JPS623378Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、装飾用縁取り合成樹脂テープであつ
て、室内装飾における天井と壁面との目地境界又
は壁面における壁装材の継目、もしくは角隅部等
のジヨイント部分における継目等の隠蔽、縁取り
飾り等の合成樹脂テープを提供するにある。

近年、木造柱立て襖仕切り和風建築様式から石
造建築（コンクリート、モルタル建築を含む）の
壁面仕切り洋風建築様式へ順次変遷するにつれ、
室内天井や壁面の装飾は、インテリアと共に益々
多様化し、襖紙に代つて壁装材のニーズが高まり
つつあることは良く知られる通りである。

しかし、洋風室内の天井と壁面に天井材及び壁
材を取付けたとき、前記天井と壁面との目地境界
又は壁面と壁面とが直角に交わる角隅部等或いは
天井材や壁材との継目における模様を一致させる
ことが難しく、また、これらの部分における隠蔽
施工も難しく、専門の表装業者の手を煩らわさざ
るを得ず、技術的にも、経済的にも一般家庭では
簡単に施工することは困難である。

また、天井材、壁材等の角隅部又はこれらの継
目における柄ずれ等の隠蔽に使用する木質或いは
合成樹脂の硬質又は半硬質の棒状の装飾材やニツ
トテープ等各種編織物等が知られているが、充分
な可撓性、装飾性を有し、かつ、感圧接着性等の
各種性能を兼備した装飾材は知られていない。

本考案者等は、かかる知見に基づいて実用新案
登録請求の範囲に記載した構成とすることによつ
て、天井材、壁材等との接着性良好で、しかも充
分な可撓性、装飾性を有する装飾用縁取り合成樹
脂テープを得ることができた。

第１図及び第２図は、本考案の一実施例を示し
たものであるが、つぎにこれら図面に基づいて本
考案を説明する。

装飾用縁取り合成樹脂テープ１は、基材２片面
上に合成樹脂製シート３が積層形成されており、
また前記基材２の反対面に感圧性接着材層４が積
層されており、該感圧性接着剤層４表面上に裏打
剥離紙５が積層されている。

「前記合成樹脂製シート３表面上に…連続的に
形成されている。」を「前記合成樹脂製シート３
表面には、任意所望の色彩又は凹凸模様が形成さ
れており、該色彩又は凹凸模様ごとに合成樹脂テ
ープ１とされ、該合成樹脂テープ１が裁断マチ部
６を介して複数条連続的に形成されており、前記
複数条の合成樹脂テープ１は裁断マチ部６で切離
し、折曲げ自在とされている。」 前記基材２は紙、不織布、編織布又は合成樹脂
製シート等のほか、ガラス繊維又は石綿等からな
る編織布等の各種のものであつて、該基材２表面
上に積層される合成樹脂製シート３との接着性の
良いものが使用できる。

また、合成樹脂製シート３は塩化ビニル、ポリ
ウレタン、ポリエチレン等汎用されている各種合
成樹脂であつて、該合成樹脂製シート３は発泡体
又は非発泡体の何れであつてもよい。

つぎに、本発明の装飾用縁取り合成樹脂テープ
の製造法について例示すれば、基材１表面上に適
宜、可塑剤、架橋剤、促進剤、顔料等を配合した
合成樹脂塗料（尚、発泡層とするためにはこれに
適宜発泡剤を配合する）を、カレンダー法、キヤ
ステイング法等公知の方法によつて塗布して合成
樹脂製シート３を形成する。

なお、前記合成樹脂製シート３を発泡層とする
場合には、発泡剤を配合した塗料を前述のように
基材２表面上に塗布した後、加熱発泡して発泡性
シートとすればよい。

つぎに、前記合成樹脂製シート３の表面を加熱
軟化し、これに装飾部の巾ｄを30mm、裁断マチ部
６を５mm、合計35mmを１ピツチとする複数条の繰
返しピツチよりなるエンボスロールを組込んだ谷
染めエンボス機を用いて、凹部に自動的に任意の
色彩の谷染エンボスを行つた後、前記凸部の絞頭
にグラビヤ印刷機を用いてチツピングを施して着
色凹凸模様を形成する。この着色凹凸模様は、複
数条の凡てについて同一色彩の凹凸模様とするこ
ともできるが、必要によつては複数の色彩模様を
凡て異なるものとすることもでき、また凹凸の形
状も異なるものとする等、適宜変更して形成せし
めることもでき、また、前記１ピツチの着色凹凸
模様の巾及び裁断マチの巾も適宜変更できる。

つぎに、前記基材２の着色凹凸模様を形成した
合成樹脂製シート３の積層されている反対面に、
ゴム系感圧性接着剤をロールコーターを用いて塗
布して感圧性接着剤層４を積層形成した後、さら
にその表面に、片面にシリコーン系塗料を塗布し
た裏打剥離紙５の、該シリコーン系塗料を塗布し
た面を前記感圧性接着剤層４表面に貼合せる。

尚、上述における感圧性接着剤は、ゴム系感圧
接着剤に限られず、また裏打剥離紙５におけるシ
リコーン系塗料もこれに限定されるものではな
く、基材２の材質、感圧性接着剤の材質に応じて
適宜選択することができる。

本考案は以上の如く裁断マチ部６を介して複数
条の合成樹脂テープ１が連接されているものであ
つてつぎのようにして使用する。

即ち、裁断マチ部６を挾んで２本の合成樹脂テ
ープ１，１に切取る。切取りは回転刃を有するス
リツター又は高周波等で、両側端の裁断マチ部６
の中央で裏打剥離紙５ごと切断する。例えば装飾
部の巾ｄが30mm、裁断マチ部６の巾が５mmの長尺
縁取り合成樹脂テープの場合、中心部の裁断マチ
部６を挾んで両側に装飾部の巾d30mmの合成樹脂
テープ１，１とさらにその両外側に夫々切断され
た2.5mm巾の裁断マチ部を有するものとして切取
る。

上述のようにして得られた装飾用縁取り合成樹
脂テープ１，１を取付けるには、中心部の裁断マ
チ部６の中心で、裏打剥離紙５が外側になるよう
にして直角に折曲げ、その直角に折曲げた頂点を
室内の天井と壁面との目地境界部分又は壁面と壁
面との角隅部にあてがい、裏打剥離紙５を剥離し
つゝ、一方の合成樹脂テープ１を天井面に、他方
の合成樹脂テープ１を壁面に夫々押圧して張付け
ればよい。

また、壁面と壁面との角隅部の場合にも、前記
のように直角に折曲げられた裁断マチ部６の直角
の頂点を角隅部にあてがい、２本の合成樹脂テー
プ１，１を直角に交叉している壁面に夫々押圧し
て張付ければよい。

このようにして張付けられたテープは、天井と
壁面又は壁面との模様は完全に一致したものとし
て張付けることができ、従来のように模様を一致
させるというわずらわしさは皆無である。

また、天井と壁面との目地境界線又は壁面と壁
面との交叉した部分は、折曲げられている裁断マ
チ部６によつて完全に隠蔽でき、従つて色彩、模
様の一致と共に美麗な縁取りを形成することがで
きる。

また、本考案の合成樹脂テープは、前記のよう
に２本の合成樹脂テープに限られず、必要によつ
ては３本（必要によつては４本以上）とし、一方
は１本の合成樹脂テープ、他方は２本の合成樹脂
テープに折曲げて取付けることもでき、さらに、
裁断マチ部６の切断を直線状でなく鋸歯状に切断
することもでき、これらによつてさらに意匠性に
優れた美麗な縁取りを形成することができる。

さらに、本考案は前記のみに限られず、裁断マ
チ部６で１本宛の合成樹脂テープ１に切離して使
用することもできる。この場合裁断マチ部６のピ
ツチに合致させた複数の回転刃を有するスリツタ
ーまたは高周波等で、前記裁断マチ部６の中央で
裏打剥離紙５ごと切断すれば、装飾部の巾ｄが30
mm、両端縁の裁断マチ部６の巾がそれぞれ2.5mm
の長尺装飾用縁取り合成樹脂テープ１が得られ
る。

上述のようにして得られた装飾用縁取り合成樹
脂テープ１を取付けるには、例えば天井と壁面と
の目地境界等の長さに合せて切断した後、裏打剥
離紙５を第２図のように剥離しつゝ、天井と壁面
との目地境界部分に押圧して張付けることがで
き、また必要によつては複数条の合成樹脂テープ
１が連続している広巾のものを張付けてもよい。

本考案に係る装飾用縁取り合成樹脂テープは、
基材２と着色凹凸模様を表面に形成した合成樹脂
製シート３とからなるため、適度な強さの腰があ
り、従つて壁面上に張付ける際、シワ等の生ずる
おそれは全くなく、素人でも簡単に張付けること
ができるから、手軽であり、かつ、経済的であ
る。また、壁面等への接着が感圧性接着剤である
ため壁面より強く引剥すことができ、任意必要に
応じて張替えることも簡単である。

また、本考案は前述の如く室内における壁面等
の縁取り装飾のみならず、各種手芸品、木工品等
小物類の縁取り飾りにも適用することができると
いう利点もある。

以上の如く本考案は室内装飾における壁材と天
井材との目地境界や天井材又は壁材等の縁取り飾
りとして、簡単に張付けることができ、また異な
る着色凹凸模様のものとも簡単に張替えができ、
室内装飾をより美麗たらしめることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部断面図、第２
図は第１図の合成樹脂テープ１を切離し、裏打剥
離紙を一部剥離した状態の斜視図である。 １：装飾用縁取り合成樹脂テープ、２：基材、
３：合成樹脂製シート、４：感圧性接着剤層、
５：裏打剥離紙、６：裁断マチ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基材表面上に合成樹脂製シートが積層されてお
   り、該基材の反対面に感圧性接着剤層及び裏打剥
   離紙が順次積層形成されており、前記合成樹脂製
   シート表面上に着色凹凸模様が裁断マチ部を介し
   て複数条連続して形成されており、前記裁断マチ
   部で切離し、折曲げ自在とされていることを特徴
   とする装飾用縁取り合成樹脂テープ。