JPS6222246Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、外面平滑で内面に複数の連続した
溝ないし突起を有する金属管の製造する装置に関
するものである。

金属管の内面に各種の形状を有する溝ないし突
起を形成しようとする場合、一般には、押出、引
抜、転造等の各方法がとられているが、ウイツク
としての機能を有する程度の大きさの溝ないし突
起を形成しようとする場合、従来の方法では夫々
問題がある。即ち、引抜法では被加工管に加わる
応力の大きさ、金属フローの状態、工具寿命およ
び経済性の点から製造困難であり、押出法でも同
様である。

最近温間液圧押出法を用いた加工法が提案され
ているが、大規模な設備が入用である。またスウ
エジヤー等を用いた転造法は、間欠的に加えられ
る圧縮力によつて加工されるため、材料の軸方向
送りも間欠的となり、同時にダイスの回転につれ
て材料が強制的に回転させられるため、長尺品の
加工は困難である。

この考案の目的は、斯かる従来技術の欠点をな
くし、１回の工程で、内面に連続した多数の溝な
いしは突起をもつた長尺の金属管を経済的に得る
ことのできる装置を提供することにある。

この考案は上記の目的を達成するために、ドロ
ーベンチ等の金属管引抜装置におけるダイスの前
位に、複数の遊星ロールを備えた縮管加工用ヘツ
ドの二組を直列に配置し、該二組の縮管ヘツドを
通して金属管を引抜ダイスへ導く一方、溝付プラ
グを前記二組の縮管ヘツドの遊星ロールに対応す
る部位の前記金属管の内側に位置させ、このよう
な状態で前記金属管を移動させると共に、前記二
組の縮管ヘツドを互に逆方向へ回転させて前記金
属管を前記二組の縮管ヘツドの遊星ロールと前記
溝付プラグとで圧迫することにより、前記金属管
の内面に溝ないし突起を付与することを特徴とし
ている。

このような装置であれば、遊星ロールの回転に
伴つて発生する捩れは、打消されるため極めて僅
かであり、高い断面減少率が容易に得られ、外面
が平滑で、外径の正確な金属管を容易に得ること
ができる。

第１図はこの考案に係る装置の全体構成の概略
を示し、主体はドローベンチ１とマンドレルホル
ダ２から成り、ドローベンチ１におけるダイスホ
ルダー１１の前位に縮管加工装置３が直列に配置
されている。

縮管加工装置３は、第２図に示すように、縮管
ヘツド４とこれをベアリング５を介して回転可能
に支持する匡体６から成り、縮管ヘツド４は駆動
源に連結されたベルト７によつて回転駆動され
る。このヘツド４は三つ爪型のスクロールチヤツ
クよりなり、各爪４１には夫々ロール４２が回転
自在に取り付けられ、各ロール４２の位置が調節
できるようになつている。このことは、任意の外
径の管の加工が可能であることを意味し、各外径
に応じた縮管ダイス等の工具を多数揃える必要が
ないので、経済的メリツトが大きい。

各ロール４２は、被加工管９の移動方向の上流
側が被加工管９との接触をスムーズに行えるよう
に弧面を呈し、下流側が被加工管９の外面を平滑
に保つために平行面を呈している。被加工管９の
内形を決定づける溝付プラグ８は、ホルダ２に固
定されたマンドレル８１の先端に回転自在に保持
され、前記ロール４２に対応する部位の被加工管
９の内側に挿入される。各ロール４２は被加工管
９に所定のリダクシヨンを与えるために、第３図
にも示すように、軸心方向に均等に押し付けられ
る。そして回転自在な溝付プラグ８の外周面に
は、被加工管９の内周面に所定寸法の溝または突
起を形成するために、複数の突起または溝が設け
られている。

従つて、縮管ヘツド４に被加工管９を通すと共
に、内側に溝付プラグ８を位置させて縮管ヘツド
４を矢印Ａの方向に回転させると、各ロール４２
は被加工管９の周囲を遊星回転して被加工管９を
縮管し、これを溝付プラグ８上へ押付けてその内
面をプラグ８の外周面の形に応じた形状に成形す
ることができる。

回転自在な溝付プラグ８外周面の突起または溝
は、所定の数、例えば36条の突起ないし溝が円周
上等間隔をもつてらせん状、直線状に配置されて
いる。

斯かる縮管加工装置３を経た被加工管９は、引
続きダイスホルダ１１に固定された引抜ダイス１
２を経て引抜かれる。

従つて縮管ヘツド４を連続的に回転させると共
にキヤリツジ１３を右方へ移動させれば、被加工
管９は連続的に加工され、外面が平滑で、内面に
所定の溝ないし突起をもつた外径の正確な加工管
９１が容易に得られる。

この考案においては、第１図及び第２図に示し
た縮管ヘツド４に近接して第４図に示すように、
もう一組の縮管ヘツド４Ａを直列に配置し、夫々
を互に逆方向に回転させて、被加工管９を縮管加
工するようにしている。

この場合、溝付プラグ８Ａは、縮管ヘツド４Ａ
側のロール４２の位置に合わせて長くなつている
が、被加工管９に作用する捩り力は互に打ち消さ
れるため、管の捩れが防止できる。

リダクシヨンは、縮管ヘツドが１つであつても
ヘツドの回転数と引抜速度との比率を調節するこ
とによつて任意に選ぶことができるが、ヘツドを
複数とすることによつて高いリダクシヨンを容易
に得ることができる。勿論難加工材の加工につい
ても同様なことが言える。

以上の説明から明らかなように、この考案に係
る装置は、引抜きによつて金属管に軸方向の送り
を与えながら、その引抜きに先立ち、複数個の遊
星回転するロールを備えた縮管ヘツドの二組によ
り金属管を縮管して金属管の内面に溝ないし突起
を付与する方式であるから、被加工管は殆ど回転
せず、簡単な装置により、高加工度で外面の平滑
度が高く、外径寸法も正確な加工管を容易に得る
ことができ、能率向上を期待し得るという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの考案に係る装置の説
明図であり、第４図は本発明実施装置の要部説明
図である。 １：ドローベンチ、１１：ダイスホルダ、１
２：引抜ダイス、１３：キヤリツジ、２：マンド
レルホルダ、３：縮管加工装置、４及び４Ａ：縮
管ヘツド、４１：爪、４２：ロール、８及び８
Ａ：溝付プラグ、８１：マンドレル、９：被加工
管、９１：加工管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属管を引抜く引抜ダイスと、該引抜ダイスの
   前位に該引抜ダイスと直列に順次配置され、夫々
   通過する金属管の外周を圧迫する複数個の遊星ロ
   ールを備え、互に逆方向へ回転する二組の縮管ヘ
   ツドと、マンドレルの先端部に回転自在に保持さ
   れ、前記二組の縮管ヘツドの遊星ロールに対応す
   る部位の前記金属管の内側に位置する溝付プラグ
   とから成ることを特徴とする内面に複数の溝ない
   し突起を有する金属管の製造装置。