JPS623070B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、タイヤトレツド用材料等柔軟性を有
する帯状の被供給物を、ラフなセンタリングだけ
で、被供給物に無理な外力を加えることなく正確
かつ自動的にセンタリングしつつ次工程に供給し
得るようにした、柔軟性を有する帯状材料の供給
装置に関するものである。

従来、例えばグリーンタイヤ成形時において使
用されているトレツド用材料の供給装置の多く
は、第６図に示す如き転動ボールを単に平面的に
列設した単なるフリーコンベヤにすぎないため、
柔軟性を有する帯状のトレツド用材料をグリーン
タイヤに巻き付けるに際し、グリーンタイヤのク
ラウン部センターに、トレツド用材料の軸線（セ
ンター）を合せるいわゆるセンタリング作業は、
もつぱら人為的に行なわれており、従つて貼り精
度のバラツキが著しく、この結果完成タイヤのユ
ニフオーミテイが低下する等、タイヤの品質が低
下するばかりでなく、生産性の向上をも阻害して
いた。

そこで最近センタリング装置を備えた供給装置
が開発され使用されているが、このセンタリング
装置は、トレツド用材料のシヨルダー部を案内す
るセンタリングガイドローラが、調整後は固定さ
れるいわゆる固定式であるため、柔軟なトレツド
用材料へのローラ押し付け力の設定が著しく困難
であるばかりでなく、各ガイドローラの巾、高
さ、及び当接角度の調整如何によつてはセンタリ
ング精度に著しいバラツキが生じる等問題があ
る。

さらにこの供給装置のトレツド用材料移動面
は、前述と同様第６図に示す如き転動ボールを用
いているため、これに載置された柔軟なトレツド
用材料は、その自重で転動ボールが喰い込んで接
触部が凹み、成形ドラムへの供給に際し、これが
抵抗となつてトレツド用材料が伸びてしまうばか
りでなく、これに前記ガイドロールの押し付け過
ぎが加わると、その抵抗はさらに増加する等問題
が多く、やはり品質の向上や生産性の向上を阻害
しているのが現状である。

本発明は上述した問題点を解消すべく検討の結
果、導かれたものである。

従つて、本発明の目的は、ラフなセンタリング
調整だけで、被供給物に無理な外力を加えること
なく正確且つ自動的にセンタリングしつつ被供給
物を次工程に供給し得る優れた柔軟性を有する帯
状材料の供給装置を提供することにある。

すなわち本発明は、被供給物の供給方向に回転
可能とした主ロールの外周面に、この主ロールの
回転方向に対して直角方向に回転可能とした補助
ロールを多数取り付けてなる複数個の搬送ロール
を、被供給物の供給方向に間隔をおいて列設した
搬送部に臨ましめて、この搬送部の軸線に対する
幅方向の間隔を調節可能とした少なくとも左右一
対の第１案内部材とコ字状連接部材を有する連接
ロツドとを備えた第１センタリング機構を配置
し、さらにこの第１センタリング機構の搬出側に
位置せしめて、前記各連接ロツドのコ字状連接部
材を介して各第１案内部材の幅方向移動と連動し
前記搬送部の軸線に対する幅方向の間隔を調節可
能とすると共に一定の範囲内で弾撥的に被供給物
を前記軸線に向つて左右から押圧可能とした少な
くとも左右一対の第２案内部材を備えた第２セン
タリング機構を配置したことを特徴とする柔軟性
を有する帯状材料の供給装置を、その要旨とする
ものである。

以下本発明を実施例により図面を参照して具体
的に説明する。

第１図〜第５図は本発明の実施例からなる柔軟
性を有する帯状材料の供給装置を示し、第１図は
一部を切除した平面視説明図、第２図は第１図
−矢視断面説明図、第３図は第１図−矢視
断面説明図、第４図ａ，ｂは搬送ロールを示し、
ａは一部を切除した正面視説明図、ｂは一部を切
除した側面視説明図、第５図は本発明に係る柔軟
性を有する帯状材料の供給装置を用いたタイヤ成
形装置における材料の供給装置を示す一部を切除
した正面視説明図である。

図においてＥは、本発明の実施例からなる柔軟
性を有する帯状材料の供給装置であつて、搬送部
Ａに複数個の搬送ロール１０を間隔をおいて列設
した移送台２０と、この移送台２０の搬送部Ａに
臨ましめて配置され、この搬送部Ａの軸線ａに対
する幅方向の間隔を調節可能とした第１センタリ
ング機構３０と、この第１センタリング機構３０
の搬出側３０ａに位置せしめて前記搬送部Ａに配
置され前記第１センタリング機構３０と連動して
この搬送部Ａの軸線ａに対する幅方向の間隔を調
節可能とすると共に被供給物Ｇの軸方向中心Ga
を搬送部Ａの軸線ａと一致せしめ得るようにした
第２センタリング機構４０とから構成されてい
る。

さらにこの構造を詳細に説明すると、前記搬送
ロール１０は、第４図ａ及びｂに示すように、被
供給物Ｇの供給方向に回転可能とした主ロール１
１の外周面に、この主ロール１１の回転方向に対
して直角方向に回転可能とした補助ロール１２を
多数取り付けることにより構成されている。

また前記第１センタリング機構３０は、前記移
送台２０にその搬送部Ａの軸線ａと直交せしめて
平行に取り付けたガイドシヤフト３１と、この各
ガイドシヤフト３１の中間部に位置せしめてこれ
と平行に前記移送台２０に回転可能に取り付けた
第１案内部材３４の移動用のスクリユーシヤフト
３２と、このスクリユーシヤフト３２の左右両側
に螺合すると共に前記各ガイドシヤフト３１を緩
挿した第１案内部材取付兼用連接ロツド取付用の
ホルダー３３と、この各ホルダー３３の外側にそ
れぞれ取り付けた第１案内部材３４と、前記各ホ
ルダー３３の前記第２センタリング機構４０側に
それぞれ取り付けられ、その第２センタリング機
構４０側端部に平面視略コ字状としたコ字状連接
部材３５を備えた第２センタリング機構作動用の
連接ロツド３６とから構成されており、前記スク
リユーシヤフト３２の一側外端に取り付けられて
いるハンドル３７を所要の方向に回転することに
より、このスクリユーシヤフト３２の左右両側に
螺合されている左右の各ホルダー３３を、同時に
しかも互いに反対方向に移動して、左右の第１案
内部材３４の間隔を調節すると共に、これと連動
して前記第２センタリング機構作動用の各連接ロ
ツド３６を作動し得るようになつている。

さらに前記第２センタリング機構４０は、前記
移送台２０にその搬送部Ａの軸線ａと直交せしめ
て平行に取り付けたガイドシヤフト４１と、この
各ガイドシヤフト４１の中央部を連結するよう取
り付けたセンターホルダー４２と、このセンター
ホルダー４２の両側に位置せしめて前記各ガイド
シヤフト４１に緩挿した左右ホルダー４３と、前
記センターホルダー４２の中央部に回転可能に軸
支したセンターリンク４４と、このセンターリン
ク４４の両端部と前記左右ホルダー４３との間に
軸支した左右リンク４５と、前記各左右ホルダー
４３に取り付けられこの各左右リンク４５を前記
センターホルダー４２に向かつて引き寄せるスプ
リング４６と、前記各左右ホルダー４３の外側に
それぞれ取り付けた第２案内部材４７とから構成
されている。

また前述したように、前記第１センタリング機
構３０と第２センタリング機構４０とを連接する
前記各連接ロツド３６には、その第２センタリン
グ機構４０側端部にコ字状連接部材３５を取り付
け、この各連接部材３５のコ字状部３５ａ内に、
第２センタリング機構４０の左右ホルダー４３の
第１センタリング機構３０側を、第１図に示すよ
うに遊嵌したから、移送台２０上に被供給物Ｇが
セツトされていない時は、前記第２センタリング
機構４０の左右ホルダー４３に取り付けられてい
る左右各第２案内部材４７間の間隔（幅）は、前
記第１センタリング機構３０の左右ホルダー３３
に取り付けられている左右各第１案内部材３４間
の間隔（幅）よりも、各コ字状連接部材３５のコ
字状部３５ａの幅だけ常時狭く設定できることに
なる。従つて、第１センタリング機構３０の左右
各第１案内部材３４間の間隔（幅）を、被供給物
Ｇの幅よりもやや広めに設定しても、つまり、ラ
フに設定しても、自動センタリング部すなわち第
２センタリング機構４０によつて、被供給物Ｇの
軸方向中心Gaを搬送部Ａの軸線ａに、自動的に
しかも正確にセンタリングすることができる。こ
の結果、幅設定作業を容易化することができる一
方、被供給物Ｇに若干の幅変動があつても正確に
センタリングすることができる。

つづいて上述した本発明に係る柔軟性を有する
帯状材料の供給装置Ｅを、第５図を参照しつつグ
リーンタイヤ成形時において成形ドラム１上のグ
リーンタイヤにトレツド用材料（被供給物）Ｇを
供給する供給装置Ｆに適用した例を簡単に説明す
る。

第５図は成形ドラムとトレツド用材料の供給装
置を示す正面視説明図であつて、１は成形ドラ
ム、２は保持台、３は高さ調整部、４はヒンジ、
５はエアーシリンダー、６はレール、２０は上面
に前記搬送部Ａを形成した移送台、７は第２セン
タリング機構４０のブラケツト、８は第１センタ
リング機構３０のブラケツト、１０はハンマーロ
ーラーである。

そして前記レール６は、高さ調整部３とヒンジ
４を介して保持台２に取付けられ、また移送台２
０は複数のコロ２０ａによつてレール６を水平に
スライドすることができ、このレール６に取付け
られたエアーシリンダー５によつて前後に駆動す
ることができる構造になつている。

従つてレール６は、高さ調整部３を調整するこ
とによつて、ヒンジ４を中心にスイングせしめる
ことにより、成形ドラム１に対して移送台２０の
高さを自由に設定でき、さらに移送台２０は、エ
アーシリンダー５の動作によつて、待機位置から
成形ドラム１に接近することができて被供給物Ｇ
の成形ドラム１上での貼り精度を高めることがで
きるものである。

つづいて上述の装置Ｆにより、成形ドラム１に
装着されたグリーンタイヤ（図示しない）のクラ
ウン部にトレツド用材料（被供給物）Ｇを供給
し、これに巻き付ける作業を簡単に説明する。

まず第５図の状態で、ケーリートラツク等（図
示しない）からトレツド用材料（被供給物）Ｇを
移送台２０上の搬送部Ａ上に載置する。勿論この
時はすでに第１センタリング機構３０の左右各第
１案内部材３４（実施例ではガイドローラー）は
前述の如くラフにセンタリング調整されている。

そしてトレツド用材料Ｇを第１及び第２センタ
リング機構３０，４０を通過させ、その先端が、
移送台２０の先端から所要寸法だけ突出する位置
まで移動する。

次に前記エアーシリンダー５を作動して移送台
２０を、成形ドラム１に接近せしめ、前記トレツ
ド用材料Ｇの先端を、ドラム１上に装着されてい
るグリーンタイヤに当接貼着した後、この貼着部
を前記ハンマーロール１０で押圧する。

ここで成形ドラム１の駆動モータに通電する
と、成形ドラム１は回転され、前記トレツド用材
料Ｇは、第１センタリング機構３０及び第２セン
タリング機構４０によつて自動的にセンタリング
されながらグリーンタイヤに巻き付けられ、成形
ドラムはその回転を停止する。

つづいて前記移送台２０をエアーシリンダー５
により旧位置に復帰せしめ、グリーンタイヤに巻
き付いたトレツド用材料Ｇの最終端部と先端部と
を密着せしめて作業を終了する。

本発明は上述したように構成したから、次のよ
うな効果を奏する。すなわち、 (a) 第１センタリング機構３０と第２センタリン
グ機構４０とを連接する前記各連接ロツド３６
に、平面視略コ字状の連接部材３５を取り付
け、この各連接部材３５のコ字状部を介して第
１センタリング機構３０と第２センタリング機
構４０とを連接したから、搬送部Ａ上に被供給
物Ｇがセツトされていない時は、前記第２セン
タリング機構４０の左右各第２案内部材４７間
の間隔（幅）は、前記第１センタリング機構３
０の左右各第１案内部材３４の間隔（幅）より
も、各コ字状連接部材３５のコ字状部の幅だけ
常時狭く設定できることになる。従つて、第１
センタリング機構３０の左右一対の第１案内部
材３４の間隔（幅）を、被供給物Ｇの幅より
も、やや広めに設定しても、つまり、ラフに設
定しても、自動センタリング部すなわち第２セ
ンタリング機構４０によつて、被供給物Ｇの軸
方向中心Gaを搬送部Ａの軸線ａに、自動的に
しかも正確にセンタリングすることができる。
この結果、段取り時におけるセンタリング調整
に精度を要さない、調整の個人差が出ることが
ない、前記従来の供給装置と比較してセンタリ
ング精度を著しく向上することができる等、セ
ンタリング調整作業を容易化することができる
一方、被供給物に若干の幅変動があつても正確
にセンタリングすることができる。

(b) また本発明は、第１及び第２センタリング機
構３０及び４０を設けた搬送部Ａに、被供給物
Ｇの供給方向に回転可能とした主ロール１１の
外周面に、この主ロール１１の回転方向に対し
て直角方向に回転可能とした補助ロール１２を
多数取り付けてなる複数個の搬送ロール１０
を、被供給物Ｇの供給方向に間隔をおいて列設
したから、前記各センタリング機構３０及び４
０によるセンタリング効果を、より一層助長す
ることができ、高い自動センタリング効果を得
ることができる。

従つて、本発明は、ラフなセンタリング調整だ
けで、被供給物に無理な外力を加えることなく正
確かつ自動的にセンタリングしつつ被供給物を次
工程に供給することができる優れた柔軟性を有す
る帯状材料の供給装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の実施例からなる柔軟
性を有する帯状材料の供給装置を示し、第１図は
一部を切除した平面視説明図、第２図は第１図
−矢視断面説明図、第３図は第１図−矢視
断面説明図、第４図ａ，ｂは搬送ロールを示し、
ａは一部を切除した正面視説明図、ｂは一部を切
除した側面視説明図、第５図は本発明に係る柔軟
性を有する帯状材料の供給装置を用いたタイヤ成
形装置における材料の供給装置を示す一部を切除
した正面視説明図、第６図は従来の搬送ロールの
一例を示す正面視説明図である。 １０……搬送ロール、１１……主ロール、１２
……補助ロール、３０……第１センタリング機
構、３４……第１案内部材、３５……コ字状連接
部材、３５ａ……コ字状連接部材のコ字状部、３
６……連接ロツド、４０……第２センタリング機
構、４７……第２案内部材、Ａ……搬送部、ａ…
…搬送部の軸線、Ｇ……被供給物、Ga……被供
給物の軸線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 搬送部Ａに複数個の搬送ロール１０を間隔を
   おいて列設した移送台２０と、この移送台２０の
   搬入側に配置した第１センタリング機構３０と、
   この第１センタリング機構３０の搬出側に位置せ
   しめて前記移送台２０に配置した第２センタリン
   グ機構４０とからなり、前記搬送ロール１０は、
   被供給物Ｇの供給方向に回転可能とした主ロール
   １１の外周面に、この主ロール１１の回転方向に
   対して直角方向に回転可能とした補助ロール１２
   を多数取り付けることにより構成し、また前記第
   １センタリング機構３０は、前記搬送部Ａの軸線
   ａに対する幅方向の間隔を調節可能とした左右一
   対の第１案内部材３４と、この各第１案内部材３
   ４にホルダー３３を介して取り付けた連接ロツド
   ３６と、この各連接ロツド３６の先端側に取り付
   けた平面視略コ字状のコ字状連接部材３５とから
   構成し、前記各ホルダー３３は、左右ネジを切つ
   たスクリユーシヤフト３２の左右両側に螺合さ
   れ、このスクリユーシヤフト３２を回転すること
   により各ホルダー３３を同時に、しかも互いに反
   対方向に移動し得るように構成し、さらに前記第
   ２センタリング機構４０は、前記移送台２０にそ
   の搬送部Ａの軸線ａを直交せしめて平行に取り付
   けたガイドシヤフト４１に、左右一対の第２案内
   部材４７を夫々取付けた左右一対のホルダー４３
   を摺動可能に嵌挿すると共に、このホルダー４３
   の第１センタリング機構３０側を前記コ字状連接
   部材３５内に移動可能に遊嵌し、前記ガイドシヤ
   フト４１に嵌挿した左右一対の第２案内部材４７
   間の中央部にセンターホルダー４２を設け、この
   センターホルダー４２の中央部に軸支されたセン
   ターリンク４４の両端と、前記左右一対のホルダ
   ー４３に回転可能に設けた左右リンク４５とを回
   転可能に連結し、前記左右一対の各ホルダー４３
   間に、各々の第２案内部材４７を内側に引き寄せ
   るスプリング４６を介設したことを特徴とする柔
   軟性を有する帯状材料の供給装置。