JPS6239634Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機体横方向に突出する茎桿係止爪を
地面近くから上方に移行させる茎桿引起し装置群
を横方向に並置するとともに、前方に突出する茎
桿係止爪を前記引起し装置群の前方箇所において
地面近くから上方に移行させる茎桿梳き上げ装置
を、前記引起し装置群の横側端位置と横中間位置
とに付替可能に構成した刈取収穫機における引起
し処理装置に関し、異なる位置に付替える茎桿梳
き上げ装置の下端部を、その付替時には、簡単に
所望状態への組付け操作並びに分離操作を行なえ
るようにしながら、組付け状態においては丈夫に
支持させるようにせんとするものである。

上記引起し処理装置は、圃場に植えられている
茎桿を、茎桿梳き上げ装置によつて予め梳き上げ
ることによつて、茎桿引起し装置の爪にては係止
し難い倒伏状態の茎桿をも良好に引起すことがで
きるようにしたものであり、しかも、茎桿梳き上
げ装置を、引起し装置群の横側端位置と横中間位
置とに付替可能にすることによつて、機体の前方
相当箇所に位置する刈取るべき茎桿群と機体の横
側部に位置する未刈茎桿群との絡み合いを分離さ
せる作用を発揮させる状態と、刈取るべき茎桿群
を所望の姿勢で適確に引起し装置に受渡す作用を
発揮させる状態とに、作業条件によつて使い分け
ることができるようにして、一層良好な引起し処
理を行なえるようにしたものであるが、茎桿梳き
上げ装置を異なる位置に付替可能に支持するに、
その下端部を支持するのに次に述べる問題があつ
た。

つまり、従来では、引起し装置群の横側端位置
と横中間位置とに梳き上げ装置支持用フレームを
設け、これらフレームと梳き上げ装置の下端部と
をボルトを用いて止着する手段が採用されている
が、この場合、機体の最下方位置に位置すること
になる支持用フレームと梳き上げ装置下端部とを
ボルトを用いて止着する操作は、作業者が体を屈
めた姿勢で行なうことになるものであつて、行な
い難く煩雑な作業となるきらいがあり、付替作業
全体を迅速、良好に行ない難いものとなつてい
た。

尚、梳き上げ装置の上端部は、たとえ上述の下
端部における構造と同様のボルト止着構造を用い
ても、機体の上方に位置するが故に、そのボルト
止着操作は行ない易いものであり、又、後述の実
施例で述べる如く、刈取るべき茎桿部の穂先部を
迂回させる状態で横架支承した横フレームにスラ
イド可能に支持させる構造等を用いて容易に付替
える形態で支持できるものであり、特に問題はな
いものとなつている。

本考案は、上記実状に留意して為されたもので
あつて、梳き上げ装置の下端部の支持構造を所望
状態への組付け操作並びに分離操作を簡単に行な
えるものでありながら、しかも、組付状態におい
ては丈夫に支持できる構造に改良せんとするもの
である。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は、コンバイン前部の側面を示し、圃場
に植えられた茎桿を引起し処理する装置１、引起
し茎桿の株元を切断する刈取装置２、刈取茎桿を
合流させる補助搬送装置３、合流茎桿を後部脱殻
装置４のフイードチエーン５に搬送する後方搬送
装置６等が装備されている。そして、進行に伴い
茎桿を引起し刈取処理し、刈取茎桿を順次扱脱殻
する作業を自動的に連続して行なうべく構成され
ている。

前記引起し処理装置１について説明すると、左
右一対のケース７ａ，８ａから横内方に向けて突
出される左右一対の茎桿係止爪７ｂ，８ｂをその
先端同志を対向させた状態で上方に移行させる左
右一対の茎桿引起し装置７，８が設けられるとと
もに、ケース９ａ，１０ａから前方に突出する茎
桿係止爪９ｂ，１０ｂを前記左右引起し装置７，
８の前方箇所において地面近くから上方に移行さ
せる左右一対の第１、第２茎桿梳き上げ装置９，
１０が設けられている。前記第１茎桿梳き上げ装
置９が、機体が通常の回り刈り作業を行なう時、
並びに中割作業を行なう時に未刈茎桿群が隣接位
置することになる左右引起し装置７，８の左横側
端位置に固定されるとともに、前記第２引起し装
置１０が、機体が中割作業を行なう時にのみ未刈
茎桿群が隣接位置することになる左右引起し装置
７，８の右横側端位置と横中間位置とに付替可能
に構成されている。

そして、圃場に植えられた茎桿を、左右第１第
２梳き上げ装置９，１０にて予め梳き上げ、その
のち左右引起し装置７，８にて所望の立姿勢に引
起すべく構成され、且つ、回り刈り作業や中割作
業等の作業形態に応じて第２梳き上げ装置１０を
異なる位置に付替えることにより、第２梳き上げ
装置１０にて、機体前方相当箇所に位置する刈取
るべき茎桿を梳き上げたのちその姿勢で引起し装
置７，８に適確に受渡す作用を発揮させるように
する状態と、刈取るべき茎桿群を機体横側部に位
置する未刈茎桿群との絡みを分離させる作用を発
揮させるようにする状態とに使い分けることがで
きるようになつている。

次に、第２茎桿梳き上げ装置１０を異なる位置
に付替可能に支持する構造について、第２図乃至
第５図に基づいて説明する。

すなわち、茎桿梳き上げ装置１０の上端部が、
前記左右引起し装置７，８の上端部に固定した横
軸１１に軸心方向移動可能且つ軸心回りに回転可
能に支承した取付アーム１２に連結支持されると
とに、そ下端部が、左右引起し装置７，８の横側
端位置の下方と横中間位置の下方とに設けた梳き
上げ装置支持フレームとしてのデバイダ支持杆１
６，１６にて支持されている。すなわち、機体横
方向での左右両側と機体の進行方向後方とに当た
り面ａ…を備えた固定係合枠１３ａ，１３ｂと被
係合部材１８のうち、コの字形状の固定係合枠１
３ａ，１３ｂをデバイダ支持杆１６，１６に取り
付けるとともに、板状の被係合部材１８を梳き上
げ装置１０の下端後部に取り付けて、前方から後
方への移動によりこれを後方への移動不能に係合
支持する固定機構を構成している。尚、前記取付
アーム１２に、前記左右引起し装置７，８の横側
端位置並びに横中間位置に相当する位置で、前記
横軸１１に形成した凹部１１ａ，１１ｂに弾性係
合可能な位置決め用ボール１４が設けられてい
る。

そして、第２梳き上げ装置１０を横軸１１を中
心に前方に回動させてその下端部を係合枠１３
ａ，１３ｂから離脱させ、この状態で梳き上げ装
置１０を横軸１０に沿つて所望の位置にスライド
操作し、次に、梳き上げ装置１０を横軸１１を中
心に後方に回動させて、その下端部を係合枠１３
ａ，１３ｂに係合させる手順で、梳き上げ装置１
０を異なる位置に付替えることができるようにな
つている。そして、梳き上げ装置１０の下端部
は、係合枠１３ａ，１３ｂに後方への移動不能に
係合支持されるものであるから、その梳き上げ作
用時に茎桿群との接当により後方に強く押されて
もこれに対しては充分な強度で支持されるものと
なつている。

尚、図中１４ａ，１４ｂ，１４ｃは、左右引起
し装置７，８の左右側端の前方箇所並びに横中間
の前方箇所に設けたデバイダである。又１５は、
第１茎桿梳き上げ装置９からの動力を第２茎桿梳
き上げ装置１０に伝達する伸縮可能な伝動軸であ
つて、第２茎桿梳き上げ装置１０の付替時に、こ
れの入力スプロケツト１０ｃと離脱できるように
係合連結されるとともに、伸縮可能なカバー１７
にて覆われている。

以上において実施例を説明したが、本考案が要
旨とする特徴構成は、前記付替可能な茎桿梳き上
げ装置の下端部と、前記引起し装置群の横側位置
および横中央位置に配設されている茎桿梳き上げ
装置取付用の支持フレームとの間に、機体進行方
向後方側ならびに機体横巾方向での移動を阻止す
る当たり面を備えた係合枠と、その係合枠に嵌係
止される被係合部材との対で構成される固定機構
を設けて、前記梳き上げ装置を異なる二位置で択
一的に支持可能に構成した点にある。

上記の特徴構成によつて本考案は次の作用効果
を得た。すなわち、梳き上げ装置下端部を係合構
造を用いて簡単な操作で組付け並びに分離できる
状態で支持して、梳き上げ装置の付替作業の迅速
化並びに容易化を図ることができるのであり、し
かも、梳き上げ装置の下端部は、その作用時に茎
桿に押されて後方への負荷が強く作用する点に着
目し、これを充分に支持させるようにするから、
組付並びに分離の操作の容易化を図るべく係合構
造を用いながらその作動に支障をきたすことのな
い状態で丈夫に支持できるのである。もつて、全
体として実用上便利に使用することが可能な刈取
収穫機における引起し処理装置を得るに至つた。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取収穫機における引起し
処理装置の実施例を示し、第１図はコンバイン前
部の側面図、第２図は引起し処理装置の正面図、
第３図は茎桿梳き上げ装置の支持構造を示す側面
図、第４図は第３図における−線断面図、第
５図は茎桿梳き上げ装置の上端部の支持構造を示
す横断平面図である。 ７，８……茎桿引起し装置、７ｂ，８ｂ……茎
桿係止爪、１０……茎桿梳き上げ装置、１０ｂ…
…茎桿係止爪、１３ａ，１３ｂ……固定係合枠、
１６……梳き上げ装置支持フレーム、１８……被
係合部材、ａ……当たり面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 機体横方向に突出する茎桿係止爪７ｂ，８ｂ
   を地面近くから上方に移行させる茎桿引起し装
   置７，８群を横方向に並置するとともに、前方
   に突出する茎桿係止爪１０ｂを前記引起し装置
   ７，８群の前方箇所において地面近くから上方
   に移行させる茎桿梳き上げ装置１０を前記引起
   し装置７，８群の横側端位置と横中間位置とに
   付替可能に構成した刈取収穫機における引起し
   処理装置であつて、前記付替可能な茎桿梳き上
   げ装置１０の下端部と、前記引起し装置７，８
   群の横側位置および横中央位置に配設されてい
   る茎桿梳き上げ装置１０取付用の支持フレーム
   １６，１６との間に、機体進行方向後方側なら
   びに機体横巾方向での移動を阻止する当たり面
   ａを備えた係合枠１３ａ，１３ｂと、その係合
   枠１３ａ，１３ｂに嵌係止される被係合部材１
   ８との対で構成される固定機構を設けて、前記
   梳き上げ装置１０を異なる二位置で択一的に支
   持可能に構成してあることを特徴とする刈取収
   穫機における引起し処理装置。 ２ 前記梳き上げ装置１０は、その上端部が横方
   向にスライド移動可能且つ横軸心周りに回転可
   能に支持されるものである実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の刈取収穫機における引起し
   処理装置。