JPS6233266Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、空焚き状態に陥つた際には速かに通
電を断つと共に、感電や漏電事故の発生を未然に
防止することができる電気ポツト等のヒータに関
する。

湯沸し容器の底面に、盤状に組立てたヒータを
密着させた構造の電気ポツトにあつては、容器内
に水がある状態ではヒータが過熱状態に陥ること
はないが、容器内の水が蒸発し尽したり、水を入
れるのを忘れて通電することにより空焚き状態に
陥ると、ヒータは急速に過熱状態となり、これが
ため焼損事故や火災を惹起す原因となる。そこ
で、従来それに対する安全対策として、耐熱絶縁
板に蛇行状に電熱線を巻装したヒータ基盤の上下
面をそれぞれ耐熱絶縁板で挟み、上記上面側の耐
熱絶縁板には小孔を穿つて該小孔上の上面側に過
熱熔融導電物を付着せしめることにより、万一、
空焚きされてヒータが過熱状態に陥つた際には、
過熱熔融導電物を熔融させ、それを蛇行状の電熱
線間に流し込ませて電熱線を短絡せしめ、もつ
て、電熱線の通電部分を短縮して急速に焼切り、
速かに通電を断つて安全を確保せしめていたが、
この構成のものにあつては、熔融した過熱熔融導
電物がヒータ基板の上面とその上面側の耐熱絶縁
板の下面との間〓から端縁にはみ出すことがあ
り、このはみ出した過熱熔融導電物を通じてヒー
タの充電部分と器具の金属部分とが、電気的接続
を起し、感電や漏電事故の発生をまねく虞れがあ
つた。

本考案は前記に鑑み、空焚き状態に陥つた場合
でも感電や漏電事故を起すことがない電気ポツト
等のヒータを提供しようとしたものであつて、以
下に本考案の構成を添附図面に示された好適な一
実施例について説明する。

図面は電気ポツトの例を示したものであつて、
１はその湯沸し容器、２は底部の電装筐であつ
て、該電装筐２には、ヒータ３が容器１の底面４
に密着させて内蔵されており、ヒータ３からのリ
ード線５，５′は耐熱絶縁チユーブを被せてプラ
グ接続端子６，６′に接続されている。７は電源
の接続プラグであつて、この接続プラグ７は上記
プラグ接続端子６，６′に対し抜差し自在のもの
である。

前記ヒータ３は次のように構成されたものであ
る。すなわち、８はヒータ基板であつて、該ヒー
タ基板８は容器１の底面４と略同形の円板をなす
２枚の半円形耐熱絶縁板（雲母板）９，９に電熱
線１０を蛇行状に巻装してなるものであつて、こ
のヒータ基板８はその上面に円形の耐熱絶縁板
（雲母板）１１を当てて固定し、その下面には円
形の雲母板１２を介してさらに耐熱絶縁板（雲母
板）１３を当て、これら上下面の耐熱絶縁板１１
および１３によつて挟込まれている。上記上面側
の耐熱絶縁板１１には、その左右に小孔１４，１
４が穿孔されており、該小孔１４，１４に対応す
る上面側にはアルミニウム合金等よりなる過熱熔
融導電物１５，１５が付着されている。また、下
面側の耐熱絶縁板１３には、上面側の耐熱絶縁板
１１の上面の過熱熔融導電物１５，１５に対応す
る端縁に端縁被覆片１６，１６が一体に延出形成
されており、この端縁被覆片１６，１６は上面側
の耐熱絶縁板１３の上面側に折曲げられ、ヒータ
基板８の耐熱熔融導電物１５，１５に対応する部
位端縁が被覆されている。そして、このように上
面および下面がそれぞれ耐熱絶縁板１１，１３で
挟込まれたヒータ基板８は、さらに下面側の耐熱
絶縁板１３の下面に所要数の雲母板１７，１７…
…を介在させて金属製の受皿１８内に収納したう
え、上面側が雲母板１９を介して前記容器１の底
面４の下面に密着するように装着されている。

なお、端縁被覆片１６，１６は、これを下面側
の耐熱絶縁板１３と別体として、当該部位を挟持
被覆するようにしてもよい。

以上のように構成された電気ポツトにおいて、
今、湯沸し容器１内に適量の水を入れ、電源接続
プラグ７をプラグ接続端子６，６′に差込み通電
すれば、ヒータ３は発熱して容器１の底面４が加
熱され、容器１内の水に熱が伝導されて湯が沸
く。そして、容器１内に水がある状態では、ヒー
タ３の熱は底面４を介して水に大部分が吸収され
るので、該ヒータ３の電熱線１０が過熱状態とな
ることはなく、安全に湯を沸すこができる。

ところで、万一沸し過ぎにより湯沸し容器１内
の水が蒸発し尽したり、あるいは水を入れるのを
忘れて通電されることがあると、空焚き状態とな
つて電熱線１０が過熱状態に陥る。そして、この
状態に陥ると、過熱熔融導電物１５，１５が熔融
して小孔１４，１４よりヒータ基板８の上面に流
れ込み、蛇行状に巻装されている電熱線１０の一
部を短絡してその通電長さが著しく短絡されるの
で、該電熱線１０の通電部分は極く短時間で焼切
れ、通電が遮断されて安全が確保される。また、
過熱熔融導電物１５，１５に対応する上面側の耐
熱絶縁板１１、ヒータ基板８および下面側の耐熱
絶縁板１３の端縁は、端縁被覆片１６，１６によ
つて被覆されているので、上記の如く熔融してヒ
ータ基板８の上面に流れ込んだ過熱熔融導電物１
５，１５がその端縁よりはみ出すことは全然な
い。したがつて、熔融した過熱熔融導電物１５，
１５がはみ出して底面４に接触し、ヒータの充電
部分と底面４からさらに容器１等に電気的接続を
起すことがなく、感電や漏電事故が未然に防止さ
れる。

なお、空焚きにより一旦前記の如き状態に陥つ
た後、電気ポツトを再び使用するには、ヒータ３
の交換を必要とする。

要するに本考案は、耐熱絶縁板９，９に蛇行状
に電熱線１０を巻装したヒータ基板８の上下面を
それぞれ耐熱絶縁板１１，１３で挟み、上記上面
側の耐熱絶縁板１１には小孔１４，１４を穿つて
該小孔１４，１４上の上面側に過熱熔融導電物１
５，１５を付着せしめたものにおいて、前記上面
側耐熱絶縁板１１、ヒータ基板８および下面側耐
熱絶縁板１３の過熱熔融導電物１５，１５に対応
する端縁部分を耐熱絶縁板よりなる端縁被覆片１
６，１６で被覆したから、万一、空焚きされてヒ
ータが過熱状態に陥つた際には、過熱熔融導電物
１５，１５を熔融させ、それを蛇行状の電熱線１
０内に流込ませて電熱線１０を短絡せしめ、もつ
て、電熱線１０の通電部分を短縮して急速に焼切
り、速かに通電を断つて安全を確保することがで
きることは勿論のこと、前記熔融した過熱熔融導
電物１５がヒータ基板８とその上面の耐熱絶縁板
１１との間〓から端縁にはみ出さないようにし
て、感電や漏電事故の発生を未然に防止すること
ができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は一部を破断した電気ポツトの全体斜視
図、第２図はヒータの全体斜視図、第３図は同上
縦断面図、第４図はその一部の拡大縦断面図、第
５図はヒータの分解斜視図、第６図はヒータ基板
の平面図である。 ８……ヒータ基板、９……耐熱絶縁板、１０…
…電熱線、１１，１３……耐熱絶縁板、１４……
小孔、１５……過熱熔融導電物、１６……端縁被
覆片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 耐熱絶縁板に蛇行状に電熱線を巻装したヒータ
   基板の上下面をそれぞれ耐熱絶縁板で挟み、上記
   上面側の耐熱絶縁板には小孔を穿つて該小孔上の
   上面側に過熱熔融導電物を付着せしめたものにお
   いて、前記上面側耐熱絶縁板、ヒータ基板および
   下面側耐熱絶縁板の過熱熔融導電物に対応する端
   縁部分を耐熱絶縁板よりなる端縁被覆片で被覆し
   たことを特徴とする電気ポツト等のヒータ。