JPS6227147Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は時計バンドの中留構造に関するもので
あり、特にバンドの着脱の際に中留が回転してし
まうことを防止するための回転防止構造に関する
ものである。

従来の中留は、第１図に示すように、縁駒１
と、この縁駒１に軸２により回動自在に取り付け
られた下蓋３と、この下蓋３に回動自在に取り付
けられた上蓋４とからなる中留Ａと、縁駒５と、
この縁駒５に取り付けられた係止軸６とからなる
中留Ｂとを嵌合させることにより連結されるもの
である。

中留Ａと中留Ｂとを連結するときには、上蓋４
を縁駒５と係止軸６との間に挿入して係止軸６を
下蓋３の溝３ａ内に収容させ、その後上蓋４を下
蓋３側に倒して係止部４ａを下蓋３の端部に喰付
かせる操作が必要である。

このような操作をするときには、回動自在に軸
支されている下蓋３の端部に力が作用し、下蓋３
が回動してその位置が定まらないことが多い。

特に下蓋３が回転すると上蓋４を縁駒５と係止
軸６との間に挿入することが極めて困難な状態と
なつてしまう。また、中留Ａと中留Ｂとの連結状
態を解除するときにも、下蓋３は回動してしまう
ため、特にこのような時には下蓋３と上蓋４との
取付部付近が使用者の腕に当たつて傷付ける危険
性があつた。しかしながら、これらの欠点を解消
するためにこの下蓋を固定してしまうと、時計バ
ンドを腕にはめたときに、中留の部分が腕になじ
まず使用者に違和感を与えることになり好ましい
ものではなかつた。

本考案は、下蓋の動きを規制する規制ピンを設
けて、上記従来例の欠点を解消し、下蓋の必要以
上の回動を規制するとともに、腕になじみ易い時
計バンドの中留構造を提供することを目的とす
る。

以下第２図乃至第５図を用いて本考案の一実施
例を説明する。第２図は本考案における中留を示
す斜視図、第３図は第２図に示す中留の平面図、
第４図は第３図に示す中留−断面図、第５図
は第３図に示す中留−断面図である。

尚、第１図に示す中留と同一部分に関しては同
一の符号が付してある。

本実施例における中留Ａは、凹部１ａを有する
縁駒１と、縁駒１の凹部１ａに架設された下蓋軸
２により回動可能に軸支されている厚みが縁駒１
より薄い下蓋３と、この下蓋３の取付部８に上蓋
軸９により回動自在に取り付けられている上蓋４
と、縁駒１の側部１ｂに取り付けられ下蓋３の前
記取付部８の反対側のバンド長手方向の端部に設
けられた横穴３ｂに遊挿されている規制ピン７と
から構成されている。

また、中留Ｂは、縁駒１と略厚みが等しくかつ
縁駒１の凹部１ａに対向する凹部５ａを有する縁
駒５と、この縁駒５の凹部５ａに架設された係止
軸６とから構成されている。

この中留Ａ、Ｂを連結するには、前述した従来
例と同様に、上蓋４を縁駒５と係止軸６との間に
挿入して係止軸６を下蓋３の溝３ａ内に収容し、
次に上蓋３側に倒して上蓋４の先端部に設けた係
止部４ａを下蓋３の端部に着脱可能に喰付かせ
て、係止軸６を上蓋４と下蓋３との間に保持させ
て連結する。

中留Ａにおける規制ピン７は、下蓋軸２に対し
て平面的に配置されており、かつその先端７ａの
直径は下蓋３の横穴３ｂの直径よりも小さくなる
ように設定されているので、第４図に示すように
下蓋３はこの直径の差だけ回動することができ
る。

このような本実施例における中留の下蓋３は、
中留Ａと中留Ｂとを連結又は離脱する際に、両縁
駒１，５の下面と下蓋３の下面とが略一致し、こ
の下蓋３が所定回転角以上回転しないので、操作
し易く、また第４図に示す下蓋３と上蓋４の取付
部８付近が使用者の腕に食い込むこともない。

尚、本実施例における規制ピン７及び下蓋３の
横穴３ｂは、共に下蓋３内にて止まる程度に長さ
が設定されているか、横穴３ｂを貫通穴とし、さ
らに規制ピン７を縁駒１にかけ渡すように構成し
てもよい。

また、横穴３ｂを下蓋３の両側面に設け、それ
ぞれの横穴３ｂに規制ピン７を遊挿してもよい。

上記のとおり本考案によれば、下蓋の回転を規
制することにより操作性、安全性を向上させるこ
とができるとともに、量産性に優れた下蓋の回転
規制構造を実現することができる。

また、下蓋の回転は、第４図において時計方
向・反時計方向ともに規制されているので、中留
の連結・離脱のときのそれぞれの操作性及び安全
性を向上させることができる。

さらに、本考案は規制ピンと下蓋の横穴を設け
るだけで操作性等の向上をはかることができるの
で、低コストで目的を達成するものである。

このように本考案は実用効果に優れ、有用性を
向上した時計バンドの中留構造を提供するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の中留を示す斜視図、第２図は本
考案における中留を示す斜視図、第３図は第２図
に示す中留の平面図、第４図は第３図に示す中留
の−断面図、第５図は第３図に示す中留の
−断面図である。 １……縁駒、２……軸、３……下蓋、３ｂ……
横穴、４……上蓋、５……縁駒、６……係止軸、
７……規制ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一方の縁駒の凹部と前記一方の縁駒と略厚みが
   等しい他方の縁駒の凹部とを互いに対向するよう
   に形成し、前記一方の縁駒の凹部には、前記凹部
   に架設した下蓋軸を介して厚みが前記両縁駒より
   薄い下蓋を回動可能に取り付けて前記両縁駒の下
   面と下蓋下面を略一致させ、前記下蓋取付部には
   上蓋を回動可能に取り付けると共に前記上蓋の先
   端部には前記下蓋に着脱可能に喰付く係止部を設
   け、前記他方の縁駒の凹部に架設した係止軸を、
   前記上蓋を下蓋に喰付かせることにより、上蓋と
   下蓋との間で保持してなる時計バンドの中留構造
   において、 前記下蓋の取付部の反対側端部に横穴を設け、
   前記横穴に遊挿される規制ピンを前記一方の縁駒
   の凹部の側部に設けたことを特徴とする時計バン
   ドの中留構造。