JPS6230440Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、プラスチツク外被を有する通信ケ
ーブルなどのケーブルに設けられるガスバルブの
取付構造に関する。

一般に、地下通信ケーブル等にあつては、ケー
ブル内に乾燥度の高い窒素ガス、あるいは乾燥空
気などを一定の圧力をかけて封入しておき、この
封入ガスによつて、万一ケーブルに小さな損傷が
発生した場合にも、そこから封入された窒素ガス
あるいは乾燥空気が噴出し、湿気、水などがケー
ブル内に侵入しないように考慮された、いわゆる
ガス封入方式のケーブルが広く利用されている。
そして、このようなガス封入方式の通信ケーブル
においては、ケーブル内に封入されたガス圧の管
理、保守用としてガスバルブが取り付けられてい
る。

第１図は、ケーブル接続部に対するガスバルブ
の従来の取付構造例を示すものである。同図に示
すように、互いに接続されるケーブル１，２の外
被を覆う如く熱融着させた熱収縮性チユーブ３に
対し、一端開口部がケーブル１内に挿入されたガ
スパイプ４を有するガスバルブ５が取り付けられ
ている。また、前記熱収縮性チユーブ３内には、
主として接続部の気密保持を図る目的で、例えば
ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
樹脂などの常温硬化性の充填材６が充填されてい
る。なお、同図において、７はケーブルコア、
８，９はスペーサ、１０は充填材６を充填する際
に必要な注入口を有し、かつ長手方向にスリツト
の設けられた加圧用のスプリングパイプ、１１は
その外側を覆うスリーブ、１２は遮へい用ボンド
線をそれぞれ示している。

ところで、前記ガスバルブ５は図示のように熱
収縮性チユーブ３の胴部に取り付けられている
が、このような取付構造とした場合、次のような
問題点があつた。すなわち、熱収縮性チユーブ３
は、加熱されることによつてそれ自体が半径方向
内方へ収縮し、同時にスペーサ８，９やケーブル
１，２の外被に熱融着する特徴をもつものである
ため、ガスバルブ５の取付作業にあたつては、充
填材６の充填時にガスパイプ４を先にセツトして
おき、次いでチユーブ３を加熱収縮させた後でガ
スバルブ５を取り付けるという作業手順となつて
作業性が悪く、しかもその際に、ガスパイプ４を
ガスバルブ５の取付位置に予め正確に対応させて
おかなければならないので高い熟練度を必要とす
るなどの問題点があつた。

この考案は、以上のような点を考慮してなされ
たもので、ケーブルの接続作業と共にガスバルブ
を取り付ける際の作業性がきわめて良好でかつ容
易に取り付けることができ、さらにケーブル接続
部の気密・水密性も確実な通信ケーブルのガスバ
ルブ取付構造を提供することを目的とする。

以下、この考案を第２図ないし第４図に示す一
実施例に基づいて説明する。

図において、符号２０，２１は互いに接続され
たケーブルであり、このケーブル２０，２１の心
線接続部２２の外側には長手方向にスリツトを有
するスプリングパイプ等の筒状部材２３が外挿さ
れ、さらにその外側には補強用の二つ割りされた
スリーブ２４が外挿されている。このスリーブ２
４の両端は、ケーブル２０，２１の外被上にそれ
ぞれ外嵌された端部スペーサ２５，２６によつて
ケーブル２０，２１と同軸的に保持され、また筒
状部材２３の両端開口部は端部スペーサ２５，２
６よつて閉塞されている。

端部スペーサ２５，２６のうち、一方の端部ス
ペーサ２６には、ケーブルの長さ方向と平行に延
びる貫通孔２７が設けられ、この貫通孔２７に対
しガスパイプの導出管２８が挿入されている。こ
の導出管２８は、その一端部分が端部スペーサ２
６から外方へ充分に突出するように貫通孔２７よ
りも長尺に形成されているとともに、この導出管
２８の一端にはガスバルブ２９が取り付けられ、
他端にはケーブル２０内のガスに連通するガスパ
イプ３０が接続されている。また、導出管２８の
外周面部分のうち、少なくとも端部スペース２６
から外方へ突出した部分の外周面には、第３図お
よび第４図に示すようにホツトメルト型樹脂等か
らなる接着層３１を介してポリエチレン樹脂等か
らなる被覆層３２が設けられている。この被覆層
３２は設けずに接着層３１だけ設けてもよい。そ
して、前記筒状部材２３内には接続部の気密保持
を図る目的で、例えばポリエチレン樹脂、ポリウ
レタン樹脂などの常温硬化型の撥水性充填材３３
を充填したうえで、前記ガスバルブ９部分のみを
残して、中空円筒状またはシートを縦添えてなる
熱収縮性スリーブ３４によつてケーブル接続部全
体を被覆し、相互に接触する部分を熱融着させた
構造とされている。

この考案においては、端部スペーサ２６にケー
ブル２１と平行に延びる貫通孔２７を設けてあ
り、そしてこの貫通孔２７にガスパイプの導出管
２８をセツトしてケーブル２１と平行に位置決め
しておくことができるようになつているので、熱
収縮性スリーブ３４を加熱収縮させる作業は、ガ
スバルブがない場合とほとんど同様にして実施す
ることができ、したがつてその作業性がきわめて
良好である。また、ガスパイプの導出管２８は熱
収縮性スリーブ３４の端末を貫通する構造である
から、従来のように熱収縮性スリーブの胴部など
にガスバルブを取り付けるための穴などを設ける
必要もなく、また、外端にガスバルブが取り付け
られる導出管８はこのようにケーブル２１と平行
に向いているので、熱収縮性スリーブ３４の径方
向への収縮によつて位置ずれしたりすることがな
く、これらのことからケーブル接続部に対するガ
スバルブの取り付けも容易になる。なお、導出管
２８の外周面の被覆層３２は熱収縮性スリーブ３
４と熱融着し、かつ、この被覆層３２は接着層３
１によつて導出管２８に強く接着しているのでケ
ーブル接続部の気密・水密性もより確実なものと
なる。

以上詳述したように、この考案は、端部スペー
サにケーブルの長さ方向に延びる貫通孔を設け、
そしてこの貫通孔に挿入して位置決めするように
したガスパイプの導出管を介してガスバルブを取
り付ける構造としたから、ケーブル接続作業と共
にガスバルブを取り付ける際の作業性がきわめて
良好で、かつ、容易に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図は本考案
の一実施例を示す断面図、第３図は第２図の−
線に沿う拡大断面図、第４図は導出管部分の縦
断面図である。 ２０，２１……ケーブル、２２……心線接続
部、２３……筒状部材、２５，２６……端部スペ
ーサ、２７……貫通孔、２８……導出管、２９…
…ガスバルブ、３０……ガスパイプ、３１……接
着層、３３……充填材、３４……熱収縮性スリー
ブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ケーブル２０，２１の心線接続部２２の外側
   に筒状部材２３を外挿し、この筒状部材の両端
   開口部をケーブル外被にそれぞれ外嵌した端部
   スペーサ２５，２６で閉塞し、これらの端部ス
   ペーサのうちの一方にケーブルの長さ方向に延
   びる貫通孔２７を設け、この貫通孔に導出管２
   ８を挿入し、この導出管の一端にケーブル内の
   ガスに連通するガスパイプ３０を接続すると共
   に他端にガスバルブ２９を取り付け、前記筒状
   部材内に気密保持用の充填材３３を充填したう
   えで前記ガスバルブ部分を残して熱収縮性スリ
   ーブ３４で被覆して成る通信ケーブルのガスバ
   ルブ取付構造。 ２ 前記導出管２８の外周面に予め接着層３１を
   設けて成る実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の通信ケーブルのガスバルブ取付構造。