JPS6238420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バンタイプの自動車に装備するリア
シートの支持構造に関する。

一般に同一系統の車でも乗用タイプとバンタイ
プとでは、フロアに対するリアシートの取付位置
が異なるのであつて、即ち乗用タイプでは足もと
の空間を広くとるために前記リアシートをできる
だけフロントシートから離した位置に取付ける一
方、バンタイプではリアシートの後方に形成され
るラゲツジスペースを広くとるために前記リアシ
ートをフロントシートに近づけ、換言すれば乗用
タイプの取付位置よりも自動車進行方向前方側に
寄つた位置に取りつけるのである。

ところで、前記の如くタイプの異なる車のフロ
アパネルを共用した場合においてバンタイプの自
動車にリアシートを取付けると、該リアシートを
構成するシートクツシヨンの前部がリアフロアバ
ンの段部よりオーバーハングすることとなるの
で、従来では前記リアフロアバンの段部に補強部
材を取りつけ、この補強部材により前記シートク
ツシヨンの前部を受止めるべくしていたのである
が、これでは共用化したフロアパネルを構成して
いる前記リアフロアバンの段部に前記補強部材取
付用のボルト孔を形成しておかねばならず従つて
乗用タイプの自動車では前記ボルト孔に別途めく
らぶたを取付ける必要があり、又、オーバーハン
グしたシートクツシヨン下部に生じる空間を利用
しようにも前記補強部材が障害となり、前記空間
を有効に活用できなかつたのである。

而して本考案は、従来のこの種支持構造にまつ
わる前記した問題点を解消すべく考案したもので
あつて、前記リヤシートにおけるシートクツシヨ
ンの前方下部に強度メンバーから成る前部フレー
ムを取付けると共に、サイドパネルに前記シート
クツシヨンの取付用ブラケツトを設けて、このブ
ラケツトに、前記前部フレームを支持するごとく
したことを特徴とするものである。

以下本考案にかかるバン用リヤシートの支持構
造を図に示す実施例に従つて説明する。

図において１はセンターフロアバン１ａと、こ
のセンターフロアバン１ａよりも一段高く形成し
たリアフロアバン１ｂとから成るフロアパネルで
あつて、このフロアパネル１は同一系統の車にお
ける乗用タイプとバンタイプの両者に共用するこ
とが出来るようにしたもので、乗用タイプとして
使用する場合には、リアシートのシートクツシヨ
ンを前記リアフロアバン上に載置して取付け、
又、バンタイプとして使用する場合にはリアシー
トクツシヨンの前部を前記リアフロアバン１ｂの
段部１０より前方にオーバーハングした状態で取
つけるのである。

而して本考案は、前記の如く乗用タイプの車と
バンタイプの車に共用できる前記フロアパネル１
にバン用のリヤシート２を支持する支持構造に関
し、該リヤシート２におけるシートクツシヨン２
ａの前方下部に強度メンバーから成る前部フレー
ム３を取付ける一方、自動車のボデイを構成して
いるインサイドパネル４に前記シートクツシヨン
２ａの取付用ブラケツト５を設け、このブラケツ
ト５に前記した前部フレーム３を支持するごとく
したのである。

即ち図に示す実施例では、前記リヤシート２の
シートクツシヨン２ａを、縦枠線２１ａ，２１ａ
及び横枠線２１ｂ，２１ｂから成るワイヤ構造の
クツシヨンフレーム２１とバツド２２並びに表皮
２３とから構成し、このシートクツシヨン２ａの
前方下部、具体的には前記縦枠線２１ａ，２１ａ
の前端部に前記前部フレーム３を配設して、該縦
枠線２１ａ，２１ａの前端部を前記前部フレーム
３の上面に溶接により固定するのである。

又、前記した前部フレーム３は金属製のパイプ
材から成り、このフレーム３の両端部を圧潰して
偏平部３１を形成し、且つこの偏平部３１にボル
ト孔３２を穿設するのである。

一方前記取付用ブラケツト５は、第２図に示す
如く、前記インサイドパネル４への固定片５１と
前記シートクツシヨン２ａを受止める受止片５２
及び該シートクツシヨン２ａを取付ける取付片５
３とから成るのであつて、図に示す実施例では、
前記取付片５３に段部５４を設け、これにより第
３図に示す如く前記シートクツシヨン２ａを前記
ブラケツト５に取付けた際、該シートクツシヨン
２ａの表皮２３が前記取付片５３のエツジに接触
するのを防止している。

尚、図中２ｂは、リヤシート２を構成するシー
トバツクを示す。

本考案は以上の構成から成り、前記シートクツ
シヨン２ａを前記フロアパネル１に取付けるに
は、まず前記ブラケツト５の固定片５１に形成し
た挿通孔５１ａ，５１ａにボルト（図示せず）を
挿通し且つその挿通端部を前記インサイドパネル
４に螺着して前記ブラケツト５を前記インサイド
パネル４に取付ける。

次に前記シートクツシヨン２ａの後部をリヤフ
ロアバン１ｂ上に載せ、且つ該シートクツシヨン
２ａの前部を前記リヤフロアバン１ｂの段部１０
より前方にオーバーハングさせ、該シートクツシ
ヨン２ａの前方両コーナー部を前記受取片５２に
載置する。

しかる後、前記取付片５３に形成した長孔５３
ａにボルト６を挿通し、その挿通端部を前記偏平
部３１のボルト孔３２に螺着することで前記シー
トクツシヨン２ａの前部を前記ブラケツト５を介
して前記インサイドパネル４に固定すればよいの
である。

以上の如く本考案は、バン用リヤシートにおけ
るシートクツシヨンの前方下部に前部フレームを
取付けると共に、ボデイを構成するサイドパネル
に前記シートクツシヨンの取付用ブラケツトを設
け、このブラケツトに前記前部フレームを支持す
るごとくしたから前記フロアパネルに前記シート
クツシヨンをオーバーハング状に支持した場合、
前記シートクツシヨンとフロアパネルとの間に生
じる空間には何ら障害物となるものがなく、従つ
て該空間を小物類の収容スペースとして有効に利
用することが出来、しかも前記シートクツシヨン
に着座するも前記前部フレームにより前記空間の
開口部は確実に保形されるのであり、又従来のよ
うに前記フロアパネルを構成するリヤフロアバン
の段部に補強部材取付用のボルト孔を形成する必
要もない。

又、乗用車仕様であつてもサイドパネルのボル
ト孔は特別な部材を用いることなくトリムカバー
によつて隠蔽することが出来るのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示し、第１図はその
一部部切欠斜視図、第２図は取付用ブラケツトの
斜視図、第３図は要部の断面図である。 １……フロアパネル、２……バン用リヤシー
ト、２ａ……シートクツシヨン、３……前部フレ
ーム、４……インサイドパネル、５……取付用ブ
ラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗用車、バン共用のフロアパネルに、バン用リ
   ヤシートを、オーバーハング状に支持する支持構
   造であつて、前記リヤシートにおけるシートクツ
   シヨンの前方下部に強度メンバーから成る前部フ
   レームを取付けると共に、サイドパネルに前記シ
   ートクツシヨンの取付用ブラケツトを設けて、こ
   のブラケツトに、前記前部フレームを支持するご
   とくしたことを特徴とするバン用リヤシートの支
   持構造。