JPS6243001Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 産業上の利用分野 本考案は、蛇口における温度計付きカランに係
るものである。

従来の技術 寒冷地では、冬期に水道管が凍結して破損する
ことがあり、これを未然に防ぐため、蛇口の栓棒
に凍結防止装置を装備させ、該装置により低温時
に少量の水道水を自動的に流出させて、地上水道
管内の水道水に流動を与え、且つ、地中埋設水道
管内の温度の高い水道水を誘導することにより、
凍結を防止するものが開発されている。

ところで、積雪の多い地域では、気温がかなり
上昇しても、多量の残雪により水温が上らず、凍
結の危険が長い間残ることがあり、これがしばし
ば上記凍結防止装置の故障と誤認されている。

考案が解決しようとする問題点 そこで、本考案は、カランにおいて水道管内の
水道水の水温を検知し得るようにし、そのような
誤認を回避しようとするものである。

〔考案の構成〕 問題点を解決するための手段 本考案は、図示に示すように、カラン１の適所
に温度計２を装備させ、該温度計の水温検知部２
１をカラン１の中央から垂下させて栓棒３へ挿通
させている。

カラン１は、中央に栓棒３の上端部と嵌合する
ローレツト付きの嵌合孔１１を有し、該嵌合孔に
栓棒３の上端部へ締付けるねじ１２を備えてい
る。

而して、該ねじ１２は、カラン上面に位置する
頭部１２１を有し、該頭部を大径で薄い皿形と
し、該頭部の中央から垂下するねじ部１２２の中
心に透孔１２３を穿設している。

温度計２は、０℃付近の温度を検知し得るもの
に構成して、表示部２２を上記ねじ１２の頭部１
２１上面に納め、外面に凸レンズ２３を貼着し、
表示部２２から垂下する水温検知部２１を上記ね
じ１２の透孔１２３に通して下方へ突出させてい
る。なお、温度計２は、アルコール入り等のアナ
ログ表示のものでも、電子式のデイジタル表示の
ものでもよい。

栓棒３は、通常のものと同様に、下部に蛇口へ
螺合するための螺条３１を形成し、上端部の外周
にローレツト３２を設けてカラン１を嵌合孔１１
にて嵌合させ、且つ、上端部中央にねじ孔３３を
形成してパツキング３０を嵌めると共に上記ねじ
１２を螺合締付けしてカラン１を固定し、また、
上記螺条３１部分の下に該螺条の谷径と等しい筒
３４を垂設し、該筒に連ねて螺条３１部分及び軸
部３５の下端部分の内部を切削して大きな室３６
を形成し、該室と上記ねじ孔３３とを開通させて
軸部３５の中心に透孔３７を穿設して、該透孔に
温度計２の水温検知部２１を挿通させ、該水温検
知部の検知端２１１を室３６の上部に突出させて
いる。更に、上記筒３４には、適所で下から複数
の割込み３８…を入れ、下端部に数個の小ねじ孔
を設けて小ねじ３９…を螺装し、該小ねじにより
コマ４を可動に支持している。

コマ４は、下面に環状のコマパツキン５を固定
し、上面に薄いパツキング４１を介してキヤツプ
状のハウジング４２を螺着固定し、該ハウジング
は、外径を上記室３６の内径よりも小径に形成し
てその室３６内へ室内での水の流通可能に内装
し、外周下部に外向きフランジ４２２を周設し
て、該フランジを上記小ねじ３９…へ係合させて
いる。なお、該係合は、室３６からの抜け出しを
阻止するためのものであるが、少々の上下動と回
動を許容し得るようにしている。そして、コマ４
には、凍結防止装置６を備えている。

凍結防止装置６は、コマ４の中央に貫通流路６
１を設け、上記ハウジング４２内の上半に微量排
水弁６２を、また、貫通流路６１に遊挿させて該
微量排水弁を水温が０℃以下のときに開弁させる
サーモエレメント６３を設け、該サーモエレメン
トの感温部６３１をコマパツキン５の下方へ突出
させている。

微量排水弁６２は、上記ハウジング４２の頂壁
に弁孔６２２を穿設し、該弁孔に下部を大径の弁
部とし且つ該弁部の上にパツキング６２３を付設
した弁体６２４を遊挿すると共に、そのパツキン
グ６２３を以て弁孔６２２を閉塞し、弁体６２４
には、中央に貫通孔６２５を設け、且つ、該貫通
孔の上端部にねじを切つて調整ねじ６２６を螺合
し、その貫通孔へ下方からサーモエレメント６３
のシヤフト６３２を可動に挿入させて調整ねじ６
２６へ突き当て、更に、弁体６２４には、これを
開く方向に圧縮スプリング６２７を装備させてい
る。

サーモエレメント６３は、下端の感温部６３１
が感知した水温に従がい上方へ突出するシヤフト
６３２を機械的に出入するものであるが、ハウジ
ング４２内の下半に下降可能に装着すると共に、
圧縮スプリング６３３により上方へ強力に付勢し
て定位置を確保している。

つまり、異常高温における逃げを許容し得る状
態にて位置保持しているのである。

なお、微量排水弁６２の圧縮スプリング６２７
は、サーモエレメント６３の圧縮スプリング６３
３よりも弾力を小さく設定している。

作用 如上の構成であるから、地上水道管従つて蛇口
内の水道水が０℃付近以下に下降すると、凍結防
止装置６において、サーモエレメント６３がその
水温を検知してシヤフト６３２を引き入れ、微量
排水弁６２が圧縮スプリング６２７の弾力で開弁
する。

この開弁により、その水道水がコマ４の貫通流
路６１及びハウジング４２を経て、栓棒３の室３
６内に流出し、割込み１４１…を通つて蛇口外へ
と流れ出る。

また、この際に、その水道水の水温を温度計２
が水温検知部２１にて検知し、表示部２２に表示
する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、水道管内の水道水の水温を温
度計により検知でき、従つて、水道水の流出が凍
結防止装置の正規の働きによるものか、或いは、
故障によるものかを何人にも確実に且つ極めて容
易に判断できて、誤認を防止でき、しかも、温度
計がカランに装備されるから甚だ見易い利点があ
る。

また、温水管の蛇口等にも応用できて、これを
通る温水の温度を温度計に表示させることも可能
である。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案を示し、第１図は側面図、第２
図は、拡大縦断側面図、第３図は、要部の斜視図
である。 １……カラン、２……温度計、３……栓棒、４
……コマ、５……コマパツキン、６……凍結防止
装置、６２……微量排水弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カラン１の適所に温度計２を装備させ、該温度
   計の水温検知部２１をカラン１の中央部から垂下
   させて栓棒３へ挿通させるよう構成したことを特
   徴とする温度計付きカラン。