JPS6229325Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のイグニツシヨンスイツチ
のシリンダ錠回転子に符合キーを挿入したとき、
該キーにより摺動ピース先端を回転子の半径方向
外方に押出し、一端を回転子に設けた摺動ピース
の摺動孔外端に嵌めているロツキングレバーを回
転子の外周と一致するまで押出し、かつ該レバー
の他の一端をステアリングロツク片に対する係合
可能な位置に揺動し、符合キーによる回転子のオ
ン作動方向への回転とともにステアリングロツク
片を引込ませてロツク解除を生じさせ、また、符
合キーにより回転子をロツク位置に戻し回転し、
かつ符合キーを抜いたとき、摺動ピース先端の回
転子の半径方向内方への摺動を許容すると同時
に、ロツキングレバーを揺動して、一端を前記の
摺動孔外端部内に嵌め、他の一端をステアリング
ロツク片の係合から外して該ロツク片をしてステ
アリング軸ロツク方向に突出させるように構成さ
れたステアリングロツク装置において、回転子の
摺動ピースの実質上の摺動方向は変えないで、符
合キーの挿抜角度を可変にできるようにしたもの
である。

自動車のステアリング軸を通す外筒に取付け
て、同装置が有するステアリングロツク片の先端
を前記のステアリング軸に対して交叉方向から係
合させるようにしたステアリングロツク装置は、
シリンダ錠回転子の回転中心と、ステアリングロ
ツク片の移動方向線とが直線ではあるが、同時に
ロツキングレバーの揺動平面は、ステアリングロ
ツク片の移動方向線と直角でありかつ回転子の中
心軸線とは平行に設けられている摺動ピースの回
転子内における半径方向の摺動線もロツキングレ
バーの揺動平面に一致させる必要がある。以上に
述べたように摺動ピース、ロツキングレバー、ス
テアリングロツク片の各々の中心軸線とか、移動
若しくは揺動方向を互いに変更できない関係構造
をもつため、回転子のロツク位置はあらかじめ定
められた角度にしか設定できず、キー操作を容易
にするためにロツク位置の角度を変えることはで
きなかつた。

本考案はかかる問題を解決するために、符合キ
ーの先端と当接する案内傾斜面と、符合キーの挿
入方向に対しては平行であり該摺動ピースの半径
方向の摺動方向に対して傾斜させた内端面とを摺
動ピースに形成し、該傾斜角を選定することによ
りロツク位置における符合キーの挿抜角度を一定
範囲内で任意に設定できるようにすることを目的
とするものである。

本考案の実施例を説明する。

図中１はイグニツシヨンスイツチ筐体、２は該
筐体１の前端開口から挿入して固定したシリンダ
錠であつて、外筐３と、符合キー９の挿入によつ
て回転される回転子４とからなり、その回転子４
の前端面から符合キー９の挿入に適した挿入通路
６を形成し、頚部５には該挿入通路６に交叉状で
連通する半径方向の摺動孔７を設ける。８は頚部
５より内部に設置して符合キー９の挿入と共に少
なくとも回転子の外周に一致するまで引込むよう
に設けたロツクプレート、１０は回転子４の内端
において外筐３の内端面から突出させて形成した
直径方向の一字形凸部である。

回転子４には第２図に示すようにオフ位置
OFFの右廻りにラジオ位置ACC、オン位置ON、
スタート位置START、を夫々所定の角間隔で設
け、左廻りにロツク位置LOCK、を設け、符合キ
ー９をロツク位置LOCKだけで挿抜できるように
してある。

回転子４の後部には筐体１内に通した軸状の施
開錠制御部材１５を設け、その前端の一字形凹溝
１４を一字形凸部１０に外嵌めして回転子４に連
結する。該施開錠制御部材１５には、周面の半側
を削つた半月形のカム部１６を設け、筐体１の半
径方向に形成した摺動案内溝１７に移動自由に嵌
めて底部に発条２１を付装したステアリングロツ
ク片１８の窓孔１９に前記カム部１６を避挿し、
施開錠制御部材１５を回転子４と共にロツク位置
LOCKからスタート位置STARTの方向に回転す
るときカム部１６がステアリングロツク片１８を
発条２１に抗する方向に押してステアリング軸を
ロツクを外す。

２４は外筐３に形成した偏平形揺動欠部２２に
装置したロツキングレバーで、軸２３を長孔状の
軸支溝２５に遊挿し、さらにばね２８をかけて、
前方側面の係合突部２６を前記した摺動孔７の外
端への挿入を可能とし、後方側面に突成した係止
部２７をステアリングロツク片１８の係合部２０
が設けられた側面に接触可能に対応させる。

回転子４の前記摺動孔７には内端３２が符合キ
ー９の側面に接したとき外端が回転子４の周面に
合致するまで押出される摺動ピース３１を嵌装す
る。該ピース３１は符合キー９がロツク位置
LOCKで挿入通路６から抜き取られると、ばね２
８が作用するロツキングレバー２４の係合突部２
６が摺動孔７の外端部内に入つて摺動ピース３１
を半径方向内方に押すから、内端３２が挿入通路
６を横切るようになる。符合キー９は摺動ピース
３１の内端３２が横切つていても、挿入のときに
該ピース３１を排除して通れるように該ピース３
１の内端３２の前側に案内傾斜面３３を設ける
（第５，６図）。

摺動ピース３１が嵌装されている摺動孔７は、
符合キー９の板幅方向に対して一定の角度（第４
図において軸線ａと軸線ｂの成す角度）を成すよ
うに、回転子４の頚部５に形成されている。つま
り、挿入通路６と摺動孔７は、上記一定の角度で
交差するように形成されている。よつて摺動ピー
ス３１は摺動孔７内を第４図軸線ｂの方向に摺動
するようになつている。

従来のステアリングロツク装置のキー回転位置
は第２図に示すようになつており、ON位置と
LOCK位置を結ぶ直線の方向に摺動ピースが摺動
するため、それに対応してキー挿抜角度も上記直
線に一致するように該第２図に示す位置に設定し
なければならない。

しかるに本考案は、摺動ピース３１の内端３２
および挿入通路６を上記直線にたいして同一角度
で傾斜させているので、符合キー９を挿入通路６
に挿入すると、該符合キー９の先端が摺動ピース
３１の案内傾斜面３３に当つて摺動ピース３１を
挿入通路６より回転子４の半径方向外方へ押し上
げ、さらに符合キー９の側面９ａが内端３２に摺
接して摺動ピース３１を第４図軸線ｂの上方向に
押し上げ、摺動ピース３１の上端面３４が回転子
４の外周と一致して符合キー９による回転操作が
可能となる。

摺動ピース３１の摺動方向にたいして挿入通路
６を一定角度で交差させているので、ロツキング
レバー２４の揺動方向を変更することなく符合キ
ー９の挿抜角度を第４図軸線ａの位置に進角させ
ることができる。このときLOCK、OFF、
ACC、ON、START各位置の相互の相対的位置
間隔には変わりがないので、START、ACC、
OFFの位置も第４図のとおりに同角度進角する
ことができる。進角する角度は軸線ａと軸線ｂと
の成す角度と同一であり、第２図の従来の角度と
比較すれば明白である。摺動ピース３１の内端３
２を傾斜させたときには符合キー９を挿入通路６
に挿入したときに回転子４の周面が上端面３４に
一致するように摺動ピース３１の寸法を設定しな
ければならない。

以上の説明によつて明らかにしたように、本考
案では従来のステアリングロツク装置の構造を基
本的に変更することなく、摺動ピース３１の摺動
方向に対し、該摺動ピース３１の内端３２と符合
キー９のための挿入通路６を同一角度で傾斜させ
て摺動ピースの摺動方向（すなわちロツキングレ
バー２４の揺動方向）に対して符合キー９の挿抜
角度を一定範囲内で任意に選定できるから、ステ
アリングロツク装置の取付位置を変えることなく
キー操作を全体的に回転移動させることができ、
運転者の手の最も自然な操作範囲に合わせて設定
できるから、運転者がキー操作を無理なく行うこ
とができるようにする効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は
符合キー９の挿入通路６と摺動孔７とを直角にし
た態様で示した切断側面図、第２図は正面図、第
３図は第１図Ａ−Ａ線で切断した正面図、第４図
は第２図と対比して示した挿抜角度変更の第２の
場合の正面図、第５図は第４図の変更状態におけ
る第１図Ｂ−Ｂ線切断正面図、第６図は摺動ピー
ス３１の一例を示した斜視図である。 １……イグニツシヨンスイツチ筐体、２……シ
リンダ錠、３……外筐、４……回転子、６……挿
入通路、７……摺動孔、９……符合キー、１５…
…施開錠制御部材、１８……ステアリングロツク
片、２０……係合部、２４……ロツキングレバ
ー、２６……係合突部、２７……係止部、３１…
…摺動ピース、３２……内端、３３……案内傾斜
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. イグニツシヨンスイツチのシリンダ錠回転子４
   の半径方向に摺動孔７を形成し、該摺動孔７内に
   前記回転子４の半径方向に摺動する摺動ピース３
   １を収容し、ロツキングレバー２４の一端２６を
   前記摺動ピース３１の先端に当接させ、他端２７
   をステアリングロツク片１８と係合できるように
   し、符合キー９を前記回転子４に挿抜したときに
   前記摺動ピース３１が前記符合キー９と当接して
   摺動し、前記ロツキングレバー２４を揺動させる
   ようにしてなるステアリングロツク装置におい
   て、前記摺動ピース３１の摺動方向が前記ロツキ
   ングレバー２４の揺動方向と同一となるように
   し、前記符合キー９を挿入したときに前記符合キ
   ー９の先端が当接する案内傾斜面３３と前記案内
   傾斜面３３に連続した内端３２を前記摺動ピース
   ３１に形成し、該摺動ピース３１の内端３２と符
   合キー９を挿入する回転子４の挿入通路６とを前
   記ロツキングレバー２４の揺動方向に対して同一
   角度で傾斜させ、該符合キー９の挿入と共に該符
   合キー９の先端を前記案内傾斜面３３に、側面を
   前記内端３２に接触して摺動ピース３１を前記の
   半径方向に摺動させることを特徴とするステアリ
   ングロツク装置。