JPH0825630A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH0825630A
JPH0825630A JP16762894A JP16762894A JPH0825630A JP H0825630 A JPH0825630 A JP H0825630A JP 16762894 A JP16762894 A JP 16762894A JP 16762894 A JP16762894 A JP 16762894A JP H0825630 A JPH0825630 A JP H0825630A
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JP
Japan
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ink
nozzle
philic
repellent
recording
Prior art date
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Application number
JP16762894A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Ota
善久 太田
Tatsuhiko Oikawa
達彦 及川
Minoru Ameyama
実 飴山
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH0825630A publication Critical patent/JPH0825630A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/16Production of nozzles
    • B41J2/1606Coating the nozzle area or the ink chamber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14475Structure thereof only for on-demand ink jet heads characterised by nozzle shapes or number of orifices per chamber

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吐出インク滴飛翔の曲りや隣接ノズル間の相
互干渉をなくし、ワイピング動作に対する耐久性を増
す。 【構成】 インク液室に接合されるノズル3a,3b,
3c…を有するノズルプレート2において、インク滴吐
出側の表面のノズル3a,3b,3cの近傍周辺部に各
々親インク性表面6a,6b,6cを、親インク性表面
6a,6b,6cの外側に撥インク性表面7を形成す
る。記録用インクを水性としたとき、インク膜が親イン
ク性表面6に成膜されることによって、吐出されるイン
ク滴が直進して飛翔する。隣接する撥インク性表面7
は、各々独立しているので、ヘッドが移動する時、イン
ク膜の相互干渉が少く、かつ、撥インク性表面7を高く
したので、ワイピング動作に対し親インク性表面6の耐
久性が高くなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッド
に関し、より詳細には、インク滴を吐出するノズルを有
するノズルプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】インク液室内のインクを急激に加圧して
ノズルよりインク滴を吐出し、記録紙上に印写するイン
クジェット記録装置には、インクの加圧手段として、圧
電素子を利用するもの、発熱抵抗体を利用するものな
ど、種々のものが提案されている。インク滴は、ノズル
板に穿孔されたノズルより吐出されるが、小形化,高画
質化の要求に従って、ノズル板に多数のノズルが形成さ
れるようになった。
【0003】しかし、単にノズルを高集積化するだけで
高画質が得られるものではなく、ノズル形状の均一化
や、ノズルから吐出される液滴を常に安定した一定方向
に飛翔させるようにするなど、マルチノズルを有するノ
ズルプレート自体に多くの技術的課題をもっており、多
くの提案がなされている。
【0004】特開平4−29415号公報には、ノズル
プレートのノズルからインクが吐出される側の外表面
に、フッ素系高分子共析メッキで形成された撥インク性
の表面処理が施こされたインクジェット記録ヘッドが開
示されている。
【0005】特開昭63−3963号公報には、ノズル
プレートをニッケル電鋳で形成して、最表面に四フッ化
エチレン樹脂を含んだニッケルメッキ処理を施し、ノズ
ル表面全面を撥インク性としたインクジェットノズルが
開示されている。
【0006】また、特開平2−88247号公報には、
インクが吐出されるノズル周辺部の表面を撥水性膜で被
覆し、その撥水性膜に接する外周部表面を親インク性膜
で被覆することにより、ノズル外周部にインク溜りを発
生させず、その外周の親インク性膜部分でインクを逃が
す構造のインクジェット記録ヘッドが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平4−2
94145号公報および特開昭63−3963号公報に
示した従来技術では、ノズル表面全面を撥水性としたノ
ズル表面処理が開示されているが、この場合には、下記
の不具合が生ずる。
【0008】1.ノズル表面全面に撥水処理を施した場
合でも、ノズルの目詰まりを防ぐためにノズルプレート
表面をゴムプレート等で拭くいわゆるワイピング動作な
どの際にノズル表面に若干のインク溜りを形成してしま
う。このインク溜りは、インク滴の飛翔方向を曲げた
り、気泡をノズルから液室内へ混入させる原因となり、
更には、インク滴を飛翔させなくなる可能性がある。
【0009】2.ノズルを形成したノズルプレートに後
工程で表面処理を施す場合、表面処理材がノズル内部に
進入するのを防ぐための管理やノズル外周部の品質管理
が困難になる。そのため、均一なノズルを得ることがで
きない。
【0010】また、一般によく知られているノズル表面
の全面に親水処理を施す目的は、ノズル表面に薄いイン
ク膜を形成させ、インク溜りを発生させないようにする
ものである。しかし、この方法でも、以下のような不具
合点がある。
【0011】1.常に、インク膜がノズル表面を覆って
いるため、紙面を汚す可能性が大きく、また、常時動い
ているヘッドのインク膜厚を管理することは非常に困難
である。
【0012】2.ノズルプレート表面をインク膜が覆っ
ているため、隣接ノズル間で振動が伝わったり、印写の
ため、複数のノズルをあらゆるパターンで駆動させた場
合、インク膜の厚みが不均一になり、安定したインク滴
噴射ができなくなる恐れがある。このことは、即ち、印
字される画質を低下させる。
【0013】また、特開平2−88247に開示され
た、ノズル周辺部に撥水性膜を有し、その撥水性膜の外
周部に親インク性膜を有する構造においても、以下のよ
うな不具合点がある。
【0014】1.撥水性膜をノズル近傍のみに均一にす
るためには、非常に高精度の位置出しが必要となる。 2.ノズルプレートの表面の部分が親インク性膜で覆わ
れるため、紙面を汚す可能性がある。 3.小さな撥水性膜を凸型で形成するため、ワイピング
動作等に対する耐久性が得にくい。
【0015】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
ので、吐出されたインク滴が曲って飛翔するのを抑制
し、隣接ノズル間の相互干渉をなくし、さらに紙面を汚
す可能性を低減し、ワイピング動作に対する耐久性をも
確保したインクジェットヘッドを提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)ノズルからインク滴を吐出して記
録を行うインクジェットヘッドにおいて、前記ノズルの
近傍周辺部を親インク性表面とし、該親インク性表面の
外側を撥インク性表面としたこと、或いは、(2)ノズ
ルからインク滴を吐出して記録を行うインクジェットヘ
ッドにおいて、前記ノズル近傍周辺部を親インク性表
面、該親インク性表面の外側を撥インク性表面とし、前
記親インク性表面と前記撥インク性表面とに段差を設け
たこと、或いは、(3)ノズルからインク滴を吐出して
記録を行うインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル
近傍周辺部を親インク性表面、該親インク性表面の外側
を撥インク性表面とし、隣接ノズルの前記親インク性表
面部分が結合または接しないこと、或いは、(4)ノズ
ルからインク滴を吐出して記録を行うインクジェットヘ
ッドにおいて、前記ノズル近傍周辺部を親インク性表
面、該親インク性表面の外側を撥インク性表面とし、前
記親インク性表面の外径を前記ノズル径の2倍以上とし
たこと、更には、(5)前記(1)乃至(4)の何れか
において、記録を行うために使用されるインクを水系イ
ンクとし、前記親インク性表面を物理的または化学的に
形成された粗面としたこと、更には、(6)前記(1)
乃至(4)の何れかにおいて、記録を行うために使用さ
れるインクを水系インクとし、前記撥インク性表面をニ
ッケルとフッ素系高分子を主成分とした共析メッキによ
り形成したこと、更には、(7)前記(1)乃至(4)
の何れかにおいて、記録を行うために使用されるインク
を水系インクとし、前記撥インク性表面をニッケル,リ
ンおよびフッ素系高分子を主成分とした無電解共析メッ
キにより形成したこと、更には、(8)前記(1)乃至
(4)の何れかにおいて、記録を行うために使用される
インクを水系インクとし、前記撥インク性表面を10μ
m以下の粒子径からなるポリテトラフルオロエチレン微
粒子を分散した塗装により形成したことを特徴とするも
のである。
【0017】
【作用】オリフィスを形成するノズルの近傍周辺部を親
インク性表面とし、該親インク性表面の外側を撥インク
性表面とすることによって、ノズル近傍の親インク性表
面に均一な厚さのインク膜が形成され、インク滴の吐出
方向が安定する。また、親インク性表面の外側が撥イン
ク性表面で覆われているので、隣接するノズルの親イン
ク性表面部分が結合または接しないので、親インク性表
面のインク薄膜との干渉がなく、ノズル毎に安定したイ
ンク滴を吐出することが可能となる。更に、撥インク性
表面部の厚さを親インク性表面部の厚さよりも厚くする
ことにより、ワイピング動作時に、ワイピングプレート
がノズルに直接触れることがないので、ノズルを初期の
安定した状態に保つことができる。
【0018】
【実施例】
実施例1(請求項1に対応) 図1は、本発明によるノズルプレートが搭載されるイン
クジェットヘッドの一例の構造を説明するための斜視図
であり、図中、1はインク液室板、2はノズルプレー
ト、3はノズル、4はPZT(圧力発生部材)、5は基
板である。
【0019】PZT4は、ジルコン酸チタン酸鉛が積層
された圧電素子で、基板5上に固着され、インク液室板
1内に形成された複数列の液室に対応して列状に区画さ
れ、各々画像信号に従って個別に駆動される。インク液
室板1の一端面には、液室に対応して複数のノズル3を
有するノズルプレート2が接合されており、駆動パルス
の印加によってPZT4が駆動され、液室に急激な体積
変化が与えられたとき、ノズル3よりインク滴が吐出さ
れ、記録上に記録される。前記ノズルプレート2を搭載
するインクジェットヘッドは、図1に示した圧電素子駆
動のもの以外にも熱エネルギ変換素子を滴吐出発生源と
した方式のものがあるが、本発明のノズルプレートは滴
吐出エネルギ発生源の方式に関係なく適用される。
【0020】図2は、実施例1によるノズルプレートの
一例を説明するための斜視図であり、図中、3a,3
b,3cはノズル、6a,6b,6cは親インク性表
面、7は撥インク性表面であり、図1と同様の作用をす
る部分には図1と同じ参照番号を付してある。
【0021】ノズルプレート2は、例えば、ニッケル電
鋳、SUS,Ni,Alなどの金属や、ポリイミド,ポ
リエーテルサルホン,ポリフェニレンサルファイドなど
の有機材、更には、アルミナ,チタン酸バリウムなどの
セラミックの矩形状の板材からなり複数のノズル3a,
3b,…が穿孔されている。ノズル3a,3b,は、上
記ノズルプレート2の板材に適合した方法、例えば、パ
ンチ加工,放電加工あるいはマキシマレーザ加工などが
選択されて穿孔される。ノズル3a,3b,3cの吐出
口近傍外周を親インク性表面6a,6b,6cで被覆
し、該親インク性表面6a,6b,6cの外周部分を撥
インク性表面7で被覆したものである。なお、図2の例
においては、説明を簡易にするため、ノズル3a,3
b,3cおよび親インク性表面6a,6b,6cを図示
しているが、ノズル3の数は限定されるものではない。
また、ノズルプレート2の材料としては、前記材料だけ
でなく、複数材料の合板材でもよく、表面が積層状にな
った板材でもよく、これらいづれの材料についても本発
明は適用される。
【0022】図2に示したように、ノズル3a,3b,
3cの周辺部を親インク性表面6a,6b,6cとし、
親インク性表面6a,6b,6cの外側を撥インク性表
面7とすることにより、親インク性表面6a,6b,6
cの限られた表面積内に均一な厚みのインク膜が形成さ
れる。インク滴が吐出されるとき、インク滴にインク膜
による均一な表面張力が作用し、インク滴の吐出方向を
安定させることができる。
【0023】しかし、親インク性表面6a,6b,6c
と撥インク性表面7との被膜の厚みが等しい場合は、ワ
イピング動作により、ワイピングプレートがノズル3
a,3b,3cに接触し、長期間にはノズル形状に悪影
響を及ぼし、インク滴の吐出状態を徐々に変化させるよ
うになる。
【0024】実施例2(請求項2に対応) 図3は、実施例2を説明するためのノズルプレートの一
例の断面図であり、図2と同様の動作をする部分には、
図2と同じ参照番号を付してある。
【0025】図3は、親インク性表面6と撥インク性表
面7との間に段差を設け、親インク性表面6に対して撥
インク性表面7の被膜の厚みを厚くしたものである。す
なわち、オリフィス状のノズル3のインク吐出部近傍外
周に親インク性処理を施し、親インク性表面6とし、親
インク性表面6の外側を一段高くし、その一段高くした
表面部分に撥インク性処理を施し、撥インク性表面7を
構成したものである。
【0026】撥インク性表面7は、親インク性表面6よ
りも高くなっているので、ワイピング動作中にワイピン
グプレートとノズル3とが直接触れることがないので、
ノズル3の吐出口を痛めることがなく、インクジェット
ヘッドは、初期の安定した状態を保って印字することが
できる。
【0027】実施例1,2に説明したように、本発明に
よるインクジェットヘッドにおいては、ノズル3の滴吐
出口近傍表面を親インク性表面6として、ノズル3から
の滴吐出を安定させるものであるが、隣接するノズル同
志の親インク性表面6が結合したり接すると、親インク
性表面6の面積が、実質的に広くなり、インクジェット
ヘッドの移動等により親インク表面6間のインク膜に相
互干渉が生じ、画質の品質を低下させる。
【0028】実施例3(請求項3に対応) 実施例3におけるインクジェットヘッドにおいては、図
2に示したノズルプレート2に穿設されたノズル3a,
3b,3cの近傍周辺部に親インク性の表面6a,6
b,6cを有し、親インク性表面6a,6b,6cの外
周を撥インク性表面7としている。すなわち、撥インク
性表面7によって、隣接するノズル、例えば、ノズル3
aとノズル3bにおいて、ノズル3aの親インク性表面
6aとノズル3bの親インク性表面6bとが互いに接し
たり、結合したりするような状態をなくしている。
【0029】この結果、隣接するノズル3近傍周辺部の
親インク性表面6が独立しており、隣接したノズル3は
共通したインク膜を有することがないので、インクジェ
ットヘッド移動による相互干渉を低減することができ、
印字画質を向上させる。
【0030】図5に示すように、ノズル3と親インク性
表面6とが芯ずれがある場合でも、ノズル周りで均一な
インク膜を形成できなくなる。これは前述したようにイ
ンク滴の吐出方向を曲げたり、気泡をノズル3から液室
内に引き込む原因となる。
【0031】実施例4(請求項4に対応) ノズルプレート2に穿設されたオリフィス状のノズル3
の径に対して親インク性表面6の外径が2倍未満である
と親インク性表面6とノズル3とのわずかな位置ずれに
より、図5に示したようなノズル3周りの親インク性表
面6の幅ムラが生じ、インク膜の厚さが不均一となる。
この幅ムラにより生ずる上述した問題は、ノズル3の径
に対して親インク性表面6の外径を2倍以上することに
より解決される。
【0032】図4は、図2,図3に示したノズルプレー
トを作成する工程の一例を示す図であり、以下、記録用
のインクとしては、水系インクが使用される。以下、図
4(a),(b),…(e)に示した工程の順に従って
説明する。
【0033】工程(a):ノズル板2を準備する。ノズ
ルプレート2は金属(ニッケル電鋳品,SUS,Ni,
Al等),有機材(ポリイミド,ポリエーテルサルホ
ン,ポリフェニレンサルファイド等),セラミックス
(アルミナ,チタン酸バリウム)等の板で、ノズル表面
2a(吐出口側が小径なテーパ面をもっておりパンチ加
工、放電加工あるいはエキシマレーザ加工等材料に適し
た方法により穿孔される。記録を行うためのインクが水
性インクの場合、ノズルプレート2が平滑であると、均
一な厚さの長期安定したインク膜を形成することができ
ない。
【0034】工程(b):吐出口側の面に粗面化処理す
る(実施例5(請求項5に対応))。粗面化処理は、物理
的(例えば、目の粗いヤスリによる研磨やドライエッチ
ング)、化学的(例えば、金属のノズル板の場合、塩化
鉄溶液浸漬やクロム混酸溶液浸漬)で処理し、親インク
性表面6を形成する。なお粗面化処理において、表面に
反応性のある官能基を形成させるような紫外線照射等の
方法は、耐久性を得ることが困難であり好ましくない。
【0035】工程(c):ノズルに対応した位置の部分
にレジストパターンを形成する。粗面化されたノズルプ
レート表面2aの全面にフォトレジスト材をコーティン
グし、ノズルに対応した位置にノズル径の2倍以上の径
のレジストパターン8が残るようにマスクしパターニン
グする。このときフォトレジスト材はノズル3部分を架
橋するので、あるレベルの剛性を必要とする。そのた
め、フォトレジスト材としてはドライフィルム形態のも
のが適している。また、パターニングの径によって親イ
ンク部分の大きさが決定される。
【0036】工程(d):撥インク性処理を施す。ノズ
ル3に対応した位置にレジストパターン8が形成され、
形成されたレジストパターン8外周の粗面化処理された
部分に、フッ素系樹脂やシリコン系樹脂の焼き付けなど
により撥インク性表面7を成膜する。
【0037】しかし、撥インク性表面7をフッ素系樹脂
やシリコン系樹脂の焼付けにより成膜した場合は、必ず
しも充分な高いワイピング耐久性のある撥インク性表面
7が得られない。このため、本発明に係る撥インク性表
面7は以下の実施例6,7,8の何れかによる処理方法で
得られた撥インク性表面7とする。
【0038】実施例6(請求項6に対応) 一つは、ニッケルとフッ素系高分子の共析メッキ法で得
られた撥インク性表面7とすることである。ニッケルと
フッ素系高分子の共析メッキ法で形成された撥インク性
表面7は、ニッケルを主成分とした金属の網目の中に、
撥インク性の樹脂であるフッ素系高分子(おもにポリテ
トラフルオロエチレン)が含まれる形状となっている。
この結果、フッ素系樹脂やシリコン系樹脂の焼付けによ
り成膜された撥インク性表面7よりも高い撥インク性と
高いワイピング耐久性の撥インク性表面7が得られる。
【0039】実施例7(請求項7に対応) ニッケル,リンとフッ素系高分子の共析メッキを無電解
触媒反応メッキにより得られた撥インク性表面7は、実
施例6によるニッケルとフッ素系高分子の共析メッキ法
で形成された撥インク表面7よりも膜厚を高精度の厚さ
にすることができる。共析メッキにより得られた処理表
面は300℃以上で約1時間以上熱処理すると硬度が増
し、耐久性をさらに向上することができる。
【0040】しかし、メッキ法により撥インク性表面7
を形成させる場合、ノズルプレート2の裏面にも同様の
処理が施されてしまう。裏面が撥インク性表面7になる
ことはインク液室形成時の接合不良を起こしたり、イン
ク滴吐出の際にインク液室内に気泡を引き込みやすくな
るなどの不具合が生じる。そこで、裏面にはレジスト材
9による全面マスクを施す必要がある。
【0041】実施例8(請求項8に対応) また、高いワイピング耐久性をもち、より低コストで得
られる撥インク性表面7は、フッ素系高分子の微粒子を
分散させた有機樹脂層をスプレーによりコーティングす
るという方法で形成される。このときのフッ素系高分子
としてはポリテトラフルオロエチレンを用い、その粒子
径は10μm以下が好ましい。それ以上に大きい粒径の
ものは、ノズル3の表面不均一性が増し、インク滴形成
を不安定にする。
【0042】工程(e) 撥インク層を形成した後に、レジスト材9,レジストパ
ターン8を剥離し、図2に示すようなノズルプレート2
が完成する。その後、ノズルプレート2をインク液室1
を形成しているインクジェットヘッド本体と接合し、図
1に示すようなインクジェットヘッドとなる。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、以下の効果がある。 (1)請求項1に対応する効果:オリフィスを形成する
ノズルの近傍周辺部を親インク性表面にし、その親イン
ク性表面の外側を撥インク表面とすることにより、近接
ノズルの相互干渉をなくし、紙面を汚す可能性を低減
し、さらにワイピングに対する耐久性を確保したインク
ジェットヘッドを提供することができる。 (2)請求項2に対応する効果:オリフィスを形成する
ノズルの近傍周辺部は親インク性表面を持ち、その親イ
ンク性表面の外側を撥インク表面にし、その親インク性
表面と撥インク性表面に段差を設けることにより、近接
ノズルの相互干渉をなくし、紙面を汚す可能性を低減
し、更に、ワイピングに対する耐久性向上させたインク
ジェットヘッドを提供することができる。 (3)請求項3に対応する効果:オリフィスを形成する
ノズルの近傍周辺部は親インク性表面を持ち、その親イ
ンク性表面の外側を撥インク表面にし、その親インク性
表面は隣接した親インク性表面と接合または接していな
いことにより、特に近接ノズルの相互干渉を低減させた
インクジェットヘッドを提供することができる。 (4)請求項4に対応する効果:オリフィスを形成する
ノズルの近傍周辺部は親インク性表面を持ち、その親イ
ンク性表面の外側を撥インク性表面にし、その親インク
性表面の外径をノズル径の2倍以上の大きさで形成する
ことにより、インク滴飛翔時の曲がりを防止したインク
ジェットヘッドを提供することができる。 (5)請求項5に対応する効果:前記親インク性表面を
物理的もしくは化学的に粗面化して形成することによ
り、長期的に安定した親インク性表面を持つことが可能
となり、信頼性の高いインク滴吐出をするインクジェッ
トヘッドを提供することができる。 (6)請求項6に対応する効果:前記撥インク性表面を
ニッケル,リンとフッ素系高分子を主成分とした共析メ
ッキにより形成することにより、高い撥インク性を有
し、更に、ワイピング耐久性に優れたインクジェットヘ
ッドを提供することができる。 (7)請求項7に対応する効果:前記撥インク性表面を
ニッケル,リンとフッ素系高分子を主成分とした無電解
共析メッキにより形成することにより、高い撥インク性
で厚さ精度の優れた撥インク層を有し、更に、ワイピン
グ耐久性に優れたインクジェットヘッドを提供すること
ができる。 (8)請求項8に対応する効果:前記撥インク性表面を
10μm以下の粒子径のポリテトラフルオロエチレン微
粒子を分散させた塗装にて形成することにより、低コス
トでワイピング耐久性の優れたインクジェットヘッドを
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるノズルプレートが搭載されるイ
ンクジェットヘッドの一例の構造を説明するための斜視
図である。
【図2】 実施例1によるノズルプレートの一例を説明
するための斜視図である。
【図3】 実施例2を説明するためのノズルプレートの
断面図である。
【図4】 図2,図3に示したノズルプレートを作成す
る工程の一例を示す図である。
【図5】 レジスト材位置ずれによる不良のノズルプレ
ートの例である。
【符号の説明】
1…インク液室、2…ノズルプレート、3…ノズル、4
…PZT(圧力発生部材)、5…基板、6…親インク性
表面、7…撥インク性表面、8…レジストパターン。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルからインク滴を吐出して記録を行
    うインクジェットヘッドにおいて、前記ノズルの近傍周
    辺部を親インク性表面とし、該親インク性表面の外側を
    撥インク性表面としたことを特徴とするインクジェット
    ヘッド。
  2. 【請求項2】 ノズルからインク滴を吐出して記録を行
    うインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル近傍周辺
    部を親インク性表面、該親インク性表面の外側を撥イン
    ク性表面とし、前記親インク性表面と前記撥インク性表
    面とに段差を設けたことを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 ノズルからインク滴を吐出して記録を行
    うインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル近傍周辺
    部を親インク性表面、該親インク性表面の外側を撥イン
    ク性表面とし、隣接ノズルの前記親インク性表面部分が
    結合または接しないことを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 ノズルからインク滴を吐出して記録を行
    うインクジェットヘッドにおいて、前記ノズル近傍周辺
    部を親インク性表面、該親インク性表面の外側を撥イン
    ク性表面とし、前記親インク性表面の外径を前記ノズル
    径の2倍以上としたことを特徴とするインクジェットヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 記録を行うために使用されるインクを水
    系インクとし、前記親インク性表面を物理的または化学
    的に形成された粗面としたことを特徴とする請求項1乃
    至4項の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 記録を行うために使用されるインクを水
    系インクとし、前記撥インク性表面をニッケルとフッ素
    系高分子を主成分とした共析メッキにより形成したこと
    を特徴とする請求項1乃至4項の何れかに記載のインク
    ジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 記録を行うために使用されるインクを水
    系インクとし、前記撥インク性表面をニッケル,リンお
    よびフッ素系高分子を主成分とした無電解共析メッキに
    より形成したことを特徴とする請求項1乃至4項の何れ
    かに記載のインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 記録を行うために使用されるインクを水
    系インクとし、前記撥インク性表面を10μm以下の粒
    子径からなるポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散
    した塗装により形成したことを特徴とする請求項1乃至
    4項の何れかに記載のインクジェットヘッド。
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