JPS6233138B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主として牛乳、ジユース、酒、醤油
などの液体を収納して販売するための液体収納用
紙箱の底構造に関するものである。

近年、牛乳やジユースや酒などの液体を収納し
て販売するための容器に、従来の金属缶や瓶類に
代わつて熱可塑性合成樹脂ラミネート板紙によつ
て製作された紙箱が多く使用されるようになつて
来ている。これは一般に紙箱が正しい立方体又は
直方体の形状を成すので、運搬時や整頓時に余分
なスペースを取らずに積み重ね得ること、軽量で
且つ厚みがガラスに比較して薄くて済むこと、表
面に美麗な印刷を施して商品価値を高め得るこ
と、内容物を取り出した後に容易に偏平状に押し
潰すことができると共に廃棄焼却が容易なこと、
内容物を確実に保護し得ること、など数多くの利
点を有しているからである。

従来、このような紙箱に関するものとして例え
ば実公昭46−4661号において開示されるエク・セ
ル・オー・コーポレーシヨンで開発され且つ近年
牛乳収納用として製作販売されている容器があ
り、その底部構造は第１図に示す如き（図中−点
鎖線は折り曲げ線を、二点鎖線を折り返し線を示
す。）板紙構造であり、板紙の片側に設けられて
いる連結板Ｇを板紙の反対側に接合して第２図Ａ
に示す如く角管状に形成した後、第２図Ｂ〜Ｄに
示す如く折り曲げ線及び折り返し線に沿つて折曲
して形成されていた。この実公昭46−4661号に開
示された容器は、底面最外面を形成する底板Ａ，
Ｂのうち第２図に示す如く一方の底板Ａを対向す
る底板Ｂと内側の折り返し片との間に差し込む構
造であるので位置関係が正確に規制されて折り返
し片ＣとＤ，ＥとＦの各切断端縁同士が緊密に衝
合されるため内容物である液体の漏れがない前記
利点を有する容器であつたが、第２図Ｃに示す如
く底板Ａの先端を底板Ｂと折り返し片Ｄ，Ｅとの
間に非常に狭い間隙へ差し込む際に底板Ａの先端
がその狭い間隙内に入りにくく途中で折れ曲がつ
てしまう欠点があつた。そこでこのような欠点を
解消するために底板Ａの先端を除去した第３図に
示す如き板紙構造の紙箱が製作販売されている
が、この紙箱はあたかも片側半分の底部を折曲し
た後に対向する残り半分の底部を折り重ねるのと
同じような構成となるので底部を折曲して形成し
た際に折り返し片ＣとＤ，ＥとＦそれぞれの端縁
同士が必ずしも第４図に示す良品の如く緊密に衝
合し合わず第４図Ｃに示す不良品の如く上下に重
なり合つてしまうためその結果液体の浸出する隙
間が生じて液漏れをおこす欠点を生じ易く、かえ
つて製品の品質を低下させることになる欠点があ
つた。

本発明者はかかる欠点を解決すべく鋭意研究の
結果、折り返し片などの端縁の形状を改良するこ
とにより実公昭46−4661号の如く一方の底面最外
面を形成する底板の先端をこの底板に対向する底
面最外面を形成する底板に連結されている折り返
し片との間に差し込む差込片を積極的に設けない
にもかかわらず実公昭46−4661号における差込片
を差し込んだのと同様の効果を得ることができる
ことを確認して本発明を完成したのである。

すなわち本発明は、それぞれ折り曲げ線を介し
て連結された４枚の側板の各底面側に、それぞれ
各側板間の折り曲げ線の延長折り曲げ線を介して
連結されている４枚の底板が折り曲げ線を介して
連結されており、４枚の該底板の中の相対向する
一組の底板は側板との間の折り曲げ線に沿つて折
り曲げられその先端部を互に重ね合わされてヒー
トシールされて底面最外面を形成する底板であ
り、もう一組の相対向する底板は側板との間の折
り曲げ線に沿つて折り曲げられて底面最内面を形
成する二等辺三角形状の最内面片とコーナー部か
らの斜めの折り返し線に沿つて折り返されて該最
内面片と底面最外面を形成する前記底板との間に
位置せしめられて外面を該最内面片の外面にヒー
トシールされる折り返し片とより成る底板であ
り、両面がヒートシール可能な板紙又は合成板紙
より成る液体収納用紙箱の底部において、該最内
面片の両側に位置するそれぞれの折り返し片の切
断端縁は最内面片の二等辺三角形の頂点を通り且
つ該最内面片と側板との間の折り曲げ線に対して
傾斜した一直線状を成していて該最内面片の片側
に位置する折り返し片の隣接する底面最外面を形
成する前記底板への連結部の長さと該最内面片の
他方の片側に位置する折り返し片の隣接する底面
最外面を形成する前記底板への連結部の長さとの
差が10mm以上であり、該折り返し片と隣接する底
面最外面を形成する前記底板との連結部の長さで
長い方の折り返し片間の底板の切断端縁は該連結
部の端部同士を結び且つ該底板と該底板が連設さ
れている側板との間の折り曲げ線と平行な直線を
成していることを特徴とする液体収納用紙箱の底
構造を提供するものである。

以下、図面に示す実施例に基づいて本発明に係
る液体収納用紙箱の底構造について更に説明す
る。第５図は本発明に係る液体収納用紙箱の底構
造の一実施例の展開図であり、第６図Ａは第５図
に示す実施例の形成途中の斜視図、Ｂは同形成後
の斜視図である。

図面中、１，３及び２，４はそれぞれ相対向す
る２組の側板、５は側板４に折り曲げ線ｄを介し
て連結されており側板１の裏面に接合される連結
板である。側板１と２，２と３，３と４とはそれ
ぞれ折り曲げ線ａ，ｂ，ｃによつて連結されてお
り、連結板５を介して側板１と４とが連結される
と４枚の側板１，２，３及び４によつて四周の側
壁が形成される。６及び８はそれぞれ相対向する
１組の側板１及び３にそれぞれ折り曲げ線ｅ及び
ｇを介して連結されており先端部を互に重ね合わ
されてヒートシールされて底面最外面を形成する
底板である。７及び９はそれぞれ相対向する他の
１組の側板２及び４にそれぞれ折り曲げ線ｆ及び
ｈを介して連結されている底板であり、この底板
７及び９は、側板２及び４との間の折り曲げ線ｆ
及びｈに沿つて折り曲げられて底面最内面を形成
する二等辺三角形状の最内面片７ａ，９ａと、コ
ーナー部からの斜めの折り返し線ｉ，ｊ及びｌ，
ｋに沿つて外側に折り返されて最内面片７ａ，９
ａと底面最外面を形成する底板６，８との間に位
置せしめられてその外面を最内面片７ａ，９ａの
外面にシートシールされる折り返し片７ｂ，７ｃ
及び９ｂ，９ｃとより成り、最内面片７ａ及び９
ａの両側に位置するそれぞれの折り返し片７ｂ，
７ｃ及び９ｂ，９ｃの切断端縁は最内面片７ａ及
び９ａの二等辺三角形の頂点を通り且つ折り曲げ
線ｆ及びｈに対して傾斜した一直線状を成してい
て最内面片７ａ及び９ａの片側に位置する折り返
し片７ｂ及び９ｂの隣接する底板６への連結部ｍ
及びｐの長さと最内面片７ａ及び９ａの他方の片
側に位置する折り返し片７ｃ及び９ｃの隣接する
底板８への連結部ｎ及びｏの長さとの差が10mm以
上であり、折り返し片との連結部の長さの長い方
の底面最外面を形成する底板６の切断端縁は両側
を構成する連結部ｍ及びｐの端部同士を結び折り
曲げ線ｅと平行な直線を成している。尚、最内面
片７ａ及び９ａを構成する二等辺三角形としては
頂点の角度が90度又は90度よりわずかに小さい角
度を有するものであることが折り返し片７ｂと７
ｃ，９ｂと９ｃのそれぞれの切断端縁同士の衝合
を均等化できるので紙箱の形成上望ましい。１０
は連結板５に折り曲げ線ｑを介して連結されてお
り底板６の裏面に接合される連結板である。底板
６と７，７と８，８と９並びに底板９と連結板１
０とは、側板１と２，２と３，３と４並びに側板
４と連結板５との各間の折り曲げ線ａ，ｂ，ｃ，
ｄの各延長折り曲げ線を介して連結されている。

本発明に係る紙箱の底構造は以上の如き構造を
成しているから、第６図に示す如く形成されて行
く際に底板６の先端部が折り返される折り返し片
７ｂ，９ｂの内面はもんろんのこと、折り返し片
７ｃ，９ｃの内面の切断端縁と底板８との間にも
挿入されて接合されているのであり、この際折り
返し片７ｃ，９ｃと底板８との間の間隙に挿入さ
れることになる底板６の先端部はその間隙が狭い
両端部ではその挿入長さが殆んどない状態となる
から第４図Ｃ，Ｄに示す従来例の如く折り返し片
Ｃの端縁の外側に折り返し片Ｄの端縁が重なると
いうことがなく、折り返された折り返し片７ｂと
７ｃ，９ｂと９ｃの切断端縁同士が確実に衝合さ
れるのであり、また第１図に示す実公昭46−4661
号の考案の如く底板Ａの先端を対向する底板Ｂと
その内側の折り返し片との間に積極的に差し込む
差込片を特別に設けた構造ではないので底板を差
し込みにくいとか底板の先端が折れ曲がつてしま
うという欠点もないのであり、構造は異なるもの
の組立て形成方法が従来のものとほぼ同じである
ので従来の液体収納用紙箱組立て形成装置を少し
変更するだけで済み、しかも板紙の使用量も従来
の液体収納用紙箱とほとんど変わらず且つ紙取り
も直線の組合わせで実公昭46−4661号の考案の如
く変則的な形状の差込片を必要としないなど種々
の利点を有しており、その工業的価値は非常に大
きなものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実公昭46−4661号に開示されている従
来の液体収納用紙箱の底構造の一実施例の展開
図、第２図Ａ〜Ｄは第１図に示す実施例を用いて
液体収納用紙箱の底部を形成する過程を示す説明
図、第３図は従来の液体収納用紙箱の底構造の他
の実施例の展開図、第４図は第３図に示す実施例
を用いて形成した液体収納用紙箱の底部を示す図
でありＡは良品の側面図、Ｂは同底面図、Ｃは不
良品の側面図、Ｄは同底面図、第５図は本発明に
係る液体収納用紙箱の底構造の一実施例の展開図
であり、第６図Ａは第５図に示す実施例の形成途
中の斜視図、Ｂは同形成後の斜視図である。 Ａ……底板、Ｂ……底板、Ｃ……折り返し片、
Ｄ……折り返し片、Ｅ……折り返し片、Ｆ……折
り返し片、Ｇ……連結板、１……側板、２……側
板、３……側板、４……側板、５……連結板、６
……底板、７……底板、７ａ……最内面片、７ｂ
……折り返し片、７ｃ……折り返し片、８……底
板、９……底板、９ａ……最内面片、９ｂ……折
り返し片、９ｃ……折り返し片、１０……連結
板、ａ，ｂ，ｃ，ｄ……折り曲げ線、ｅ，ｆ，
ｇ，ｈ……折り曲げ線、ｉ，ｊ，ｋ，ｌ……折り
返し線、ｍ，ｎ，ｏ，ｐ……連結部、ｑ……折り
曲げ線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ それぞれ折り曲げ線を介して連結された４枚
   の側板の各底面側に、それぞれ各側板間の折り曲
   げ線の延長折り曲げ線を介して連結されている４
   枚の底板が折り曲げ線を介して連結されており、
   ４枚の該底板の中の相対向する一組の底板は側板
   との間の折り曲げ線に沿つて折り曲げられその先
   端部を互に重ね合わされてヒートシールされて底
   面最外面を形成する底板であり、もう一組の相対
   向する底板は側板との間の折り曲げ線に沿つて折
   り曲げられて底面最内面を形成する二等辺三角形
   状の最内面片とコーナー部からの斜めの折り返し
   線に沿つて折り返されて該最内面片と底面最外面
   を形成する前記底板との間に位置せしめられて外
   面を該最内面片の外面にヒートシールされる折り
   返し片とより成る底板であり、両面がヒートシー
   ル可能な板紙又は合成板紙より成る液体収納用紙
   箱の底部において、該最内面片の両側に位置する
   それぞれの折り返し片の切断端縁は最内面片の二
   等辺三角形の頂点を通り且つ該最内面片と側板と
   の間の折り曲げ線に対して傾斜した一直線状を成
   していて該最内面片の片側に位置する折り返し片
   の隣接する底面最外面を形成する前記底板への連
   結部の長さと該最内面片の他方の片側に位置する
   折り返し片の隣接する底面最外面を形成する前記
   底板への連結部の長さとの差が10mm以上であり、
   該折り返し片と隣接する底面最外面を形成する前
   記底板との連結部の長さで長い方の折り返し片間
   の底板の切断端縁は該連結部の端部同士を結び且
   つ該底板と該底板が連設されている側板との間の
   折り曲げ線と平行な直線を成していることを特徴
   とする液体収納用紙箱の底構造。