JPS6242583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は構成を簡潔にした四輪駆動車用トラン
スフアーケースに関する。

従来の四輪駆動車用トランスフアーケースとし
て、例えば、第１図イに示すものがあり、スプラ
イン１ａを有するリヤシヤフト１と、リヤシヤフ
ト１の周上に配置され、トランスミツシヨンの出
力を受ける高速用ギヤ２および低速用ギヤ３（ス
プライン１ａとシフトスリーブ４を介して係合す
るスプライン２ａおよび３ａを有する）と、リヤ
シヤフト１とスプライン係合したフロントシヤフ
ト駆動用ギヤ５と、シフトスリーブ６を介してギ
ヤ５から駆動されるスプライン７ａを有したフロ
ントシヤフト７と、第１のシフトフオーク８を介
してシフトスリーブ４と係合した第１のシフトロ
ツド９と、第２のシフトフオーク１０を介してシ
フトスリーブ６と係合した第２のシフトロツド１
１と、シフトレバー（図示せず）を操作したとき
第２のシフトロツド１１を軸方向に移動させるシ
フトアーム１２と、シフトアーム１２の作動によ
り第１のシフトロツド９を軸方向に移動させるデ
フレバー１３と、予め定めた位置に固定され、上
下に移動して第１および第２のシフトロツド９，
１１の溝９ａ，１１ａと係合したとき、該ロツド
９，１１の移動を禁止するインターロツク１４
と、第２のシフトロツド１１の所定値以上の移動
を制限するストツパ１５を有している。

以上の構成において、第１および第２のシフト
ロツド９，１１が図示の位置にあると高速用ギヤ
２の高速回転がシフトスリーブ４とスプライン２
ａ，１ａの係合を介してリヤシヤフト１１に伝達
され、高速二輪駆動モード２Ｈが得られる。この
状態が第１図ロにおいて、２Ｈとして図示されて
いる。次に、シフトレバーを４Ｈの方向に操作す
るとシフトアーム１２およびデフレバー１３を介
して第２のシフトロツド１１が左方に移動してイ
ンターロツク１４が溝１１ａに落ち込む（一方、
第１のシフトロツド９はインターロツク１４が溝
９ａに係合している間は移動しない）。第２のシ
フトロツド１１が移動すると第２のシフトフオー
ク１０によつてシフトスリーブ６がスプライン５
ａ，７ａと係合するようにシフトされ、リヤシヤ
フト１の高速回転をフロントシヤフト７に伝達
し、高速四輪駆動モード４Ｈを実現する。

更に、シフトフオークをＮの方向に操作すると
インターロツク１４と溝９ａの係合を解かれた第
１のシフトロツド９を左方に移動するため、第１
のシフトフオーク８を介してシフトスリーブ４が
左方に移動して高速用ギヤ２とリヤシヤフト１の
スプライン１ａとの係合が解かれる（一方、第２
のシフトロツド１１はストツパー１５によつて移
動できない）。それによつて中立モードＮが得ら
れる。最後に、シフトレバー１を４Ｌの方向に操
作すると、第１のシフトロツド９だけが左方に移
動するため低速用ギヤ３とリヤシヤフト１がスプ
ライン３ａ，１ａとシフトスリーブ４を介して係
合し、低速四輪駆動モード４Ｌが得られる。この
ようにして、第１図ロに示すシフトフオークの直
線操作によつてそれぞれの駆動モードを得ること
ができる。

しかし、従来の四輪駆動車用トランスフアーケ
ースによれば、高低速切換用と、四輪・二輪切換
用の２本のシフトロツドを使用しているため、該
シフトロツドの相関的な動きをインターロツクと
デフレバーによつてしなければならず、そのた
め、複雑な構成にならざるを得なかつた。

本考案は、上記に鑑みてなされたものであり、
構成を簡潔にするため、ばね付勢された四輪・二
輪切換動作を高低速切換機構を制御する単一のシ
フトロツドによつて制限するようにした四輪駆動
車用トランスフアーケースを提供するものであ
る。

以下本考案による四輪駆動車用トランスフアー
ケースを詳細に説明する。

第２図は本考案の一実施例を示し、第１図イと
同一の部分は同一の引用数字で示したので重複す
る説明は省略するが、シフトスリーブ６を制御す
るシフトフオーク１０が常時ばね１６によつて四
輪駆動モードに切換えられるように付勢されてい
るとともに単一のシフトロツド９の係合部たる径
方向に張り出した突出端９ｂによつて二輪駆動モ
ードに維持されるように構成されており、また、
該突出端９ｂの制御が解かれたとき運動量を所定
値以下に制限するストツパー１５と係合してい
る。

以上の構成において、シフトロツド９が図示の
位置にあると、高速用ギヤ２の高速回転がシフト
スリーブ４およびスプライン２ａ，１ａを介して
リヤシヤフト１に伝達され、高速二輪駆動モード
２Ｈが実現される。次に、シフトレバーを４Ｈの
方向に操作すると、シフトロツド９が左方に移動
するためシフトフオーク１０がばね１６によつて
左方に移動し、リヤシヤフト１のスプライン５ａ
とフロントシヤフト７のスプライン７ａがシフト
スリーブ６によつて係合し、高速四輪駆動モード
４Ｈが得られる（シフトスリーブ４はシフトロツ
ド９の移動量だけ移動するが、スプライン２ａ，
１ａの係合を維持するだけの幅を有している）。
更に、シフトレバーをＮの方向に操作すると、シ
フトロツド９が左方に移動するが、シフトフオー
ク１０はストツパー１５によつて移動しないた
め、シフトスリーブ６は４輪駆動モードを維持
し、一方、シフトスリーブ４が所定の量だけ移動
してスプライン２ａ，１ａの係合を解くため中立
モードが得られる。最後に、シフトレバーを４Ｌ
の方向に操作すると、シフトロツド９の移動によ
りシフトフオーク８だけが左方に移動するため低
速用ギヤ３のスプライン３ａとリヤシヤフト１の
スプライン１ａが係合して低速４輪駆動モード４
Ｌが得られる。尚、以上の説明において、リヤシ
ヤフトとフロントシヤフトを取り換えても同じよ
うな操作を得ることができる。

以上説明した通り、本考案による四輪駆動車用
トランスフアーケースによれば、ばね付勢された
４輪・２輪切換機構の切換動作を高低速切換機構
を制御する単一のシフトロツドによつて制限する
ようにしたため、構成を簡潔にすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の四輪駆動車用トランスフアーケ
ースを示す説明図。第１図ロはシフトフオークの
操作方向向を示す説明図。第２図は本考案の一実
施例を示す説明図。 符号の説明、１……リヤシヤフト、２……高速
用ギヤ、３……低速用ギヤ、１ａ，２ａ，３ａ…
…スプライン、４……シフトスリーブ、５……ギ
ヤ、７ａ……スプライン、６……シフトスリー
ブ、７……フロントシヤフト、８，１０……シフ
トフオーク、９，１１……シフトロツド、１５…
…ストツパー、１６……ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シフトレバーの操作により軸方向移動可能であ
   るとともに係合部を有した単一のシフトロツド
   と、 前記シフトロツドと連動し、リヤシヤフトに高
   速回転あるいは低速回転を伝達する高低速切換用
   シフトスリーブと、 前記シフトロツドに移動自在に配設されるとと
   もに弾性部材によつて常時四輪駆動モード方向へ
   付勢されかつ、二輪駆動モードにあるとき前記シ
   フトロツドの係合部により前記弾性部材の付勢に
   よる移動を規制されるシフトフオークと、 前記シフトフオークに連設された、四輪駆動モ
   ード、二輪駆動モード切換用シフトスリーブと、 前記シフトフオークと係合し、前記係合部の規
   制が解かれたとき前記シフトフオークの運動量を
   制限するストツパと、 を有したことを特徴とする四輪駆動車用トランス
   フアーケース。