JPS623346Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動二輪車、自動三輪車等の小型車
輌において、リヤフエンダーにリヤカウルを簡易
に取付けることができる取付け構造に関するもの
である。

従来、小型車輌におけるリヤカウルは、車体フ
レームに直接、あるいは別体の取付け部材を介し
て、ボルト、ナツトにより締着固定していた。

しかしながら、斯かる固定手段による時は、取
付け時の作業性が悪い、部品点数が多い等の問題
がある。

本考案は、前記問題に対処して、樹脂製リヤフ
エンダーの側壁に一体形成した柱状保持片と、コ
字状リヤカウルの側壁に一体形成した係止顎片と
を嵌合させて、リヤカウルを装着したものであ
り、その目的とする処は、着脱容易で、確実な取
付けができるとともに部品点数が少なくて済む小
型車輌のリヤカウル取付け構造を提供する点にあ
る。

以下、第１図ないし第１１図に示された本考案
の一実施例について説明する。

第１図には、自動二輪車の後部構造が概略的に
示され、フレームボデイたるバツクステー１、お
よびサイドレール２には、リヤフエンダー６、リ
ヤカウル９、座席５が配設され、枢支機構４に
は、リヤフオーク３が公知の手段で枢支されてい
る。

また、リヤフエンダー６は、樹脂製であつて、
前部リヤフエンダー７および後部リヤフエンダー
８で形成されており、前部リヤフエンダー７は、
その前方彎曲部両側辺に一対のバツクステー１の
内側から係合する係止片７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄ
を有し、後方彎曲部１０の両側に断面逆Ｕ字状の
係合溝１１（内壁１２、外壁１４、および溝底１
６で画成されている）が形成され、溝底１６の上
部には側壁１７が立設され、係合溝１１の後部か
らさらに後方へ、内壁１２、溝底１６の一部とと
もに延長され（係合溝１１を画成する内壁１２、
および溝底１６の一部は、係合溝１１を越えて後
方に延長している）、後壁１９に連続している
（後壁１９は、両側部において両側壁１７と、下
端部において後方彎曲部１０と連続している）
（第２図ないし第５図参照）。

しかも、一対の側壁１７の前部外壁面には、溝
形断面形状の四本の柱状保持片１８がジグザグ状
配列で車幅外方へ向けて突設され、柱状保持片１
８の溝状の底壁面が、それぞれ後記リヤカウル９
の係止誘導路を形成するとともに、各柱状保持片
１８の先端縁は、側壁１７に対して後壁１９側か
ら前方に向つて所定角度で開放傾斜するとともに
側壁１７の上方から下方に向つて所定角度で開放
傾斜する同一平面に含まれるように形成されてい
る（したがつて、柱状保持片１８は後方のものに
比して、前方のものが長尺になされている）（第
１図ないし第３図参照）。

なお、前記係合溝１１の外壁１４、および内壁
１２の所定位置には、後記後部リヤフエンダー８
とともにサイドレール２に螺着されるべき係止孔
１５，１３が形成されている。

一方、後部リヤフエンダー８は、その頂部両側
辺に固定ブラケツト２０が立設され、固定ブラケ
ツト２０は、立設部２１と、一部ブロツク状２３
をなす間隔片２２とで形成され、立設部２１には
係止孔２４，２５が形成されている（以上、第６
図、第７図、第１０図参照）。

しかして、前部リヤフエンダー７は、前記係止
片７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄによつて一対のバツク
ステー１、およびサイドレール２に内側から係合
支持されるとともに、前記係合溝１１内に後部リ
ヤフエンダー８の固定ブラケツト２０がその一部
を挿入され、外壁１４の係止孔１５と係止孔２
４、および内壁１２の係止孔１３と係止孔２５が
それぞれ合致せられた状態で、一対のサイドレー
ル２の内壁にボルト、ナツトで固着されている
（第１図、第１０図参照）。

また、車体後部頂面に配設され、車体後方側か
ら座席５に連なる形態でリヤフエンダー６に装着
されるリヤカウル９は、コ字状体として形成さ
れ、コ字状の開放端部から所定距離を置いた部分
で一方に屈曲せられた形状で、側方から見ると橇
状に成されており、橇状側壁２７の頂辺部には、
一対の平板状係止顎片２８が突設され、コ字状の
開放端部には、Ｕ字状の切欠きを有する固定ブラ
ケツト２９が内方側に突設されている（第８図、
第９図参照）。

なお、リヤカウル９の一対の前半部側壁２６
は、断面多角形状３０に形成せられている。

さらに、前部リヤフエンダー７の後壁１９に
は、テールライト３１が螺着されている。

第１図ないし第１１図に示された実施例は、前
記のように構成されているため、開閉式（または
着脱式）の座席５を開放した状態で、リヤカウル
９を、前部リヤフエンダー７の両側壁１７を抱き
込むように上方から嵌挿し、第１１図に示される
ように係止顎片２８を側壁１７にジグザグ状に設
けた柱状保持片１８間に嵌入、係止せしめ、かつ
一対の固定ブラケツト２９をバツクステー１の所
定位置に突設されたブラケツト１ａに螺着すれ
ば、リヤカウル９は確実に位置決め固定される。

その後、座席５をサイドレール２上に載置固定
すれば組付けが完了する。

前記実施例では、前部リヤフエンダー７の両側
壁１７に突設された柱状保持片１８間に、リヤカ
ウル９の係止顎片２８を嵌入、係止させるだけで
リヤカウル９を取付け得るため、作業を容易、か
つ迅速に行うことができ、位置決め精度も高い。

また、前記実施例では、リヤカウル９取付け用
の柱状保持片１８を前部リヤフエンダー７と一体
に成形したため、部品点数が少なく、生産性の向
上に寄与し得る。

さらに、前記実施例では、前部リヤフエンダー
７に、テールライト３１取付け用の後壁１９を一
体成形したため、テールライト３１の取付け精度
が向上し、リヤカウル９、あるいは後部リヤフエ
ンダー８との位置関係が正確で外観性が向上す
る。

さらにまた、前部リヤフエンダー７を車体に組
付けるに先立つてテールライト３１、およびリヤ
カウル９を前部リヤフエンダー７に取付けておく
ことができるため、作業能率が向上する。

なおまた、前部リヤフエンダー７の両側壁１
７、後方彎曲部１０およびリヤカウル９で形成さ
れる空間は、これを物品収納室として利用するこ
とができる。

前記実施例においては、前部リヤフエンダー７
に柱状保持片１８を有する両側壁１７、テールラ
イト３１取付け用の後壁１９等を設けたが、斯か
る部片を後部リヤフエンダー８に配設しても、ほ
ぼ同様な作用効果を奏することができる。

以上の説明から明らかな様に、樹脂製リヤフエ
ンダーの左、右側辺部に一体に立設した相対向す
る一対の側壁の各外壁面に、ジグザグ状に配列し
て車幅外方へ伸長させた複数本の柱状保持片を一
体に設け、その左、右側壁から内方へ向けて突出
形成された一対の平板状係止顎片を有するリヤカ
ウルを車体背面側から車体前方へ向けて押し下げ
る態様で、複数本の柱状保持片間に係脱自在に係
止顎片を嵌入、係止させて成り、リヤカウルが、
リヤフエンダーの左、右側壁を抱き込む形態で、
リヤフエンダーに装着されることを特徴とするリ
ヤカウル取付け構造が提案された。

斯かる構成によれば、リヤカウルの取付けを容
易、かつ迅速に行うことができ、位置決め精度も
高い。

また、リヤカウル取付け用の柱状保持片をリヤ
フエンダーと一体に成形したため部品点数が少な
く、生産性の向上に寄与し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るリヤカウル取
付け構造を採用した自動二輪車の後部概略側面
図、第２図は本考案の一実施例に係るリヤフエン
ダーの要部平面図、第３図は同側面図、第４図は
第２図における−断面図、第５図は第３図に
おける−断面図、第６図は本考案の一実施例
に係る後部リヤフエンダーの平面図、第７図は同
側面図、第８図は本考案の一実施例に係るリヤカ
ウルの平面図、第９図は同側面図、第１０図はフ
レームボデイに対するリヤフエンダーの取付け関
係を示す説明図、第１１図は前記リヤフエンダー
とリヤカウルの係合関係を示す概略説明図であ
る。 １……バツクステー、１ａ……ブラケツト、２
……サイドレール、３……リヤフオーク、４……
枢支機構、５……座席、６……リヤフエンダー、
７……前部リヤフエンダー、７ａ，７ｂ，７ｃ，
７ｄ……係止片、８……後部リヤフエンダー、９
……リヤカウル、１０……後方彎曲部、１１……
係合溝、１２……内壁、１３……係止孔、１４…
…外壁、１５……係止孔、１６……溝底、１７…
…側壁、１８……柱状保持片、１９……後壁、２
０……固定ブラケツト、２１……立設部、２２…
…間隔片、２３……ブロツク状体、２４，２５…
…係止孔、２６……側壁、２７……橇状側壁、２
８……平板状係止顎片、２９……固定ブラケツ
ト、３０……多角形断面、３１……テールライ
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体後部頂面に配設され、車体後方側から座席
   に連なる形態で車体側に装着されるコ字状のリヤ
   カウルを備える小型車輌において、 樹脂製リヤフエンダーの左、右側辺部に一体に
   立設した相対向する一対の側壁の各外壁面に、ジ
   グザグ状に配列して車幅外方へ伸長させた複数本
   の柱状保持片を一体に設け、 その左、右側壁から内方へ向けて突出形成され
   た一対の平板状係止顎片を有するリヤカウルを車
   体背面側から車体前方へ向けて押し下げる態様
   で、複数本の柱状保持片間に係脱自在に係止顎片
   を嵌入、係止させて成り、リヤカウルが、リヤフ
   エンダーの左、右側壁を抱き込む形態で、リヤフ
   エンダーに装着されることを特徴とするリヤカウ
   ル取付け構造。