動作を切り換える構成としたから、シリンダに
摺動するパツキングの数が少なくてすみ、それだ
けピストンの移動操作を軽くすることができる。
したがつて、復帰用の付勢部材の付勢力が小さく
てよく、ピストンの押込み操作力を小さくでき
る。つまり、ピストンの操作が軽く、操作性を向
上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の一例としての送気送水切換え弁
の側断面図、第２図は本考案の一実施例の要部を
示す側断面図、第３図は本考案の他の実施例を示
す送気送水切換え弁の側断面図である。 １１…内視鏡、１２…操作部、１４…観察窓、
１８…送水用ノズル、１９…送気用ノズル、２２
…送気送水切換え弁、２３…シリンダ、２４…ピ
ストン、２５…操作外端部、２６…連通路、２７
…パツキング、２８…パツキング、３０…付勢部
材、３３…弁体、３４…弁座、３７…リーク孔、
４０…送気送水切換え弁、４１…ピストン、４２
…弁体、４３…付勢部材、４４…パツキング部、
４５…パツキング部、４６…連通路、４７…シリ
ンダ、４８…弁座。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 内視鏡の操作部に設けられたシリンダと、こ
   のシリンダに嵌挿され摺動周面に連通路を形成
   するとともに、その連通路を仕切るため上記摺
   動周面にパツキングを設けたピストンと、この
   ピストンを外方に向けて付勢し上記ピストンの
   操作外端部を突出状態に待機させる付勢部材
   と、上記シリンダに接続され上記ピストンを押
   し込んだとき上記連通路を介して開通する送水
   チユーブと、上記ピストンの操作外端部に開口
   して指で閉塞可能に設けられたリーク孔と、上
   記ピストンに設けられそのピストンが待機状態
   においてシリンダ側に形成した弁座から離間し
   て送気チユーブの流入側をその流出側と上記リ
   ーク孔に連通させるとともにピストンを押し込
   んだとき上記弁座に当接して送気チユーブの流
   入側と流出側を遮断する弁体とを具備したこと
   を特徴とする内視鏡の送気送水切換え弁。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の内視
   鏡の送気送水切換え弁において、ピストンおよ
   び付勢部材を弾性材料により一体に形成したこ
   とを特徴とする内視鏡の送気送水切換え弁。