JPS6239990Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車のラジユエータガード装置
に係り、特にラジユエータの上下を車体側に取付
支持されたパイプ材で取付支持するとともに、上
下のパイプ材外端間にプレス成形材からなるサイ
ドガード部材を設けてラジユエータの両側をガー
ドする如くし、ガードでラジユエータを囲繞しつ
つ横幅を可及的に抑え、サイドガードを企画しつ
つコンパクト化を図つた自動二輪車のラジユエー
タガード装置に関する。

自動二輪車に水冷式エンジンを搭載した場合ラ
ジユエータが付設され、ラジユエータは車体側へ
の取り付けを兼ねて周りをガード部材で囲まれ、
外部からガードされる。従来ではガード部材は上
下及び左右を囲む如く配設され、ガード部材はパ
イプ材で形成されている。パイプ材でガード部材
を構成する結果、上下は比較的容積的にスペース
が採り得るが、左右両側はパイプ材であると幅を
採り、両側にパイプ材が膨出し、ためにラジユエ
ーターガードの横幅が大きくなり、幅方向のコン
パクト化を図ることが難かしく、特に上下のガー
ド部と一緒にサイド部を一本のパイプで成形した
場合、パイプ材の曲げには限度があり、側方への
膨出量が大きくなる。かかるラジユエータを含む
車体前部をフエアリングで覆つた場合、フエアリ
ングの幅が大きくなるという不利があり、この分
車幅が大きくなる。一方、ラジユエータの荷重は
主に上下の部材で支持される。

本考案はラジユエータガードの以上の如き不都
合を改善すべく成されたもので、その目的とする
処は、ラジユエータの上下をパイプ材で取付支持
するとともに、上下のパイプ材の外端間に板材の
プレス成形品からなるサイド部材をこれらを連結
する如く設けてサイド部材をラジユエータのサイ
ド外側に配設する如くし、幅を可及的に抑えつつ
ラジユエータのガードを企図し得るとともに、構
造簡単、且つ安価にラジユエータのガードを行い
得る如くした自動二輪車のラジユエータガード装
置を提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は自動二輪車１の側面図で、フレーム２
の前端のヘツドチユーブ３を介して上下のブリツ
ジ４，４により前輪６を支持するフロントフオー
ク５を操向自在に支持し、トツプブリツジ４−１
上にはハンドル５ａが設けられる。フレーム２の
前部２ａ上には燃料タンク７が、又この下にはエ
ンジン８が搭載され、タンク７後方にはシート９
が設けられ、シート９前部の位置のフレーム中間
部から垂下されたブラケツト２ｂでエンジン８の
後部を支持し、ブラケツト２ｂには後輪１１を支
持するリヤフオーク１０の前端部が枢着１０ａさ
れ、リヤフオーク１０前部とフレーム間には減衰
力を漸増するプログレシブ機構３３を介してリヤ
クツシヨンユニツト１２が介設されている。エン
ジン８は水冷エンジンとし、実施例ではターボチ
ヤージヤ式エンジンとし、フロントフオーク５の
上部前方にエアクリーナ１３を付設し、エンジン
８の前方には隣接して排気タービンで駆動される
ターボチヤージヤユニツト１４を設け、エアクリ
ーナ１３のクリーンサイドとユニツト１４の圧縮
機側とを吸入管１５で連結し、更に圧縮機側の下
流にはプレチヤンバ１６、図では表れないレゾナ
ンスチヤンバを介して燃料噴射装置１７を臨ま
せ、尚第１図中１８は燃料噴射ポンプ、１９はバ
ツテリ、２０は圧力センサ、２１は電気的制御装
置である。

以上の自動二輪車１の前部にはフエアリング２
２を設け、フエアリング２２は上方に傾斜立設し
たウインドスクリーンを有し、前輪６上方でハン
ドル５ａの前方に延出する前部２２ａ，燃料タン
ク７の左右両側に延出された中間部２２ｂ及びエ
ンジン８の前部左右に垂下された部分２２ｃから
なり、合成樹脂の板材で成形される。かかるフエ
アリング２２はフレーム２側に取付支持されたフ
エアリングステー２３で支持され、既述のエアク
リーナ１３、ターボチヤージヤユニツト１４等を
覆う。

かかる自動二輪車１の前輪６上後方でエンジン
８前方にはラジユエータ２４を配設し、これの詳
細を第２図乃至第６図で示した。ラジユエータ２
４は第３図で明らかな如く左右方向に長い横長
で、これの上には左右に分割されたパイプ材から
なる上ガードをなす上メンバ２５，２５を長辺に
沿う如く車幅方向に離間して同軸的に設け、メン
バ２５，２５の各対向する内端には支持片２５
ａ，２５ａを固設し、支持片２５ａ，２５ａ間に
中間パイプ材２６を介設してフレーム２側に連結
し、尚パイプ材２６を設けず、支持片２５ａ，２
５ａをフレームにブラケツトを介して連結しても
良い。メンバ２５，２５の下にラジユエータ２４
の上端２４ａを臨ませ、ラジユエータ２４上端の
左右に設けた取付ベース２４ｂとメンバ２５，２
５にボルト、ナツト２５ｂ等で結着した側面Ｌ型
のステー２５ｃとをラバー２４ｃを介して連結
し、ラジユエータ上端左右は緩衝支持されること
となり、これを第４図で示した。

ラジユエータ２４の下端２４ｄ左右にはパイプ
材からなる下ガードをなす下メンバ２７，２７を
車幅方向に離間して配設し、下メンバ２７，２７
は下ガードの一部をなすＵ型の中間メンバ２８で
連結し、中間メンバ２８には下方へのステー２８
ａを垂下し、これをエンジン８側下部前端のステ
ー８ａに連結し、メンバ２７，２７及び２８から
なる下ガードを車体側に支持し、尚実施例ではフ
エアリングステー２３の下メンバ２３ａ後端部を
下メンバ２７，２７に連結支持せしめた。

左右に設けられた上下のメンバ２５，２５及び
２７，２７の両外端間にはサイドガードをなすサ
イドメンバ２９，２９を配設し、メンバ２９，２
９は各内側に向く如く第６図に示されるように横
断平面チヤンネル状をなし、鋼板素材のプレス成
形品で構成され、剛性を高める断面とし、前後の
片２９ａ，２９ａ間にラジユエータ２４の両側を
収納し、尚側片２９ｂには内側にリブ２９ｃを有
する縦長の窓２９ｄを設け、剛性の更なるアツプ
を図りつつ軽量化を図つた。かかるサイドメンバ
２９，２９の上下端部２９ｅ…を上下のメンバ２
５，２７の断面形状に合せるように弧状とし、メ
ンバ２５，２７の端部を抱持する如くしてサイド
メンバ２９，２９の上下端部を上下のメンバ２
５，２７の各外端部に連結する。これを第５図で
示し、図は下側のものを示し、サイドメンバの断
面を第６図に示し、サイドメンバは左右で対称的
に成形されている。かかるサイドメンバ２９，２
９でラジユエータ２４の両側をガードし、これの
外側にフエアリング２２の垂下部２２ｃの両側壁
が配設される。

尚第２図中２ｃはフレームの前部２ａをなすメ
インフレームメンバの下に左右に設けられたサブ
メンバで、３０は該メンバ２ｃに結着され、エン
ジン８の前部を支持するハンガーブラケツトを示
す。

以上で明らかな如く本考案によれば、ラジユエ
ータの上下にパイプ材からなるガード材を設け、
両側に鋼板のプレス成形品からなるガード材を設
けたため、ラジユエータは全周をガードされ、ラ
ジユエータの保護上有利であるとともに、両側の
ガード材が板材であるため車幅方向の寸法を可及
的に小さく抑えることができ、コンパクト化を図
ることができ、フエアリングを設けた場合におい
てもこれの外形、特に幅を小さく設定することが
できる他、両側のガード材をプレス成形品とした
ため、パイプ材を曲げるのに比し簡易に得られ、
製作も容易であり、且つ剛性アツプも容易に図
れ、コスト的にも有利である等多大の利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図はラジユエータガ
ード部の側面図、第３図は同正面図、第４図は上
ガードとラジユエータとの取付部の縦断面図、第
５図は下ガードとサイドガードの結合部の断面
図、第６図はサイドガードの横断平面図である。 尚図面中１は自動二輪車、２４はラジユエー
タ、２５，２６，２７，２８は上下のガード部
材、２９はサイドガード部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラジユエータの上下に車体側に取付支持された
   パイプ材よりなる上下のガード部材を配設し、該
   部材の外端間に板材のプレス成形材よりなるサイ
   ドガード部材を設けてラジユエータの両側をガー
   ドするようにしたことを特徴とする自動二輪車の
   ラジユエータガード装置。