JPS6239270Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はガラス、合成樹脂板等のパネルを極
めて簡単に、しかも確実に枠体を封止するパネル
用封止材に関するものである。

周知の様にガラス等のパネルを窓枠、金属製障
子などに嵌め付ける場合には合成ゴム、軟質合成
樹脂などからなるＵ型、Ｊ型のグレイジングガス
ケツトをパネル側縁に嵌着したり、シーリング材
を充填して水密性、気密性をもたらせている。

シーリング材によつてパネルの側部を封止する
場合にはガラスポケツトの内部にバツクアツプ材
を取付けてシーリング材を受け止めなければなら
ず、従来はパネルの側部表面と、該表面に対向す
るガラスポケツト内面との間にバツクアツプ材を
挟着して摩擦で保持したり、ガラスポケツトの内
部にバツクアツプ材の受部を枠体と一体に形成し
たりしていた。しかしパネルの側部表面とガラス
ポケツトの内面とでバツクアツプ材を摩擦により
保持させると、バツクアツプ材が緩く彎曲したり
波打つてシーリング材の深さが不均一となり、水
密性及び気密性が高まるように封止できない。

又、ガラスポケツトの内部にバツクアツプ材の
受部を設ける場合には、ガラスポケツトが奥深か
つたり幅広いと形成できない。

本考案は上記に鑑み提案されたもので、どのよ
うな形状のガラスポケツトでも簡単な作業でバツ
クアツプ材を常に適正位置に保持できるばかりで
なく封止効果が著しく良好なパネル用封止材を提
供することにある。

以下本考案を図示の実施例に付いて説明する
と、本考案の封止材１は第１図で示すように止着
材２と、該止着材２に保持されるバツクアツプ材
３と、パネル表面とガラスポケツトの開口縁との
間に装填してバツクアツプ材３で受け止められる
シーリング材４とからなる。

上記した止着材２は枠材のガラスポケツト基端
に形成した止着空部に挿着する止着部２_１と、該
止着部２_１の一縁からほゞ直角に延びる延出部２
_２と、該延出部２_２の先端縁から止着部２_１と逆
方向に直角に延びる受部２_３とから成り、例えば
合成ゴム、合成樹脂より押出成形した長尺材であ
る。

一方、バツクアツプ材３は上記した止着材２の
延出部２_２と受部２_３とで保持されるもので発泡
合成樹脂、紐材などからなる長尺材で、好ましく
は断面方形が良い。また、シーリング材４は例え
ばシリコン系又はポリサルフアイト系樹脂で、装
填時には粘度の高い溶液状であるが、時間の経過
により弾性的に硬化する材料を使用するのが好ま
しい。

本案の封止材１は上記のようにしてなり、使用
に際しては第２図、第３図に示す通りである。

第２図はパネルの室外側に本案の封止材を、パ
ネルの室内側にガスケツトを使用した場合を示す
もので、枠材１１に設けてあるガラスポケツト１
２の基端左右には、上片と下片とで囲まれて横方
向に開口する止着空部１３，１３を対向状に設け
てあり、上横枠材、下横枠材及び左右の縦枠材に
より窓枠又は金属障子枠を組立てたら、各枠材の
室内側の止着空部１３に従来のＪ型ガスケツト１
４の止着部１５を挿着し、また室外側の各枠材の
止着空部１３に本案の封止材１と止着材２の止着
部２_１を挿着する。

この場合、延出部２_２及び受部２_３はガラスポ
ケツト１２の内部に向く様に位置させる。

このようにして各枠体のガラスポケツト開口端
にガスケツト１４及び止着材２を対向状に取付け
たら、ガスケツト１４と止着材２との対向間隔内
にパネル１６を嵌挿し、下横枠の内部に設けたガ
ラスブロツク１７などで該パネル１６を支えると
ともに、パネル１６の室内側表面をガスケツト１
４の対向面に圧接させる。次にバツクアツプ材３
をパネル１６の室外側表面に沿わせながらガラス
ポケツトの開口端から内部に押し込み、止着材２
の延出部２_２と受部２_３とで保持させ、延出部２
_２の外面を止着空部１３を構成する下片の先端に
当接させる。このようにしてバツクアツプ材３を
十分に装着したらパネル１６の側部表面、バツク
アツプ材３の片面及びガラスポケツトの開口縁で
囲まれる溝状空間部にシーリング材４を装填し、
パネルとガラスポケツト開口縁との間の隙間を封
止する。したがつてパネル側部の室内側はガスケ
ツトで、室外側はシーリング材で封止されるた
め、気密性及び水密性の高いものとなる。

第３図は本案の封止材をガラスポケツトの開口
部左右に設けた場合を示すもので、両止着空部１
３に止着材２の止着部２_１を対向状に挿着した
ら、各止着材２の受部２_３，２_３間にパネル１６
の側部を嵌挿し、各止着材２にバツクアツプ材３
を挿着してからシーリング材４を装填する。なお
第３図において説明していない符号は第２図の符
号と同一構成である。

上記したいずれの場合でもパネルの挿着時、ガ
ラスポケツトの開口縁がパネルの厚さより大きく
開いている。したがつてパネルをガラスポケツト
に挿着し易く、パネルの挿着作業が極めて容易で
ある。そしてバツクアツプ材３もパネル表面に沿
わせてガラスポケツト内に挿入し、止着材で保持
させるだけであるから簡単に取付作業することが
でき、更にはシーリング材もパネルとガラスポケ
ツト開口縁との間に装填するだけであるから簡単
であり、短時間で高能率に作業することができ
る。この作業性は大型パネルになる程顕著な効果
上の差となる。

なお、上記した第２図及び第３図に基づいて説
明した枠材の組立て法や封止材の取付け作業等は
一例であつて、本考案では実用新案登録請求の範
囲に記載した構成の範囲を変更しない限りどのよ
うにでも実施することができる。

以上要するに本考案によれば、止着材を枠材の
ガラスポケツトに形成した止着空部に挿着する止
着部、該止着部の一縁からほゞ直角で下方に延び
る延出部、該延出部の先端から止着部と逆方向に
延びる受部とで構成し、バツクアツプ材を止着部
の延出部と受部とにより保持させるようにし、し
かもシーリング材をバツクアツプ材の上面で受け
止めてパネルの表面とガラスポケツトの開口縁と
の間を水密、気密に封止するようにしたので、ガ
ラスポケツトにシーリング材の受部が無くてもシ
ーリング材によりパネルを効果的に封止すること
ができる。そして、止着材の延出部が枠材に設け
た上片と下片とで囲まれる止着空部の下片に当接
しているので止着材が波打つことなくガラスポケ
ツトに挿着することができ、この止着材に保持さ
れるバツクアツプ材も結局曲つたり波打たないの
でシーリング材の全長がほゞ同一の深さになつて
パネルと枠材との間を確実に封止することがで
き、水密性や気密性を阻害することがない。ま
た、止着部と枠材の止着空部に挿着するだけで止
着材をガラスポケツトに保持できるし、止着材を
保持した後にパネルの表面に沿わせてバツクアツ
プ材を止着材の内部に装着してシーリング材をパ
ネルの表面に圧着できるので、枠材がどのような
形状、構造でも高い水密性や気密性を維持して効
果的に利用することができる。又、高層建築物の
嵌め殺し窓、店舗用建築物のシヨーウインド用嵌
め殺し窓など大型サツシに有効に使用することが
できるし、止着材はパネルの室外側、室内側いず
れにも使用することができて実用的価値の高いも
のとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す分解斜視図、第
２図は取付状態の一例の断面図、第３図は取付状
態の他の例の断面図である。 １……封止材、２……止着材、３……バツクア
ツプ材、４……シーリング材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 枠材のガラスポケツトに形成した上片と下片と
   で囲まれる止着空部に挿着する止着部、該止着部
   の一縁からほゞ直角で下方に延びる延出部、該延
   出部の先端から止着部と逆方向に延びる受部とか
   ら成る止着材と、上記止着材の延出部と受部とに
   より保持されるバツクアツプ材と、該バツクアツ
   プ材の上面で受け止められてパネルの側部表面と
   ガラスポケツトの開口縁との間を水密、気密に封
   止するシーリング材とからなり、上記止着材の延
   出部の外面が止着空部を囲む下片の先端に当接し
   ているパネル用封止材。