JPS6231600B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、界磁巻線を有する主発電機と、その
主発電機の界磁巻線に電力を供給する永久磁石パ
イロツト発電機を具備する基本的な発電機組体に
関する。

［従来例］ このような発電機組体において、永久磁石パイ
ロツト発電機は一般に整流器組立体を介して主発
電機の界磁巻線に電力を供給すると共に、主発電
機組体を制御する種々の機能を有する電力供給回
路にも電力を供給する。したがつて、主発電機の
出力を感知するための主電圧調整回路が設けら
れ、主電圧調整回路は電力供給回路から界磁巻線
への電力を調整する。また、電圧調整器回路は主
界磁巻線と直列接続された半導体スイツチ素子を
駆動する。更に、この界磁巻線は、リレーを介し
て整流器に接続され、このリレーは電力供給回路
より電力を付与された制御回路により制御され
る。

［発明が解決しようとする問題点］ このような回路配置を行つた場合、もしリレー
を界磁巻線に接続する導線間に接地欠陥が起ると
１つの問題を生じる。このような欠陥は欠陥電流
を発生させ、リレーが不作動になる。これによ
り、永久磁石発電機は過負荷となり、欠陥電流の
発生が一時的に停止する。よつてこの欠陥は制御
回路から絶縁されてパイロツト発電機を復旧し再
びリレーを励磁し、再度欠陥電流経路を完成す
る。このような繰り返しが行なわれ、結果的に装
置は破壊にいたる。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の目的はこのような状態に対する保護手
段を具備する発電機組体を提供することにある。

この目的を達成するため本発明は、界磁巻線を
有する主発電機と、永久磁石パイロツト発電機
と、該永久磁石パイロツト発電機の交流出力を整
流して第１、第２の供給レールへ接続する整流器
と、１つの接点１８を有するリレーと、半導体出
力素子を有する主発電機用調整器と、該リレー及
び該調整器に電力を供給する電力供給回路を具備
し、前記界磁巻線と接点及び半導体出力素子が第
１、第２の供給レール間に直列に接続され、前記
調整器を介して、半導体出力素子が主発電機の出
力に応じて制御されて界磁巻線を流れる電流を調
整するように接続され、前記電力供給回路は、永
久磁石パイロツト交流発電機の出力に交流結合に
より結合されて特定の端子にアース電位を設定
し、前記第２の供給レールと該アース端子の間に
抵抗が接続され、前記リレー接点と界磁巻線との
接続においてアース欠陥が発生すると該抵抗が該
欠陥による欠陥電流を制限することを特徴とす
る。

［実施例］ 以下本発明を図面を参照しつつ説明する。添附
図は本発明による発電機組を幾分図式的にあらわ
した配線図で、ここに示す発電機組体はステータ
巻線１１および界磁巻線１２をもち３相交流出力
を発生する主発電機１０を有する。

永久磁石パイロツト交流発電機１３は、主発電
機１０の界磁巻線１２に電流を供給するための電
力を発生すると共に、調整器回路（電圧感知回路
１４とパルス発生回路１５から成る。）および主
発電機用保護リレー回路（リレー制御回路１７と
リレー１７ａから成る。）への供給電力を発生す
る。

この調整器回路は図において若干の個別部分に
区分され、即ち主発電機１０の出力に接続された
入力端子をもつ電圧感知回路１４、および電圧感
知回路１４によつて制御されたパルス出力を一般
的方法で発生するパルス発生器回路１５を有す
る。例えば回路１４は主発電機１０の出力電圧の
周波数に比例する信号が重畳された直流出力を発
生する。この場合、パルス発生回路１５は、もし
主発電機１０の出力が第１の予め設定された電圧
値以上であれば高電圧の出力を連続して出力し、
もし主発電機出力が第２の予め定めた電圧値以下
であれば低電圧の出力を連続して発生し、さらに
主発電機出力がこれらの予め定めた電圧の間にあ
るときは主発電機１０の出力の振動周波数に対応
したマークスペース比（デユーテイ比）のパルス
信号出力を発生する。勿論これは一つの実施例で
あり、このようなパルス発生回路１４および１５
について他の回路を用いることもできる。

回路１４および１５用の電力は変圧器を介して
パイロツト交流発電機１３の出力に結合された電
力供給交流回路１６から得られ、この電力供給回
路は接地された端子１６ａ、正電圧V₁を発生す
る端子１６ｂ、および負電圧−V₂を発生する端
子１６ｃをもつ。

保護リレー回路は電力供給回路１６からの電力
を端子１６ａ，１６ｂを介して受け、接点１８を
動作せしめるリレー１７ａを有するリレー制御回
路１７を備えている。リレー制御回路１７は電圧
感知回路１４からの信号を受信して主発電機１０
の出力過電圧状態に応じた動作をする。即ち、該
入力信号によつて閉止状態にトリツプされ、後述
の説明で明らかなように接点１８を制御して主発
電機１０を停止させる。

３相ブリツジ整流器１９の入力端子はパイロツ
ト交流発電機１３の出力端子に結合され、２ケの
供給ライン２０と２１との間に電圧を発生する。
そして、リレー接点１８、界磁巻線１２、および
調整器の出力素子を形成するnpn電力トランジス
タ２２のコレクタ・エミツタ経路がレール２０，
２１間で直列に接続されている。

また、図面で明らかなように、調整器の出力段
階にはトランジスタ２２が含まれており、このト
ンジスタ２２のエミツタはレール２１に、またそ
のコレクタは界磁巻線１２の一端に接続されてい
る。トランジスタ２２のベースはレール２１に接
続された陽極をもつダイオード２３の陰極に接続
されている。npn駆動トランジスタ２４はそのエ
ミツタをトランジスタ２２のベースに、またその
コレクタをトランジスタ２２のコレクタに接続さ
れている。２ケの抵抗２５，２６がトランジスタ
２４のベースとエミツタとの間で直列に接続され
かつ両抵抗の結合点はダイオード２７の陽極に接
続され、該ダイオードの陰極は−V₂端子１６ｃ
に接続されている。トランジスタ２４のベースは
また抵抗２８を介してトランジスタ２９のコレク
タに接続され、該トランジスタのエミツタは＋
V₁端子１６ｃに、またそのベースはパルス発生
器１５に接続されている。

レール２１は低抵抗値の抵抗３０を介して回路
１６の接地端子１６ａに接続されている。ダイオ
ード３１はその陰極がトランジスタ２９のコレク
タに、またその陽極がゼナーダイオード３２の陽
極に接続され、該ゼナーダイオードの陰極は接地
端子１６ａに接続されている。

次にかかる発電機組体の作動を説明する。通常
の使用状態では、リレー１７ａが励磁されて接点
１８を図示の位置に保持する。リレー１７ａが解
磁されると、接点１８はレール２０への接続を断
つ位置に移動して界磁巻線を短絡する。

正常運転時には、パルス発生回路１５の信号に
よりトランジスタ２２が前記したようにオン・オ
フ動作することにより所望の主発電機出力を維持
し、界磁巻線１２に亘つて接続された再循環ダオ
ード３３はトランジスタ２２が「オフ」状態の間
は界磁電流を流す。

一方、接点１８と界磁巻線１０との間の接続に
接地欠陥が生じた場合、欠陥電流が接点１８を通
つてレール２０からアースに流れレール２１を経
て整流器１９に戻り、この経路内で抵抗３０を通
る電流の流れが生ずる。しかし、接地欠陥電流を
或る値に制限するからパイロツト交流発電機１３
は過負荷にならず、それによつてリレー１７ａの
望ましくない停止を防止しこの停止によつてはラ
ツチされず従つて接点１８が開かれると直ちに再
び励磁し欠陥電流を十分に低減してパイロツト交
流発電機を復旧せしめる。

即ち、接地欠陥電流の影響による接点１８の急
速なオン・オフの繰り返しは接点１８に苛酷な破
損を生ぜしめるが、抵抗３０によつて加えられた
欠陥電流の制限はこの有害な振動状態の発生を防
止することができる。

さらに、図示の回路は、抵抗３０を一部分とす
る接地検知回路とし、発電機を適切に遮断するも
のである。この接地欠陥検知機能はダイオード３
１およびゼナーダイオード３２の使用から得られ
る。この欠陥電流が抵抗３０を流れると、ライン
２０の電圧を接地電位以下数ボルト低下させるか
ら、トランジスタ２４へのベース電流はゼナーダ
イオード３２およびダイオード３１を経て端子１
６ａよりトランジスタ２４および２２へ供給され
る。連続界磁電流がこのようにして提供される
と、主発電機１０の出力をして最終的に回路１７
がトリツプされ、接点１８が同図の状態から外れ
ることによつて主発電機を完全に停止させ、一方
パイロツト発電機出力は何等影響を受けない。

抵抗３０は、また停止が必ずしも起るとは限ら
ないが端子１６ｂに接地欠陥が生じた場合に欠陥
電流制限作用を提供する。

ダイオード２７は抵抗２５および２６を経てト
ランジスタ２４の過度のベース電流要求による接
地欠陥中に電力供給−V₂の下落を防ぐ。これら
の状態の下で、トランジスタ２４はゼナーダイオ
ード３２、ダイオード３１および抵抗２８を経て
上述のようにそのベース電流を得る。

［発明の効果］ 以上説明したように、整流器出力より引き出さ
れる電力供給線とアース端子の間に抵抗を設ける
だけで、アース欠陥による欠陥電流の悪影響から
発電機を保護することができ、極めて簡素な構成
ではあるが、優れた効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明による発電機組体の幾分図式にあ
らわした配置図である。 １０……主発電機、１１……ステータ巻線、１
２……界磁巻線、１３……永久磁石パイロツト交
流発電機、１４……電圧感知回路、１５……パル
ス発生機、１６……電力供給回路、１６ａ……接
地端子、１６ｂ……端子、１６ｃ……端子、１７
……リレー制御回路、１７ａ……リレー、１８…
…接点、１９……３相ブリツジ整流器、２０，２
１……供給レール、２２……動力トランジスタ、
２４……駆動トランジスタ、２５，２６……抵
抗、２７……ダイオード、２８……抵抗、３０…
…低オーム値抵抗、３１……ダイオード、３２…
…ゼナーダイオード、３３……再循環ダイオー
ド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 界磁巻線１２を有する主発電機１０と、永久
   磁石パイロツト発電機１３と、 該永久磁石パイロツト発電機１３の交流出力を
   整流して第１、第２の供給レール２０，２１へ接
   続する整流器１９と、 １つの接点１８を有するリレー１７，１７ａ
   と、 半導体出力素子２２，２４を有する主発電機用
   調整器１４，１５と、 該リレー１７，１７ａ及び該調整器１４，１５
   に電力を供給する電力供給回路を具備し、 前記界磁巻線１２と接点１８及び半導体出力素
   子２２，２４が第１、第２の供給レール２０，２
   １間に直列に接続され、 前記調整器１４，１５を介して、半導体出力素
   子２２，２４が主発電機１０の出力に応じて制御
   されて界磁巻線１２を流れる電流を調整するよう
   に接続され、 前記電力供給回路１６は、永久磁石パイロツト
   交流発電機１２の出力に交流結合により結合され
   て特定の端子１６ａにアース電位を設定し、 前記第２の供給レール２１と該アース端子１６
   ａの間に抵抗３０が接続され、前記リレー接点１
   ８と界磁巻線１２との接続においてアース欠陥が
   発生すると該抵抗３０が該欠陥による欠陥電流を
   制限することを特徴とする発電機組体。 ２ 前記調整器は、前記主発電機１０の出力が予
   め設定された電圧を超えたことを検出すると、前
   記リレー１７ａに接点１８を外させる電圧感知器
   １４を具備すると共に、アース欠陥により前記抵
   抗３０に流れる欠陥電流を検出して前記半導体出
   力素子を作動させ、該リレー１７ａに接点１８を
   外させる手段を備えることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の発電機組体。 ３ 前記半導体出力素子が前記第２供給レールに
   接続されたそのエミツタをもつトランジスタであ
   り、なお調整器もまたダーリントンペアとして出
   力トランジスタと接続された駆動トランジスタを
   含み、欠陥電流に感知する前記手段がアース接点
   と前記駆動トランジスタのベースとの間で直列接
   続されたダイオード３１とゼナーダイオード３２
   を含み、前記ダイオードとゼナーダイオードが前
   記抵抗３０にかかる電圧が予め定めた値を超える
   とき導通するように構成されている、特許請求の
   範囲第２項記載の発電機組体。