JPS6242665Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、刈刃駆動用の伝動軸を被覆せる外
管のエンジン側における端末の外周縁に防振体を
固定すると共に、クラツチケース内側と前記外管
後端との間に空所を介在させてエンジンからの振
動を吸収・緩和し、かつ軽量・安価に製作可能な
刈払機の防振装置に係るものである。

エンジンにより駆動される伝動軸を被覆せる外
管の中途に取付けたハンドルを、作業員が把持し
乍ら、雑草、潅木、「つる」等の刈払作業を行な
うとき、エンジン駆動による振動がクラツチ，ク
ラツチドラム，クラツチケースを経て作業員の手
に伝達されるので、長時間に亘る作業に際して
は、作業員の疲労が甚しく、従つて長時間での作
業は事実上、その遂行が著しく困難である。

そこでこの考案は、作業時におけるエンジンの
振動を、伝動軸を被覆せる外管のエンジン側にお
ける端末の外周縁とクラツチケース内周縁との間
に介在・定着された防振体と、このクラツチケー
ス内側と外管後端との間に介在せる空所とで吸
収・緩和を可能とした刈払機の防振装置を提供し
ようとするものである。

以下図面についてこの考案の一実施例を述べる
に、エンジンＥの前方（第１図，第２図において
左側を前方、右側を後方とする。）に連設され、
かつ前端下部だけ少許の隙間を介して一対の対向
せる接合片ｎを一体に垂下したクラツチケースＣ
の中間内部に装着された球軸受１に、クラツチド
ラムＤの前端の縮径部２を回転自在に嵌合し、該
縮径部２に後端を嵌入・固定した伝動軸３を前方
に延長し、その前端に、歯車筐４内の連動歯車群
（図示しない）を介して回転する刈刃５が接続し
てある。また前記伝動軸３を被覆せる外管６の中
途内壁にゴム製の環状体ｒを固定し、この環状体
ｒ内に装着した軸受ｂに、前記伝動軸３を回転自
在に貫通・支持させている。また前記外管６の後
端外周縁を、内側のカラー７と外側のカラー８と
の間に前記外側のカラー８と同一長さのゴム材９
を挾持・定着した防振体Ｓにおける長尺の内側の
カラー７の内周縁に嵌入し、この内側のカラー７
と前記外管６との夫々後端を鋲ｊで固定して一体
的構成となし、しかしてこの防振体Ｓにおける内
側のカラー７を外側のカラー８より長尺とする一
方、この防振体Ｓの外周縁を、前記クラツチケー
スＣにおける一対の接合片ｎの内側に挿入し、ま
た前記外側のカラー８の後端をクラツチケースＣ
の前方内側の段階部Ｐに当接させると共に、前記
接合片ｎの前端近傍に設けたボルト孔ｄにボルト
（図示しない）を挿入して防振体Ｓをクラツチケ
ースＣに締着する。この防振体Ｓの締着と外側の
カラー８のクラツチケースＣの段階部Ｐへの当接
でクラツチケースＣの内側と外管６の後端との間
に空所ｖが形成され、エンジンＥからの振動を、
防振体Ｓと相伴つて吸収・緩和するようにしてあ
る。図中１０は背負バンド，１１はハンドル，１
２はスロツトルレバー，１３はストツプレバー，
Ｆは燃料タンク，Ｗはスロツトルワイヤーであ
る。

この考案において、刈払作業に先立ち、防振体
Ｓにおける内側のカラー７の後端を、伝動軸３を
被覆せる外管６のエンジンＥ側の端部外周縁に嵌
合し、端部近傍を錠ｊで固定して一体的に構成
し、この一体的に構成された防振体Ｓを、クラツ
チケースＣの前端の一対の接合片ｎの隙間を介し
てクラツチケースＣの内側に挿入する一方、外側
のカラー８の後端をクラツチケースＣの内側の段
階部Ｐに当接させて防振体Ｓを一定位置に設定し
た後、ボルト孔ｄにボルトを挿入して締着すると
き、防振体Ｓは第２図にみるように、一定位置に
保持されると共に、クラツチケースＣ内側と外管
６後端との間に所望の空所ｖが形成されることに
なる。

この状態下でエンジンＥを起動するとき、動力
はクラツチ，クラツチドラムＤ，伝動軸３，連動
歯車群を経て刈刃５に伝達されて刈払作業を行な
う。しかしてこの刈払作業において (1) 伝動軸３を被覆せる外管６の後端と内側のカ
ラー７の後端とは鋲ｊで固定されているため、
長時間もしくは過激な使用によつても防振体Ｓ
の軸方向および半経方向における揺動が阻止さ
れる。

(2) 外側のカラー８の外周縁後端を、クラツチケ
ースＣの前方の段階部Ｐに当接させることで、
防振体Ｓ自体をクラツチケースＣへの設定位置
を容易に確保できると共に、防振体Ｓおよび前
記外管６の軸方向における揺動を阻止できるた
め、刈払作業時における不測の障害発生の事態
を回避でき、安心裡に作業の遂行が可能であ
る。

(3) 前記外管６とクラツチケースＣとの間に嵌
合・定着された防振体Ｓおよびクラツチケース
Ｃ内側と外管６後端との間に空所ｖが介在され
ているため、エンジンＥで発生せる振動が外管
６後端に直接に伝わることなく、しかも防振体
Ｓと空所ｖとの存在で前記振動が吸収・緩和さ
れると共に、鋲ｊが弛緩もしくは脱落する惧れ
がないので、作業員は早期に疲労を招来するこ
となく作業を続行可能である。さらに (4) 外側のカラー８外周縁をクラツチケースＣの
一対の接合片ｎの内側に嵌挿・定着してあるた
め、防振体ＳのクラツチケースＣへの組付・離
脱が極めて容易にして作業員に徒らに煩雑感を
懐かせることがなく、かつこの種、刈払機にお
いて従来既存のものに比し構造上著しく複雑化
することもない故、軽量・安価に製作可能にし
て広く一般需要家に供給できる等の実益を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例にして、第１図は、
本案品を装着せる刈払機の要部正面図、第２図は
第１図のＬ部の一部切欠した拡大断面図である。 ３……伝動軸、６……外管、７……内側のカラ
ー、８……外側のカラー、９……ゴム材、Ｃ……
クラツチケース、Ｓ……防振体、ｊ……鋲、ｎ…
…接合片、ｖ……空所、Ｐ……段階部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長尺の内側のカラーと、短尺の外側のカラーと
   の間に、前記外側のカラーと同一長さのゴム材を
   挾持・定着した防振体の前記内側のカラー内周縁
   に、伝動軸を被覆せる外管後端近傍の外周縁を嵌
   入し、この外管後端と、前記内側のカラー後端と
   を鋲で固定する一方、前記外側のカラー外周縁を
   クラツチケースの一対の接合片内側に嵌挿・定着
   し、また前記外側のカラー後端を前記クラツチケ
   ース前方内側の段階部に当接させると共に、前記
   クラツチケース内側と前記外管後端との間に空所
   を介在させてなる刈払機の防振装置。