JPS62202743A - インクジエツト記録装置用インク噴射ノズルの撥水処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 技−諸分野 本発明は、撥水処理方法、より詳細には、金属製インク
噴射ノズルを有するインクジェット記録装置において、
ノズル孔金属面と膜状撥水部材との間に樹脂層部材を設
けて、ノズル孔面に撥水処理を行う方法に関する。

従来技術 このような撥水処理方法、即ち、金属面に撥水処理を施
す方法、さらに、インクジェット記録装置用インク噴射
ノズルのノズル面に撥水処理を施す方法については、こ
れまでに種々の方法が提案されている６即ち、疎液性膜
の製作方法およびインクジェット記録装置用インク噴射
ノズルにこれを適用させた方法が、それぞれ、特開昭５
８−１９１１７２号および特開昭５８−１７５６６６号
に述べられており、プラズマ重合法によるフッ素系樹脂
膜の作成方法と、それをノズルに応用する方法が説明さ
れているが、この樹脂膜の作成がバッチ処理となるため
に量産性が悪くなるという欠点を有していた。

さらに、新しい材料を使用したコーティング方法に関し
ては、フッ素系ポリマーの塗装によるコーティング加工
技術が既に知られているが、欠点としては、樹脂膜厚を
ノズル形状に影響を及ぼすほど厚くした場合に密着性を
向上させるために施された手段によってはインク噴射ノ
ズルを破損してしまうおそれがあることが挙げられる。

第２図は、従来のインク噴射ヘッドのインク噴射時にお
けるノズル部分の側面断面図、また、第３図は、同じ〈
従来の撥水処理を施したノズル部分の側面断面図である
。図中、１はインク噴射ヘッド、２はインク液室、３は
インク噴射ヘッド１から噴射されたインク液、４は金属
ノズル、５は撥水部材である。

一般的に、電鋳法やエツチング法によって形成されたニ
ッケルノズルや、放電加工により形成されたステンレス
ノズルのような金属ノズルを有するインクジェット噴射
ヘッドにおいて、第２図に示すように、インクの表面張
力やノズル面への染料の付着等の影響によって、ノズル
面に液だれか生じ、インク滴の噴射方向に悪影響を及ぼ
すことがある。これは、これらの金属ノズルがインクに
対して充分な疎液性をもっていないためである。

従来、金属表面の撥水処理として、第３図に示す如く、
シリコン系ポリマー、フッ素ポリマー等の撥水部材の金
属表面へのコーティングが色々な方法でなされている。

しかし、これらの撥水性を有するポリマーは、金属との
密着性が悪く、従って、密着性向上のための表面改質が
８寥である。

従来は、密着性を向上させる手段として、金属表面のブ
ラスト処理、カップリング剤処理、プラズマを利用した
ケーシング処理、多孔質金属酸化物膜処理等が挙げられ
る。これらの従来の方法をノズル面に施す場合に１例え
ば、ブラスト処理、酸化物膜処理ではノズルを破壊する
おそれがあり、また、ケーシング処理ではバッチ工程と
なるために量産性が悪い。さらに、表面改質処理後にフ
ッ素系ポリマーを金属にコーティングする場合には、デ
ィスパージョンタイプもしくはパウダータイプの樹脂塗
料をコーティングするのが普通である。

このようなコーティング方法において、ピンホールのな
いコーテイング膜を得るためには、膜厚を１０μｍ以上
とする必要があり、このようにした場合にノズルの寸法
が変ってしまうおそれがある。充分な撥水性をもち、し
かも、通常はアルカリ性溶液であるインク液に対する耐
インク性の優れたものは、フッ素系ポリマーである。し
かし、ディスパージョンタイプやパウダータイプの樹脂
塗料を使用した場合には、充分な撥水性をもった膜が形
成されるが、前述の如く、樹脂膜が厚くなってしまう。

一方、界面活性剤タイプのフッ素系ポリマーを使用した
場合には、膜厚を１μｍ以下とすることが可能であるが
、従来の表面改質手段では金属との密着性は弱い。

目　　　　　的 本発明は、上述の如き実情に鑑みてなされたものであり
、このような従来技術の問題点を解決して、ノズルの寸
法および形状に影響を及ぼさない程度の厚さの膜厚をも
ち、しかもノズルの一部を破損することなく金属との優
れた密着性を有する膜状撥水部材を得ること、および、
インク噴射ノズルの金属面とこの膜状撥水部材との間の
優れた密着性を満足し、且つ、この金属製のノズルの孔
の表面にインクに対して十分な疎液性をもたせるような
好ましい撥水処理方法を実現させることを目的とする。

構　　　成 本発明は、上記目的を達成するために、金属製インク噴
射ノズルを有するインクジェット記録装置において、ノ
ズル孔金属面と膜状撥水部材との間に樹脂層部材を設け
ることを特徴としたものである。以下、本発明の実施例
に基いて説明する。

第１図は、本発明によるインク噴射ヘッドのノズル部分
を説明するための側面断面図であり、図中、４は金属ノ
ズル、５は撥水部材、６は樹脂層である。

先ず、撥水部材としては、膜厚が薄くできるという利点
から、界面活性剤タイプのフッ素系ポリマーを用いる。

一般的には、このようなタイプのポリマーは密着性を有
していないが、中には、親有機基を有するものもあり、
これは他の樹脂との優れた密着性をもつものである。

本発明においては、この長所を有効に利用して、金属ノ
ズル４と上記フッ素系樹脂膜で形成された撥水部材５と
の間に、金属と密着性の良い樹脂層６を設けることによ
って、金属ノズル４と撥水部材５との密着性を間接的に
向上させた。この親有機基を有するフッ素系ポリマーと
しては、住友スリーエム製「フロラードＪなどがある。

金属と密着性の良い樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリウレタン樹脂、または、これらの変性
樹脂であるフェノール・エポキシ樹脂、フェノール・ポ
リアミド樹脂などがある。これらの樹脂は、膜厚が１μ
ｍ以下でも金属との充分な密着性を有するものである６ ノズル周辺部への上記中間層樹脂コーティング方法とし
ては、ノズル部をマスキングしたり、ノズルから気体を
噴射した状態で、スプレーコーティングしたり、さらに
フォトエツチングにより、コーティングすること等、色
々な方法が考えられる。上記フッ素系樹脂膜も、同様に
例えばスプレーコーティングにより形成できる。

本発明の実施例では、ノズルからＮ２ガスを１ｋｇ／ｃ
ｄの圧力で噴射させながら、ＭＩＢＫ　（メチルイオブ
チルケトン）で稀釈したエポキシ樹脂接着剤をスプレー
コーティングによって、ステンレス製ノズル面にコーテ
ィングして、樹脂が硬化した後に、上記の界面活性剤タ
イプのフッ素系ポリマーを同様にスプレーコーティング
により、その上にコーティングした。その結果、全体的
に１μｍの膜厚を有し、しかも優れた密着性をもつ撥水
膜を得ることができた。

羞−一米 以上の説明から明らかなように、本発明によると、イン
クジェット記録装置用インク噴射ヘッドのノズルの金属
面と膜状撥水部材との間の優れた密着性を満足し、ノズ
ルの寸法および形状に影響を及ぼさない撥水処理を行う
ことが可能となり、さらに本発明による表面処理方法は
、流れ作業が可能であるために、量産性が良い。また、
このような処理方法では、従来の方法に比べて処理時の
表面処理剤の消費量が少ないために、製造コストを低減
させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による撥水処理を施したノズル部分の
一実施例の側面断面図、第２図は、従来のインク噴射ヘ
ッドのインク噴射時におけるノズル部分の側面断面図、
そして、第３図は、同じ〈従来の撥水処理を施したノズ
ル部分の側面断面図である。 １・・・インク噴射ヘッド、２・・・インク液室、３・
・・インク液、４・・・金属ノズル、５・・・撥水部材
、６・・・樹脂層。 特許出願人　　株式会社　リコー 第　１　図 第２図 第３図

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）、金属製インク噴射ノズルを有するインクジェッ
   ト記録装置において、ノズル孔金属面と膜状撥水部材と
   の間に樹脂層部材を設けることを特徴とするインクジェ
   ット記録装置用インク噴射ノズルのノズル孔面撥水処理
   方法。
2. （２）、前記膜状撥水部材は、界面活性剤タイプのフッ
   素系ポリマーであることを特徴とする特許請求の範囲第
   （１）項に記載のノズル孔面撥水処理方法。
3. （３）、前記樹脂層部材は、エポキシ樹脂、ポリアミド
   樹脂、ポリウレタン樹脂、または、それらの変性樹脂か
   らなることを特徴とする特許請求の範囲第（１）項に記
   載のノズル孔面撥水処理方法。