JPS6220008B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は合成樹脂による模様入り成形品を１
つの金型によつて射出成形する方法に関するもの
である。

合成樹脂成形品の一部に文字などの模様を射出
成形により施すには、型面が異なる２つの固定金
型を用い、一方の固定金型にて成形した一次成形
品をキヤビテイと共に他方の固定金型に移行し、
二次成形を行つて完成品となす二色成形法が利用
される。

この従来法の欠点は２個の固定金型を必要とす
ることから金型のコストが高くなることと、キヤ
ビテイを一方の固定金型から他方の固定金型に移
行せしめる手段が必要となり、大型の成形品では
装置が高価なものとなることである。しかも生産
数量の少ないものには不適当で、同一種類で色が
わりの成形品を多量生産するとき以外にはコスト
の面から採用され難い問題を有する。

また特開昭52−12267号公報や特開昭50−
149751号公報に記載されているように、同一金型
内にて２色成形を行うことができるものもある
が、この場合には、金型内にてコアを進退移動さ
せていることから、スライドユニツトを必要とす
る。

このため可動金型内にスライドユニツトを設け
なければならず、金型構造が複雑となつて金型コ
ストが嵩むばかりか、二次成形用の空間部を形成
するコアがスライドユニツトに連結されているた
めに、コアによる模様付けも成形品の表面となる
固定金型の型面側となり、特別な工夫をなさない
限り成形品の表面に一連の模様を成形することが
困難であつた。

このようなことから、従来の２色成形法は、生
産量がきわめて少数の模様入り成形品の成形には
適さず、限定数量の合成樹脂マツトや人工芝など
の敷物に一連の模様を入れる場合には、工程が複
雑で無駄な断片が生じても、打抜きと模様の嵌込
みによる方法を採用している。

この発明は上記従来の問題点を解決するために
考えられたものであつて、その目的とするところ
は、同一金型内にて本体と一連の模様の成形を一
次と二次とに別けて行うものでありながら、金型
内に二次成形用の空間部を形成する中子の出入装
置を不要とし、成形品の模様に応じて中子の交換
もきわめて容易に行うことができ、生産数量の多
少にかかわらず、低コストにて成形品の表側に２
色成形により一連の模様を入れることができる方
法を提供するものである。

上記目的によるこの発明は、一次成形用注入路
と二次成形用注入路とを有する固定金型と、キヤ
ビテイのみを有する可動金型とからなる射出金型
を用い、型開き時に上記二次成形用注入路のゲー
トを、固定金型の型面に嵌着した一連の模様型を
有する中子により閉塞し、上記中子を型閉じによ
りキヤビテイにインサートするとともに、模様型
を可動金型の型面に当接し、上記一次成形用注入
路からキヤビテイに合成樹脂を充填して本体を一
次成形し、成形後に一旦型開きして中子を金型外
に取出し、再度型閉じを行つて中子により生じた
空間部に、上記二次成形用注入路から他の合成樹
脂を充填して模様を二次成形してなる。

更にこの発明を実施例により詳細に説明する。

第１図から第３図は合成樹脂製で６つの文字に
よる一連の模様を入れたマツトを示すもので、本
体１とその中央に表われた文字２は、第３図にて
分解して示すように、後記する１つの射出金型内
にて別々に射出成形され、かつ一体化されたもの
である。

上記マツトは第４図以下に示す射出金型３を用
いて成形される。該射出金型３は、キヤビテイ４
のみを有する簡単な可動金型５と、一次成形注入
路６及び二次成形注入路７とを異なつた位置に有
する固定金型８とからなる。

上記マツトの成形は、まず型開き時に、上記二
次成形用注入口７のゲートを、固定金型８の型面
に中子９を嵌着して閉塞する。

この中子９はNISSEIなる文字による一連の模
様型を有し、その模様型をマツトの表面側を成形
する可動金型８の型面に向けて上記固定金型８に
嵌着してある。また模様型は模様型が単一のとき
にはゲート位置やインサートにおいて特に問題と
なることはないが、複数のものを並列させて一連
の模様とするような場合、たとえば第３図に示す
ように本体裏面にて各文字２を一連に接続するに
は、１つのゲートから本体１内に生じた空間部１
２に溶融樹脂の通路を形成するような基板９に模
様型を形成する。これによれば、複雑な模様であ
つても各部を確実に成形でき、かつまた中子９ａ
の嵌着に手間を要さない。

この中子９により二次成形用注入路７のゲート
を閉塞したら、型閉じを行つて中子９をキヤビテ
イ４にインサートし、模様型を可動金型８の型面
に当接する（第４図）。

次に上記可動金型５と固定金型８とを型締した
のち、一次成形注入路６からキヤビテイ４に溶融
樹脂１０を射出充填して本体１を一次成形する
（第５図）。

一次成形が完了したならば、可動金型５を移動
して一旦型開きを行い、中子９を金型の外に取出
す（第６図）。

しかるのち、本体１をそのままにして、再度型
閉じを行うと、本体の上記中子９の後に、固定金
型側に連通した空間部１２が生じ、その空間部１
２に上記二次成形用注入路７のゲートが臨む（第
７図）。

そこで型締後に、二次成形用注入路７から空間
部１２に色の異なつた溶融樹脂１１を射出充填す
ると、上記文字２が本体１の内に一連の模様とし
て成形される（第８図）。

上記のようにして二次成形が完了したならば、
図は省略したが型開きを行つて成形品を離型し、
再度上記中子９を金型内に入れて次の成形を行
う。

上記射出金型３では固定金型８の型板８ａと固
定板８ｂとのパーテング面８ｃを利用して、一次
成形用注入路６と二次成形用注入路７とを同一平
面に形成し、２基の射出装置のノズルタツチ位置
を固定板８ｂの同一面に定めているが、ノズルタ
ツチ位置の一方は第９図に示すようにパーテング
ライン上でもよい。

さらにまた第１０図のように型板８ａと固定板
８ｂとの間にランナープレート８ｄを設け、型板
８ａとのパーテング面８ｅに二次成形用注入路７
を、また固定板８ｂとのパーテング面８ｆに一次
成形用注入路６を設けてもよく、この場合には同
一平面とはならないが、上記の場合も含めて複数
の注入路及びゲート位置を本体１の形状や状態及
び模様に応じて自由に設定することができる。

上記中子９は一次成形された本体１に二次成形
用の空間部１２を形成するばかりか、第１１図に
示すようにキヤビテイ４に刻設した型面１３に一
次成形の溶融樹脂１０が流入するのを防止する部
材ともなるもので、中子９を取外したのちにその
型面１３にまで、第１２図に示すごとく二次成形
を行つて表面に凹凸がある模様たとえば人面１４
などをも射出成形することができる。

この発明は上述のように、１つの射出金型と中
子の出入とによつて一連の模様入り成形品を射出
成形することから、限定数量のマツトや板状の成
形品の模様入れに最適であり、中子を換えること
によつて、模様だけが異なる同一成形品を、生産
数量の多少にかかわらず低コストにて成形するこ
とができる。しかも中子による模様成形部分は本
体成形時に成形品の表面となる可動金型の型面側
に形成されるので、模様付けに制限を受けず、そ
の応用範囲は広い。さらにまた２個の固定金型を
不要とし、金型内に中子の出入装置を設ける必要
もないことから、金型は勿論のこと装置全体の価
格も低減し、金型の製作及び据えつけにも高度な
技術を要しないなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明に係る射出成形方法及び金型と
を例示するものであつて、第１図は文字による一
連の模様入りマツトの正面図、第２図は横断面
図、第３図は模様を分離した状態における横断面
図、第４図から第８図は工程を順に説明する金型
の縦断面図、第９図及び第１０図は他の実施例か
らなる金型の縦断面図、第１１図及び第１２図は
表面に凹凸を有する模様の成形を説明する金型の
縦断面図である。 １……本体、２……文字、３……射出金型、４
……キヤビテイ、５……可動金型、６……一次成
形注入路、７……二次成形注入路、８……固定金
型、９……中子、９ａ……基板、１２……空間
部、１３……型面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一次成形用注入路と二次成形用注入路とを有
   する固定金型と、キヤビテイのみを有する可動金
   型とからなる射出金型を用い、型開き時に上記二
   次成形用注入路のゲートを、固定金型の型面に嵌
   着した一連の模様型を有する中子により閉塞し、
   上記中子を型閉じによりキヤビテイにインサート
   するとともに、模様型を可動金型の型面に当接
   し、上記一次成形用注入路からキヤビテイに合成
   樹脂を充填して本体を一次成形し、成形後に一旦
   型開きして中子を金型外に取出し、再度型閉じを
   行つて中子により生じた空間部に、上記二次成形
   用注入路から他の合成樹脂を充填して模様を二次
   成形することを特徴とする模様入り成形品の射出
   成形方法。