JPS62209232A - ノイズを防止するデイスクブレ−キ用パツド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 イ　発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は、自動車用ディスクブレーキに使用して、ノ
イズ発生を良好に防止できるパッドを得させるのに利用
できる発明であって、特にシム板を使用しないでノイズ
防止ができるように構成したものである。

（従来の技術） ディスクブレーキは、第５図に略示するように、自動車
の車輪に連動して回転するロータ１の両面にパッド２の
裏金３に接着したライニング４．４を対向させ、両パッ
ド２をキャリパ５の爪６とピストン７とで挟み、ピスト
ン７を嵌合させたシリンダ８に導油口９から圧油を供給
してピストン７を押出し、ピストン７の当接する第５図
右側のパッド２と、キャリパ５を介して爪６を当接させ
る同図左側のパッド２とをロータ１の両面に押付け、ラ
イニング４とロータ１との摩擦によりロータｌを介して
車輪を制動するものである。

ところが、このように構成され作用するディスクブレー
キにおいては、制動時にノイズ（騒音）を発生すること
がある。このノイズは、制動力の弱いとき、即ちブレー
キペダルを押す踏力が小さいときに発生し易い。

このノイズの原因は、低踏力時には、キャリパの爪６、
ピストン７とパッドの裏金３との密着性か弱いと、制動
時にロータとライニングとの間で摩擦振動を生じたとき
にパッドが振動し、ノイズを発生するものであると考え
られている。踏力を強くするとこのノイズは収まる。

爪６およびピストン７とパッドの裏金３との密着性は、
相接する二つの部材の材質が硬い程、悪くなる。

このような性質があるため、ノイズを防止する一つの手
段として、厚さ約０．４ｍ／ｍの鋼板の両面にゴムコー
ティングを施して製作したシム板を裏金３と爪６、ピス
トン７との間に介在させ、このシム板を介して裏金、爪
、ピストン等の相接する部材の密着性を良好にしようと
することが行なわれた。また、裏金３に硬質金属を溶射
して爪、ピストンとの密着性を改善しようとすることや
、その他に、裏金にアルミニウム板をゴム系接着剤で接
着し、その外面にもゴム系接着剤を塗装してピストン等
との密着性を良好にしようとするもの（特開昭５０−１
１２６６８号公報記載）や、パッド全面を亜鉛分の多い
塗膜で被覆して密着性をよくしようとするものく実開昭
５９−１０８８３２号公報記載）もある。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、上記の各手段のうち、硬質金属の溶射は
ノイズ防止には効果がなく、その他の手段は、相接する
部材の密着性を向上させる点で゛は有効であったが、耐
久性に乏しく、早期にノイズを発生するようになる欠点
があった。

即ち、ゴムコーティングやゴム系接着剤、含亜鉛塗膜等
は新しい間は相接する部材の密着性をよくし、ノイズ発
生を阻止するが、早期にこの作用を失なってしまうもの
であった。

本発明者等の研究によると、シムのノイズ防止効果は、
裏金とキャリパの爪、ピストンとの密着性に関係し、密
着性を大きくすると、ノイズを発生し易い低踏力制動時
にもパッドの振動を抑え、摩擦振動を成長させないこと
が判った。

この密着性の程度を測定するには、コンプライアンス測
定により接触部の接触共振周波数を求める方法がある。

シム板を使用した場合と使用しない場合とでは、ディス
クブレーキへの供給液圧を＠踏力に相当する５　ｋｇ／
ｃｒｎ”として測定して、次表のような相違が見られた
。

これにより、シム板を使用すると密着性が著しく良好に
なることが判る。

なお、前記のように、ゴムコーティングを施した鋼のシ
ム板を裏金と爪、ピストンとの間に介在させると、取付
は初期には、ノイズ防止効果が大きかったが、その理由
は、ゴムの振動減衰性にあると考えられていた。ところ
が本発明者等がパッド、シムの振動減衰性を調べたとこ
ろ、下表の結果が得られた。これによると、パッド自体
の減衰率は、シム板よりも５〜１０倍も大きいことから
、ノイズ防止効果は、振動減衰率以外の要因により得ら
れることが推測できる。

よって本発明は、シム板を使用しないで、パッド自体に
よりノイズ防止ができる手段を探究し、その結果として
得られたものである。

（問題点を解決するための手段） この発明は、キャリパの爪、ピストンの一方に当接する
パッドの裏金の面に、硬度がＨＢ２０〜７０の軟質金属
を溶射し失溶射層を形成して、ノイズを防止するディス
クブレーキ用パッドを構成するものである。

更に一つの実施態様として、この溶射層の上に耐熱性樹
脂のコーティングを施してノイズを防止するディスクブ
レーキ用パッドを構成するものである。

（作　　　用） 第１図に示すように、裏金３にライニング４を結合して
成るパッド２において、キャリパの爪６（またはピスト
ン７）に当接するライニング４の表面に、アルミニウム
、亜鉛、銅等の軟質金属を溶射して、硬度がＨＢ２０〜
７０の溶射層１０を被着するから、この裏金３にキャリ
パの爪６（またはピストン７）が押圧されると、軟質の
溶射層１０が裏金３と爪６（またはピストン７）との間
°に介在し、適度に変形して裏金３、爪６（ピストン７
）を良好に密着させることになり、摩擦振動が成長する
のを阻止し、ノイズ発生を防止する。

溶射層１０を形成するアルミニウム等の軟質金属は、軟
か過ぎても延びが大きくなって不具合であり、ＨＢ２０
〜７０の硬度のものが適当である。

この軟質金属が防振効果を発揮するのは、キャリパ爪や
ピストンによる押圧摩擦が繰返されて、これらと溶射金
属との当り面になじみを生じてからであり、それまでに
何回かの制動を行なわなければならないが、第２図のよ
うに溶射層１０の上にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐
熱性樹脂のコーティング１１を方伍すと、このコーティ
ングのバッキング作用のため、初期段階から良好な密若
性を得ることができる。

裏金に溶射層１０または更にその上にコーティング１１
を形成してこれにキャリパの爪６またはピストン７を押
圧すると、第３図のように、軟質金属の溶射層１０また
は溶射層１０とコーティング１１とが爪６の両側に盛り
上り、爪６、ピストン７を側方から抑えるグリップ効果
を生じ、密着性と併せて振動防止効果を高めることがで
きる。

これと逆に爪６、ピストン７に軟質金属の溶射層や耐熱
性合成樹脂のコーティングを施しても、盛り上りは第４
図のようになり、グリップ効果を生じないため、大きな
ノイズ防止効果は得られない。

ハ　考案の効果 （１）溶射層１０または溶射層１０とコーティング１１
とのため、裏金３とキャリパの爪６またはピストン７と
の密着性が良好となり、ノイズを防止する効果が大きい
。

（２）軟質金属による丈夫な溶射層１０のため、このノ
イズ防止効果の耐久性が大きい。

（３）溶射層１０にコーティング１１を施せば、溶射層
１０とキャリパの爪６、ピストン７とのなじみを待たず
にディスクブレーキの使用初期からノイズ防止効果を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明により裏金に溶射層を被着した状態を示
す第５図のＡ−Ａ線によるパッドの部分断面図、第２図
はこれに更にコーティングを施した状態を示す同様の断
面図、第３図は溶射層のグリップ効果を示す同様の断面
図、第４図は溶射層を爪に形成した場合の、その変形を
示す同様の断面図、第５図は通常のディスクブレーキの
概略構成を示す側面図である。 １：ロータ、２：パッド、３：裏金、４ニライニング、
５：キャリパ、６：爪、７：ピストン、８ニジリンダ、
９：給油口、１０：溶射層、１１：コーティング。 第１図　　　　　第２図 第３図　　　　　　第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）キャリパの爪（６）、ピストン（７）の一方に当接
   するパッド（２）の裏金（３）の当接面に、硬度がＨＢ
   ２０〜７０の軟質金属を溶射して溶射層（１０）を形成
   することを特徴とするノイズを防止するディスクブレー
   キ用パッド。 ２）特許請求の範囲１において、溶射層（１０）の上に
   、耐熱性樹脂のコーティング（１１）を施したノイズを
   防止するディスクブレーキ用パッド。