JPS62290871A - タングステンカ−バイト層を有する耐摩耗性物品及びその製造方法 - Google Patents

タングステンカ−バイト層を有する耐摩耗性物品及びその製造方法

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JPS62290871A
JPS62290871A JP2937086A JP2937086A JPS62290871A JP S62290871 A JPS62290871 A JP S62290871A JP 2937086 A JP2937086 A JP 2937086A JP 2937086 A JP2937086 A JP 2937086A JP S62290871 A JPS62290871 A JP S62290871A
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tungsten
carbide layer
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JP2937086A
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Tamio Hirahara
平原 民雄
Kenichi Tamura
賢一 田村
Tadashi Takano
正 高野
Atsumi Nakao
中尾 敦巳
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/22Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of inorganic material, other than metallic material
    • C23C16/30Deposition of compounds, mixtures or solid solutions, e.g. borides, carbides, nitrides
    • C23C16/32Carbides

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  • Chemically Coating (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 3、発明の詳細な説明 (産業上の利用分野) 本発明は、タングステンカーバイト層を有する耐摩耗性
物品及びその製造方法に関するものである。
(従来技術) 従来、各種機械部品(ゲージ類・軸受など)、合成樹脂
成形機械部品(スクリュー・シリンダ・プランジャーな
ど)、セラミック成形工具(スクリュー・シリンダ・モ
ールド金型など)、AI押出し工具(各種ダイ)及び熱
間成形工具(鋳込ピン・中子・金型など)等々の金属製
機械部品には、高硬度の耐摩耗性部品が用いられて来た
上記各種の耐摩耗性部品として、従来では部品素材の表
面にT i Nの被膜層を形成したものや化学蒸着(C
VD)によりTiCの被膜層を形成したものが用いられ
て来た。
特に、TiCの被膜層は高硬度(ビッカース硬さHv3
800)で耐摩耗性に優れ鏡面状に形成し得るなどの利
点を備えているので、耐摩耗性部品に広範に適用されて
来た。
しかしながら、CVDによりTiCの被膜層を形成する
際には蒸着処理される部品を約1200〜1300℃も
の高温状態に保持する必要があるので、A1やCuなど
の部品に適用できないこと、A1やCuなどよりも耐熱
性に優れた金属部品であっても蒸着処理時に熱歪が生じ
るので精密な精度を要する部品には適用できないことな
どの欠点がある。
そこで、最近では金属部品の表面にCVDによりタング
ステンカーバイト層を析出させて、耐摩耗性部品を製造
する技術が実用化されつつある。
例えば、特開昭52−89583号公報には、鋼製基材
の表面にニッケルリンメッキ層を有し、このニッケルリ
ンメッキ層の表面にタングステンカーバイト層またはタ
ングステンとタングステンカーバイトの混合物の層を有
するダイス型及びその製造方法が記載されている。
上記ニッケルリンメッキ層は、塩化ニッケル、次亜塩酸
ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウムな
どからなるメッキ浴により周知の技術で形成される。
上記タングステンカーバイト層は、所定のモル比の、H
2、キャリアガスとしてのA r % Cb H5など
の炭化水素(炭素源)及びW F 6からなる混合ガス
を舟いて低温CVDにより形成される。
上記タングステンとタングステンカーバイトの混合物の
層は、タングステンカーバイト層の形成時に炭化水素量
を減少させる方法若しくはタングステンカーバイト層に
タングステンを混入させる方法で形成される。
上記タングステンとタングステンカーバイトの混合物の
層は、ダイス型の表面研摩の際に研摩し易くするため耐
摩耗被膜層の硬さを軟く調整する目的で形成されるもの
である。
(発明が解決しようとする問題点) 上記鋼製基材の表面にニッケルリンメンキ層(HV70
0〜1100)を形成し、その表面にタングステンカー
バイト層(Hv2000〜2500)を形成してなる耐
摩耗性部品においては、ニッケルリンメッキ層の表面に
生じる酸化ニッケル被膜がニッケルリンメッキ層とタン
グステンカーバイト層との結合力を弱めること、またニ
ッケルリンメッキ層に比較してタングステンカーバイト
層が極端に硬いことから応力作用時にタングステンカー
バイト層にクラックが生し易く両層間の結合力が弱くな
ること、などの理由によりタングステンカーバイト層が
短期間の間にニッケルリンメッキ層から剥離してしまう
という問題がある。
これに対して、鋼製基材の表面にニッケルリンメッキ層
を形成し、その表面にタングステン(HV1200)と
タングステンカーバイトの混合物の層を形成してなる耐
摩耗性部品においては、上記混合物中のタンスゲステン
の含有量を調整することによりその硬さを軟く調整し且
つ硬さの低下に対応してニッケルリンメッキ層との結合
力及びじん性を高めることが出来るが、タングステンカ
ーバイト層の優れた耐摩耗特性が著しく損なわれてしま
うという問題がある。
(問題点を解決するための手段) 本願第1発明に係るタングステンカーバイト層を有する
耐摩耗性物品は、物品の素材としての金ff<M材の表
面にニッケル系メッキ層が形成され、上記ニッケル系メ
ッキ層の表面にタングステン層が形成され、上記タング
ステン層の表面にタングステンカーy<イト層が形成さ
れたものである。
本願第2発明に係るタングステンカーバイト層を有する
耐摩耗性物品の製造方法は、物品の素材としての金属基
材の表面にニッケル系メッキ層を形成し、上記ニッケル
系メッキ層の上にタングステンカーバイト層を析出させ
てタングステンカーバイト層を有する耐摩耗性物品を製
造する方法において、上記タングステンカーバイト層を
析出させる際に、炭素源を供給せずにタングステン層を
析出させ、次に炭素源を供給して上記タングステン層の
表面にタングステンカーバイト層を析出させるものであ
る。
ここで、タングステンカーバイト層を析出させる場合、
WF6ガスと炭素源としてのCa Hbガスなどの炭化
水素と水素ガスとを用い、約300〜600℃の温度で
減圧状態下に化学蒸着処理することにより析出させるこ
とが出来る。
そして、タングステン層を析出させる場合、上記化学1
着処理ガスのうちC6H&ガスなどの炭化水素を除いた
処理ガスで化学蒸着処理することにより析出させること
が出来る。
(作用) 本願第1発明に係るタングステンカーバイト層を有する
耐摩耗性物品においては、物品の素材としての金属基材
の表面にニッケル系メッキ層(Hv700〜1100)
が形成され、上記ニッケル系メッキ層の表面にタングス
テン層(約)(v1200)が形成され、上記タングス
テン層の表面にタングステンカーバイト層(Hv200
0〜2500)が形成されているので、タングステン層
はタングステンカーバイト層に比較して格段に軟く、ニ
ッケル系メッキ層に近い硬さを有しているためニッケル
系メッキ層に対して強力に結合する。また、タングステ
ンカーバイト層はタンゲス、テン層に比較すると格段に
硬いものであるが、材質的にタングステンに近いものな
ので、タングステン層に強力に結合する。従って、タン
グステンカーバイト層はタングステン層とニッケル系メ
ッキ層を介して金属基材に強力に結合し、またタングス
テンカーバイト層に応力が作用しても比較的軟かいタン
グステン層が緩衝材として機能するのでタングステンカ
ーバイト層にクランクが生じにくくなり、剥離しにくい
ものとなる。
本願第2発明に係るタングステンカーバイト層を有する
耐摩耗性物品の製造方法においては、タングステンカー
バイト層を析出させる際に、先ず炭素源を供給しないで
処理するとタングステンカーバイトの為の炭素源がない
のでタングステンカーバイトが形成されずタングステン
層が析出する。
上記タングステン層の析出後に炭素源を供給して処理す
ると、炭素源からの炭素の供給によってタングステンカ
ーバイトが形成されタングステン層の表面にタングステ
ンカーバイト層が析出することになる。
(発明の効果) 本願第1発明に係るタングステンカーバイト層を有する
耐摩耗性物品によれば、以上説明したように物品の素材
としての金属基材の表面に内側から外側にかけて硬さが
段階的に高くなるようにニッケル系メッキ層、タングス
テン層及びタングステンカーバイト層が形成され、タン
グステンカーバイト層とニッケル系メッキ層との間には
タングステン層が介在しているので、既述の如くタング
ステン層が緩衝材的に機能しタングステンカーバイト層
の金属基材に対する密着性が強化され、タングステンカ
ーバイト層の剥離を防ぐことが出来、表層にタングステ
ンカーバイト層を有する耐久性に優れた耐摩耗性物品が
得られる。
本願第2発明に係るタングステンカーバイト層を有する
耐摩耗性物品の製造方法によれば、前記説明したように
タングステンカーバイト層を析出させる際に、炭素源を
供給せずにタングステン層を析出させ、次に炭素源を供
給してタングステンカーバイト層を析出させるので、炭
素源の供給を所定時間停止するという掘めて簡単な操作
でニッケル系メッキ層とタングステンカーバイト層との
間にタングステン層を形成することが出来る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。
本実施例は、タングステンカーバイトJ’lを有する耐
摩耗性物品とその製造方法に係るものであるが、先ず最
初に上記耐摩耗性物品の製造方法について説明し、次に
上記耐摩耗性物品について説明する。
第1図は、上記耐摩耗性物品の製造方法に供する低温C
VD装置を示すものである。尚、CVDとは化学的蒸気
析出法(以下、化学7着という)のことである。
上記低温CVD装置は、気相化学反応炉としてのレトル
ト1と、レトルト1へ混合ガスを供給するガス供給系2
と、レトル)l内の混合ガスを排出するガス排出系3と
、レトルト1内の空気を吸引して約10〜200To 
r rに減圧する吸引系4とを備えている。
上記レトルト1は、有底円筒状の断熱容器5内に外周部
に空隙をあけて有底円筒状の金属製のレトルト本体6を
配設し、レトルト本体6のカバープレート7にワークホ
ルダ8やガス供給管9やガス排出管10や吸引管11や
圧力計28を装着し、レトルト本体6内のガスや被処理
物である機械部品Pを加熱する誘導コイル12を断熱容
器5の内周側に装着したものである。
上記ガス供給管9はカバープレート7に挿通固着されて
レトルト本体6の底部まで延び、その底部からレトルト
本体6内の内周側に沿って螺旋状に立ち上り、メクラ板
13で閉じられたガス供給管9の終端部がカバープレー
ト7に固着されている。
そして、ガス供給管9で供給される混合ガスはガス供給
管9の螺旋部分の内周部の小孔からレトルト本体6内へ
供給される。
上記部品Pの交換の際には、ボルト14を外しカバープ
レート7と一体的にワークホルダ8を外部へ取出して処
理済みの部品Pと未処理の部品Pとを交換する。
上記吸引系4は、カバープレート7から延びた吸引管1
1に真空ポンプ15を接続したもので、レトルト本体6
内を10〜200Torrの範囲の所定の圧力に減圧で
きるようになっている。
上記ガス供給系2は、上記ガス供給管9と、このガス供
給管9に接続された水素ガス供給源15及びベンゼン供
給源16及び六弗化タングステン供給源17 (以下、
W F b供給源という)及びアルゴン供給源18を備
えている。
上記WFb供給源17から供給される液体WF6はポン
プ19でガス供給管9の加熱器20へ圧送され、この加
熱器20内でアルゴン供給源18から供給されるキャリ
アとしてのArガスと混合してWF6とArとの混合ガ
スとなりガス供給管9へ供給される。
上記アルゴン供給源18から同じくキャリアとしてのA
rガスがベンゼン供給源16へ供給され、ChHbとA
rとの混合ガスがガス供給管9へ供給される。
上記水素ガス供給rA15からH2ガスがガス供給管9
へ供給される。
上記ガス供給源9へ供給されたWF、ガスとArガスと
C,H6ガス(但し、タングステン層を形成するときは
C,H,ガスは供給されない)とH2ガスとはガス混合
器21内で攪拌混合され、レトルト本体6内へ供給され
る。
前記ガス排出系3は、カバープレート7から延びるガス
排出管10に水運ポンプ22とガス精製器23とを介設
したものである。
上記低温CVD装置を用いて、表面にニッケルリンメッ
キ層が形成された機械部品Pを低温CVD処理して機械
部品Pの表面のニッケルリンメッキ層の表面にタングス
テン層及びタングステンカーバイト層を順々に析出方法
について説明する。
上記機械部品Pの金属基材としては各種の鋼、ステンレ
ス、鋳鉄、アルミ、アルミ合金、銅または銅合金等々各
種の金属材料を適用することが出来る。
先ず、機械部品Pの表面粗さがCVD処理後の表面粗さ
に大きく影響を及ぼすので、機械部品Pの表面を所望の
表面粗さとなるように研摩加工しておく。
次に、上記機械部品Pの表面に約2〜15μmの無電解
ニッケルリンメッキ層を形成する。このメッキ層を形成
する技術は広く実用化されている周知のニッケルリンメ
ッキ処理技術によって行なえばよく、ここではその詳細
については説明を省略する。但し、ニッケルリンメッキ
層に代えてニッケル単体のメッキ層或いはN1−Bメッ
キ層を形成してもよい。
次に、上記メッキされた複数の機械部品Pをレトルト本
体6内に収容し、吸引系4の真空ポンプ15を作動させ
てレトルト本体6内を約100 Torrに減圧して気
相反応の妨げとなる空気を極力除去するとともに、誘導
コイル12に通電して機械部品Pを約300〜600°
Cに加熱する。
次に、ガス供給系2のバルブ16a・18bを開かずに
バルブ9a・15a・17a・13aのみを開くととも
にポンプI9を作動させることにより、ガス供給管9を
介してレトルト本体6内へ所定モル比のWF6ガスとA
rガスとH2ガスとの混合ガスを少量ずつ供給しながら
、ガス排出系3の水運ポンプ22を作動させてレトルト
本体6内の混合ガスを少量ずつ排出する。
上記炭素源としてのC,H,ガスを含まない上記混合ガ
スの供給を約10分間程度mVtすると、機械部品Pの
ニッケルリンメッキ層の表面に約1μm程度のタングス
テン単体の層が気相反応によって析出する。
上記CVD処理時間の長短に応じてタングステン層の膜
厚を大小調節することが出来る。
上記タングステン層を形成するときの気相反応は、 WF6+3H2−W+6HF の反応式である。
次に、バルブ16a・18bをも開いてガス供給管9を
介してレトルト本体6内にWF6ガス、ノ〜rガス、C
bH−ガス及びH2ガスの混合ガスを少量ずつ供給しな
がら、前記と同様にガス排出系3の水運ポンプ22を作
動させてレトルト本体6内の混合ガスを少量ずつ排出す
る。
上記炭素源としてのCAH&ガスを含む混合ガスの供給
を約1.5〜2時間程度継続すると、機械部品Pの表面
のタングステン層の表面に約10〜20μmのタングス
テンカーバイト層が気相反応によって析出する。
上記CVD処理時間の長短に応じてタングステンカーバ
イト層の膜厚を大小調節することが出来る。
上記タングステンカーバイト層を形成するときの気相反
応は、 6 WF、+Cd(b+15Hz      6 WC
+3611F12WFb+CJb+33Hz     
 6WzC+72HF18WFa + C6116+ 
5H1z      6WzC+ 108HFの3通り
の反応式であり、タングステンカーバイト層にはWCと
W2CとW、Cとが含まれている。
上記の低温CVD処理によって機械部品Pの表面のニッ
ケルリンメッキ層の表面にはタングステン層とタングス
テンカーバイト層が順々に形成され、処理完了後にはカ
バープレート7を介してワークホルダ8を外部へ取出し
て機械部品Pを取外す。
次に、上記機械部品Pの必要個所にダイヤモンド研摩工
具でラッピングを施して滑らかに研摩する。
尚、上記炭素源としてはC6H6以外にCH。
やC2H,など各種の炭化水素を用いることが出来る。
上記CVD処理後の機械部品Pは金属基材の表面にニッ
ケルリンメッキ層、タングステン層及びタングステンカ
ーバイト層を有するもので、タングステンカーバイト層
を有する耐摩耗性物品である。
上記のようにタングステン層を析出させることなく、ニ
ッケルリンメッキ層の表面に直接タングステンカーバイ
ト層を析出させる場合には、混合ガス供給後タングステ
ンカーバイト層の析出が開始するまでに数10分間要し
ていたが、上記のようにタングステン層を析出させる場
合には混合ガスの供給開始後直ちにタングステン層が析
出し始めるので全体の処理時間が却って短縮する。
以下、上記製造方法によって製造されるタングステンカ
ーバイト層を有する耐摩耗性機械部品について説明する
第2図は、タングステンカーバイト層を有する耐摩耗性
機械部品Pの要部拡大断面図であり、この機械部品Pの
金属基材24は前述の各種の金属の何れかまたはその他
の金属で構成される。
上記機械部品Pの金属基材24の表面には約2〜15μ
mの厚さのニッケルリンメッキ層25が形成されており
、このニッケルリンメッキ層25の表面には前述の低温
CVD処理により約0.05〜1μmの厚さのタングス
テン単体の層26が形成されており、上記タングステン
層26の表面には同じく前述の低温CVD処理により約
10〜20μmの厚さのWCとW2CとV/、Cとから
なるタングステンカーバイト層27が形成されている。
但し、タングステン層の厚さは数10〜数1000オン
グストロ一ム程度の厚さでもよいし、1μm以上の厚さ
でもよい。
上記ニッケルリンメッキ層25は金属基材24とタング
ステン層26及びタングステンカーバイト層27との密
着力を強化する為のものであり、上記ニッケルリンメッ
キ層25はメッキ後の状態ではビッカース硬さHV10
0〜300程度の比較的軟かいものであるが、タングス
テン層26及びタングステンカーバイト層27の被覆時
に硬化処理されHv700〜1100程度に硬化する。
尚、上記ニッケルリンメッキ層の代りにニッケル単体の
メッキ層或いはN1−Bメッキ層を設けてもよい。
上記タングステン層26はニッケルリンメッキ層25と
の結合力も強く、また同種の材質故にタングステンカー
バイト層27との結合力も強く、またこのタングステン
層26はニッケルリンメッキ層25  (Hv700〜
1100)とタングステンカーバイト層27  (Hv
2000〜2500)との中間の硬さく約Hv1200
)を有しているので、上記ニッケルリンメッキ層25と
タングステン層26とによって金属基材24とタングス
テンカーバイト27間の極端な硬度差が緩衝され、タン
グステンカーバイト層27の外部応力に対する剥離抵抗
が著しく増強される。
上記タングステンカーバイト層27は極めて硬<  (
Hv2000〜2500)it摩耗性に優れているので
、上記機械部品Pは著しく耐摩耗性に優れたものとなる
このタングステンカーバイト層27を存する耐摩耗性部
品Pは前記従来技術の項の冒頭に記載した各種の機械部
品に適用される。そして、前述のように約300〜60
0℃という比較的低温のCVD処理によってタングステ
ン層26とタングステンカーバイト層27とを形成する
ことが出来るので、AIやCuなどの低融点金属基材を
使用できるうえ、熱歪の影響を嫌う精密機械部品にも適
用することが出来る。
次に、上記ニッケルリンメッキ層とタングステン層とタ
ングステンカーバイト層とを有する耐摩耗性部品と従来
技術に係るニッケルリンメッキ層とタングステンカーバ
イト層とを有する耐摩耗性部品に対して行なった比較試
験結果について説明する。
5KDII製の金属基材(811φX100mm)の表
面に、厚さ3μmのニッケルリンメッキ層と厚さ約50
0オングストロームのタングステン層と厚さ7μmのタ
ングステンカーバイト層とを内層から順に形成した第1
テストピースと、同上金属基材の表面に厚さ3μmのニ
ッケルリンメッキ層と厚さ7μmのタングステンカーバ
イト層とを内層から順に形成した第2テストピースとを
製作し、3点曲げ試験により密着性能について試験した
第3図(a)は第1テストピースの表面の拡大写真であ
り第3図(b)は第2テストピースの表面の拡大写真で
ある。
第2テストピースではタングステンカーバイト層の表面
に無数のクラックが発生しているのに対し、第1テスト
ピースでは全熱クラックが発生していない。
また、A I −Mg合金の金属基材について上記同様
に試験したところ同一の結果が得られた。
従って、ニッケルリンメッキ層とタングステンカーバイ
ト層との間にタングステン層を介在させることにより、
タングステンカーバイト層の密着性を著しく向上させる
ことが出来ることが判る。
【図面の簡単な説明】
図面のうち第1図〜第3図(a)は本発明の実施例に係
るもので、第1図はタングステンカーバイト層を有する
耐摩耗性機械部品の製造に供する低温CVD装置の概略
全体構成図、第2図は同上機械部品の要部拡大断面図、
第3図(alはニッケルリンメッキ層とタングステン層
とタングステンカーバイト層とを有する第1テストピー
スの表面の拡大写真、第3図(b)は従来技術に係るニ
ッケルリンメッキ層とタングステンカーバイト層とを有
する第2テストピースの表面の拡大写真である。 24・・金属基材、  25・・ニッケルリンメノキ層
、 26・・タングステン層、 27・・タングステン
カーバイト層。 特 許 出 願 人   マツダ株式会社第2図 り/ゲステアカーバイト層 第3図(Q) 第3図(b) 手続補正書 (旅)7.1 昭和62年7月 3日 1、羽生の耘 例61年特許順第29370号 2、発明の名称 タングステンカーバイト層を有する耐摩耗性物品及びそ
の製造方法 3、補正をする者 羽生との放 特許出願人 住  所   広島県安芸郡府中町新地3番1号名 称
  (313)  マツダ株式会社イリ者 山本健− 4、代理人 住  所 〒530  大阪市北区西天満4丁目5番5
号東急、マーキス梅田5、補正命令の日付   昭和6
2年 6月30日 発送両正の内容 (1)添付の訂正
願書のように、願書に[特許請求の範囲に記載された発
明の数」の項を追加します。 (2)明細書22頁15行目の「第1テストピースの表
面」を「第1テストピースの金属組織の表面」と訂正し
、また明細書22頁18行目の[第2テストピースの表
面」を「第2テストピースの金属組織の表面」と訂正し
ます。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)物品の素材としての金属基材の表面にニッケル系
    メッキ層が形成され、上記ニッケル系メッキ層の表面に
    タングステン層が形成され、上記タングステン層の表面
    にタングステンカーバイト層が形成されたことを特徴と
    するタングステンカーバイト層を有する耐摩耗性物品。
  2. (2)物品の素材としての金属基材の表面にニッケル系
    メッキ層を形成し、上記ニッケル系メッキ層の上にタン
    グステンカーバイト層を析出させてタングステンカーバ
    イト層を有する耐摩耗性物品を製造する方法において、 上記タングステンカーバイト層を析出させる際に、炭素
    源を供給せずにタングステン層を析出させ、次に炭素源
    を供給して上記タングステン層の表面にタングステンカ
    ーバイト層を析出させることを特徴とするタングステン
    カーバイト層を有する耐摩耗性物品の製造方法。
JP2937086A 1986-02-13 1986-02-13 タングステンカ−バイト層を有する耐摩耗性物品及びその製造方法 Pending JPS62290871A (ja)

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