JPS6229548Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、駐車場に容易に設置されて自動車を
上下段に収容し得る二段式簡易車庫に関するもの
である。

この種車庫は従来から色々と提供されている
が、いずれも車体載置フレーム又は車体載置台を
単に油圧シリンダー等で垂直方向に昇降させる構
造であるため、該油圧シリンダーを含む昇降駆動
機構が自ずと大掛りとなるばかりか、重量的にも
収容台数が制限され、且つ下段に自動車が収容さ
れている場合には上段の自動車を下ろせない等の
欠点を有している。

而して、本考案は斯る欠点に鑑み案出されたも
ので、極めて小型の駆動機構で上段に対する車の
収容を可能とすると共に、収容台数の大巾なアツ
プを可能とする新規二段式簡易車庫を提供せんと
するものである。

以下、本考案を図示する一実施例に基いて詳述
すれば、本考案に係る二段式車庫は第１図・第２
図に示す如く駐車場の地面に対して設置固定され
る一組の支持フレーム１ａ・１ｂと、該支持フレ
ーム１ａ・１ｂ間に後述する回動駆動手段を介し
て回動可能に支承される一対の回動フレーム２
ａ・２ｂと、該一対の回動フレーム２ａ・２ｂの
上部両端に常時水平姿勢が保持される状態で枢着
される左右の車体載置フレーム３ａ・３ｂを基本
構造体とするものである。

具体的には、上記一方の支持フレーム１ａは、
地面に固定される長尺な固定部４と該固定部４の
中央から上方に立上る２本の支柱部５・５と固定
部４の中央下面に後述する一対の回動フレーム２
ａ・２ｂを連結して回動中心となる連結棒材の軸
受部６とを有し、且つ上記２本の支柱部５・５間
に上レール７と下レール８を横設すると共に、該
各レール７・８間に両端が支柱部５・５に回転可
能に支持された雄螺子切り回転駆動シヤフト９・
９を設け、該シヤフト９・９とレール７・８で移
動部材１０を左右方向に移動案内する構成とす
る。該移動部材１０は第３図に示す如く、上下端
に上記上下レール７・８と係合するローラ１１付
Ｕ字状の係合溝部１２・１２を有すると共に、内
側面に後述する回動フレーム２ａの係合孔に係入
する突起部１３を有し、且つ本体内部横方向に上
記回転駆動シヤフト９・９と螺合する雌螺子が形
成されている通穴１４・１４を穿設してなり、該
各通穴１４・１４にシヤフト９・９を螺合挿通し
て、該シヤフト９・９に例えばモータ等の回転力
をチエーン・チエーンホイル１５等で伝達して正
逆回転させることにより、移動部材１０をレール
７・８を案内として上記支柱部５・５間で左右両
方向に移動させる構成とする。又、他方の支持フ
レーム１ｂは、上記一方の支持フレーム１ａと同
様に長尺な固定部４と２本の支柱部５・５と軸受
部６を有するが、図示する如く該２本の支柱部
５・５間に後述する回動フレーム２ｂの摺動部に
摺接して該回動フレーム２ｂの回動を円滑に案内
するローラ１６を復数設けてなる構成とする。

前記一対の回動フレーム２ａ・２ｂは、いずれ
も略90゜に展開された扇形状を呈し、該各回動フ
レーム２ａ・２ｂは夫々の下端基部を前記各支持
フレーム１ａ・１ｂの軸受部６・６に支持される
連結棒材１７により一体的に連結されて、該連結
棒材１７の両端を軸受部６・６に支持することに
より、支持フレーム１ａ・１ｂに対して回動可能
に支承される構成とする。尚、連結棒材１７及び
軸受部６は地中に埋設して、下段の自動車の邪魔
にならないようにする。又、該一対の回動フレー
ム中一方の支持フレーム１ａ側の回動フレーム２
ａは、第１図乃至第３図に示す如く自身の補強横
骨間中央に前記移動部材１０の突起部１３を係入
する縦長の係合孔１８を形成し、移動部材１０の
左右方向の移動に伴つて該移動部材１０の突起部
１３で係合孔１８の孔縁を同方向に押圧されるこ
とにより、連結棒材１７で一体的に連結さる一対
の回動フレーム２ａ・２ｂの回動力を得る構成と
する。他方の支持フレーム１ｂ側の回動フレーム
２ｂは、第１図・第４図に示す如く自身の中央部
に摺接部１９を設け、一方の回動フレーム２ａが
前記回動駆動手段により回動する場合に、該回動
フレーム２ｂも前記ローラ１６の摺接案内を受け
てガタつかずに回動できる構成とする。

更に、車体載置フレーム３ａ・３ｂは図示する
如く、前記一対の回動フレーム２ａ・２ｂの上部
両側に枢着される軸部２０を有する第１骨部２１
と、該第１骨部２１から連結骨２２を介して平行
に配される第２骨部２３と、第１骨部２１の両端
立上部２４から傾斜して第２骨部２３の両端に連
結固定される第３骨部２５とから成り、第１骨部
２１の軸部２０を各回動フレーム２ａ・２ｂの上
部両側に枢着し、且つ左右の車体載置フレーム３
ａ・３ｂの立上部２４同士を連結腕２６の端部に
夫々枢着して、各車体載置フレーム３ａ・３ｂを
常時水平姿勢が保持される構成とする。尚、実施
例に於いては斯る車体載置フレーム３ａ・３ｂ上
に車体の大きさ・台数に応じて、該車体載置フレ
ーム３ａ・３ｂよりも広巾の載置板２７を敷設す
る構成としているが、車体載置フレーム３ａ・３
ｂも予め載置板２７を有する一体構造とすること
も可能である。しかし、いずれの構造にあつて
も、車体載置フレーム３ａ・３ｂ上に設けられる
載置板２７は、左右の載置板２７・２７同士間で
自動車の移動を可能とするために、対向する内側
端をできるだけ近接する状態に設けるものとす
る。

又、左右の車体載置フレーム３ａ・３ｂの第２
骨部２３の両端には、一対の回動フレーム２ａ・
２ｂの回動に伴う各車体載置フレーム３ａ・３ｂ
の同方向に対する水平降下又は水平上昇の軌跡を
案内するリンク２８の一端を枢着し、且つ該リン
ク２８の他端を前記各支持フレーム１ａ・１ｂの
固定部４の端部側に枢着する構成とする。

依つて、本考案に係る二段式簡易車庫を使用す
る場合には、第５図Ａ乃至Ｃに示す如く一方の支
持フレーム１ａに設けられているシヤフト９・９
をモータ等で例えば正方向に回転すると、該シヤ
フト９・９と螺合する移動部材１０がシヤフトの
回転に伴い右方向に移動して、自身の突起部１３
が一方の回動フレーム２ａの係合孔１８内を遊動
しながら孔縁を同方向に押圧するので、一対の回
動フレーム２ａ・２ｂは連結棒材１７を中心とし
て右方向に回動する。斯る回動に伴い回動フレー
ム２ａ・２ｂの右側に枢着されている車体載置フ
レーム３ａは水平状態のまま降下して、載置板２
７上に自動車を載せることを可能とするか、或い
は下ろすことを可能とする。その後、シヤフト
９・９を逆方向に回転させると、今度は該順序と
は逆に移動部材１０が左方向に移動して一対の回
動フレーム２ａ・２ｂを左方向に回動させて、原
位置に復帰させる。これにより、少なくとも右側
の車体載置フレーム３ａ上に車体を収容する。特
に、この場合左側の車体載置フレーム３ｂ上に別
の車体が収容されていると、該別の車体重量をも
回動フレーム２ａ・２ｂの回動力として利用でき
るので、移動部材１０の突起部１３から得られる
回動力が比較的小さくとも、回動フレーム２ａ・
２ｂは容易に原位置に回動復帰できる。従つて、
本考案にあつては従来のものと比し車体載置フレ
ームの駆動機構が小型化できることとなる。尚、
斯る利点は左側の車体載置フレーム３ｂに車体を
収容する場合も、同様であることは勿論のこと、
自動車を下ろす場合にも別の車体重量を利用でき
ることは言うまでもない。

しかも、斯る左右車体載置フレーム３ａ・３ｂ
の存在は、重量利用の他に車庫の両側から自動車
を収用することを可能とするものであるから、例
えば左側の下段に自動車が収容されていても、従
来の如く一旦該自動車を前方に移動させた後自動
車を上段に収容しなくとも、前記操作で右側の車
体載置フレーム３ａに直ちに収容できるので、従
来車庫の不利不便は一掃できるものである。又、
両側収容構造は、上段の自動車を下ろす場合に、
例え同側の下段に自動車が収納されていても、反
対側の車体載置フレーム上に空きがある場合に
は、該上段に収容されている自動車を、左右で近
接する載置板２７・２７を介して、反対側の車体
載置フレーム上に移動させた後、該反対側の車体
載置フレームを前記操作で降下させれば、従来の
如く下段の自動車をいちいち移動させなくとも、
上段の自動車を反対側から簡単に下ろせるので、
この点からも従来車庫の不利不便は一掃できるこ
ととなる。

更に、雄螺子切り回転駆動シヤフト９と雌螺子
形成通穴１４の螺合で一対の回動フレーム２ａ・
２ｂを左右両方向に回動させる構成は、極めて安
定した回動が保障できるので、車体載置フレーム
３ａ・３ｂの昇降には頗る良好なものとなるが、
これに限らずチエーン機構等の他の手段で一対の
回動フレーム２ａ・２ｂの左右回動を行なうこと
も可能である。

尚、実施例では一方の支持フレーム１ａ側のみ
に回転駆動機構を付設しているが、収容自動車の
台数等に応じて他方の支持フレーム１ｂ側にも同
様な機構を付設して両側駆動方式とすることも、
実施に応じて任意である。但し、本考案は反対側
の車体重量を利用して車体載置フレーム上に自動
車を載せたり、或いは下ろしたりするものである
から、一方側のみで十分目的を達成できることは
言うまでもない。

以上の如く、本考案は上記の構成とすることに
より、従来のこの種車庫の欠点を完全に解決する
ことが可能となり、且つ両側収容構造は収容台数
の大巾なアツプを図り、駐車場面積の有効利用に
も大きく貢献できることとなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る二段式簡易車庫を示す分
解斜視図、第２図は同組立斜視図、第３図は移動
部材及び該移動部材と回動フレームの関係を示す
断面図、第４図は他方の支持フレームと回動フレ
ームの関係を示す要部側面図、第５図Ａ・Ｂ・Ｃ
は本考案に係る二段式簡易車庫の使用状態を順に
示す概略側面図である。 １ａ・１ｂ……支持フレーム、２ａ・２ｂ……
回動フレーム、３ａ・３ｂ……車体載置フレー
ム、７……上レール、８……下レール、９……雄
螺子切り回転駆動シヤフト、１０……移動部材、
１３……突起部、１４…通穴、１７……連結棒
材、１８……係合孔、１９……摺接部、２７……
載置板、２８……リンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向する一組の支持フレームと、連結棒材で連
   結されて該一組の支持フレーム間に回動可能に支
   承される一対の回動フレームと、該一対の回動フ
   レームの上部両側に常時水平姿勢が保持される状
   態で枢着される左右の車体載置フレームとから成
   り、且つ少なくとも上記一方の支持フレームと該
   支持フレーム側の回動フレームに一対の回動フレ
   ームを支持フレームに対して左右両方向に一定の
   円弧軌跡をもつて回動させる回動駆動手段を設
   け、該回動駆動手段により一対の回動フレームを
   左右両方向に回動させることにより、一対の回動
   フレームの両側に枢着される各車体載置フレーム
   上に自動車を夫々収容できるように構成したこと
   を特徴とする二段式簡易車庫。