JP2002321026A - 工 具 - Google Patents

工 具

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JP2002321026A
JP2002321026A JP2001124164A JP2001124164A JP2002321026A JP 2002321026 A JP2002321026 A JP 2002321026A JP 2001124164 A JP2001124164 A JP 2001124164A JP 2001124164 A JP2001124164 A JP 2001124164A JP 2002321026 A JP2002321026 A JP 2002321026A
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Japan
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mold
film
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stamper
tool
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Application number
JP2001124164A
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English (en)
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Masatoshi Nakayama
正俊 中山
Izumi Miyauchi
泉 宮内
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 金型等にあっては打痕等の発生を防止すると
ともに、また、擦り傷の発生を防止し、さらには、ゴミ
やホコリなどの異物混入や付着により傷が入るなどの不
良化によるトラブルの発生を防止し、耐用寿命を増した
加工用工具を提供する。 【解決手段】 圧縮加工および/または打撃加工、また
は載置物の滑動に使用される工具であって、被加工物お
よび/または被加工物の加工用部材、または載置物との
接触面を、材料の硬度を上げる硬化処理をした母材で形
成し、この母材上にダイヤモンド状炭素膜を被覆した工
具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属などの材料の
一部または全部を圧縮または打撃することにより成形、
曲げ加工などの形状変形を行い、あるいは、鍛錬効果を
与えて材料の機械的性質を改善する、各種工具および金
型等の加工用工具や、載置した物品を滑動させるジグな
どの工具に関する。なかでも、コイニング(圧印加
工)、打抜き加工(パンチ)および電子部品のリードフ
レームの成形、曲げ加工など形状変形加工に適した工具
や金型、あるいは、半導体素子をトランスファ成形によ
り樹脂封止するための金型やスタンパとともに用いられ
る成形金型等の加工用やジグなどの工具に関する。さら
に、2つ以上の対をなす部材からなる工具(金型)を用
い、それらの工具の部材間に被加工材をおき、工具に互
いに接近する関係連動を行わせ、成形加工を行うような
プレス加工に使用される工具や、金型に用いられる。特
に、セラミクス、粉体、各種材料などの積層や加圧工程
に使用されるパンチ金型に関する。また、工作物の検査
に使用される、二つの物品が接触滑動する部分の計測器
用ジグにも応用できる。特に、コンデンサを滑動させな
がら電気的特性などの品質検査する際に使用される検査
ジグや、これらの各種部品を滑動搬送する工程に使用さ
れるジグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】鍛造は鍛造加工時の温度により、熱間鍛
造、温間鍛造、および冷間鍛造に分けられているが、特
に成形の精密度が要求される場合には冷間鍛造を行って
いる。しかし成形回数が多くなるに従い、工具や金型と
いった基材が劣化してくる。これを防止するために、被
加工物が接触する面に保護膜のコーティングが施されて
いる。
【0003】一方、半導体チップを装着したリードフレ
ームの成形、曲げ加工などの形状変形に使用する金型に
おいては、リードフレームの半田めっきやパンチ粉が金
型のリードフレームの被加工部分と接する金型面に付着
する問題がある。それにより金型の表面が荒れ、製品の
不良率が高くなり、歩留まりが低下する。加工精度や歩
留まりを落とさないためには金型を再生(再研磨や再加
工)のために交換する必要があり、一金型当たりのショ
ット数が低下する。これを繰り返すと金型自体にダメー
ジを与え、金型の再生のサイクルが短くなる。
【0004】このような問題に対処するために、リード
フレームと接触する金型または工具表面に保護膜に被覆
することが特開平2-134856号や特開平8-204093号等によ
り提案されている。
【0005】特開平2-134856号には、半導体チップを装
着したリードフレームの成形、曲げ加工、形状変形に使
用する金型の、リードフレームと接触する表面に、アモ
ルファスクロムめっきを施すことにより半田付着を防止
することが記載されている。同公報には他の使用可能な
保護膜としてニッケル−リン皮膜とフッ素樹脂の複合
膜、電着クロム中にテフロン(登録商標)樹脂を埋め込
んだ皮膜、プラズマCVDやスパッタリング等の成膜法
で形成されるアルミナ、炭化珪素または窒化珪素の皮膜
が挙げられている。
【0006】また、特開平8-204093号には、半導体チッ
プを装着したリードフレームの加工金型のリードフレー
ムと接触する、所定のWC等を主成分とし、Fe、C
o、Niの1種以上の結合相を有する超硬合金表面に、
半田の付着抑制のために硬質炭素膜(ダイヤモンド膜、
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜、アモルファ
カーボン膜(a-C、a-C:H、i-C)等)による保護層を設
けることが記載されている。
【0007】しかし、特開平2-134856号に記載されたよ
うなアモルファスクロムめっきでは、面粗度が大きく、
めっき後に再度表面を研磨する必要性がある。また、め
っき膜の密着性も十分ではない。
【0008】また、特開平8-204093号に記載されたよう
な硬質炭素膜では、耐摩耗性の向上効果やリードフレー
ム材料や半田との化学的反応性の抑制効果が得られ、金
型表面への付着物や凝着物等の除去作業を軽減すること
が可能になるが、半田やパンチ粉、あるいはリードフレ
ーム材料により、さらには、これらを含めた、金型使用
時のゴミやホコリなどの異物混入や付着により、金型表
面に擦り傷が発生するのを防止することはできない。こ
のような擦り傷が、直接加工精度を低下させ被成形物へ
ダメージを与えることもある。また、擦り傷の部分から
DLC膜の剥離が進行する場合も予想できる。剥離が進
行した場合、金型母材表面が露出した部分に、半田が付
着しやすくなり、加工精度が低下することにより、製品
不良率が増加する。加えて、通常、DLC薄膜までのダ
メージならば、金型の再利用ができるが、金型にダメー
ジが与えられることにより、再利用が困難になる。特に
精密な加工が必要な金型は、金型作成に労力、コストが
必要であり、再利用の価値は大きい。
【0009】ところで、半導体装置では、上述のような
リードフレームの加工に先立ち、半導体チップ(半導体
素子)をリードフレームに固定し、樹脂封止することが
行われている。これには、例えば半導体製造用トランス
ファ成形モールド金型が用いられる。この金型は、上型
と下型とに分割され、上型には、キャビティインサー
ト、カルインサート、位置決めブロック等の各金型部品
が組み込まれ、下型には、キャビティインサート、ポッ
トインサート、ポット、プランジャ、ゲートインサー
ト、位置決めブロック等の各金型部品が組み込まれてい
る。
【0010】このような金型部品において、位置決めブ
ロックは上型と下型との締め付け時の接触により、ポッ
トとプランジャは金型内での摺動時や樹脂粒子との接触
により、キャビティインサート、カルインサート、ポッ
トインサートおよびゲートインサートは樹脂注入時に流
動する樹脂との接触により、金型部品の表面が摩耗しあ
るいは表面に打痕等が付いてしまうのが避けられない。
【0011】従来、金型部品に硬質クロムめっきなどを
施すことが行われているが、このような方法では、表面
の摩耗あるいは打痕等の問題に十分に対処することがで
きない。
【0012】このため、特開平11-58404号には、上述の
各金型部品の表面に、各々、CaCN2の熱分解を利用
した窒化処理、タングステンカーバイドの溶射処理、お
よびDLC膜処理のうちのいずれか2種以上の処理を行
い、金型部品の表面硬度を高めて表面の摩耗や打痕等を
防止することが記載されている。
【0013】しかし、上記公報には、金型部品表面の摩
耗や打痕についての着眼がなされ、目的とする硬度に応
じて、処理を組み合わせることについての言及はなされ
ているが、摩耗、打痕の別、あるいは金型部品の種類の
応じた具体的な処理の組み合わせについては全く示され
ていない。また、金型使用時に、残存する樹脂粒子など
も含め、ゴミやホコリなどの異物混入や付着などによ
り、金型部品表面に傷が入るなどし、成形品に不良が生
じるのを防止することへの対応策については全く言及さ
れていない。
【0014】さらに、成形金型としては、スタンパ(成
形金型)を組み合わせ使用するものがあり、光ディスク
基板やレンズの製造に用いられている。このものでは、
プラスチック(樹脂)を、スタンパ(成形母型)を支持
した金型のキャビティ内に装入し、加圧することによ
り、成形と同時にスタンパの表面形状を成形品に転写す
ることが行われている。
【0015】この場合、金型のキャビティを構成する表
面のスタンパ支持面は、スタンパが熱による伸縮により
滑動するため、高精度な研磨面とされ、スタンパは、熱
と圧力で表面に沿って移動することになる。このため、
このような金型を用いて繰り返して成形を行うと、スタ
ンパは摩擦によりショット毎に損傷を受け、亀裂を生
じ、成形品の表面に亀裂の痕を生じることになる。
【0016】このため、キャビティ表面をTiN等の耐
摩耗性膜で被覆することが行われているが、十分な耐摩
耗性と低摩擦性は得られない。
【0017】また、特許第2794289号には、金型
のキャビティを構成する表面のスタンパを支持する部分
に、ダイヤモンド状薄膜を被覆し、成形金型の耐摩耗
性、耐食性、および/または摩擦抵抗の低下を図ること
により、これに支持されるスタンパーの耐用寿命を大幅
に向上させ、金型の長寿命化を図ることが記載されてい
る。
【0018】しかし、このような方法によっても、長寿
命化という点では不十分であり、金型使用時に、残存す
る樹脂粒子なども含めて、ゴミやホコリなどの異物混入
や付着により、金型表面に傷が入るなどの不良が生じ、
これにより成形品に不良が生じるという問題があった。
【0019】そして、上記例に限らず、金型等の加工用
工具にあっては、一般的に、上述のような異物混入や付
着による傷の発生が問題になり、この点の改善が望まれ
ている。
【0020】また、コンデンサ等の電子部品の品質検査
などにおいて、物品を載置し、かつ物品の計測器までの
搬送などに使用されるジグの物品との滑動接触面におい
ても同様の問題が生じ、この点の改善が望まれている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金型
等にあっては打痕等の発生を防止するとともに、また、
擦り傷の発生を防止し、さらには、ゴミやホコリなどの
異物混入や付着により傷が入るなどの不良化によるトラ
ブルの発生を防止し、耐用寿命を増した加工用工具やジ
グなどの工具を提供することである。詳しくは、本来の
ダイヤモンド状炭素膜の性質、すなわち耐摩耗性の向
上、低摩擦化、相手材との不反応性、表面硬度の上昇な
どといった良好な性質を十分引き出し、さらに傷防止機
能を付与することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、加工用工
具やジグなどの工具の保護膜としてダイヤモンド状炭素
膜について検討し、ダイヤモンド状炭素膜により耐摩耗
性はほぼ十分であるが、耐傷性が不十分であるという知
見を得、これに基づき、本発明をなすに至った。すなわ
ち、本発明は下記のとおりである。
【0023】(1) 圧縮加工および/または打撃加
工、または載置物の滑動に使用される工具であって、被
加工物および/または被加工物の加工用部材、または載
置物との接触面を、材料の硬度を上げる硬化処理をした
母材で形成し、この母材上にダイヤモンド状炭素膜を被
覆した工具。 (2) 前記加工が、打抜き加工、電子部品用リードフ
レームの成形もしくは曲げ加工、半導体素子の樹脂封止
成形加工、または被加工物の加工用部材としてスタンパ
を用いた成形加工である上記(1)の工具。 (3) ダイヤモンド状炭素膜のビッカース硬度が25
00以上である上記(1)または(2)の工具。 (4) 前記硬化処理をした母材上に、中間層を介して
ダイヤモンド状炭素膜を被覆し、前記中間層が、第5A
族金属(V、Nb、Ta)、第6A族金属(Cr、M
o、W)、Ti、およびZrより選択された少なくとも
1種を主成分とする有珪化物または珪炭化物の膜、第5
A族金属(V、Nb、Ta)から選択された少なくとも
1種を主成分とする金属膜とその上に形成されたSi膜
またはSiを主成分とする金属膜、ならびに第5A族金
属(V、Nb、Ta)、第6A族金属(Cr、Mo、
W)、Ti、およびZrより選択された少なくとも1種
の金属膜とその上に形成された炭化珪素系膜のうちのい
ずれかである上記(1)〜(3)のいずれかの工具。
【0024】なお、特開平11-58404号には、半導体装置
製造用金型の金型部品を形成する工具鋼やステンレス綱
に対し、各金型部品に要求される硬度に応じて、CaC
2の熱分解を利用した窒化処理、タングステンカーバ
イドの溶射処理、およびDLC膜処理のうちのいずれか
2種、あるいは3種全ての処理を組み合わせて施すこと
が開示されているが、使用目的等に応じ、施す順序など
を含め、具体的な組み合わせについては全く示されてい
ない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の工具は、主に、二つ以上の対をなす部材からな
る加工用工具や、載置された物品を接触滑動・滑動運搬
する部分をもつ計測器用ジグなどであり、上述のような
加工用工具においては、これらの工具部材間に被加工材
をおき、工具部材に互いに接近する関係運動を行うよう
な圧縮加工および/または打撃加工に使用されるもので
あり、少なくとも、被加工物および/または被加工物の
加工用部材(例えばスタンパ)との接触面や、接触滑動
する物品との接触面を、材料の硬度を上げる硬化処理し
た母材で形成し、この母材上にダイヤモンド状炭素膜を
被覆したものとしている。
【0026】このように、硬化処理とダイヤモンド状炭
素膜被覆処理とを組み合わせることによって、ダイヤモ
ンド状炭素膜が本来有する耐摩耗性、低摩擦化、相手材
との不反応性(パッシベーション効果)、表面硬度の向
上などの良好な性質に加えて、硬化処理をすることによ
る耐傷性の向上効果が得られる。すなわち、金型等の加
工用工具においては、ショット毎に生じる摩擦による擦
り傷の発生を防止することができる。また、被加工物の
残存物なども含め、ゴミやホコリなどの異物混入や付着
により、傷が入るなどの加工用工具の不良化のトラブル
を防止することができる。一方、物品を載置し、載置し
た物品を滑動搬送させるようなジグでは、物品との接触
面において、摩擦による擦り傷の発生や、物品の削れな
ども含め、ゴミやホコリなどの異物混入や付着により、
傷が入るなどのトラブルを防止することができる。この
結果、加工用工具やジグなどの工具の長寿命化が図ら
れ、耐用寿命が増す。このような効果を向上させる上で
は、被加工物および/または被加工物の加工用部材との
接触面や、接触滑動する物品との接触面のみならず、こ
れら工具において、傷や摩耗、等が生じやすい箇所に、
硬化処理とダイヤモンド状炭素膜被覆処理とを組み合わ
せて施す方が好ましい。
【0027】このような効果は、硬化処理、ダイヤモン
ド状炭素膜被覆処理のいずれか一方のみでは得られず、
いずれか一方のみでは不十分である。
【0028】本発明に適用できる母材は、金属系の材料
であり、鉄鋼材料、各種の炭素綱や特殊鋼、例えばステ
ンレス綱(JISに規定されているSUS303、SUS304、SU
S420J、SUS440C等)、プリハードン鋼、ダイス鋼(SKDl
l等)、ハイス鋼(SKH51、SKH52、SKH54、SKH55な
ど)、高炭素軸鋼(SUJ2等)、HPM38、サーメット、超
硬合金(Gl、G2、G3、G4、G5等)である。超硬合金とし
ては、特開平8-204093号に開示のWC−Co系、WC−
Fe系、WC−Ni系などもある。
【0029】これらの母材に対する硬化処理は、材料の
硬度を上げるような処理であれば、特に制限なく用いる
ことができる。このような硬化処理は、焼き入れ(例え
ば、高周波焼き入れ、炎焼き入れ、浸炭焼き入れなど)
や表面硬化処理(例えば、窒化、浸炭、浸硫、ホウ化、
金属ないし半金属(例えば、Cr、Si、Al、Zn、
Mo、W、V、Ti、Ta等)を拡散させる拡散浸透な
ど)などである。焼き入れは、通常、加工前に行われ、
表面硬化処理は加工前後のいずれであってもよい。
【0030】こうした硬化処理により、材料の硬度を処
理前に比べて、例えばビッカース硬度で1.1〜5倍程
度上げることができる。
【0031】硬化処理のなかでも、表面硬化処理による
ことが好ましい。
【0032】窒化処理は、金属材料の表面から活性化窒
素を拡散浸透させ硬質で安定な窒素化合物を生成させる
方法であり、アンモニアの分解ガスによるガス窒化法、
Na、Caとシアン化塩、シアン酸塩を用いる塩浴窒化
法、アンモニアガス、一酸化炭素含む浸炭性ガス使用軟
窒化法、低真空内で窒素ガス単体、または窒素ガス+水
素ガス、および炭化水素系ガスのグロー放電でNとN+
Cを同時に拡散させるプラズマ窒化法などがある。
【0033】浸炭処理は、炭素濃度の低い鋼の表面近傍
に炭素を熱拡散浸透させ、炭素濃度を高める処理であ
る。鋼の硬さは、炭素濃度に依存するので、表面より炭
素を熱拡散浸透させ、炭素濃度の高い表面層を作製し、
その後焼き入れを行う。そうすると、相変態を起こし、
マルテンサイトという硬い組織が表面に生成される。そ
の後、低温焼き戻しされた組織は硬く、機械的強度とし
て耐摩耗性、疲労強度が向上する。例えば固体浸炭法、
液体浸炭法、ガス浸炭法、真空浸炭法、プラズマ浸炭
法、高濃度浸炭法などがある。
【0034】浸硫処理は、耐摩耗性、耐焼き付け性を向
上させるために用いられ、過酷な条件で可動する歯車、
摺動部位の摩擦、摩耗軽減のための潤滑に、塩素系、り
ん系、硫化系化合物からなる極圧添加材を添加した潤滑
剤が用いられる。硫黄化合物は、凝着、焼き付きを防止
する。極圧添加材には潤滑油添加剤の一種であり、高加
重下の境界潤滑状態における油膜強度を増し、油膜の破
断による摩擦面間の焼き付き防止を目的とする。摩擦面
と化学的に反応し、摩擦面上に耐圧性被膜を形成するこ
とにより、効果を発揮する。
【0035】ほう化処理は、金属表面にホウ素(B)を
拡散させ、ほう化物層を形成する処理技術である。適用
される被処理剤は、鉄鋼、Ni、Co、Ti、V、T
a、Cr、Wなどの純金属、これらの合金である。Bと
の結合により、FeB、Fe2B、Co2B、TiB2
どのほう化層が形成される。浸ボロン処理、ボライディ
ング、ボロナイジング、浸ほう処理、ボロン化法とも称
される。具体的には、ガス法、粉末法、塩浴法、電解法
などがある。一般に、ほう化処理は、ほう化物がもろい
化合物のため鋼の靭性が低下しやすいが、厚みは、他の
浸炭、窒化より厚くできる。焼き入れ鋼より高硬度であ
る。
【0036】拡散浸透処理として、クロマイジング、シ
リコナイジングについて述べる。クロマイジングは、ク
ロム元素を化学的・物理的方法で金属材料に高温で拡散
浸透させ、表面を高クロム層にする処理である。素地金
属炭素量の多いクロマイズ層は、α固融体と、Cr23
6、Cr76などCr炭化物の存在により、高硬度で得
られる。硬度は層中のCr炭化物の量に依存する。一般
に素地金属中の炭素量の上昇で得られる。シリコナイジ
ングは、鉄鋼表面に珪素を拡散浸透させる処理である。
炭化珪素を塩素雰囲気中で700℃以上に加熱し数時間
維持する。塩化珪素が発生し、鋼表面で分解し、原子状
Siが内部に浸透する。形成されるFe−Si層は、き
わめて硬い。
【0037】このような表面硬化処理方法のなかでも、
窒化やほう化等が一般的に用いられる。
【0038】表面硬化処理によって得られる表面層の厚
みは、通常母材表面から0.01μm 〜10mmの範囲に
ある。これは、母材断面を走査型電子顕微鏡で観察する
ことにより確認できる。
【0039】本発明において、被覆膜となるダイヤモン
ド状炭素膜、つまりDLC(Diamond Like Carbon )膜
は、炭化水素を励起し、分解して得た高硬度炭素膜であ
り、ダイヤモンド様炭素、i−カーボン膜等と称される
こともある。DLC膜は、高硬度の他に、耐摩耗性があ
ること、平坦な表面が得られること、化学的に不活性で
あること等の優れた性質を有している。
【0040】DLC膜については、例えば、特開昭62
−145646号、同62−145647号、New Diam
ond Forum 、第4巻第4号(昭和63年10月25日発
行)等に記載されている。
【0041】また、上記文献(New Diamond Forum )に
記載されているように、ラマン分光分析において、15
50cm-1にブロードな(1520〜1560cm-1)ラマ
ン吸収のピークを有し、1333cm-1に鋭いピークを有
するダイヤモンドや、1581cm-1に鋭いピークを有す
るグラファイトとは、明らかに異なった構造を有する物
質である。
【0042】上記DLC膜は、上記したようにアモルフ
ァス状態の炭素と水素を主成分とする膜であって、炭素
同士のsp3結合がランダムに存在することによって形
成されている。DLCのC:H原子比は、通常、95〜
60:5〜40程度である。DLC膜の膜厚は、耐摩耗
性を得る上で、0.01〜10μm 、さらには0.3〜
5μm であることが好ましい。
【0043】また、DLC膜は、炭素および水素に加え
てSi,N,O,Fの1種または2種以上を含有してい
てもよい。この場合、ダイヤモンド状炭素膜は、基本組
成をCHxSiyzvwと表したとき、モル比を表す
x,y,z,v,wがそれぞれ、 0.05≦x≦0.7、 0≦y≦3.0、 0≦z≦1.0、 0≦v≦1.0、 0≦w≦0.2 であることが好ましい。
【0044】DLC膜は、その組成比を変えることで、
例えば親油性の程度を変えることができ、使用目的等に
合わせて、その組成を適宜選択することができる。
【0045】DLC膜のラマン分光分析における吸収ピ
ークは、上記のように1550cm-1にブロード(152
0〜1560cm-1)な吸収を有するが、上記元素を含有
することにより、これから±100cm-1程度変動する場
合もある。
【0046】DLC膜は、プラズマCVD法、イオン化
蒸着法、スパッタ法などで形成することができる。
【0047】DLC膜をプラズマCVD法により形成す
る場合、例えば特開平4−41672号等に記載されて
いる方法により成膜することができる。プラズマCVD
法におけるプラズマは、直流、交流のいずれであっても
よいが、交流を用いることが好ましい。交流としては数
ヘルツからマイクロ波まで可能である。また、ダイヤモ
ンド薄膜技術(総合技術センター発行)などに記載され
ているECRプラズマも使用可能である。また、バイア
ス電圧を印加してもよい。
【0048】DLC膜をプラズマCVD法により形成す
る場合、原料ガスには、下記のグループに属する化合物
を使用することが好ましい。
【0049】CおよびHを含有する化合物として、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
エチレン、プロピレン等の炭化水素が挙げられる。
【0050】C,HおよびSiを含む化合物としては、
メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テ
トラメチルシラン、ジエチルシラン、テトラエチルシラ
ン、テトラブチルシラン、ジメチルジエチルシラン、テ
トラフェニルシラン、メチルトリフェニルシラン、ジメ
チルジフェニルシラン、トリメチルフェニルシラン、ト
リメチルシリル−トリメチルシラン、トリメチルシリル
メチル−トリメチルシラン等がある。これらは併用して
もよく、シラン系化合物と炭化水素を用いてもよい。
【0051】C+H+Oを含む化合物としては、CH3
OH、C25OH、HCHO、CH3COCH3等があ
る。
【0052】C+H+Nを含む化合物としては、シアン
化アンモニウム、シアン化水素、モノメチルアミン、ジ
メチルアミン、アリルアミン、アニリン、ジエチルアミ
ン、アセトニトリル、アゾイソブタン、ジアリルアミ
ン、エチルアジド、MMH、DMH、トリアリルアミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニ
ルアミン等がある。
【0053】この他、Si+C+H、Si+C+H+O
あるいはSi+C+H+Nを含む化合物等とO源あるい
はON源、N源、H源等とを組み合わせてもよい。
【0054】O源として、O2 、O3 等、C+O源とし
て、CO、CO2 等、Si+H源として、SiH4 等、
H源として、H2 等、H+O源として、H2 O等、N源
として、N2 N+H源として、NH3 等、N+O源として、NO、N
2 、N2 OなどNOx で表示できるNとOの化合物
等、N+C源として、(CN)2 等、N+H+F源とし
て、NH4 F等、O+F源として、OF2 、O22
32 等を用いてもよい。
【0055】上記原料ガスの流量は原料ガスの種類に応
じて適宜決定すればよい。成膜圧力は、通常0.1〜1
00Pa(0.001〜1Torr)、投入電力は、通常1
0W〜5kW程度が好ましい。
【0056】本発明ではまた、DLC膜をイオン化蒸着
法により形成することができる。イオン化蒸着法は、例
えば特開昭58−174507号、特開昭59−174
508号公報等に記載されている。ただし、これらに開
示された方法、装置に限られるものではなく、保護膜の
原料用イオン化ガスの加速が可能であれば他の方式のイ
オン蒸着技術を用いてもよい。
【0057】この場合の装置の好ましい例としては、例
えば、特開昭59−174507号に記載されたイオン
直進型またはイオン偏向型のものを用いることができ
る。
【0058】イオン化蒸着法においては、真空容器内を
10-4Pa(10-6Torr)程度までの高真空とする。こ
の真空容器内には交流電源によって加熱されて熱電子を
発生するフィラメントが設けられ、このフィラメントを
取り囲んで対電極が配置され、フィラメントとの間に電
圧Vdを与える。また、フィラメント、対電極を取り囲
んでイオン化ガス閉じこめ用の磁界を発生する電磁コイ
ルが配置されている。原料ガスはフィラメントからの熱
電子と衝突して、プラスの熱分解イオンと電子を生じ、
このプラスイオンはグリッドに印加された負電位Vaに
より加速される。この、Vd,Vaおよびコイルの磁界
を調整することにより、組成や膜質を変えることができ
る。また、バイアス電圧を印加してもよい。
【0059】DLC膜をイオン化蒸着法により形成する
場合、原料ガスには、プラズマCVD法と同様のものを
用いればよい。上記原料ガスの流量はその種類に応じて
適宜決定すればよい。動作圧力は、通常0.1〜100
Pa(0.001〜1Torr)程度が好ましい。
【0060】本発明ではまた、DLC膜をスパッタ法に
より形成することができる。すなわち、Ar、Kr等の
スパッタ用のスパッタガスに加えて、O2 、N2 、NH
3 、CH4、H2 等のガスを反応性ガスとして導入する
と共に、C、Si、SiO2、Si3 4 、SiC等を
ターゲットとしたり、C、Si、SiO2 、Si
3 4 、SiCの混成組成をターゲットとしたり、場合
によっては、C、Si、N、Oを含む2以上のターゲッ
トを用いてもよい。また、ポリマーをターゲットとして
用いることも可能である。この様なターゲットを用いて
交流電力(特に高周波電力)、または直流電力を加え、
ターゲットをスパッタし、これを基板上にスパッタ堆積
させることによりDLC膜を形成する。高周波スパッタ
電力は、通常50W 〜2kW程度である。動作圧力は、通
常10-3〜10-1Pa(10-5〜10-3Torr)が好まし
い。
【0061】このようにして得られるDLC膜の膜硬度
は、十分な耐摩耗性等を得る上からは、ビッカース硬度
で2000以上、さらには2500以上、特には250
0〜6000であることが好ましい。
【0062】DLC膜は、硬化処理した母材に直接成膜
してもよいが、さらに良好な密着性を得る上で、中間層
を介して成膜してもよい。このような中間層としては、
例えば特願平10−375444号、特願平10−37
5445号、特願平10−375446号、特願平10
−375447号、特願2000−90842号に記載
されているものなどがある。また、中間層の成膜はスパ
ッタ法、真空蒸着法などから適宜選択して行うことがで
きる。
【0063】例えば、好ましい中間層としては、第5A
族金属(V、Nb、Ta)、第6A族金属(Cr、Mo、
W)、Ti、およびZrより選択された少なくとも1種を主
成分とする珪化物または珪炭化物の膜;または第5A族
金属(V、Nb、Ta)から選択された少なくとも1種
を主成分とする金属膜とその上に形成されたSi膜また
はSiを主成分とする金属膜;または第5A族金属
(V、Nb、Ta)、第6A族金属(Cr、Mo、
W)、Ti、およびZrより選択した少なくとも1種類
の金属膜とその上に形成された炭化珪素系の膜;が使用
できる。中間層の厚みは0.01〜1.0μm が好ましい。薄
いと十分な密着性が得られず、厚いと内部応力により剥
離が発生しやすくなる。
【0064】本発明の工具のうち、加工用工具は、金型
等であり、コイニング、打抜き加工(パンチ)、電子部
品用リードフレームの成形または曲げ加工、半導体素子
の樹脂封止成形加工、スタンパを用いた成形加工などに
使用される。
【0065】このなかで、スタンパを用いた成形加工に
使用される成形金型、電子部品用リードフレームの成形
または曲げ加工に使用されるリード加工金型、半導体装
置製造用金型の一例を、それぞれ図1〜図3に示す。
【0066】図1は、スタンパとともに用いられる成形
金型の断面図である。このような態様の成形金型は、光
ディスク基板や非球面レンズ、プリズムなどの光学部
品、光記録媒体用素子、光学素子等を樹脂材料(特に有
機樹脂材料)から作製する場合に用いることが好まし
く、射出成形法による作製に適する。
【0067】光ディスク基板やレンズ等の製造には、プ
ラスチック(樹脂)を、スタンパ(成形母型)を支持し
た金型キャビティ内に装入し、加圧することにより、成
形と同時にスタンパの表面形状を成形品に転写すること
が行われている。
【0068】図1は光ディスク基板等で成形を行うため
の射出成形金型で、可動側金型2と固定側金型5とを有
し、可動側金型2が閉鎖されたときに成形キャビテイ7
を形成する。可動側金型2のキャビティ7の側の鏡面研
磨した表面8にはシート状金属スタンパ1を支持させ、
さらにその周部を外周リング部材4により押える。外周
リング部材4はキャビティ7の周壁をも構成する。図1
は金型が閉じた状態を示し、キャビティ7が形成されて
いる。この状態で、樹脂は供給口3よりゲート部材12
のゲート6を経て所定の成形圧力でキャビティ7に導入
されて成形が行われる。なお、図1の金型は、固定側金
型5とともに成形体の打ち抜きに利用されるゲートカッ
ト部10を構成するゲートカット部材9を有し、さらに
樹脂注入を容易にするエアーベント部11を有する。可
動側金型2は鋼から製作して焼き入れし、高精度に研磨
したものなどが使用されている。可動側金型をこのよう
に研磨する理由は、スタンパが熱による伸縮により可動
側金型の表面8を滑動するためである。
【0069】具体的にいえば、スタンパの表面は溶融樹
脂と同じ温度、金型への取付面は可動側金型の表面8と
同じ温度であり、しかも、樹脂圧力で押圧されている。
そうするとスタンパは熱と圧力で表面8に沿って移動す
ることになる。
【0070】このような成形金型において、硬化処理と
DLC膜被覆処理とが施されるのは、キャビティの内
面、特にスタンパ支持表面8である。
【0071】このような金型を用いて繰り返して成形を
行うと、スタンパ1の金型への取付面は摩擦によりショ
ット毎に損傷を受け、亀裂を生じ、成形品の表面に亀裂
の痕を転写することになるが、これが防止されるととも
に、耐傷性が向上する。すなわち、金型のスタンパ支持
表面8およびスタンパ1の金型側表面の擦り傷の発生を
防止することができる。また、スタンパ支持表面8も含
めてキャビティ内面に、上記両処理を施すことが好まし
い。さらに、キャビティの内面のほか、ゲートカット部
および/またはエアーベント部の表面にも、上記両処理
を施してもよい。これらの処理により、摩耗、腐食、傷
等の発生を防止することができる。
【0072】このような成形金型においては、併用する
スタンパ表面にも硬化処理とDLC膜被覆処理を施すこ
とが好ましい。
【0073】図2は、リード加工金型の部分断面図であ
る。このような態様の金型は、半導体チップ(半導体素
子)を装着したリードフレームを加工するための金型で
ある。図2は、樹脂封止された半導体装置31の側面か
ら導出されて、表面部に半田めっきが施され、外部と電
気的に接続されるリード32が加工される様子を示して
いる。図2の金型は、曲げ金型33を有し、曲げ金型3
3の内央側の上面側に半導体装置31を内包させる支持
部34が形成されており、支持部34表面には、リード
32をJ型に屈曲させるためのJ型曲面35が設けられ
ている。また、曲げ金型33の周辺部には受圧部36が
設けられている。さらに、リード32をクランプするた
めのストリッパ37を有し、その下面側内央部に半導体
装置31の上面側に対応する形状の凹部が形成されてお
り、その周辺部の曲げ金型33の受圧部36に対向した
位置に押圧部38を有し、上下方向に動き得るようにな
されている。曲げ金型33とストリッパ37とから、半
導体装置31のリード32をJ型に加工するリード加工
金型が構成されている。
【0074】このようなリード加工金型においては、リ
ード32と接するJ型曲面35に対し、硬化処理とDL
C膜被覆処理とを組み合わせて施す。これにより、DL
C膜による耐摩耗性の向上効果やリードフレーム材料や
半田との化学的反応性の抑制効果が得られるほか、硬化
処理による、半田やパンチ粉、あるいはリードフレーム
材料により、さらには、これらを含めた、金型使用時の
ゴミやホコリなどの異物混入や付着により、金型表面に
擦り傷が発生するのを防止し、このような擦り傷から半
田付着が生じやすくなって、加工精度が低下するなど不
良品が発生しやすくなるのを防止する。
【0075】このほか、支持部34の半導体装置31の
内包表面にも上記両処理を施してもよく、これにより、
耐摩耗性、耐傷性等が向上する。
【0076】図3は、半導体装置製造用金型の締め付け
時の部分断面図であり、一般的な半導体製造用トランス
ファ成形モールド金型が示されている。この金型は、上
型41と下型42に分割されている。上型41には、上
型基部13に突設された受け枠であるチェイス14に、
キャビティインサート15、カルインサート16および
位置決めブロック17等の各金型部品が組み込まれ、下
型42には、下型基部18に突設された受け枠であるチ
ェイス19にキャビティインサート20、ポットインサ
ート21、ポット22、プランジャ23、ゲートインサ
ート24および位置決めブロック25等の各金型部品が
組み込まれている。
【0077】両位置決めブロック17,25は、樹脂注
入に際し、上型41および下型42を位置決め固定する
位置決め用金型部品であり、両キャビティインサート1
5,20、カルインサート16およびゲートインサート
24は、注入樹脂の流路となる成形金型部品であり、ポ
ットインサート21、ポット22およびプランジャ23
は、ポット22内の樹脂26を成形金型部品に注入する
樹脂注入用金型部品である。
【0078】これら各金型部品は、各チェイス14,1
9に対し各個別に離脱自在に装着され、ポット22から
カルおよびゲートを経てキャビティへと通じる成形樹脂
の注入路を形成する。
【0079】上記構成を有する半導体装置製造用金型に
よる半導体製造用トランスファモールド成形では、先
ず、パーティングライン(P.L)となる下型12のキ
ャビティインサート20上にリードフレーム27と半導
体素子28を、またポット22に樹脂26をそれぞれセ
ットし、型締め機構を持つ金型設備(図示しない)で、
上型41と下型42を締め付ける。このとき、上型41
の位置決めブロック17と下型42の位置決めブロック
25が相互に噛み合わされて、上型41と下型42の相
対位置が決められる。次に、プランジャ23とそれを支
えるポット22から注入路へ樹脂26が押し出されて、
キャビティ内に成形樹脂が充填され、その後、一定時間
加圧されることにより、ICプラスチックパッケージ等
の半導体装置が成形される。
【0080】このような金型においては、キャビティ内
面に、硬化処理とDLC膜被覆処理とを施す。これによ
り、DLC膜による耐摩耗性効果のほか、硬化処理を組
み合わせることによって、打痕の防止効果がDLC膜単
独の場合に比べ向上する。さらに、キャビティ内に残存
する樹脂粒子なども含め、ゴミやホコリなどの異物混入
や付着などにより、傷が入り、成形品に不良が生じるの
を防止することができる。
【0081】さらに、上記の両処理は、キャビティイン
サート15、20の表面のほか、これらとともに、注入
樹脂の流路となる金型部品であるカルインサート16、
ゲートインサート24の表面、これらに樹脂を注入する
金型部品であるポットインサート21、ポット22、プ
ランジャ23の表面、位置決め用金型部品であるブロッ
ク17、25の表面に施してもよく、これらの処理によ
り、耐摩耗性、耐傷性等が向上する。
【0082】本発明の工具のなかで、例えばジグなどの
ように、物品を載置し、例えば物品の品質検査などのた
めに、計測器まで搬送するような滑動接触面を有する工
具の搬送レール部分の一例を図4に示す。
【0083】図4は、大量の電子部品(例えばコンデン
サなど)50を搬送させる様子を示す断面図である。電
子部品50は、搬送レール51の載置接触面511に載
置されて、滑動搬送される。この場合、載置接触面51
1では、電子部品との接触により、摩擦・摩耗が生じ
る。例えばコンデンサの搬送には、大量のコンデンサを
のせたジグやレールに細かな振動を与え、搬送させるよ
うな方式がとられている。この際、コンデンサを構成す
る部材(例えばめっき膜など)が載置接触面511に付
着して搬送を妨げたり、載置接触面511が摩耗したり
するが、本発明の表面処理とDLC膜被覆処理とを組み
合わせて施すことにより、これを防止することができ
る。このような搬送レールなどの搬送手段は、例えば、
電子部品などを積んで搬送するような形式のものであっ
てもよい。
【0084】以上、図示例によって説明してきたが、本
発明の工具は、これらに限定されるものではない。
【0085】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 図2に示すようなリード曲げ加工金型により、リードフ
レームとしては通常ICに使用されている銅製のものと
し、被加工物としてNi(42%(質量百分率))−Cu
合金を用いて、曲げ加工を実施した。
【0086】金型母材としては超硬合金であるWC-Co、S
KH51、SKDll、サーメット、SUS304、HPM38、SUS420J、S
KS3、およびSUS440Cを使用した。超硬合金WC-Coは平均
粒子径1.0μm のWC85%(質量百分率)をCoバインダ中
に分散したものであり、Co相の平均厚みは0.35μm
または0.15μm であった。Co相の平均厚みが0.
35μm のものを超硬合金A、0.15μm のものを超
硬合金Bとする。なお、母材の表面粗さは、JIS B 0601
による10点平均粗さRzで0.2μm であった。
【0087】これらの母材に表面硬化処理を施す場合の
窒化処理、ホウ化処理(ジボラン法)は以下のとおりと
した。
【0088】窒化処理条件 使用ガス:N2とH2の混合ガス 処理圧力:133Pa(1Torr) 印加電圧:1000V 温度 :570℃
【0089】この窒化処理により、母材表面に100μ
m 厚の窒化層が形成されていることが母材断面を走査型
電子顕微鏡で観察することにより確認された。また、J
ISZ2241に準拠した測定で、ビッカース硬度Hv
が2倍程度向上した。
【0090】ホウ化条件 B26 0.0017Pa・m3/s(1sccm) H2 0.17Pa・m3/s(100sccm) 加熱温度 750℃
【0091】このホウ化処理により、母材表面に0.3
μm 厚のホウ化層が形成されていることが母材断面を走
査型電子顕微鏡で観察することにより確認された。ま
た、JIS Z 2241に準拠した測定で、ビッカー
ス硬度Hvが1.5倍程度向上した。
【0092】母材上に成膜するDLC膜は、プラズマC
VD法により以下のようにして形成した。
【0093】DLC膜1の成膜条件 原料ガス:C2H4(流量50sccm=8.5×10-2Pa・m3・s-1) 動作圧:50Pa 投入電力:500W 膜組成:CH0.25 膜厚:2.5μm 得られたDLC膜1のビッカース硬度Hvは4500であった。
【0094】DLC膜2の成膜条件 原料ガス:Si(CH34(流量50sccm) 動作圧:50Pa 投入電力:500W 膜組成:CH0.24Si0.22 膜厚:1.5μm 得られたDLC膜2のビッカース硬度Hvは6000であっ
た。
【0095】表1に示すように、金型母材の加工面(図
2のJ型曲面)に、表面硬化処理とDLC膜被覆処理と
を組み合わせて施した。これらの処理を施す場合は、表
面硬化処理後にDLC膜被覆処理を行うものとした。各
金型を用い、N2雰囲気中600℃で加工を行い、以下
の評価を行った。結果を表1に示す。
【0096】1.めっき付着:倍率50倍の実体顕微鏡で
観察し、メッキ付着の有無を確認した。 2.ショット数:製品形状が不合格になるまでのショッ
ト数を調べた。 3.製品不良率:全製品中特性不良、外観不良となった
製品の比率を調べた。 4.金型成形面(パンチ表面)の傷:100万回ショッ
ト後の金型成形面に入った傷の有無を倍率50倍の実体
顕微鏡で観察した。
【0097】
【表1】
【0098】実施例2 実施例1の金型No.104において、DLC膜1の成膜
に先立ち、Ta膜(母材側)とSi膜(DLC膜側)と
のTa/Si積層膜を中間層として成膜した。中間層の
成膜は、以下の条件で、ターゲットとしてTa、Siを
それぞれ用い、RFスパッタ法により行った。Ta膜、
Si膜の厚みは、それぞれ、10nm、90nmとした。
【0099】 使用ガス:Ar(30sccm=5.1×10-2Pa・m3・s-1) 動作圧:40Pa 投入電力:500W
【0100】また、実施例1の金型No.114において、D
LC膜1の成膜に先立ち、TaSi 2膜を中間層として
成膜した。中間層の成膜は、ターゲットとしてTaSi
2を用いるほかは、上記と同様にして行った。TaSi2
膜の厚みは100nmとした。
【0101】これらについて、実施例1と同様に評価し
た。これらの結果を表1に併記する。
【0102】このような中間層を設けることにより、D
LC膜の母材に対する密着性が増し、本発明の効果が向
上することがわかった。
【0103】実施例3 図1の光ディスク基板用の射出成形金型を用い、スタン
パ(Ni製)を組み込んで、圧力340kg/cm2で射出成
形を行った。
【0104】金型母材は、SUS304を使用し、キャ
ビティ内面(スタンパ支持表面8を含む。)に、表2に
示すように、窒化処理とDLC膜被覆処理を施した。表
面硬化処理である窒化処理は実施例1の窒化処理と同条
件で行い、DLC膜被覆処理は、実施例1のDLC膜1
と同条件で行った。両処理を施す場合、窒化処理後にD
LC膜被覆を行うものとした。
【0105】各金型を用い、射出成形を行った場合につ
いて以下の評価を行った。結果を表3に示す。
【0106】1)スタンパ寿命:スタンパの耐用ショッ
ト数を調べた。 2)金型寿命:金型表面が摩耗するまでのショット数を
調べた。 3)スタンパ表面の傷:50万回ショット後のスタンパ
上の傷を調べた。
【0107】
【表2】
【0108】実施例4 実施例3の金型No.204において、組み込むスタンパ
(Ni製)を、Ni母材に対し、表面硬化処理としてホ
ウ化処理(ジボラン法)を行い、これにDLC膜(組成
CH0.21:膜厚1μm )を成膜したものとするほかは、
実施例3と同様にして射出成形を行い、同様に評価を行
った。結果を表2に併記する。
【0109】なお、ホウ化処理は、以下の条件とし、D
LC膜の成膜は実施例1に準じて行った。
【0110】ホウ化条件 B26 0.0017Pa・m3/s(1sccm) H2 0.17Pa・m3/s(100sccm) 加熱温度 750℃
【0111】このホウ化処理により、Ni母材表面に
0.5μm 厚のホウ化層が形成されていることが母材断
面を走査型電子顕微鏡で観察することにより確認され
た。また、JIS Z 2241に準拠した測定で、ビ
ッカース硬度Hvが5倍程度向上した。
【0112】実施例5 図3の半導体装置製造用金型を用いて、ICプラスチッ
クパッケージのトランスファ成形を行った。
【0113】金型母材は、SUS304を使用し、キャ
ビティ内面等、樹脂に接触する金型部品の表面と位置決
め用金型部品の表面に対し、表3に示すように、窒化処
理と中間層形成処理とDLC膜被覆処理を施した。表面
硬化処理である窒化処理は実施例1の窒化処理と同条件
で行い、中間層形成処理は、実施例2のTa/Si積層
膜と同条件で行い、DLC膜被覆処理は、実施例1のD
LC膜1と同条件で行った。これらの処理を施す場合、
窒化処理後に中間層を形成し、その上にDLC膜被覆を
行うものとした。
【0114】各金型を用い、トランスファ成形を行った
場合について以下の評価を行った。結果を表3に示す。
【0115】(1)製品不良発生までの時間:同条件で
成形の操作を繰り返した場合、製品不良が発生するまで
の時間を調べた。 (2)金型ダメージ:同条件で成形の操作を3ヶ月繰り
返した時点での金型に発生する傷などのダメージを調べ
た。
【0116】
【表3】
【0117】実施例6 図4に示されるように、搬送レールにコンデンサを載置
し、滑動搬送させた。コンデンサの搬送レールとの接触
面にはめっきが施されている。
【0118】搬送レールの母材は、SUS304を使用
し、搬送レールのコンデンサとの接触面に、表4に示す
ように、窒化処理と中間層形成処理とDLC膜被覆処理
を施した。表面硬化処理である窒化処理は実施例1の窒
化処理と同条件で行い、中間層形成処理は、実施例2の
Ta/Si積層膜と同条件で行い、DLC膜被覆処理
は、実施例1のDLC膜1と同条件で行った。これらの
処理を施す場合、窒化処理後に中間層を形成し、その上
にDLC膜被覆を行うものとした。
【0119】各搬送レールを用い、滑動搬送させた場合
について以下の評価を行った。結果を表4に示す。
【0120】(1)搬送不良発生までの時間:同条件で
搬送させる操作を繰り返した場合、搬送不良が発生する
までの時間を調べた。 (2)搬送レールの傷:同条件で搬送させる操作を10
0日繰り返した時点での搬送レールに発生する傷を調べ
た。
【0121】
【表4】
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、金型等においては打痕
等がなく、また、擦り傷の発生が防止されるとともに、
ゴミやホコリなどの異物混入や付着により傷が入るなど
の不良化によるトラブルが発生しにくく、耐用寿命が長
い工具が得られる。すなわち、DLC膜のもつ本来の優
れた性質に加えて、硬化処理による耐傷性の向上効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスタンパとともに用いられる成形金型
の一例を示す断面図である。
【図2】本発明のリード加工金型の一例を示す部分断面
図である。
【図3】本発明の半導体装置製造用金型の一例を示す部
分断面図である。
【図4】本発明の搬送レールの一例を示す部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1 スタンパ 2 可動側金型 3 樹脂供給口 4 外周リング部材 5 固定側金型 6 ゲート 7 キャビティ 8 スタンパ支持表面 9 ゲートカット部材 10 ゲートカット部 11 エアーベント部 12 ゲート部材 13 上型基部 14、19 チェイス 15、20 キャビティインサート 16 カルインサート 17、25 位置決めブロック 18 下型基部 21 ポットインサート 22 ポット 23 プランジャ 24 ゲートインサート 26 樹脂 27 リードフレーム 28 半導体素子 31 半導体装置 32 リード 33 曲げ金型 35 J型曲面 37 ストリッパ 50 電子部品 51 搬送レール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 28/04 C23C 28/04 Fターム(参考) 4E050 JA01 JA03 JB08 JB09 JD03 JD06 4F202 AH33 AH79 AJ09 AJ14 CA11 CA12 CB01 CD22 CD30 CK11 4K030 BA28 BA29 BA37 BA48 BA56 BA57 BB12 LA21 4K044 AA03 AA09 AB05 BA02 BA18 BA19 BB03 BB04 BC01 BC06 BC07 CA12 CA13 CA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮加工および/または打撃加工、また
    は載置物の滑動に使用される工具であって、被加工物お
    よび/または被加工物の加工用部材、または載置物との
    接触面を、材料の硬度を上げる硬化処理をした母材で形
    成し、この母材上にダイヤモンド状炭素膜を被覆した工
    具。
  2. 【請求項2】 前記加工が、打抜き加工、電子部品用リ
    ードフレームの成形もしくは曲げ加工、半導体素子の樹
    脂封止成形加工、または被加工物の加工用部材としてス
    タンパを用いた成形加工である請求項1の工具。
  3. 【請求項3】 ダイヤモンド状炭素膜のビッカース硬度
    が2500以上である請求項1または2の工具。
  4. 【請求項4】 前記硬化処理をした母材上に、中間層を
    介してダイヤモンド状炭素膜を被覆し、前記中間層が、
    第5A族金属(V、Nb、Ta)、第6A族金属(C
    r、Mo、W)、Ti、およびZrより選択された少な
    くとも1種を主成分とする有珪化物または珪炭化物の
    膜、第5A族金属(V、Nb、Ta)から選択された少
    なくとも1種を主成分とする金属膜とその上に形成され
    たSi膜またはSiを主成分とする金属膜、ならびに第
    5A族金属(V、Nb、Ta)、第6A族金属(Cr、
    Mo、W)、Ti、およびZrより選択された少なくと
    も1種の金属膜とその上に形成された炭化珪素系膜のう
    ちのいずれかである請求項1〜3のいずれかの工具。
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