JPS6238069Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカプラーに関し、特に、中空円筒状の
ボデイ本体に中空円筒状のノーズ本体を挿入嵌合
し、該ボデイ本体の半径方向貫通孔に収納された
鋼球を該ボデイ本体外周に遊嵌した着脱用のスラ
イド式カラーにより前記ノーズ本体外周の環状凹
部に係合させて両者を結合させる型式のワンタツ
チ式カプラーの改良に関する。

〔従来の技術〕

ゴムホース、パイプあるいは設置物に締結され
た中空円筒状のボデイ本体に、ゴムホースやパイ
プ等が締結された中空円筒状のノーズ本体をワン
タツチで着脱しうるカプラーとして、鋼球および
該鋼球の半径方向移動を拘束すべくボデイ本体外
周にスライド可能に嵌合されたカラーを利用し、
該鋼球によつて両者を結合する構造のものが従来
より使用されている。

この種のワンタツチ式のカプラーの構造例を第
１図を参照して説明する。この第１図は本考案の
カプラーの一実施例を示す図ではあるが、本考案
による改良部分すなわち附加的に改造した部分を
除けば従来のカプラーの構造を有しているので、
この第１図を借りて従来の構造を説明する。

１図において、ワンタツチ式のカプラーは、中
空円筒状のボデイ本体１と、該ボデイ本体の先端
（第１図中左側端）から挿入嵌合される中空円筒
状のノーズ本体２と、前記ボデイ本体の外周に軸
方向摺動可能に遊嵌された円筒状カラー３と、前
記ボデイ本体の先端近傍の外周に取付けられ前記
カラーの前進位置を規制するカラーロツク部材４
と、前記カラーおよび前記ボデイ本体の間に装着
され該カラーを前記前進位置へ付勢する圧縮コイ
ルスプリング型のカラースプリング５と、前記ボ
デイ本体の前記カラーロツク部材より軸方向後側
位置に形成された数個の半径方向孔６のそれぞれ
に収納されかつ前記ノーズ本体外周に形成された
環状溝７に係合するとともに前記カラーにより半
径方向位置を規制されて該ボデイ本体と該ノーズ
本体とを結合する鋼球８とを備えている。

前記ボデイ本体１はそのねじ部を利用してゴム
ホースやパイプあるいは設置物などに結合され、
前記ノーズ本体２の他端には連結すべきゴムホー
スやパイプなどが結合され、このカプラーの中心
孔を通して流体が流通される。図示の例では、前
記カラーロツク部材４として弾性リングが使用さ
れ、また、ボデイ本体１とノーズ本体２との嵌合
部には流体洩れ防止用のＯリング１０およびバツ
クアツプリング１１が介在されている。

以上説明したカプラーを着脱するに際しては、
カラー３をカラースプリング５のばね力に抗して
矢印方向（ボデイ本体１に関し後退方向）へ摺動
させ、該カラーの拡大内径部１２を前記鋼球８の
位置に整合させ、該鋼球がノーズ本体２の環状溝
７から離脱しうる状態にする。この状態では、ボ
デイ本体１とノーズ本体２とは互いに自由となり
挿入離脱を自由に行なうことができる。挿入後カ
ラー３を釈放して図示の位置にすれば、両者は結
合される。

しかして、従来のこの種のカプラーにあつて
は、前記カラースプリング５の両端面はボデイ本
体１およびカラー３の段付部の端面に当接される
だけであり、カラー３はボデイ本体１に対し自由
に相対回転できるよう構成されていた。また、カ
ラー３は、ボデイ本体１に対し、いずれの相対回
転位置においてもその軸方向ストローク範囲内の
摺動が全く自由な状態であつた。

このため、例えばホースとホースとの連結に使
用する場合、ホースを引きずつたり引張つたりし
たとき、カプラーが岩やその他の突起物に引つか
かるとカラーの位置がずれて突発的に外れてしま
うという欠点があつた。特に、孔掘機械の油圧ホ
ースや圧縮空気供給ホースの連結に使用する際に
カプラーが突発的に外れるとその対処が困難であ
るばかりでなく、重大事故を招くというおそれが
ある。この理由から、トンネル工事の孔掘機械等
の土木機械に使用されるカプラーでは突発的に外
れるおそれがないワンタツチ式カプラーが強く要
求されていた。

なお、突発的離脱を防止するためねじ係合で連
結する型式のカプラーとか、又は、カラーの後側
端面に当接し、その移動を防止するために、ボデ
イ本体に着脱可能なロツククランプを取付けたも
のが提案されている。（例えば、実公昭59−11266
号公報参照）。

また、ワンタツチ式のものとしては、カラーの
後側端面にＵ形切欠きを設け、ボデイ本体に設け
られたロツクピンにこの切欠きが嵌入するように
カラーを移動すると、ボデイ本体とノーズ本体と
が着脱可能となるものがある。（例えば、実開昭
52−82214号公報参照） 〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、ねじ係合で連結する型式のカプ
ラーとか、着脱可能なロツククランプを取付けた
もの（例えば、実公昭59−11266号公報参照）
は、ワンタツチ式という機能が失なわれてしまう
という問題があり、また、カラーに設けられたＵ
形切欠きをロツクピンに嵌合させてカラーを移動
させるもの（例えば、実開昭52−82214号公報参
照）は、自由状態ではボデイ本体に対してカラー
が自由に相対回転するので、カプラーが突起物な
どに引つかかつたり、何かのはずみでカラーの位
置がずれてＵ形切欠きとロツクピンが嵌合する
と、突発的にボデイとノーズが外れてしまうとい
う問題点があつた。

この考案の目的は、上記問題点を解消するため
になされたもので、ボデイ本体に対するカラーの
自由な相対回転が通常の場合拘束されているとと
もに、カラーを強制的に回転移動してノーズを着
脱し、強制力の解除によつてカラーが所定の位置
に自動的に戻るワンタツチ式カプラーを、部品数
を増やすことなく、低コストで提供することであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本考案のカプラー
は、中空円筒状ボデイ本体と、該ボデイ本体に挿
入嵌合される中空円筒状のノーズ本体と、前記ボ
デイ本体の外周に遊嵌されるカラーと、該カラー
と前記ボデイ本体との間に装着され該カラーを前
進位置に付勢する圧縮コイルスプリング型のカラ
ースプリングと、前記ボデイ本体に形成された貫
通孔に収納されかつ前記カラーにより半径方向位
置を規制されて前記ノーズ本体外周に係合する鋼
球とを備え、該カラーの軸方向移動を阻止するス
トツプ部材を該ボデイ本体に設け、該カラーの後
側端面に設けられた切欠きを該ストツプ部材に一
致させて、前記カラースプリングの押圧力に抗し
て前記カラーを後退させることにより前記ノーズ
本体を着脱しうるよう構成したカプラーにおい
て、前記カラースプリングのそれぞれ軸方向外向
きに折り曲げられた両端部を、前記カラーおよび
前記ボデイ本体の各段付端面に形成された係止部
に掛止させて、自由状態では、前記切欠きと前記
ストツプ部材の円周方向位置を所定角度ずれた位
置に保持して、該カラーの軸方向移動と円周方向
回転が拘束され、該カラーを強制的に回転し、前
記ストツプ部材と前記切欠きとを一致させて前記
カラーを軸方向に移動させて前記ノーズを着脱し
た後、該カラーを解放することにより、前記カラ
ースプリングの押圧力と回転復元力によつて、該
カラーが自動的に移動回転したのち前記自由状態
に保持される構成を有することを特徴とするもの
である。

〔作用〕

上記の構成によると、カラースプリングの折り
曲げられた両端部が、それぞれ、一端がボデイ本
体、他端がカラーの各段付端面に設けられた穴ま
たは切欠き等の係止部に挿入、掛止されるので、
カラーとボデイ本体の円周方向位置が、カラーの
切欠きとボデイ本体のストツプ部材が所定角度ず
れた位置に保持される。

また、ノーズの着脱時、カラースプリングのね
じり応力と押圧力に抗して強制的に回転し軸方向
に移動されたカラーを放すと、カラースプリング
の押圧力とねじり応力によつて、カラーは自動的
に軸方向に移動した後、回転して所定の位置に戻
る。そのため、ノーズとボデイ本体が突発的に外
れることがない。

〔実施例〕

以下、第１図および第２図を参照して本考案の
一実施例を説明する。

第１図および第２図に示す実施例は、前述の第
１図を参照して説明した従来のカプラーに対し部
分的に改良を加えたものであるので、その改良部
分について説明する。

ボデイ本体１外周の段付き端面１３とカラー３
内径の段付端面１４との間に装着されるカラース
プリング５の両端部はそれぞれ軸方向外向きに折
り曲げられ、折り曲げ部１５，１６が形成されて
いる。

ボデイ本体１およびカラー３の各段付端面１
３，１４には前記カラースプリングの両端折り曲
げ部１５，１６を挿入するための係止部として穴
または切欠１７，１８が形成されている。カラー
スプリング５の両端をこれらの係止部１７，１８
に掛止させることにより、自由状態において、カ
ラー３およびボデイ本体１の回転方向相対位置は
一定の基準関係位置（図示の位置）に保持され
る。

前記ボデイ本体１の外周面には、前記カラー３
の後退移動（第１図中右向き移動）を阻止するた
めのストツプ部材１９が設けられている。図示の
例では、このストツプ部材として２個のピンが使
用され、円周方向180度ずれた位置にそれぞれ植
込されている。

前記カラー３の後側端面（図中右側端面）に
は、前記各ピン１９とは円周方向に所定角度（図
示の例では約90度）ずれた位置に、切欠２０が形
成されている。この切欠２０は、カラー３をカラ
ースプリング５のねじり力（回転方向ばね力）に
抗してボデイ本体１に対し所定角度回転させたと
きに前記ピン１９と整合し、該カラーの後退移動
を許すような形状を有する。

以上第１図および第２図に示したカプラーを使
用するに際しては、先ず、カラー３をカラースプ
リング５のねじり力に抗して回転させてその切欠
２０とストツプ部材１９とを整合させ、次いで、
カラースプリング５の押圧力に抗してカラー３を
摺動させて後退させる。この状態でボデイ本体１
とノーズ本体２との結合あるいは切離しを行な
う。

結合あるいは切離しを行つた後カラー３を釈放
すれば、カラースプリング５の押圧力およびねじ
り力により、該カラーは図示の自由状態に自動的
に戻される。こうして、ホース等の接続あるいは
切離しをワンタツチで行なうことができる。

以上第１図および第２図に示したカプラーによ
れば、カラー３は自由状態ではストツプ部材１９
により移動が阻止されており、カラースプリング
５に抗して所定角度（例えば90度）円周方向に回
転させない限り移動できない。

〔考案の効果〕

上述のとおり、本考案によれば、カラースプリ
ングの両端部が、ボデイ本体およびカラーに掛止
されるので、カラーとボデイ本体の円周方向位置
が切欠きとストツプ部材が所定角度ずれた位置に
保持される。

そのために、カラースプリングに抗してカラー
を所定の位置に回転させない限り、ボデイとノー
ズの外れることがなく、また、強制的に回転され
たり、軸方向に移動されたカラーを放すとカラー
は自動的に所定の位置に戻る。

即ち、カプラーが突起物等に衝突したり、ゴム
ホースを引きずつたりしても外れることがなく、
突発的な外れを完全に防止し得るワンタツチ式の
カプラーを、部品数を増やすことなく低コストの
まま得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるカプラーの一実施例の自
由状態（結合時）を示す縦断面図、第２図は第１
図のカプラーの側面図である。 １……ボデイ本体、２……ノーズ本体、３……
カラー、４……カラーロツク部材、５……カラー
スプリング、６……半径方向孔、７……環状溝、
８……鋼球、１５，１６……カラーススプリング
の両端折り曲げ部、１９……ストツプ部材（ピ
ン）、２０……切欠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空円筒状ボデイ本体と、該ボデイ本体に挿入
   嵌合される中空円筒状のノーズ本体と、前記ボデ
   イ本体の外周に遊嵌されるカラーと、該カラーと
   前記ボデイ本体との間に装着され該カラーを前進
   位置に付勢する圧縮コイルスプリング型のカラー
   スプリングと、前記ボデイ本体に形成された貫通
   孔に収納されかつ前記カラーにより半径方向位置
   を規制されて前記ノーズ本体外周に係合する鋼球
   とを備え、該カラーの軸方向移動を阻止するスト
   ツプ部材を該ボデイ本体に設け、該カラーの後側
   端面に設けられた切欠きを該ストツプ部材に一致
   させて、前記カラースプリングの押圧力に抗して
   前記カラーを後退させることにより前記ノーズ本
   体を着脱しうるよう構成したカプラーにおいて、
   前記カラースプリングのそれぞれ軸方向外向きに
   折り曲げられた両端部を、前記カラーおよび前記
   ボデイ本体の各段付端面に形成された係止部に掛
   止させて、自由状態では、前記切欠きと前記スト
   ツプ部材の円周方向位置を所定角度ずれた位置に
   保持して、該カラーの軸方向移動と円周方向回転
   が拘束され、該カラーを強制的に回転し、前記ス
   トツプ部材と前記切欠きとを一致させて前記カラ
   ーを軸方向に移動させて前記ノーズを着脱した
   後、該カラーを解放することにより、前記カラー
   スプリングの押圧力と回転復元力によつて、該カ
   ラーが自動的に移動回転したのち前記自由状態に
   保持される構成を有することを特徴とするカプラ
   ー。