JPS6239800Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は複数種類の化粧品を収納するようにした
多段構造の携帯用化粧品容器に関するものであ
る。

携帯用化粧品容器として最も一般的ないわゆる
コンパクトは本体とふたとを蝶番によつて結合し
て構成され、化粧料とパフのような化粧具とが単
一の本体に重ねて収納されるのが普通である。最
近は化粧具に水を含ませて使用するケーキ状化粧
料または化粧具に水を含ませなくても使用可能な
水乾両用の化粧料を用いることが多くなり、その
ために化粧料と化粧具とを別個に収納するように
したコンパクトも提供されている。これらはいず
れも単一の化粧品を収納したものであり、口紅な
ど他の目的に使用する化粧品は別個に携帯しなけ
ればならず、ハンドバツグにばらばらに入れるか
或いは袋などにひとまとめに収納してハンドバツ
グに入れるようにして居り、別個にとり出して使
用しなければならないので面倒であるばかりか紛
失する心配もあつた。

一方、複数種類の化粧品を複数の本体に収納し
て上下に重ねた化粧品容器本体が実公昭46−
20369号公報に開示されているが、このものは化
粧品収納用の空所を上面に開放して設けた本体を
上下方向に延びる軸によつて横方向へ回転させる
ことによつて開閉するものであり、上下に並んだ
ものを横方向へ拡げて使用するのできわめて取扱
いにくいという問題がある。

本案はこのような問題点を解決し、複数種類の
化粧品更に用途が異なる化粧品を体裁よく収納し
て携帯できると共に任意の化粧品をとり出して従
来の蝶番式のコンパクトと同様に使用できる便利
な化粧品容器を提供することを目的として考案さ
れたものであつて、上面に開放された化粧品収納
用の空所を有する第一本体と、上面および下面に
各別に開放された化粧品収納用の複数個の空所を
有する第二本体と、第一本体の上面を覆う第一ふ
たと、第二本体の下面を覆う第二ふたとが第一ふ
た、第一本体、第二本体、第二ふたの順に且つ前
記第一本体が前記第二本体の上面を覆つて上下に
重ねられ、前記第一ふた、第一本体および第二ふ
たが前記第二本体に蝶番により互いに回動可能に
結合されていることを特徴とするものである。

以下本案の実施例を図面に就いて説明する。

１は第一本体であつて、平面矩形の平板状の底
壁２の上に角形の周壁３が突出して設けられその
内部が上面に開放した化粧品収納用の空所４を形
成していると共に底壁２の後端縁左右両側部にピ
ン孔５ａを有する蝶番片５が突出形成されてい
る。

１１は第二本体であつて、上面に開放した化粧
品収納用の空所１２および前記空所１２の前後に
配置されて下面に開放した化粧品収納用の二つの
空所１３，１４が形成されていると共に、第一本
体１の底壁２を嵌込む浅いくぼみ１５が下向きの
空所１３，１４の底を形成する頂壁１１ａと周側
壁１１ｂとによつて形成され、左右両側面の先端
部にピン孔５１ａが設けられ、且つ周側壁１１ｂ
の先端面中央部に左右方向へ延びる爪片１６が設
けられていると共に後端面中央部にピン孔１７ａ
を有する蝶番片１７が突出形成され、この蝶番片
１７の後端面中央部に左右方向へ延びる爪片１８
が設けられ、更に上向きの空所１２の底を形成す
る底壁１１ｃの下面に鏡１９が装備されている。

２１は第一ふたであつて、第二本体１１とその
上面に重ねられる第一本体１とを覆う頂壁２２、
左右の側壁２３および先端壁２４を有し、側壁２
３の後端部にピン孔２５が設けられていると共
に、先端壁２４の中央部に係止片２６が膨出形成
されその内側面に左右方向へ延びる爪片２７が設
けられ、更に頂壁２２の下面に鏡２８が装備され
ている。

３１は第二ふたであつて、第二本体１１の下面
を覆う平板状の底壁３２の左右両側縁先端部にピ
ン５１ｂを対向突設した軸支片３３が上方へ突出
して設けられていると共に、後端縁中央部上方に
係止片３４が膨出形成されその内側面に左右方向
へ延びる爪片３５が設けられている。

前記の第一本体１の底壁２を第二本体１１のく
ぼみ１５に嵌込むと共に蝶番片５を蝶番片１７の
両側に位置させ、第二ふた３１を第二本体１１の
下面に重ねてそのピン５１ｂを第二本体１１の先
端部のピン孔５１ａに挿入すると共に後端部の爪
片１８，３５を互いに係合させ、更に第一ふた２
１を第一本体１および第二本体１１の上面に重ね
てそれらのピン孔２５，５ａ，１７ａにピン４１
を挿通すると共に先端部の爪片１６，２７を互い
に係合させることによつて、第一ふた２１、第一
本体１、第二本体１１、第二ふた３１の順に上下
に重ねられた化粧品容器を構成したものである。
第一ふた２１は後端部においてピン孔２５，５
ａ，１７ａ、ピン４１によつて構成された第一の
蝶番４２により第一本体１、第二本体１１と互い
に回動可能に結合され、第二ふた３１は先端部に
おいてピン孔５１ａ、ピン５１ｂによつて構成さ
れた第二の蝶番５１により第二本体１１と互いに
回動可能に結合されている。

このように構成した本実施例は、例えば第一本
体１の空所４にケーキ状化粧料、第二本体１１の
上面に開放した空所１２にスポンジパフのような
化粧具、下面に開放した空所１３，１４に口紅お
よび塗布筆のような化粧料、化粧具もそれぞれ収
納するもので、第一本体１の上面を覆つている第
一ふた２１を第一の蝶番４２を中心に回動して開
き、次で第二本体１１の上面を覆つている第一本
体１を回動して第二本体１１の化粧具をとり出す
ことによつて化粧を行うのである（第９図）。ま
た、容器全体を裏返して第二本体１１の下面を覆
つている第二ふた３１を第二の蝶番５１を中心に
回動して開き、次で第二本体１１の空所１３，１
４の化粧具をとり出すことによつて前記とは異な
る化粧を行う（第１０図）。

尚、図示実施例に示された四個の空所４，１
２，１３，１４には化粧品を任意に組合せて収納
できるものであり、且つ空所の数も四個に限定さ
れないことは言うまでもなく、また水を使用でき
る化粧料の塗布具を収納する空所は適宜の乾燥用
の通気口を以つて外部と連通させてもよい。

以上のように本案によると、上面に開放した空
所を有する第一本体と上下両面に各別に開放した
複数の空所を有する第二本体とを第一本体が第二
本体の上面を覆つて上下に重ねたので、二つの本
体の上面へ開放した各空所に水を使用する化粧料
または水乾両用の化粧料とその化粧具とを別個に
収納することが可能となるばかりか、第二本体は
下面にも開放した空所を有しているので化粧品収
納用の互いに仕切られた多数の空所を有する構造
となり、目的の異なる複数種類の化粧品をひとま
とめに体裁よく収納して紛失の心配なく携帯でき
るのである。そして、互いに蝶番結合されている
二つの本体およびそれらの両面を覆つたふたのい
ずれかを開くことによつて化粧品をとり出し、従
来のコンパクトと全く同様に使用できるのできわ
めて便利なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の実施例を示す側面図、第２図は
第１図の右方から見た図、第３図、第４図は第１
図のＸ−Ｘ線、Ｙ−Ｙ線に沿う断面図、第５図は
縦断面図、第６図は第一本体の斜視図、第７図は
第二本体の斜視図、第８図は第二本体の下方から
見た斜視図、第９図および第１０図はふたを開い
た状態の縦断面図である。 １……第一本体、４……空所、１１……第二本
体、１２，１３，１４……空所、２１……第一ふ
た、３１……第二ふた、４２，５１……蝶番。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に開放された化粧品収納用の空所４を有す
   る第一本体１と、上面および下面に各別に開放さ
   れた化粧品収納用の複数個の空所１２，１３，１
   ４を有する第二本体１１と、前記第一本体１の上
   面を覆う第一ふた２１と、前記第二本体１１の下
   面を覆う第二ふた３１とを具え、これらが第一ふ
   た２１、第一本体１、第二本体１１、第二ふた３
   １の順に且つ前記第一本体１が前記第二本体１１
   の上面を覆つて上下に重ねられ、前記第一ふた２
   １、第一本体１および第二ふた３１が前記第二本
   体１１に蝶番４２，５１により互いに回動可能に
   結合されている携帯用化粧品容器。