JPS6222807B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は１枚以上のシリカガラス板とプラスチ
ツク材料の保護カバー層よりなる安全窓ガラスに
関し、特に自動車の前窓に適した安全窓ガラスに
関する。

このような構成の安全窓ガラスは種々のものが
知られている。これらは単体の硬化ガラス板、又
はラミネートされたガラス合板を使つて、特に自
動車用窓ガラスとして安全性を得るために上記保
護用プラスチツク材料と組合せたものである。プ
ラスチツク製の保護層の目的は、窓ガラス板が壊
れた時に自動車の中の人がガラス板の鋭い破片で
怪我をしないようにすることである。そのような
安全窓ガラス板は自動車の前窓（フロントグラ
ス）として特に使用されている。それ等は、例え
ばフランス特許番号第1425292，2134255及び***
特許番号1696051に開示されている。

このような従来の安全窓ガラスは、保護層とし
て非常に柔かく自己補修性の即ち、その弾力性に
より引つ掻き等による表面上の傷を吸収し自然に
なくすことができるプラスチツク材料を用いてい
る。このような保護層は、例えば窓洗浄の際の引
つ掻き傷等を吸収可能であるが、この保護層上に
貼られたラベル等を取り除こうとする時に例えば
ナイフ又は他の切断道具を使つた場合には保護層
が永久的に傷ついたり変形する危険がある。

通常ラベルは、前窓の内面の運転者の視界を妨
げない位置に貼付される。例えば国によつては、
車輌の税金の支払済を示す表示を前窓の内部表面
上に貼る必要がある。このようなラベルは毎年貼
り替えられる。このような表示ラベルは、不正使
用を防止するために前窓内面に強力に貼付され
る。このために、表示用のラベル自体は破れ易い
紙であるにもかかわらず非常に強い接着剤が使用
される。従つて、ラベルを剥すことが極めて困難
となり、ナイフ等を用いなければ除去できなくな
る。このようなラベルの除去作業中に前窓の表面
が傷つけられる。この問題は、プラスチツク材料
製の保護層からなる前窓に共通のものであが、特
に比較的軟質のプラスチツク材料で作られた保護
層の場合に起り易い。

本発明は、保護層上に貼付されたラベルを保護
層を傷つけることなく、剥離除去できるようなプ
ラスチツク材料からなる保護層により構成された
自動車用前窓として特に適した安全窓ガラスの提
供を目的とする。

本発明に係る安全窓ガラスは、透明ガラス材料
の基板の少くとも一方の面に自己補修性の軟質プ
ラスチツクコーテイングを施して保護層を形成
し、該軟質プラスチツクコーテイング上にほぼラ
ベル寸法の表示エリヤを設け、該表示エリヤに傷
のつかない硬質のプラスチツク材料を接着固定
し、該硬質プラスチツク材料上に上記軟質プラス
チツク材料を傷つけることなくラベルを剥離可能
に貼付できるようにした自動車の前窓用に適した
安全窓ガラスにおいて、上記ラベルの貼付部をポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレー
ト、セルロースエステル、又はスチレンとアクリ
ルニトリルとの共重合体により構成している。

ラベル貼付部を構成する硬質プラスチツク材料
の表面は充分な硬度を有し、ラベルを除去する場
合にナイフ等の普通の道具では傷が付くことはな
く、その硬質部分は長期に亘つてこの硬度が保た
れる。

本発明の１つの実施例ではプラスチツク材料か
らなる保護層の上に、強度の強いプラスチツク材
料で作つた層を重ねて硬質の表面を得ている。こ
の硬質層は、例えば円、楕円、４角又は８角形の
ような幾何学的形状である。

その硬質表面域は着色されていることが望まし
い。このためには硬質材料を色付の接着剤で接合
するか、又は色付の硬質プラスチツク材料を用い
ればよい。このような色付のラベル貼付部は周囲
から容易に区別することができ、ラベルを正しい
位置に貼るのに便利である。

硬質プラスチツク材料のラベル貼付部は、保護
層と同時に形成してもよい。これにより既に保護
層を有するガラス板と区別できる。あるいは硬質
プラスチツクを、ガラス板を製造した後に取り付
けることも可能である。

本発明の安全窓ガラスは自動車等の車輌用ばか
りでなく、プラスチツク材料からなる保護層を有
する安全窓ガラスで構成した建物の扉又はパーテ
イシヨンにも使用できる。

本発明を図面に従つて詳述する。

図に示す自動車用の前窓１はその不部の隅に硬
質層２を有し、この硬質層２は、これを貼付部と
してこの上に貼り付けるラベルの大きさより大き
い寸法のものである。第２図のように、前窓１
は、第１のガラス板３、熱可塑性材料の中間層
４、第２のガラス板５、及び軟質材料の保護層６
を積層した安全窓ガラスからなり、保護層６はそ
の弾力性により、表面の傷やへこみを自然に覆い
隠して消滅させる。保護層６の上には、非常に丈
夫なプラスチツク製でフイルム状の硬質層２が設
けられる。この硬質層２は粘着剤層８によつて保
護層６上に接合される。この硬質層２のフイルム
は例えば厚さは20〜200μｍであり、望ましくは
50〜150μｍである。粘着剤層８は５〜100μｍの
厚さであり、望ましくは10〜50μｍである。粘着
剤層８による硬質層２の粘着性は充分強く、望ま
しくはその上に貼付されるラベルの粘着性よりも
強くする。硬質層２の材料としては充分な表要粘
着性を有しかつ時効硬化のないプラスチツク材
料、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリウレ
タン、ポリ塩化ビニル、スチレンとアクリロニト
リルとの共重合体、ポリアクリレート、ポリカー
ボネート、又はセルロースエステル等が用いられ
る。

硬質層２を保護層６に固着させる材料として
は、一連のポリエステルおよびポリアミド等の熱
可塑性材料、望ましくは硬質層２と同じ化学系列
のものを用いるか又はエポキシ樹脂、シアノアク
リレート、ポリウレタンのプレポリマー等の縮合
樹脂材料、又はポリビニール・アセテート、ポリ
エチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、
ポリ（エチルヘキシル）アクリレート、ブタジエ
ンとスチレンの重合体、ポリイソブテン、ポリク
ロロプレン、ニトリルゴム、ニトリルゴムおよび
フエノールおよび天然ゴムのレジンのような感圧
性自己粘着性材料を用いる。

本発明の好ましい実施例では、硬質層２として
例えばウイエスバアデン（WIESBADEN）のカ
レー会社（KALLE company）により商品名ホ
スタフアン（HOSTAPHAN）BNHとして市販さ
れている厚さが100μｍのポリエチレン・テレフ
タレートのフイルムを用い、これをワネエ・エイ
ケル（WANNE−EICKEL）のベエバア会社
（VEBA firm）により商品名IPDI−Ｕ−628とし
て市販されているポリエステル・ポリウレタンの
脂肪族熱硬化反応性材料により接合している。ま
た、ウイスバアデンにあるカレー社製のゲノセル
ム（GENOTHERM）V.Gのような厚さ100μｍの
硬質ポリ塩化ビニールのフイルムを用い、これを
M.M.M社製のスコツチ・クラード
（SCOTCHCLAD）−EC−776として販売されて
いるニトリルゴムによつて接合してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は保護層を有する車輌用の前窓の正面
図、第２図は第１図の部分的拡大詳細斜視図であ
る。 １……前窓、２……硬質層、３……第１のガラ
ス板、４……中間層、５……第２のガラス板、６
……保護層、８……粘着剤層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 透明ガラス材料の基板の少くとも一方の面に
   自己補修性の軟質プラスチツクコーテイングを施
   して保護層を形成し、該軟質プラスチツクコーテ
   イング上にほぼラベル寸法の表示エリヤを設け、
   該表示エリヤに傷のつかない硬質のプラスチツク
   材料を接着固定し、該硬質プラスチツク材料上に
   上記軟質プラスチツク材料を傷つけることなく、
   ラベルを剥離可能に貼付できるようにした自動車
   の前窓用に適した安全窓ガラス。 ２ 前記硬質プラスチツク材料をポリカーボネー
   ト、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、
   ポリ塩化ピニル、ポリアクリレート、セルロース
   エステル、又はスチレンとアクリルニトリルとの
   共重合体としたことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の自動車の前窓用に適した安全窓ガラ
   ス。 ３ 前記硬質プラスチツク材料の層は厚さが約20
   ミクロンから約200ミクロンの間であることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項又は第２項記載の
   自動車の前窓用に適した安全窓ガラス。 ４ 前記硬質プラスチツク材料は前記自己補修性
   軟質プラスチツク材料層上に脂肪族ポリウレタン
   又はニトリルゴムの粘着材料層を介して接着され
   たことを特徴とする特許請求の範囲第１項から第
   ３項までのいずれか１項記載の自動車の前窓用に
   適した安全窓ガラス。