JPS6228163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は軽く、しかもクツシヨン性にすぐれた
靴用中敷に関するものであつて、この中敷は全て
の靴に使用し得るものであり、特に長距離を走つ
たり、運動を行なう場合に履用するジヨギングシ
ユーズあるいは各種のスポーツシユーズに適した
中敷を提供せんとするものである。

日常の生活に欠かすことの出来ない履物である
靴は、その履心地のよいことと併せて丈夫でしか
も軽いことも１つの条件である。

而してこの丈夫で軽いという条件は靴自体の改
良によつて満足させることが望ましいが、靴に使
用される付属品によつてもかなえられるところで
あり、これらの観点から中敷を軽くすることも
種々検討されている。

従来から中敷には各種あり、その材質も布、ゴ
ム、軟質プラスチツク、スポンジ、植物性センイ
などが用いられているのであるが、特に軽いとい
うことから近年エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
の発泡体が用いられつつある。

ところがこのエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
の発泡成形は中敷としての再発泡成形に時間を要
することからかなりコスト高となり、またこの成
形時間が短かいと得られた成形品が形崩れをおこ
しやすいという欠点が指摘されている。

さらにこのような中敷では履用中に表面のスキ
ン層に発生する曲げによるシワの回復がだんだん
とおそくなつて足に違和感を感ずるのである。

また全体が軟らかすぎるため却つて疲れる場合
もある。

そこで本考案者は軽いというメリツトを有する
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の如き発泡成形
品を中敷の素材として用いながら、上記のような
欠陥のない中敷を得るべく検討の結果、エチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂の如き発泡成形品を中間
層に使用すればよいことを見出し本考案に至つた
ものである。

以下本考案をその一実施例を示す図面に基づい
て説明する。

即ち、本考案の中敷Ａの構造は第１図の１部断
面図および第２図の第１図−線断面図にみら
れる通りであつて、１は織布あるいは不織布層で
あつて最表層を構成し、３は最下層となる熱可塑
性樹脂の低発泡層である。

そしてこの１，３の両者間に３の熱可塑性樹脂
低発泡層より発泡倍率が大きく、クツシヨン性の
大なる熱可塑性樹脂の発泡層２をはさみこんだ構
造としたものである。

しかして３の熱可塑性樹脂低発泡層より発泡倍
率が大きく、クツシヨン性の大なる熱可塑性樹脂
発泡層２としては、さきほどから述べているエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂の発泡成形品だけで
なく、ポリエチレンやポリプロピレンなどの発泡
体を用いることもできる。

本考案はこのように少なくとも異なる材料や異
なる発泡倍率からなる三層またはそれ以上の積層
構造とすることによつて成形時または履いた後に
おける中間の発泡層としての３の低発泡層よりも
発泡倍率の大きい熱可塑性樹脂の発泡層等の形崩
れなども１の織布、不織布層および３の熱可塑性
樹脂低発泡層によつて防止することができるので
ある。

而して最下層の熱可塑性樹脂の低発泡層として
は、前記した中間発泡層としてのエチレン−酢酸
ビニル樹脂やそれと同一範畴のポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を
用いることができ、中間層として用いる場合に比
べてやや硬く発泡程度のち密な低発泡体として用
いることが好ましく、これは上層と一体成形また
は接着してやればよい。さらにその下に寒冷紗を
張りつけ、または溶着しておけばつりこみがし易
くなり、中底、中敷の一体品とすることも可能で
ある。

また最上層は中敷として使用したときに足によ
くフイツトしてしかもあたたかい感じを持たせる
と同時に通気性のよいものということから織布あ
るいは不織布等が好ましい。がこれ以外にレザー
ボードやパルプボード、皮革なども使用しうる。

しかしてこのような積層構造をとる中敷の製造
は、従来から行なわれている一体成形法を採用し
ても、また最上層の織布あるいは不織布の層を後
から貼着する方法であつても差支えない。

要するに中間層として最下層の熱可塑性樹脂低
発泡層より発泡倍率が大きく、クツシヨン性の大
なるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂やポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の発泡層を介在
させた中敷であることが本考案の要点である。

本考案において使用する最下層の熱可塑性樹脂
低発泡層とそれより発泡倍率が大きくてクツシヨ
ン性の大なる中間層としての樹脂発泡層は、夫々
の発泡倍率を前者は２〜８倍、後者は10〜30倍の
範囲とすることによつて同種の熱可塑性樹脂を使
用することも可能である。

かくして得られる中敷をスポーツシユーズやジ
ヨギングシユーズに使用した場合にはボリユーム
の割に軽く、足あたりが非常によくしかもクツシ
ヨン性も大であるから足の疲れを少くすることが
でき、従つて足の疲れからひざや腰、背筋を痛め
るなどの恐れも全く有しないのである。

また中間層として上記したような樹脂の発泡層
を介在させた場合には、その発泡度合によつて履
用時に足裏で中敷を押圧すると、該押圧部分の発
泡層の一部が凹んで履用者の独特の足型がつき、
この足型はいつたん中敷から足を浮かしても復元
しないので該履用者に最もよいフイツト感を与え
ると同時にクツシヨン性も保持するという効果を
有するのである。

なお、第２図においては本考案の要点であるク
ツシヨン性を発揮させる中間発泡層が一層の場合
を示したが、第３図のように該中間発泡層はその
発泡程度をかえた２ａ，２ｂの二層あるいはそれ
以上にすることも可能であり、硬い層を一層入れ
るとか、またはもう一層硬度、弾性の異なる発泡
層を入れることによつて一部にかかる圧力、衝撃
を広く分散し和らげることができる。

このようにすれば発泡程度だけでなく、使用す
る樹脂の組成によつて硬さの調節をもはかること
ができる。その場合には２ｂに比べて２ａの層は
より吸水、撥水の効果をあげるために連泡発泡物
としてもよい。

また本考案の中敷において従来から水虫予防な
どの目的から行なわれている銅や銅合金などを併
用することができるのは云うまでもない。

上記の如き本考案の中敷はアーチクツシヨン部
分と一体に成形することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部断面を示す本考案中敷の斜視図、
第２図は本考案中敷の構造の一実施例を示す第１
図−線断面図であり、第３図は他の実施例を
示す断面図である。 １……織布あるいは不織布層、２……中間発泡
層、３……熱可塑性樹脂低発泡層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹
   脂の低発泡層上に、該低発泡層より発泡倍率が大
   きくクツシヨン性良好な熱可塑性樹脂発泡層の一
   層もしくはそれ以上を介して織布または不織布層
   等を被着したことを特徴とする靴用中敷。